土曜日のあれこれ。

2019年9月14日(土曜日)

日中よく晴れた土曜日、普段静かな樹下美術館を賑やかにして頂いた。

曲折はあるが秋らしくなってきている。刈り入れの最中、周囲の水田が色濃く豊かに実っている。
ところで、農家の患者さんに“田の稲穂は良く実っていて今年は豊作ではないですか”と尋ねたところ、“先生が見ている田んぼのヘリは、特に良く実る場所なんです”と意外な事を仰った。
その訳は、田のふちは風通しが良く、日光が沢山当たり、しかもゆらゆら揺れるのも稲には良い、という事。なるほど、そこを見ているだけではまだ何とも言えない、という一種眼からウロコの話でした。

 

確かに特にフチに沿ってたわわな実りが続いている。

午後二つの格好良いバイクが美術館の駐車場に止まっていた。

 

 

磨き抜かれたハーレーとヤマハ。
新潟市から上越市へツーリングという爽やかなカップルさんの車でした。
遠くから有り難うございました。

 

本日午後やや遅く、ひとときカフェは賑やかでした。

午後にSPレコードご持参のお客様が見えた。
今日は皆バッハ、という中から歌曲「コーヒーカンタータ」が掛けられた。ヨーロッパにコーヒーが入った頃の曲だという。コーヒー好きの娘を、それを嫌う父が、結婚話まで持ち出して何とか止めさせようとする親子のやり取りが内容。
バッハとコーヒーとは意外だが一見いかめしい印象の作曲家に親しみを覚えた。曲まで作るのだから、バッハにとって新しい飲み物への関心は相当に強かったのであろう。そもそも当時の先端芸術家であれば、それもまた頷ける。
11月9日(土)「蓄音機によるSPレコード鑑賞会」には是非もう一度このレコードを解説付きで聴いてみたい。

 

 

 

メニューインとエネスコによるバッハは「二つのヴァイオリン協奏曲」が鳴った。
格調高くテンポ良く始まる第1楽章をリクエストして二回掛けて貰った。

おまけその1:一昨日、庭で以下の写真を撮りました。クリスマスローズの下の土が葉の形通りに盛り上がっていたのです。中心部まで盛り上がっているところを見ると、葉の下の土が雨を免れ、結果として盛り上がたようですが、実際どんな作用が起きたのか分かりませんでした。こんなのを見るのは初めてです。雨が葉っぱを使って彫った彫刻?

 

おまけその2:本日ゴルフの渋野選手は更に遅れてしまった。行き場の無いストレスが運動機能をも狂わせるいるのでしょうか。せめて最終日の明日は能力の一端を見せてもらえれば嬉しい。それにしてもダントツに躍り出た畑岡奈沙の凄さは驚くばかりであり、彼女は渋野選手の最良の手本になるのではなかろうか。

色々と書いてしまいました。

崩れた渋野選手 少女のストリートヴァイオリン。

2019年9月13日(金曜日)

日本女子プロゴルフ選手権四日間競技の2日目、昨日11位だった渋野選手がスコアを崩し44位に後退した。
無理も無い。プロテスト合格初年度の20才の選手が、騒ぎに騒がれ、もみくちゃになり、あらゆる衆目にさらされれば、自己コントロールしているつもりでも、安定した精神を保つのは大変であろう。。
昨日のプレー後、月が昇り辺りが暗くなるまでコーチと一人パッティングの練習をしている写真があった。休むだけで、もう練習などしなくてもいいのではないのか、自失しているようで痛々しかった。

よしんばワッと大泣きしてわだかまりを吐き出し、両親と寿司でも食べることが必要なように思われる。
まだトップとの差は7打。優勝できなくとも10位以内に入れば、上出来。明日、明後日の決勝ラウンドに期待したい。

わだかまりを捨てる、、、。
余り関係ないかも知れませんが、以下はYouTubeに載っていたカリフォルニア州はサンタモニカにおけるカロリーナ・プロツェンコちゃんのストリートパフォーマンスです。
こどもたちが彼女のヴァイオリンに踊り出し、大人が目頭をぬぐい、犬が感傷的に反応する様子はとても微笑ましい。

 


かって世界で流行った「ランバダ」。

 


懐かしい「虹の彼方に」。彼女のスロー曲で目頭をぬぐう人が見られる。
最後にワンちゃんが映るが、どう見ても反応しているようで、可愛い。

ウクライナから一家で渡米し、今夏彼女は10才だという。両親がサイドプレーヤーとして彼女の音楽を支えているらしい。

倉石隆の秋は「細長い絵 展」です 細長い絵はお洒落? 渋野選手の偉業。

2019年9月12日(木曜日)

3月15日から始まった樹下美術館は一昨日9月10日までの半年間、上越市立小林古径記念美術館から倉石隆氏の絵画をお借りして展示した。
令和2年秋新装開館を目指している同記念美術館は多くの作品を収蔵している。その中から半年に亘り、「粉雪が舞う」「地平」「さとうひさこの像」などの大型作品を二か月ずつ計8点の展示だった。
他館からの借り受け展示、それも公立施設から、しかも4回にわたる搬入搬出作業。いずれも未経験のことで冷や汗を掻き神経を使った。一回に2~3点の展示と点数は少なかったが、樹下美術館の小さな壁面の中央を堂々と飾って頂き、迫力をもって大きな美的空間をこしらえて頂いた。

“私どものような個人の小施設に対し公立が協力しくださったことは、地域の文化向上にとって大変意義深い事だったと振り返っています。館長様はじめスタッフの皆様の熱意とご尽力に心より感謝申し上げます。今後なにがしか私どもの協力が必要な場合には是非申して頂ければ有り難い、と思っています”

さて今年の残りの期間まで倉石隆の絵画は「細長い絵 展」と題して以下ように作品を展示しています。

 

 

油彩左から「悲しみの像」「晩夏(向日葵)」「黄昏のピエロ」「イヴ」。
ほかに油彩は「ネグリジェ」が掛かっています。

 

晩夏(向日葵)
主に人物を描いた倉石氏が描いた向日葵(ひまわり)。
葉と茎は消えんばかりに枯れ衰えていますが、実は輝くように濃く描かれています。
深い黄色の明暗をもって最後の向日葵を温かく美しく描こうとしています。
一昨年、ある愛好家の許を経て当館にやってきた作品で、大変気に入っています。
この度初お目見えしましたので、どうかご覧ください。

中央に油彩が5点、その左右に細長い版画「胴衣の女」と「茶会」を掛けました。
油彩のサイズは「悲しみの像」が最も細くタテ73センチ、ヨコが26㎝、他はタテ約73センチ、ヨコ約35センチです。

人物画を想定した一般的規格のF(フィギュア)サイズは、20号では72,7×60,6センチですので、この度の倉石作品は随分細いことになります。

人物を細く描いた倉石氏は、直立したほぼ全身像の場合、特に長いキャンバスを用いていたことが窺われます。こうしてみると「向日葵」から人物画のような印象が伝わるのも納得できるような気がします。
またこのたび気がついたのですが、人物の立像をこのサイズで描くと、不思議なことにお洒落に見えるように感じられるのです。内省的でやや深刻な人物画を描いた倉石氏ですが、額(キャンバス)を工夫することによってお洒落に見えるよう試みたのかもしれません。今回細長い作品を集めて並べましたら、室内全体にどこ上品な囲気が漂っているように思われました。

絵画はわずか8点ですが、どうかお楽しみください。

陶芸室は夏の特別展「陶齋親子展」が終了し、開館時の「陶齋の辰砂」展に戻しました。
好評の辰砂です、どうかご覧ください。

 

おまけ:本日、ゴルフの全日本女子プロ選手権大会であるコニカミノルタ杯の四日間競技の初日で、渋野日向子が5バーディ、3ボギーの「70」でプレーした。6月の「ニチレイレディス」初日から続く、国内大会での連続オーバーパーなしのラウンドを「29」と伸ばし、ツアー最長の驚異的な記録を樹立。大会前までアン・ソンジュ(韓国)が2013年に記録した「28」で並んでいたのを抜き、偉業を達成した。
この選手は国内女子の運動選手の中でも卓越した人の一人ではないか、と感じられる。競技に必要な最大の力を生む体動バランスとそれをもたらす筋力を獲得した希な人かもしれない。また素早い判断とプレーが可能な頭脳、および言動から伝わる気持ちが良いほど率直なメンタルも貴重な要因ではないかと思われる。私の好みからいうとプレーンな服装も好ましく見える。

 

素晴らしい雲のもと、パートナ-、ギャラリーとともに16Hのグリーンへ向かう渋野選手。
時折咳をするのが気になる(12日のYouTube動画から)。

新潟県出身で21才今季好調の高橋彩華選手が元世界ランキング1位で米ツアー通算19勝の朴仁妃(韓国)と並び初日首位に躍り出て、全く頼もしい。順当につけた渋野選手はじめ上位にいる畑岡奈沙選手など強豪が揃った残り三日は、凄い大会になりそうだ。

クロアゲハとキンカンの木。

2019年9月10日(火曜日)

診療所の庭に一本のキンカンがある。
4,5年前にアゲハ蝶に産卵してもらうために植えたものの、食欲旺盛な幼虫に食べられてなかなか大きくなれない。
今年は樹勢がかなり回復してちゃんとした葉が茂っている。

そこへ10日ほど前にクロアゲハが来て、寄っては離れ、止まっては飛び立つことを繰り返した。

 

クロアゲハ、カラスアゲハ、そして過日のモンキアゲハなど黒色の蝶、特にそのメスは豪華な印象がある。
(2枚とも8月29日撮影)

 

ところで以下は昨年夏~秋に見られたキンカンとクロアゲハおよびその幼虫の様子。

 

木の回りを飛び葉の裏に、距離を置いて一個ずつ卵を産み付けていた(7月31日)。

 

 

2匹の幼虫が見える(8月17日)。
卵から孵った幼虫は4回脱皮を繰り返して大きくなる。
見えているのは2あるいは3回目の脱皮を終えたものらしい。
この時期の幼虫は白色の部分を有し、鳥の糞に似せる一種の
擬態効果を有していると言われる。

 

幼虫の最後の段階である5齢幼虫。ここで初めて青くなる(8月24日)らしい。
眼のように見える黒い部分は眼状紋とよばれ眼ではない。
眼がある頭部は先端のトンガリの下にあり、写真では見えていない。

このあと、木を下り近隣の枝でサナギになるという。後に辺りを見たが、サナギらしいものを見つけられなかった。

 

10月5日に見られた5齢幼虫。とても可愛い。
前の写真から40日ほど間隔があり、
この間に再度産卵された別の幼虫ではないかと考えられる。
ほかに同じ幼虫が7,8匹はいました。

この先、ポニョポニョした青い幼虫からサナギを経て、ハラリとした豪華なアゲハが生まれるとは、驚くべきことだ。

 幼虫に食されたキンカン(昨年10月5日)。この先さらに裸同然にまで食べられた。

よくしたもので、1年経て木は大して伸びないものの、葉は回復している。
果実のチョウは産卵していなかった。産卵の下調べでもしているのだろうか。

チョウの幼虫は食べる植物が決まっているため、産卵はそれに合った草木に限られる。万一間違った場合、幼虫は餌を失うことになり生きられない。そのために正確に草木を見つけなければならない。
そこで幼虫の食性に適した草木を選ぶのに、脚先で葉を触って味見をして判断するという。脚で味わうなど我々と余りに次元が異なり、にわかに信じられないが本当らしい。

この先キンカンにはどんな出来事があるのだろうか。

柿崎区は猿毛(さるげ)の庚申塔。

2019年9月7日(土曜日)

上越市髙田で34,7℃を記録して暑かった本日土曜日。秋のせいか、気のせいか8月の似たような日よりやや涼しく感じた。
不思議なことに影が長くなってくるとどこかへ出かけたくなる。午後やや遅く柿崎区は猿毛(さるげ)へ庚申塔の探索に行った。目指す石塔はネットで見ていたもので、はっきりと猿が彫り出された立派なものだった。見当たらない場合を考え、人に尋ねるべく写真をプリントして行った。

一通り猿毛から城野越(じょうのこし)まで走って回ったが見あたらなかった。猿毛に戻りコンバインを手入れしていた青年に写真を見てもらうと、先の二股を城野越へ上らず、下の道を水野の方に行くとありますよ、ということだった。

道は容易で、遠くはない所にあこがれの石塔があった。

 

道路より4,5メートルほど高い所に三つの石像がある。
真ん中が目的の庚申塔。

 

形の良い石にバランスよく各部が彫り出されている。

 

最上部左右に日月の文様。向かって左が月でしょう。

 

怒髪の青面金剛が丁寧に彫られている。定番どおり六臂のうち上方の右手に宝剣、左手に法輪が見られる。

 

足許に三猿が別々に配置されている。
丸みに影が付くほど良く彫られ、一般のよりも仕草の表情がよく分かる。
金剛の法衣の裾にも表情。

 

中段の左手で合掌するショケラの髪を掴んでいる。
右手は何を持っているのだろう。
これまで見たショケラの中では最も明瞭に彫られていた。
※ショケラ:半裸の女人といわれ、諸説あるようだが意味はよく分からない。

 

向かって左の石像の右上に日輪、左側に弓のようなもの、右手が剣を掴んでいるように見え、顔もいかつそうだったため、これも庚申塔ではないかと思った。中央の石塔とは風化の程度が全く異なり、両者にかなりの時代差を感じた。

もう一度全体を眺めてみると、やはり立派だ。

 

左に張った格好良い石は原石そのままなのか、削ってこしらえたものか。中央に向かって全体を深く削り、本尊と三猿を浮き出させるなど手がこんでいる。周囲の雲のような起伏のあしらいも上品で、沢山見ているわけではないが、近隣の中では出色の塔ではないかと思った。こんなに見応えのある石塔を彫った石工(いしく)とは何時の時代の何処の人だろう。依頼した猿毛の住民ともども立派なことだ。
石の種類は今後の課題。ブラタモリで見るタモリは誠に詳しい。

 

周囲は田畑で、お年寄りがネギの畝を整えていた。
石像背後の大杉が枯れてしまったことを残念そうに何度も口にされた。

 

合掌する石仏。頭部の様子から馬頭観音かもしれない。
庚申塔の青面金剛と異なり柔和な表情だった。

 

猿毛集落の様子。
一年に6度、かって庚申の夜に行われていた「庚申さま」の集い。
それを3年続けたら村人は石塔を建てて供養した。
いつまで続いたものか、せせらぎの音がする村落には今も素朴さが漂う。

 

猿毛からさらに上がる城野越。
路傍で見つけた一輪のタカサゴユリはかって民家から種が飛んだものか。

良い午後だった。

今夕の夕焼け 齋藤尚明氏のひねり鎬(しのぎ)文茶碗 孝厳寺の花頭窓と菱窓。

2019年9月5日(木曜日)

何日も雨模様の日がつづき、昨夜などは寒くて閉口した。
それが本日はほぼ晴れとなり、暑さが戻り、高い空に賑やかなすじ雲が見られた。
夕刻は東の米山から西は権現岳まで空一杯に茜が拡がった。

 

頸城野に四方立つ茜の雲見れば旅の空かと思う夕暮れ

一昨日好評のうちに陶齋親子展が終了し、本日午後齋藤尚明氏を訪ねお借りした鎬(しのぎ)の大壺をお返しした。その折、展示室で見た鎬をひねった抹茶茶碗に眼が止まり、それを求めた。
鎬(しのぎ):器の側面に溝状にほどこした文様。面取りは平板だが鎬は凹みを有している。ちなみに“鎬を削る”のしのぎは刀の上部に横に彫られている溝の部分を指し、ここを削るほど激しくやり合う意味になるという(尚明氏)。

 

胴や口の造形と高い高台の面白みが眼を引く。
深く削ぐため厚みが必要で少々重くなっている。
彫りを浅く全体を薄く軽く、一回り大きくすれば数段良くなりそう。

これを原型に、鎬を増減させたり、全体に辰砂や呉須を掛け凹凸を強調したり、高台にバリエーションを加えればさらに色々楽しめそうだ。

 

尚明氏宅への道中、寺町1丁目の孝巌寺を覗いたら何本もサルスベリが咲いていて美しかった。

 

以下の写真は今年6月の同寺です。窓に惹かれて撮りました。

左右の花頭窓には飾りの桟(さん)があしらわれ変化が面白い。
正面上の堂々とした菱窓も鮮やかで格調が感じられる。

秋の催し。

2019年9月3日(火曜日)

今年前半の催事「倉石隆特別展」が9月10日で終了、一週間延長した「陶齋親子展」が本日終了致します。
その後、今秋は例年になく催しが続きますため、順を追ってまとめてみました。

 

9月28日、午後3時からは、下美術館の設計者である建築家・大橋秀三氏の講演会です。当日に向けて最近2回氏とお会いしました。講演会と聞くと堅いイメージですが、「お話を聴く会」で良いと思っています。
新宿のデパート勤務から始まり今日に到る幾つかの運命的なターニングポイント。氏が設計で意識する要点。樹下美術館設計のあれこれetc。自然体の才人大橋秀三氏のお話に興味は尽きません。
入場無料、参加ご希望の方は、予め樹下美術館へ電話025-530-4155でお申し込みください。

 

10月5日(土)午後3時半から開演ジプシー・スウィングのジャズコンサート
演奏は「じゃんごっこ」で、このジャンルを生で聴いたのは2010年10月の世界館における演奏会が初めてでした。ドラムが無く、ギター2、ヴァイオリンとウッドベースによる弦楽器だけのスウィングジャズは音にまとまりがあり、温かく心地良いのです。秋の午後、情緒とエキゾチズムがスウィングするひとときを樹下美術館でお楽しみください。
入場料大人2000円。予め樹下美術館へ電話025-530-4155でお申し込みください。

 

10月26日(土)は大潟区コミュニティプラザで午後2時開演「魂の響き」コンサートです。主催大潟音楽協会OB会で、樹下美術館が共催しています。上越市吉川区ご出身でチェコ在住のピアニスト市村幸恵さんとチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の第1ヴァイオリニスト、ヴィクトル・マザーチェク氏によるデュオ演奏会です。チェコゆかりのドヴォジャークやスメタナ、さらにモーツアルトなどがどのようなアンサンブルで演奏されるか、とても楽しみです。
共催の当館で前売り大人お一人2000円の切符をご用意していますので、ご希望の方は窓口でお申し付けください(当日の入場料は2500円です)。

 

11月9火(土曜)午後3時から開演「蓄音機を聴く会」。このたびは歌を中心にお掛けする予定です。ヨーロッパの歌曲、シャンソン、日本の童謡なども聴きたいと思っています。秋更ける午後のひとときを、電気を使わない再生音をお楽しみください。
入場無料ですが、開場準備のため樹下美術館へ電話025-530-4155でお申し込みください。今秋行われる新潟県文化祭の催しの一つになっています。

2019上半期のお声 最近のノートの絵。

2019年9月1日(日曜日)

時には暑さの戻りはあるかもしれませんが、随分涼しくなりました。

さて樹下美術館では館内に5冊のノートを置かせて頂き皆様から様々な思いをお書き頂いています。このたび3月~7月の前半期分コメントを樹下美術館ホームページの「お声」の欄にまとめて掲載させて頂きました。

癒やされたり、和んだり、元気になったり、また来ようと思ったり、誰かを誘おうと思ったり、などなど感想を拝見し、この先また頑張ろうという新たな気持ちにさせて頂きました。
中には以下のように樹下美術館が人生のメモリアルとなっている方や、中学時代の訪問を懐かしむお声も垣間見られ、館主として喜んでいる次第です。

“このカフェでプロポーズされました。今日は3回目の結婚記念日です。久しぶりに二人で訪ねて非日常のゆったりとしたぜいたくな時間を過ごせました”

“中学生の時に母に連れられてきて以来訪れました。倉石隆さんが自由美術家協会に属し、様々な人と交流のある事を知り、地元にこんな人がいたのかと驚きました。また来たいです”

また以下のように当館についてとても適切なコメントも見られ、有り難く思っています。

“初めて樹下美術館を訪問しました。作品数の点では、そんなに多くはないと思います。しかし、限られた作品が厳選されたもので、非常に見やすかったです。美術館は時間をかけ、じっくり見るものですが、こちらの美術館は気軽に訪問し、何度も足を運びたいと思うものでした”

このほか丸テーブルのノートには以下のように楽しい絵が追加されていました。どうかご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

お書き頂いたコメントや絵から、皆様の心身が解放され、和んだり、心がはずむ様子が垣間見られます。これらは館長としましてとても嬉しいことでした。

恐らくノートなどに無いご不快なことなともあったやに違いありません。そのようなことも思いながら、心配りを良くして毎日を励みたいと思います。
ノートのコメントと絵。本当に有り難うございました。
「また沢山お書きください」。

市村幸恵さんの演奏会、チェコフィル第一ヴァイオリン奏者マザーチェク氏との共演。

2019年8月30日(金曜日)

過日、チェコで在住のピアニスト市村幸恵さんが来館されました。
幼少から藤縄契子、佐藤良子に師事。直江津高等学校、武蔵野音楽大学を卒業、1995年新潟県音楽コンクールで県知事賞、1997年国際芸術連盟新人オーディションに合格、翌年プラハ音楽院に留学され、「プラハの春音楽祭」出演はじめチェコを中心にヨーロッパで活躍されています。

かって柿崎区は上下浜の佐藤宅で行われたプラハ留学直前の壮行演奏会で、はじめてお会いした市村さん。当日の入魂の演奏はとても懐かしい。留学後チェコに住まわれ、世界的なチェリスト、ペトル・ノウゾフスキー氏と来日を果たされるなど活躍されています。
この度の来日ではチェコフィルの第一ヴァイオリン奏者ヴィクトル・マザーチェク氏との共演が実現いたしました。
以下は上越市大潟区におけるコンサートのお知らせです。

 

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どうか大きくしてご覧下さい。
日時:10月26日(土)14時開演
上越市大潟区コミュニティプラザ

前売り2000円、当日2500円
主催:大潟音楽協会OB会 共催:樹下美術館
チケット取り扱い:上越文化会館、樹下美術館、髙田文化協会、クッカ、大潟ショッピングセンターまえかわ、多霞子美容室、長谷川呉服店ほかです。

充実のプログラム

過日のご来館で、市村さんから楽しい話を沢山お聴きました。印象的だったこのは、“チェコ人は独奏はもちろんだが、アンサンブルが特に好きで、演奏家たちはそれを大切にしている”と話されました。
当日、市村さんの柔軟かつスケールの大きな演奏が期待されますし、マザーチェク氏との音楽を通した会話などアンサンブルは大きな楽しみではないでしょうか。

プラハ行きに際して、チェコ文学、チェコ音楽の研究家で小生の義理の兄・故関根日出男氏の知遇を得られるなどいくばくかのご縁があり、このたび樹下美術館は共催をさせていただきました。
どうかお気軽にご参加ください。

なお10月22日(火)には上越市吉川区コミュニティプラザで18時30分開演で市村さんのソロによるミニコンサートが開催されます。

周辺の秋 弟と。

2019年8月27日(火曜日)

周辺の水田は色づき、辺りで秋が進んでいる。

 

2017大洞原で初めて見た鳥追いのカイトが近隣で盛んに活躍している。

 

大風11号以後、程よい雨に恵まれ、素人の私がみても豊作の予感。

 

樹下美術館の前庭にある3本のアオハダの実が色づいている。

 

赤く可憐な実だが、鳥が食べるのを見た事がない。

 

一昨日宮城県から豚飼いの弟が来た。家ご飯の所望があり妻が腕を振るった。

 

イチジクに生ハムが巻かれている。

 

弟の豚肉は絶品だが、あえて当夜は牛。

 

 

スタッフのご主人の菜園から届いた野菜。
茄子は小さい時期の収穫が流儀という。確かに美味しかった。

 

牧区のご飯にタラコの麹づけ。縁者が届けて下さる牧区のお米は大変美味しい。新米の時期を迎えても前年のお米はまだ香り高く膨らむ。水が良いのと、天日干しが効いているからと聞いたことがある。

 

若き日に韓国、スペイン、イタリアを訪ね、あるいは生活をしたわずか一才違いの弟。いつものように国と風土、風土と自然そして営み、さらに文化のことなどを話した。何故、何故を問うて生きてきた弟には体を大切にして貰いたい(話をしていると、どっちが兄だか分からなくなる瞬間がある、、、)。

鵜の浜温泉の色彩花火。

2019年8月26日(月曜日)

一昨日、鵜の浜祭を観に行き、その時の記事の最後に花火を載せました。もっと沢山撮ったはずだったが、少ししか無く、変だなと思っていました。
本日もう一つのカメラに沢山写っているのがわかりましたので、掲載します。

例年、八月末の土曜日に開催される鵜の浜温泉祭は花火で終わる。30分ほどと短時間だが、音楽と共に次々に上がる花火は色が美しい。しかも海辺で目の前に上がるので音も姿も迫力があって楽しめます。

砂浜の人魚像を手前にして写しましたが、ここは撮影ポイントの一つとみえ、大勢の人がカメラを手に陣取っていました。位置に少々不満はありましたが、なんとか雰囲気がでたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

例年ささやかな寄付をさせて頂いている温泉祭。来年もまた楽しい祭を観に行きたいと思っています。
沢山載せて申し分けありません。

陶齋親子展茶会の最終回 楽しい鵜の浜祭。

2019年8月24日(土曜日)

本日午前診療の土曜日、午後は忙しかった。
陶齋親子展にちなんで毎週土曜日に行った呈茶が、本日16名のお客様を迎えて無事終わった。大がかりなお知らせなどをしなかったにも関わらず60余名のご参加を頂き、無事に終えましたこと皆様に深く感謝しています、有り難うございました。.

 

待合はいつもの棟方志功作「米大舟(べいだいしゅう)」。
陶齋作「金彩秋草文陶箱」を添えた。

 

掛け物伝良寛「秋夜月を弄す」、花生陶齋作「緑釉草文花瓶」。

お手伝い下さった宗香先生社中のお二人。

この後、鵜の浜温泉祭に出かけた。

 

五時半には大潟町中学校のブラスバンドが演奏していた。
「赤いスイートピー」が始まるところだった。
落ち着いて良い演奏をした。

そして米大舟の踊り。

 

上越市大潟区の米大舟保存会の皆様がステージで歌い浜で踊る。
幼少から聞き慣れた哀愁の音頭は大好き。

かって棟方志功がこの踊りを見て感激し、前掲した板画を彫った。江戸時代後期、飢饉に襲われた当地へ北前船が支援米を届けた。宴で船乗り達が歌い踊ったものが、今日まで「米大舟」として当地に伝えられている。一昨年、北前船が伝えた文化の関連遺産として日本遺産に認定されている。

保存会の皆様が踊った「鵜の浜小唄」。

 

ゲストのタヒチアンダンスの皆さん。

 

大潟フラの会の皆さん。

 

上手かったポップスバンド「ハミング・ノート」の皆さん。
懐かしい田代みどりの「バイナップルプリンセス」などを歌った。

 

そして以下は熱演された大潟区は海音鼓(うみねこ)の皆さん。

 

 

 

 

 

 

 

海音鼓を聴く皆さん。
このあと花火に向けて海岸はさらにお客様で埋まっていく。

 

人魚の像の手前から花火を写した。
約30分、鮮やかな花火が頭上で盛大に弾けた。

スタッフとともに「都屋」さんの浜茶屋の世話になり、美味しいおでんやラーメンを食べた。海風は心地良く、楽しい地元の祭を堪能した。

雨降りのなか夏が過ぎゆく 午後のおしゃべりとレコード 素晴らしいアンドレア・モティス。

2019年8月22日(木曜日)

午後休診の木曜日。
常連さんお二人、秋のジャズ演奏会出演予定のお一人、任期を終えて帰京される方などを交え、午後1時~閉館の5時までおしゃべりをした。かつてこんなに長話をしたことがあっただろうかと思ったが、いつしか過ぎた。
途中、お一人が持参されたSPでブラームスの「ドイツレクイエム」と、エレナ・ゲルハルト(1883年~ 1961年)の「冬の旅」を蓄音機で聴いた。冬の旅は道しるべと辻音楽師の2曲、詳しくないが女性が「冬の旅」を歌うのを初めて聴き、麗しいと思った。

降り過ぎという人もいるが、7.8月中乾きに乾いた庭にとって文字通り恵みの雨になっている。
もう駄目、とあきらめかけていた何株何本もの草花が再び立ち上がり、本当に有り難い。

 

閉館して、庭の灯にモミジの落ち葉が貼り付いていた。
秋の知らせに貼られた切手?。モミジの下なので毎年このように葉が付く。

 

茎まで柔らかくなりばらりと倒れてしまったていたクリスマスローズが立ち上がっていた。
恵みの雨さまさま。

 

 

例年よりも沢山世話した芝生が茶枯れの部分を作りはじめていた。
雨のお陰で次第に青さが戻ってきた。
良い状態の時こそさらに良くしたい。
今夕雨がパラパラ残る中、秋向けに肥料を撒いた。

 

こじつけもありますが、行く夏を惜しみ、ガーシュインはポギーとベスの子守歌「Summertime」と、ジョージ・シアリングの「バードランドの子守歌」を載せてみました。
歌とトランペットはスペイン、カタルーニャ州出身で、同国で活躍するアンドレア・モティス(1996年生まれ)。歌うのは器楽を演奏することにとても良いと述べているが、確かにである。

 


これまで聴いた「サマータイム」の中でも秀逸。
後方のベースはモティスの先生で、バンドのリーダー、チャモロ氏。
“夏、暮らしは楽で 魚たちは跳ねている 綿は高値だし お前の父さんはお金持ちで 母さんは美人 だから坊や、泣かないで”と、貧しい主人公によって歌われる。

 


ニューヨークはジャズの聖地バードランド。かって訪ねた方がとても懐かしい場所と仰ったことがある。
テナーのスコット・ハミルトンは有名な人。ピアノの人は良く知らないが、どれを聴いても上手い。

年長の一流ミュージシャンに混じって一歩もひけを取らない(それどころかフューチャーされている)モティス。
何一つおもねること無く、可愛い、珍しいなどという範疇を超えるジャズ・スピリットと実力は、今どきまことに貴重。映像から彼女が如何に愛されているか伝わる。今春来日した事を知り驚いている次第。

 


もう1曲「ソリチュード」。
安定した音程、絶妙のリズム感。完全に自分のスタイルを確立しているアンドレア・モティス。
そして今でもこんなにボサノヴァを大切にしているスペインという国は、なんて大人で良い国なんだろう。

 

夏を惜しみ?夕食に出たテンプラひやむぎ。
色どり良く揚がっていました。

雨の庭 水溜まりの鳥。

2019年8月20日(火曜日)

日中ほぼ続いた雨は時に激しく降り、板倉区に土砂災害が予想され、地域的に避難が勧告された。
ニュースの気象解説で再び「梅雨前線」が活発になったと伝えられ、びっくりしたが、「秋雨前線」と言い直された。

美術館の玄関を横から眺めてみる。
雨に濡れたアプローチの鉄平石、庭石、樹木の幹などが黒々としてくっきり見える。
雨の爽やかな効果のひとつだ。

 

駐車場の隣に水溜まりができていた。
車を出そうとすると小鳥が来ていたのでしばし遊ぶのを眺めた。

 

ハクセキレイ

 

 

スズメと同じサイズの鳥が向こうにいる。色合いが薄く頭部が少し違う。
ホオジロのメスではないかと思った。

たっぷり降ったため水溜まりといえども澄んで、鳥たちは気持ち良さそうだった。

雨が続きそう 便利な机上の白紙メモ。

2019年8月19日(月曜日)

三日前の台風は雨を運び、庭は一息ついた。
だが畑をしている方達は口を揃えてこれでは足りない、と仰った。そうこうしているうち、本日午後からかなりしっかり降った。
向こう一週間の予報はほとんどの日に雨マークが付き、急に様子が変わった。これで焼けた庭の草木は助かり、長時間を要した撒水もしないで済む。

午後在宅回りで見た水溜まりの波紋。

ところで、少し前から卓上に大き目の紙を置き、メモとして使いはじめた。紙は終わったカレンダーの裏を二つ折りして使っているが、大変便利だ。
当座あるいは近日や当日の予定、電話番号、調べた事柄や気づいた事の要点などを向こうからこちらへランダムに書いている。特に重要なものは蛍光ペンで印をつけたり、マーカーを用いて目立つようにしている。
手帖や帳面も便利だが、取り出したりめくる手間があるうえ行は小さい。だが机上の紙は座ればすぐ目に入るし広い。項目を自由に線で結び関連づけるのも可能。一枚の紙だが、一目で用件の全体が見え、ある意味脳の1部を拡げたように映る。

 

向こうにキーボード、手前にメモ。この上に手を置いてPCを使う。
始めて10日目ほど経ち、全体に書き終わるころの写真。
両面が終了した時点で未決の大事なものは次ぎの用紙に書き写すつもり。

気づいたらすぐ書けるので、便利な方法だと思う。一杯になった時点で裏返して使う。利用しているカレンダーは自宅、仕事場、美術館などにあるので多分不自由なさそう。滑らかなこの紙にも困ったらスタッフたちから貰おうと思っている。

 

表が終わり、現在裏返して使っているところ。裏表書き終わったら日付を書いてすべて取っておこうと考えています。

さてどうなりますか、しばらく経ったらその後のことをお伝えしてみます。
年取るほど直近の事を忘れがちになるため、便利な方法に思われます(すでに皆さんが行っていることかもしれませんが)。

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