上手く踊る、楽しく踊る もう一つのワールドカップ。

2019年11月4日(月曜日)

ラグビーWCが終わった。力とスピードがてんこ盛りの競技は、私の様な者にもそれなりに理解出来、テレビさえ点ければ面白く観ることになった。
試合のほかスタジアム周辺では、大会を盛り上げる取り組みがさまざま伝えられている。

YouTubeにそれらが紹介されていて、その中の一つで以下の静岡市会場となった袋井での動画がとても興味深かった。

ロシア対スコットランドの試合から始まる動画は、場外のおもてなしブースに移る。そこでは静岡の有志によるカントリーソングのラインダンスが行われていた。そこにスコットランドサポーターが加わるや、場内は次第にヒートアップ、一種カオス寸前に。
だが終了を告げられると、不満も見せず舞台を降りる人々。そしてその後のスコットランド人とバグパイプの関係も分かりやすく、ワールドカップのもう一つの顔が丁寧に捉えられていて感心させられた。

 


投稿者のコメントも良く興味深い内容だった。

初めおそろいで上手に踊っていた地元ラインダンスの方達も、最後は各国入り交じった無心自由ダンスに司会とともに同化してしまう。
上手いダンスとは、楽しいダンスとは、幸せとはを垣間見た良い投稿だった。


少々長いですが、こちらの動画は同じ会場での始終が撮られています。
残り三分の一あたりから会場全体が熱く変わります。

これらの歌は何故か60~70年代の古いものが多い。若い人達も楽しそうであり、私のような年寄りには嬉しい。

南アが優勝して良かったラグビー。

2019年11月2日(土曜日)

雲一つ無い晴天は誠に久し振り、美術館は忙しかったらしい。
遅い昼食後、柏崎市は谷根(たんね)と野田に石仏を見に行った。日は短いうえ5時からラグビーWC決勝を見なければならないので、急ぎ足。2時間半かけて回ってきた。この時の拙写真は後に掲載させて頂ければと思う。

さてイングランド対南ア(南アフリカ)のラグビーWC決勝戦。
南アは強く、本日も終始イングランドを相手に優勢に進め優勝した。
強いチームが勝ち、番狂わせが少ないのは、ラグビーのルールが上手く考えられているからであろう。さらに正確な審判とTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル:ビデを判定)の導入、そして選手のルール遵守が徹底していることも大きいと思う。
そのことを考えると2015年のWC予選で日本が南アに逆転勝利し、スタジアムと世界を湧かせたのは本当の奇跡だったのだろう。

 

優勝した南アチームの主将は初めて黒人が担った。
私が物心ついて知った南アのアパルトヘイトは執拗だった。だがその後年月を掛けたマンデラ氏の解放と首相就任で平等政策は進んだものの、いまだ差別として人種問題が残っているという。
優勝インタビューで主将は“自分の国にはまだ多くの課題や人種問題があるが、皆で協力すれば克服出来る”という主旨の率直な話をした。このたびのどう猛なまでの強さには、厳しい軋轢を克服する「虹の国」づくりの過程で得られた本物感が滲んでいる。

その後の表彰式のテレビで微笑ましい情景をを目にした。

金メダルを掛けてもらった選手がこどものように嬉しそうにメダルを見るのである。
今ではその順位は落ちたが、南アは長く世界一の金産出国だった。穿ってみれば、美しい金メダルを手にして、話に聞いていたかっての自国の栄光を晴れて実感しているかのようで、なごまされた。

このたびなるほどな、と思った事がもう一つ。
決勝前日、日本を代表する選手三人が次ぎのようにテレビで予想した。
“決勝ともなると当たり合いが強く、恐らく日本が出来たような華やかなトライは少ないでしょう。代わりに密集や相手のペナルティで稼いで行くような一見地味、ある意味玄人好みの試合になると思う”と。
みなまでは分からなかったが、本日そのような流れとなり奥が深いものだ、と感心した。

秋の庭に昆虫と鳥。

2019年10月31日(木曜日)

何かとぱっとしないお天気の昨今、本日はさわやかに晴れた。
澄んだ空に真綿をちぎったような雲が浮かび、美術館の庭に赤とんぼが行き交った。

 

 

 

昼過ぎお客様と話をしていると、窓際の女性から、あら!という声。
大きなカマキリが窓ガラスに止まっている。
右下の茶色の塊(矢印)に興味を持ったらしい。

 

お腹が大きく、卵を抱いているようだ。
目指した物は食べものではなく、間もなく去った。
お腹を空かした雌は忙しい。

そうするうち、正面の庭灯りの上に鳥が来た。

 

ショウビタキのオス。
綺麗な鳥にもかかわらず雀などより人との距離が近い。

 

秋晴れを惜しむトンボ。
実は秋晴れを惜しんでいるのは私で、
トンボは無心に温まっているだけなのであろう。

雲、鳥たち、夕暮れ、本や音楽そして美術館。日は短くなったが秋ならでの良い季節になった。

大橋秀三さんの額装された建物模型 秋の陽にアオハダの新緑。

2019年10月30日(水曜日)

過日樹下美術館で講演をされた設計家大橋秀三さんは、ご自分とクライアントのイメージ作りのために進んで模型を作られる。樹下美術館についても大小、部分など幾つも制作された。

過日のお話の際、幾つも模型を持参されたが、その中に額に入ったものがいくつかあった。とてもいいので、譲ってと言うと、お金は要りませんお貸しします、ということでカフェに2点飾らせて頂いている。建てる前に資料の一つだったものが、10数年経って今みるとメモリアルとしてあらためて親しみを覚える。

 

樹下美術館全体の平面模型。
実物も模型も静かで力がある。

 

カフェの断面模型。
右にカウンター、外構に石が見える。
2点はいずれもA3大の大きさ。
作品は親子のごとく漆喰壁に溶け込んでいる。
どうかご来館の折にご覧下さい。

 

さて季節は進み間もなく11月。中旬からは庭の木々に紅葉が見られる季節を迎えた。
しかし今期、何度も台風に見舞われ、木によっては早々に茶枯れしてしまい、すっかり葉を落としたものがある。その中で以下のアオハダは全て落葉し、がっかりした。しかしこの10日間ほどで再び若葉を展開させ驚いている。
紅葉が始まる時期に一人新緑に包まれているアオハダ。
それはそれで嬉しいのだが、少々困惑している。

 

鮮やかな緑色の4本の木がアオハダ。
繁りは春ほどではないが新緑はやはり浮いて見える。

この先、ひと月もすると本格的な季節風が吹き厳しい冬になる。いま新緑の木々は再度落葉するはずであり、来春に向けてもう一度発芽の仕度をしなければならない。繰り返す発芽によってゆっくりしている暇が無く可哀想だ。
出来ればどこかで手を抜いてほしい。正直すぎると時に辛いことがあるのは、人も樹木も一緒だ。

関川大橋のコスモス畑 300年前のアンティークスプーン。

2019年10月28日(月曜日)

久し振りに晴天の本日午後、所用のあと関川大橋を通過した時、河原の右岸に一面コスモスが咲いているのが見えた。
左折して川沿いの小さな駐車場に止めて花畑を見に降りた。

このコスモス畑の事は毎年新聞に出るが、実際に現地で見るのは二度目
今年は台風の熱風や深刻な冠水被害に遭ったはずだが、見事に咲き誇っていてとても驚いた。回復に尽力された方々のご苦労に深い敬意を禁じ得ない。
花畑は地域の人々と対岸の新潟労災病院の皆様へ心の和みにと、リバーサイド夢物語(NPO法人徳合ふるさとの会)の方々が小学校の生徒さんの協力を得て植栽されている。
膨大な花の種は、秋に生徒さんたちが花殻から採取しているというので行事の連続が可能になっている。種蒔きは7月の梅雨開け時期に行われると言うが、ヤブ苅りや雑草取りの労力がしのばれる。

 

 

思えば久し振りの晴天。無数の花たちは晴れ晴れとした表情をしていた。
素晴らしい景観を作られる生徒さん、徳合ふるさとの会の皆様に感謝いたします。

 

話変わって昨日日曜日のこと、あるお客様がイギリス製になる銀のアンティークスプーンを持参され、拝見した。柄に打たれた刻印(ホールマーク)から1713年製だという。音楽好きのその方は「バッハ28才の時代」と、嬉しそうに仰り、誠に幸福そうだった。

 

柄の先端が折り上げられ、手が掛かるようになっている。

ボール(カップの部分)は大きい。その裏側に柄から続く細長い三角形の部分が見られる。
ボールが折れないように強度を強めるための設えだという。
形が鼠の尻尾に似ていることから「ラットテイル」と呼ばれているらしい。

1713年、、、、世に出て300年は経っているスプーン。今日それを手に入れて幸せそうな人。バッハを聴きながら程よい加減のスープを飲む、、、さぞかし美味しかろう。
かように1つのスプーンがどれほど多くの人を幸福にしたことだろう(一方で辛い出来事のため泣きながらスープを飲んだ人がいたかも知れない)。
人から人へ世から世へ。普段倹約しながらアンティークに親しむことは、かって同じ品を手にした見知らぬ過去の人たちへの親しみ、あるいは品物が通過した時代への共感など、特有の世界にひたることが出来る。そのうえ実用することも出来るので、とても良い趣味だと思う。銀製の食器類は人気のコレクターズアイテムの1つに違い無い。

素晴らしかったヴィクトル・マザーチェク氏と市村幸恵さんの演奏会。

2019年10月26日(土曜日)

本日午後、上越市吉川区出身のピアニスト市村幸恵さんとチェコ・フィルの第一ヴァイオリン奏者ヴィクトル・マザーチェク氏によるコンサートが大潟区のコミュニティプラザで行われた。

現在、NHKおよびサントリーホールに於ける東京公演はじめ横浜など日本各地をツアー中のチェコ・フィル。お忙しい第一ヴァイオリン奏者と市川さんの演奏は大変貴重で、心ゆくまで楽しませて頂いた。

 

ぴったり息が合ったお二人の演奏。
共催した樹下美術館からの花が見えた。

1部はモーツアルト:ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 作品378、ドヴォージャーク:ソナチネ 作品100。
二部は日本の歌から「夏は来ぬ」「赤とんぼ」「里の秋」、マルティヌー:インテルメッツォからヴァイオリンとピアノのための4つの小品、スーク:4つの小品、スメタナ:我が故郷より が演奏された。

演奏は懐かしげな繊細さと圧倒的な力強さ、そしてモダンな旋律や心弾むリズムで私たちを虜にした。
アンサンブルはチェコ人の最も好むところ、と過日市村さんにお聞きしていた。ご本人たちが心から楽しみながら意気を合わせる演奏はとてもスリリング。互いに反応し合う様子から時に即興演奏の如くに聞こえたほどだった。

 

花束が贈られ笑顔を見せるお二人。

休憩を挟んで2時間、素晴らしい演奏会はあっという間でした。明後日は熊本で演奏するマザーチェク氏、充実の市村さんは昨年チェコ大使館で演奏されました。
このたび二人は福岡でもデュオの予定とお聞きし、益々のご活躍をお祈りしています。

 

コンサートが終わって見た美術館付近の夕暮れ。
良い音楽を聴くと風景がいっそう美しく感じられる。

昼食のお蕎麦 インフルエンザ 赤とんぼ 白鳥。

2019年10月24日(木曜日)

昨日水曜日は定期休館日。昼食は家でお蕎麦を食べた。

 

カイワレと油揚げを散らした爽やかなお蕎麦だった。

 

本日午後、ある事業所でインフルエンザのワクチン接種を行った。
例年より一ケ月半ほど早く始まったインフルエンザ。早さゆえニュースで盛んに取り上げられ、希望者が多い印象を受ける。今月上旬に私も早々と接種を受けた。
効果持続はおよそ5ヶ月なので、春の連休まで流行することを考えると、3月上旬にもう一度接種が必要になろうか、という少々うんざりする話になる。
よしんば早く始まった分早く収束するということであれば良いのだが、今後の動向次第で議論になりかねない。

そして少々早いが来夏のオリンピック。
南半球は冬期であり、インフルエンザは流行期に相当する。観客として大規模な人口交流が生まれるので、スタンドがマスクだらけにならなければ良いがと、若干ながら心配している。

 

午後の庭で。赤くなって山から下りてきた赤とんぼが沢山休んでいた。

そして本日午後、新井柿崎線は頸城区の水田で、今期初めて白鳥を見た。

 

広い水田にコハクチョウが二羽。
本日上越市髙田で25度近くまで気温が上昇した。
一見平然としているが、
冬の渡り鳥にとってこのような暑さは耐えられないのではないだろうか。

“多くを望み過ぎ”て退場の選手 秋の庭 頑張ったわんこちゃん。

2019年10月22日(火曜日)

遅く起きてから20日に行われたラグビー試合アイルランドvsフランスの再放送を見た。
きわどい試合だったが、フランスの選手が肘うち反則で一発退場となり、それが響いた。
処分を受けた選手は“多くを望み過ぎた”と反省の言葉を残している。
失敗は怠慢や不注意、ほかに運によっても起きよう。しかし“多くを望み過ぎた”場合も確かにあり、高望みや焦りなど私自身、身に覚えがある。
スポーツ選手としては珍しい言葉であり、分かりやすいのであらためて胸に刻みたいと思った。

いつしか秋は半ばを過ぎて、まさに盛りとなった。
夏の暑さがたたったらしく秋の花がいまいちだ。特に100本はゆうにあったリンドウが四分の一か、それ以下に減っている。湿り気が好きな花だけに真夏に40度の暑さとそれに続く台風の熱風に耐えられなかったのでは、と考えている。

 

 

以上は二種のホトトギス。

 

富士山の庭からと、10年前に叔母が送ってくれたリュウノウギク。
少々サイズが小さくなったが、良く頑張っている。

 

今や貴重なリンドウ。

 

 

近隣のあぜ道。
柔らかく温かく幸せそうな枯れ草。

午後、駐車場でお客様が可愛い犬を抱いて降りられた。
「大丈夫でしょうか」と飼い主の方が仰った。
「どうぞそのまま」とお返事した。
とても大人しそうなわんこちゃん、全く問題ないように思った。

用があり途中でカフェを去ったが、最後までお利口さんだったと、スタッフから聞いた。
緊張して精一杯我慢していたことだろう。
カフェのあと芝生や庭を自由に走らせてあげれば良かったのでは、と思った。
どうかまたいらして下さい。

南アに破れたラグビー 上越市浦川原区の円重寺。

2019年10月20日(日曜日)

ラグビーワールドカップの予選リーグを通過した歴史的な日本代表チーム。今ほど準々決勝の勝ち抜き戦で南アフリカに敗れた。
前半日本は互角以上に闘うかに見えた。しかし後半、南アは選手交替を早めに行い、力と反応性で完全に優位に立ち、流れに乗って日本に圧勝した。
南アチームの圧力は日本の前進を阻み、華麗なスピードを完全に封じた。彼らはあたかも野性の魂を有するライオンのようであり、日本人に同じような事が出来るか、一つの課題だと思った。
更なる進化には時間がかかろうが、ただ一つ、ラグビーの裾野を拡げることは、確実な一歩にちがいない。その意味でも日本開催には大きな意義があった。
日本は敗退したが、私自身かってない興味を覚えた。今後の南アほか他の試合も観てみたい。

ところで昨夕、山際に掛かった霧をみたくて浦川原区へ向かい、その折、華岡山円重寺という寺院を見つけ境内を歩かせてもらった。(華岡山は“かこうざん”と読むのだろうか)

 

寺標に華岡山 円重寺とある。
このような坂道があると入ってみたくなる。

 

坂を登り切ると右に本堂。
真宗大谷派ということ。

 

左に整然とした桶置き場、その右奥に鐘楼。

 

鐘楼(左)の隣に見える白壁の建物は納骨堂らしい。
(居あわせた檀家の方にお聞きしました)

 

花頭窓が二つ見えて心なごんだ。
台風後にも拘わらず、手入れされた境内は爽やかだった。

見知らぬ寺に迷い込み、予期せぬ風情と花頭窓に出合った。
近い場所ながら、いっとき小さな旅をした気分だった。

上越市の長瀬邸に於ける素晴らしい「長瀬コレクション 齋藤三郎 内田邦夫 展」

2019年10月19日(土曜日)

本日から二日間、上越市は桜町の長瀬邸で「長瀬コレクション 齋藤三郎 内田邦夫 展」が開かれている。午後から妻と出かけた。

齋藤三郎の初期から晩年まで、十分に吟味された優品が四部屋を取り払って展示されていた。絵付けを主に器種は壺、絵皿、茶道具(煎茶道具も)、湯飲みから文房具まで満遍なく網羅され、青磁、白磁、色絵、染め付け、鉄絵と揃い、飛鉄から織部まであった。また随所に配された力作の書画にも目を奪われた。
さらに展示台やケースは自作を含め、蔵扉の見立てなど本当に良く工夫され、手作り感あふれる素晴らしい展覧会だった。

長瀬氏は長くウランガラスや漆器、古陶磁を蒐集されておられたが、10数年来齋藤三郎にしぼって集めていらっしゃる。集められた膨大な数からコレクションの夢中振りが手に取るように伝わる。齋藤三郎の作品には人を夢中にさせずにはいられない特別な力がある。
“まだ見ぬものがあるはず、次はどんなものと出合うだろう”というわくわく感は、私にも分かりすぎるほど良く分かる。

 

 

 

 

これがお店なら持って帰りたい作品が沢山あり、そのうちから以下数点を掲載しました。

 

お得意のドクダミ更紗文の中に椿の窓絵。
肩から胴まで張った形が穏やか。黄釉の窓地も効いている。

 

 

上掲の2器とも口が開いた大らかな花器。
呉須アザミ文(上)、鉄釉草文(下)ともに素早く彫られた線が非常に素晴らしい。
磁器と陶器双方の味わいも見事に表現された名器だと思った。

蓋付の鉄絵飯椀。セットで揃った貴重な作品。
高い高台は手が入りやすく、蓋は逆さにして菜皿にすべく高いつまみが付いている。
ざっくりした鉄の風合い、葉文窓絵など民芸調が誠に和やか。

奥の間に7,80点の内田作品。こんなに沢山見たのは初めて。
輝かしい受賞歴の氏は上越市出身。
後年日用される器を目指してクラフト運動を推進。
クラフト全体の質の向上に深く寄与された。

長瀬さん、有り難うございました。手に取り、写真まで撮らせて頂き失礼致しました。
こんなに開示され、素晴らしいことだと思いました。
大勢の方がこられていて良かったですね。

どうか健康に気を付けて、この先も共に楽しみながら頑張りましょう。
会場でお呈茶など催事に協力されている皆様、本日は誠に有り難うございました。

柿崎海岸を東に向かって歩いた 小さな流れ プラゴミ。

2019年10月17日(木曜日)

午後定期休診の木曜日。
その午後、90才になる方の看取りがあり、診断書を書き、その後で柿崎海岸を歩いた。空は晴れたり曇ったりを繰り返し、打ち寄せる波は比較的穏やかだった。
いつもは西へ向かうが、今日は東に歩いた。どういうわけか、西側に比べてこちらはいつもひっそりしていて、ほとんど人に会わない。

 

ずっと砂浜だがこの一角だけ砂岩が露出している。

 

そこには右(東)側から小さな流れが流入して、渚が遠浅になっている。

 

流入している流れがこれ。とても澄んでいる。

 

流れの先は次第に細くなり、最後は砂に消えてしまう。

山地からの流れが伏流となり、砂浜で姿を現すのだろうか。

 

先の方から振り返る。少しずつ日が暮れてきた。

 

海との合流点へ戻って来た。
小さな流れだけれども素晴らしい造形。
夕焼けを見たかったが用事があり帰路を急いだ。

約一時間半、人気の無い浜は快適だった。

帰り道、渚から少し上がった場所で以下のようにペットボトルを主にプラゴミがず-と帯状に散乱していた。

 

 

ここでは広く散らばっている。
((いずれも10-22㎜の広角ズームレンズを使用しました)

ゴミは過日の台風による荒波が打ち上げたものと考えられる。
海は嵐になると吸い込んだゴミを海岸へ吐き戻す。あたかも、“お前達が捨てたのだから、お前達で片付けろ”と、告げるかのように。
拾って帰ろうかと思ったが、ぺットボトルだけで何千とありそうなので本日は諦めた。

稲垣選手の素晴らしい表情 ラグビーは赤ちゃんを手荒に奪い合う競技?

2019年10月16日(水曜日)

大盛り上がりのラグビーワールドカップ。スコットランド戦で新潟県出身の稲垣啓太選手が大会初めてとなるトライを決めた。

縁の下の力持ちと呼ばれ、最前列で犠牲的な力勝負に専念する稲垣選手にとって、走ってパスを受けトライする場面はまず無い。
それが代表入り7年目、10月13日に突然訪れた。

前半、タックルを受けながら選手が次々にパスを繋いでゴールに向かう。ゴール目前で最後の選手が振り回されるように倒され、駄目かという瞬間左から走りこんで来たのが稲垣選手だった。
超巨躯の選手があたかも霧の中から幻(神)の如く忽然と現れ、パスを受け取るとゴールに倒れ込み逆転トライを決めた。
練習はしていたかもしれないプレー。
だが本番のきわどい場面でまさかドンピシャの成功だった。

 

パスを受け取る稲垣選手。
眼と口元、そして手に極限の緊張が現れた素晴らしい表情。
あの稲垣選手がこんな顔をしていたなんて。

選手として全てが掛かった一瞬だったと思う。あたかも子こどもが試練を達成しようとする瞬間のように見える。

 

そしてトライ。
今度は必死で幼な子を守った母を思わせる表情。
(写真はいずれもYouTubeのキャプチャーです)

学生時代によく集まった家の級友がラグビーをしていた。ある日曜日にライン審判をやってと言われ一緒に出かけた。埃まみれになってぶつかり合う選手たちを追いながら、これは自分にはとても出来ないと思った。
それが2015年ワールドカップの対南アフリカ戦をネットで見て、体を張るスケールの大きなゲーム性に興味を覚えた。

そしてこのたび、いかつい選手たちが、しかとボールを抱え必死にゴール(家?)に向かって走るのを見て、彼らが追い、あるいは抱いているのは赤ちゃんではないのか、とふと思った(形も似ている?)。
いずれ王となる大事な赤ちゃんを奪い合い、城あるいは家に運ぶゲーム。追い詰められると渾身のパスとして仲間に出して繋ぎ、ついには蹴ったり、転がしたり、かぶさったりして手荒に守りあるいは運ぶ。

 

同じ試合の後半、密集からトライに漕ぎ着けたスコットランド選手。
ひしとボール(赤ちゃん)を抱いて同じく母のような表情。

アニマ?(女性ではアニムス)
精神・心理学者ユングによる男の意識下に潜むという女の資質や母性。
荒ぶる侍のような稲垣選手は、目の前に投げ出された赤ちゃんを緊張する少年のように受け取ると、母の如く抱いてゴールに倒れ込み、すぐまた侍にもどった。

最後は拙い空想になってしまいました。
たぶん人間は子どもになったり大人になったり、いわゆる男になったり女になったり、普段からとても忙しいのだと思う。

稲垣選手トライおめでとうございました.。
応援しています、どうか体をいたわり長くご活躍ください。

11月24日のお茶会 会場100年料亭「宇喜世」の多彩な窓。

2019年10月15日(火曜日)

何かと催事が多い今秋、来る11月24日(日曜日)は、上越市仲町3丁目の宇喜世(うきよ)で茶道の席持ちが予定されている。
当日は二席で、一席は山口宗好先生のお濃茶。他を小生宗玄が薄茶を差し上げることになっている。

大きな会場のため、昨日の祝日に主催のフカミ美術店主とともに床の間の掛け物を持参して具合を確かめ、待合や本席、そして水屋の様子などを下見させて頂いた。

 

 

当日の「越後 城下町髙田茶会」のちらし。

以下当日の案内です。
●会場:宇喜世(うきよ) 電話 025-524-2217
●期日時間:11月24日(日曜日)
●時間は午前9時20分~14時まで50分~60分おきに6席が設けられる。
●参加費用お一人6000千円  濃茶、薄茶2席の席料およびお食事券付き
●お問い合わせ:フカミ美術 電話 025-522-1815
長野県からのお客様の予定もあり緊張を禁じ得ません。

江戸末期に創建され、100年料亭と言われる国登録有形文化財「宇喜世」。今日見られる主な様式に明治大正時代の贅が尽くされている。

 

この広間を仕切って薄茶席を設けます。

 

 

向かって左の脇床に立派な花頭窓があった。

 

右にも脇床があり幅の広い花頭窓が設えられていた。

 

 

さらに拡げたような広間の窓。

 

 

案内して頂いた離れの一室に丸枠の飾り障子。
流れの上に蔦が下りている意匠。
以前この部屋に入ったことがある。

東側に庭を見る花頭窓。

 

 

ある部屋で見た繊細な細工が施された障子窓。

 

 

この部屋の天井にカゴ目を瓢箪形?に縁取った大きな明かり障子があった。
畳の一角に炉が切られているので茶室であろう、何とも手の混んだ設え。

部屋ごとに異なった灯り採りや窓が見られ、いずれも極めて贅沢に作ってある。入ったのは一部だけだったが、ほかの部屋でも面白い窓をみることができるにちがいない。機会があればまた見たいと思う。

主として禅寺から広まった花頭窓は宗派を越えて広がり、茶室や城郭、神社あるいは書院、さらに料理屋や住宅などへと一般化したという。宇喜世は何度も来ているが、花頭窓には気がつかなかった。年取って新たに見えるものがあるのは、嬉しいことだ。

下見を終えてフカミ美術さんで茶を飲みながら懐かしい写真を見せて頂き、くったくない話に興じた。
宜しければどうか晩秋の城下町茶会にお越し下さい、心よりお待ち致してます。

台風19号のこと 丁度良いのは奇跡の連続?

2019年10月14日(月曜日)

19号台風では診療所住宅部分のガラスが一枚破損した程度で済んだ。樹木の状態や戸外の散乱状況から。、周囲ではむしろ冬期の季節風の方がひどい場合がある印象を受けた。

前回ノートの記載で、800㎜を越える雨が降った箱根が心配だった。やはり芦ノ湖の氾濫ほか各所で深刻な土砂災害があった模様だった。

 

箱根芦ノ湖の様子。溢水する海賊船の桟橋(10/13NHK NEWS WEBから)。

このたび親しみ深い隣の長野県における上田市、千曲市、長野市、小布施町、須坂市、中野市など、千曲川を主とした水害は想像を超えていた。
隣県だけあって当地も直接間接的に影響を受けるはず。宅地やリンゴ畑の惨状は痛ましく、新幹線センターの車輌水没などもにわかに信じがたかった。

水没する車輌群はまるで合成写真のようだった(10/13日経新聞ウエブサイトから)。

12日夜、上越市における関川に一時危険が迫ったと報じられ心配した。
「金(かね)の雨」とは農家の方から聞いた言葉で、日照りを救う雨を指している。しかしその雨も一線を越えれば途方もない災禍に繋がってくる。
考えてみれば「ちょうど良い」などという日常は一種奇跡の連続みたいなもので、生活とは、致命的な危うさと紙一重のものかもしれない。

肝を冷やした台風19号。

2019年10月12日(土曜日)

先週に続く台風19号の一日目。
昼前から風が吹き始め、美術館を閉めようとしたところ、スタッフから午後1時にお二人の予約があると聞いた。まさかと思ったが閉めましょうと話していた時に、そのお二人がお見えになった。
一時間だけで、とお話しして入って頂いた。展示をご覧になりカフェに座られた。まだそれほど荒れていない時間に無事お帰りになりほっとした。

その後風が心配なため海に近い診療所で過ごすことにした。台風情報を伝えるテレビは点けたまま過ごした。ところが17 時15分頃に突然まさかの停電。まだ本体が伊豆半島に上陸した時刻だったので慌てた。

 

テレビがないと如何にも不便、以後電池切れに備えて、そーっとスマホを覗く程度で利用にした。

灯りは寝て待てと思い、横になっていると1時間ほどでぱっと点いた。
停電の中、こわごわ食を摂る覚悟していたが、有り難くも電灯のもとで食べることになった。

 

ある種非常食。

 

念のため用意したガスボンベを使い、弟の豚肉で豆乳鍋になった。
一日中ひやひやして過ごしたせいかお腹が空いていた。

 

ほっとして食後にお抹茶も服した。
お菓子は、一昨日東京からお見えになったお客様から頂戴したお干菓子をお伴にした。
茶碗は抹茶茶碗風ですが、ネットで買った4300円の洋食器。

今の所無事だが、色々考えさせられた。
危ないから外出は絶対しないで、と終日伝えたテレビ。一つの規範であろう、最近は「ただいま安全な室内から中継しています」と、ガラス越しに外の状況を伝える局が時々見られ、安全で良いことだと思った。

 室内からのリポート。

ところが遅くなるにつれて現場中継が多くなる。

 

危険な夜間に増えた現場中継。

危ないから絶対に近づかないで、と伝えながら危険地域に近づく報道。これでは折角の規範が薄れる。
各地の河川整備局には流域を監視するシステムが映像とともに整えられているという。当該の詳細情報の方が特定カ所の映像よりも遙かに現実的ではないか、と思った。

もう一つ、当地で絶え間なく防災無線スピーカーによる放送が行われた。台風に備えて窓は締め切られ、風がゴーゴーと鳴っているため、それが何を伝えているのかさっぱり分からない。重大なことを聞き漏らしてはと思い、しばしば窓を少し開けて耳を傾けたが、よく聞き取れない。担当部署は大変だと思うが、一方スマホで緊急エリア情報が流れる。このことで上手い方法は無いものだろうか。

ダムの緊急放流はまことに危険。近時、台風情報は少なくとも一週間前には十分な精度に達しているはず。予め一定の放流を続けることによって緊急放流を避けることが出来ないものかと、まことに疑問に思った。
いずれにしても未曾有の台風のこと、一夜明けた明日は本日接しなかった深刻な状況を知るに違いなく、恐ろしい。
特に700㎜を越えたという箱根の河川や土砂災害が気になる。

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