食・飲・茶・器
トキとお米(平成のパラダイムシフト)
昨年の秋、トキ放鳥を書かせていただいた。放鳥はセレモニー付きの強制的な方法で行われた。必要な群も作れずトキたちは混乱したことだろう。
一年が経ち放鳥された10羽のうち3羽を失った。また思いもよらぬことに、4羽のメスは全て本土に渡ってしまった。様々な事実に自然界の奥深さを知らされる。
今年新たな20羽の放鳥は鳥たちの自由にゆだねられた。良いことに新旧9羽がさっそく群を作ったという。この先どんなことが起こるのか。一組でもつがいとなり、巣作りしてヒナがかえれば嬉しい。
生き物を育む農法で作られたお米。
何か幸せな感じ。
遅まきながら佐渡のお米を購入した。佐渡の農家がトキのことを精一杯考えて作ったお米だ(朱鷺と暮らす郷づくり認証米)。代金の一部はトキのために寄付されるという。昨年よりさらに地元の理解が厚くなったとの報道があった。生き物を育むために農業まで変える。佐渡のお米は平成のパラダイムシフトの一つとして写る。
「健康な佐渡」、佐渡はもう一つの貴重な価値を見いだした。
届いたお米は新米で本当に美味しかった。
カフェでお抹茶
山、雲、里に秋のたけなわです。
樹下美術館のカフェでは、前々からお抹茶のメニューを考えていました。このたび支度が出来ましたので11月からお出し出来るようになりました。
御菓子付き500円です、どうかお楽しみ下さい。
チョコレート
先日ヒロミちゃんから可愛いハーシーズをいただいた。昔を思い出しながら美味しく食べた。今度はおばから新米のお礼といってまたチョコレートが届いた。チョコレートは甘く、ほろ苦く、味濃いお菓子で、茶の色もシックだ。
ところで服装でも茶を上手く着ている人がいると、ああおしゃれだなと思う。しかし自分はどうしても茶を着れない。昔から茶を着るにはもう一つ気力が要るように感じてしまう。
それで何かとグレー系ばかりを着ている。上着がグレーならズボンとネクタイを黒っぽくして無難に過ごす。
最後に、およそ美味しい食べ物も茶系ではないだろうか(野菜を別にして)。結局茶は「おしゃれで美味しそうな色」ということになりそうだ。チョコレートが美味しいわけだ。
チョコレートは皆に分けて早く食べてしまうのがコツ?
ハーシーズのお土産
今日、娘さんに付き添われてTおばあちゃんが来られた。少し物忘れがあってもお元気なTさん。終わって娘さんから「ヒロミのアメリカからのお土産です」、とチョコレートを頂いた。
かわいいハーシーズのチョコレートだ。19才のヒロミちゃんはTおばあちゃんのお孫さん。学校の研修でポートランドに行っていた、ということだった(うらやましいなあ)。
ひろみちゃんは小さい時から来ていた。念のため古いカルテをみたら、生後3ヶ月でオムツカブレの初診だった。その後も少しアレルギーがあったのでよく診た。
だんだん強くなって小学校高学年なると、宿題で医療の取材を受けた。仲良しのお兄ちゃんも一緒に家に来て、取材を終えるとみんなでハヤシライスを食べた。
弱虫だったお子さんたちも大きくなるにつれて驚くほど強くなる。昔診た子どもさんたちが、たくましく歩み始めるのに触れると、とても嬉しい。
伊右衛門サロンのお茶
朝夕に冷気が忍びこみ、急に良い季節になりました。先日京都に出掛けられたという妻の友人からお茶のお土産がありました。
伊右衛門サロンというお茶にちなむカフ&レストランに寄った際、ショップで求めたということ。抹茶入り煎茶と銘打ってあり、パッケージには英語の説明も。さすが国際都市です。
サロンではモーニングからランチ、ディナーまで京感覚のメニューがラインアップされ、価格もリーズナブル。散策の日の好所ではないでしょうか。
、私自身、最後の京都は20年以上も前です、、、。こうして頂いたものなどに触れるとつかの間ながら、旅情がよぎります。
せっかくですから齋藤三郎さんの器を出して頂きました。抹茶の香りが立ってとても和やかなお茶でした。
抹茶入り煎茶のパッケージ(裏側)
齋藤三郎の青白磁の急須と茶托、そして染め付けの茶碗。
京都は若き三郎に縁ある所です。器もかなり嬉しそうでした。
松雲山荘の初秋、そして別れがたき佐伯祐三展
午後の時間、前回に続いて二度目の佐伯祐三展を見に新潟へ。途中の柏崎では木村茶道美術館へ寄った。美術館がある松雲山荘のもみじが色づき始めていた。
美術館茶室の床(とこ)には玉船の「雪」ひと文字のお軸。床の花は黄ツリフネソウ、レンゲショウマなど5種が夏を惜しんで生けられていた。座って李朝(りちょう)あみがさの主茶碗(おもじゃわん)で飲ませて頂いた。迫力の茶碗は見どころが多くて、心に残った。
妻は道入の茶碗で飲んだ。替茶碗(かえじゃわん)が道入とは驚くべきことだが、ここは一貫して貴重な実物で広く茶を呈する姿勢を続けている。
※玉舟(ぎょくせん):17世紀の臨済宗大徳寺派の禅僧。同寺第185世住持。
※道入(どうにゅう):軽く柔らかい楽茶碗は利休によって重んじられるようになった。楽茶碗は初代楽吉左衛門(長次郎)から15代継承され今日に至っている。3代道入は特に人気が高い。
何かと時間が足りない常で、新潟市の佐伯祐三展は立ち話をする程度しか見られなかった。もう一度別れを告げに行ってみたい。
素晴らしい生け垣 | 心こもったお手前 |
朱欄干 | 色づきはじめたもみじ |
茶室に向かう階段と彫像 | 手水鉢(ちょうずばち) |
泉州の水なす
関西の方から水なすの漬け物を頂いた。大阪府下、泉州で栽培される非常に水分の多いなすとあった。同地域の夏の農作業ではこれを食べて渇きを癒すことがあるらしい。初めて見て食べた。
皮は厚く柔らかで、切らずに裂いて食べてと書いてあった。試みると簡単に縦に裂ける。包丁を入れたのに比べるとざっくりとした水気の食感が違う。浅漬けの塩加減もなんともさっぱりしていた。
泉州と言えば利休。そして秀吉、はては上洛した景勝、兼続、実頼もこれを食べたのだろうか。
さて天地人は政宗の進出が急だ。兼続たちも東北の備えのために、ここ上越・春日山を離れる日が近づいているようだ。徳川vs秀吉の渦中で兼続たちの苦労が続く。
美術館でトーストもライフスタイルに
ちょうど二年前の6月10日、樹下美術館はスタートしました。親しみやすい倉石隆、齋藤三郎の二人の作家に恵まれて、穏やかな2年の歩みでした。
歩みは多くの皆様に支えられました。お一人、お友達、カップル、ご家族とさまざまに訪れていただきました。リピートされる方が多いことも有り難く、大変勇気づけられました。
開館以来、折々に新たな作品が現れて、図録制作が延び延びになっていました。今年中にぜひ完成させたいと思います。どうかご期待ください。
お陰様で遠方の方も少しずつお見えになるようになりました。小ぶりな所ですが、手入れ怠りなく皆様をお迎えしたいと思います。
美術館でトーストもライフスタイルに。
今日から新潟県は梅雨入りということ、いかにもという空模様になりました。
春二品
知り合いからタケノコ、午後には鯵が届いた。シーズン真っ盛りのタケノコは山タケノコで、上品な風味がある。とても人気があり、この時期急峻な山や県外までタケノコ狩りに出掛ける人もいる。今日の方は「思わぬ所にありました」と仰った。見映えのいいタケノコは、秘密の味までしそうだった。
そして夕刻、ある漁師宿から立派な鯵を頂いた。鯵丼もしましょう、と家内。春盛りの貴重な頂き物の日だった。このところ畑や庭にちゃんとした雨がほしい空模様が続いている。
お茶碗そして上越の雪月花
本日午後、貴重な抹茶茶碗に出会えた。齋藤三郎の高田における若い時代の作品である。弥彦神社の宝物・大鉄鉢(重文)をならって作られた器、と古い包みに書かれている。やや小ぶりで素直な姿。黒と茶に意図された鉄釉が絶妙な案配に焼成されている。
わざわざ遠方から運んで下さった方は、戦後上越で堀口大学、濱谷浩、小田嶽夫、市川信次氏らを身近にして育たれた。茶碗は当時の文化の賑わいから自然に生み出されたであろう何とも言えない品格を漂わせている。
皆様にお見せして、という言葉が有り難く、今秋にはぜひ展示したい。
さて昨夜は14夜で、今夜は15夜満月。お天気に恵まれ高田城趾の桜も一段と冴えていたにちがいない。冬から春へ巡る上越の雪月花、、、。
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- 講演会「良寛さんに学ぶ」が無事終了した。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その1。
- 来たる11月7日からラッセル・ジョケラさんの展示会 晩秋の花 近隣のコハクチョウ
- 先週末の種々。
- 高田高等学校創立150周年の秋 いたくら桜園 近隣の秋。
- 「ラッセル・ジョケラ木工展」 可愛いお子さんとおじいちゃん。
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