食・飲・茶・器

麗しい人の美田 上は何を見ているのだろう。

2012年9月28日(金曜日)

かって樹下美術館をお手伝いしてくださった方が、米の生産農家をされている。

 

美しい彼女が営む農業、ひとしお麗しく感じられる。

 

頂いた新米稲穂が添えられた新米、昨日20キロも頂いた。
やっと抱えて机に乗せて写真を撮った。

 

彼女彼氏らによってなんとか田は守られ、魂こもった日本の美的景観が保たれている。

 

ところがその国家の肝要と魂を、TPPなどと言って殺伐の相場へ引きづり出そうとする。

 

ふと見れば国道、県道、市道、その歩道も処々に草がボーボー。

 

バスを食う葛
これが「活性化、もてなし」。道ばたのバスまで食いつく葛(くず)。
 

葛、蔦は若木や在来種の緑という緑に覆いかぶさり、際限なく侵食し続ける。

風情なきセイタカアワダチソウとクサギの異形が環境のすさびを促す。

 

緑やつれ足許は草ボーボー。何が「美しい国」、何が「活性化」、何が「もてなし」。

日本の上は何処を見て何を言っているのだろう?恥ずかしいことだ。

 

麗しい人の話が最後は愚痴になった。この国は何事につけ、あまりに民と上が離れているからにちがいない。

ブルーオーキッドとプティフィナンシェ。

2012年9月21日(金曜日)

涼しい曇りがちの一日。夜になって一層気温が下がり23度しかない。5日前の37,6度が幻のようだ。

 

ところで私は患者さんから新鮮な野菜を沢山頂戴している。美味しいので夏は野菜太りといえる趣になる。

 

頂戴ものが関係するお付き合いでいうと、自分は多分地味な方だ。一方妻は忙しいのに知人友人たちと何かとまめにお付き合いをする。その結果妻のお裾分けに預かったり、世間話を聞かせてもらうというのが私の立場になった。

 

このたびは、妻の知人からWAKOの「秋のプティフィナンシェ」を頂いた。来春、樹下美術館のカフェでデビューする予定のカップ&ソーサーを出して頂戴した。

 

ブルーオーキッドとプチフィナンシェマイセンの「ブルーオーキッド」とWAKOの「秋のプティフィナンシェ」。
和やかな取り合わせだった。

 

9月に来年のこととは早いかもしれませんが、ヨーロッパのブルー食器も魅力的ですね。 

愛らしいフィナンシェは、大変美味しかったです。

 

 秋の音楽会バナー

鑑賞会のバナー

蓮の実は美味しかろう 署名期間の終了。 

2012年8月22日(水曜日)

さる8月26日日曜日、上越市髙田で知人と夕食を一緒した。いくつか横切った蒸し暑い通りで、語りかけるような灯りが懐かしい。

 

さて、さして飲めない自分は、少々の酒を分けてもらい、簡潔で気の利いたお料理を美味しく食べて、東京の人の話を面白く聞いた。

 

帰りの代行車中、飲むと最後は眠る妻。

「奥さんイビキきかいてますが、、、」と運転手さん。

 

通り過ぎるお濠の蓮には蕾が沢山ついている。まだまだ花期が続くこの時期、遠くから蓮を見に来る知人がいる。

 

「髙田の名物料理はだいたい出尽くした感じですね」

 

「スルテンはいいですが、ほかのは風情がなくて」

 

「ここは蓮の実が沢山採れそうじゃないですか。美味しいんだから何か名物になりませんかね」

 

「うーん、ねえ」

 

など運転手さんと話しながら帰った。

 

蓮の青葉上越市本町 大杉屋さんの「はす青葉」

 

家に着いて目覚めた妻に聞くと、上越市本町の大杉屋さんに蓮の実のお菓子があるという。

 

翌日さっそく妻が買ってきたので食べた。すっきりした夏菓子。十分美味しかったがどうだろう、あの蓮の葉の香りがほんのり漂うならば、さらに抜群であろう。

 

 お茶とお菓子
「はす青葉」を齋藤尚明さんの白磁の湯飲みで頂いた。

 

蓮の実(乾物の戻しでもいいが)で炊き込みご飯、チャーハン、押し寿司、のっぺ、お菓子(まんじゅう、月餅、あんみつ、アイスクリーム、その他)、茶碗蒸し、ピックルス、納豆、お得意の天ぷら、レンコンとの種々合わせ、砕いてカラカラに揚げてラーメンにぶっかける等々、、、。すでに色々ありそうだが。

 

桜や蓮を見にわざわざ見えるお客様に、もうひと押し喜んでもらえる物があればとついつい思う。

 

さて本日は署名期間の最終日、最後に書いて頂いた人は私と同じ苗字だった。仕事を終えると、ハンコをもらい忘れている人の家を訪ねた。

雨のち晴れ週末の上京 食事 酒場・ルパン 二つの展覧会。

2012年6月17日(日曜日)

先週末午後から上京した。同夜古い友人の快気祝の食事をし、晴れた翌日の日曜日に展覧会を二つ見た。

 

1群馬県北部の田んぼ 土曜日午後の新幹線車中から、群馬県北部は雨の水田。

 

2六本木のカフェ
都内のオープンカフェも雨降り。かすかな蚊取り線香が雨をすっきり感じさせていた。

 

3マンゴービネガー
最後の最後に出たマンゴービネガー。

4ルパン
ついに行ってみた酒場・ルパン

 

土曜日の食事はル・マノワール・ダスティンで五十嵐安雄シェフの料理を堪能した。すみずみまで氏の真心が込められたアラカルトから夏トリュフの前菜と魚料理を二品選んだ、その後チーズ、デザート、珈琲と進み最後に口直しのマンゴービネガーがママレードと一緒に出されて終わった。4時間が経っていた。

   

五十嵐シェフと一緒に
五十嵐シェフ(後列左から二人目)とともに。
およそ年一回、もう20年近く食事会を続けた仲間で会うのは刻一刻貴重になっていく。

 

 

遅かったが、前々から行ってみようというバー・ルパンへ寄った。文士名士たちが愛しに愛した店。ここのカウンター奥で撮られた太宰治の写真はあまりに有名。今でもその席に座ってみる客は引きも切らないという。当夜20席ほどの店内は満員で、若い男性たちが太宰の席を喜んでいた。

 

大騒ぎしなくとも昭和の遺産というべきバーが残り、流行っている。さすが東京、文化の力だ。

  

5紅型展 沖縄復帰40周年記念 紅型 展図録 サントリー美術館 

サントリー美術館の紅型(びんがた)展は独特な沖縄の美を印象づけられる。親しさとともにあるエキゾチズム。明瞭な色と形。多くの国宝があり、衣服として実用された染色芸術は保存状態が良く素晴らしかった。幸せな旅情へ誘われる第一級の展覧会だった。

 

6大エルミタージュ美術館展IMG_9640大エルミタージュ美術館展 新国立美術館 図録
日本テレビ放送網©2012

 

ロシア350年におよぶロマノフ王朝が蒐集した代表絵画作品展。16世紀・人間の世紀、17世紀・黄金の世紀、18世紀・革命の世紀、19世紀・進化する世紀、そして20世紀=アヴァンギャルドの世紀、流れ沿って展示は一見の価値ある。

 

それにしてもまる一日半見ていないコムクドリはどうしただろうか。

北方文化博物館の三楽山茶会 スタッフ・裏方さんの働き

2012年5月20日(日曜日)

知人との縁があって北方文化博物館の由緒ある茶会に初めて行ってきた。重文や名物道具が用いられる第23回越後三楽山茶会だった。

 

このたびは、京都から「北村美術館」の貴重な出品とスタッフの参加があった。床(とこ)の掛け物と花に人と自然が息づき、惚れ惚れするお点前と美味しいお茶。そして眼と手で触れるお道具は個性と美しいさびを伝えていた。

 

緑に包まれた広大な庭を、飛び石を楽しみながら三つの茶室を巡る。茶屋のくずきりは爽やかに甘く、点心には尽きぬお心が込められていた。

 

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席では写真を撮らないので、席待ちと食事時に裏方さんやお給仕の皆さんを撮らせてもらった。気働きの良いもてなし、無駄のない動き、充実した縁の下の力持ちを垣間見せてもらった。心底さすがだと思った。

 

茶会とは別に、この日北方文化博物館の驚くべき賑わいに眼を見張らされた。歴史と文化の施設がこんなに人を集めるとは、小館ながら樹下美術館の希望にしたいと思った。

愛らしくも初々しいヒナ  齋藤さんの器で食べてみる。

2012年5月19日(土曜日)

仕事場の庭が鳥の声で賑やかだ。軒の三ケ所にあった雀の巣から一組が巣立った。モミジに止っていた二羽はそのヒナか。

もう二組はまだ巣に居て猛烈に啼いている。親は気の毒なくらいせっせと餌を運んでいた。

スズメのヒナ1

なんて可愛いことでしょう、私たちにもこんな時代があったのですね。

さて、連日旬の頂き物が続く。ワラビと筍に続いてフクラゲとカレイを頂いた。こんなにもらってバチがあたりそうだ。

そこで今夜は齋藤三郎さんの器を出して食してみた。しかしさすが齋藤さん、私たちでは完全に負けだった。まず切れ味よい包丁と品の良い盛りつけが課題。途中はともかく、少なくとも最初と最後で負けなのである。

齋藤さんはプロの料理人を育てるほどの食通だったと聞いた。家庭料理のつもりでするとまず失敗だろう。

 皿
今夜使った二種。色絵梅文中皿と染め付け山家文扇皿。

お造り、焼き物、汁
写真も下手で何を作ったのかも分からない、本当に恥ずかしい。

料理はサービス精神が働き、つい分量を多めにしたくなる。まずそこからが問題。

特に良い器を使った料理の場合、分量はほどほどに少く。あるいはどう器を見せるかが勝負かもしれない。水の切り具合、立体感、取り合わせ等々などなど。味は当然、料理はとんでもなく深かろう。

器の数と種類は十分にある。鑑賞用で終わらせたくない。今年は無理だが、いつか「齋藤さんの器で食べる会」が出来れば、と妻と話した。

雨が匂わす夏  筍のおかず。

2012年5月15日(火曜日)

夕にかかってシトシトと雨が降った。だれ恨むものない静かな降りだった。

 

降り始めに草木や土の匂いが強く立った。春から夏へ、山や森もいい香りがしているにちがいない。

 

煮しめ


笹寿司

 

先日の筍がおかずになって卓に出てくる。昼はミガキニシンを入れた煮しめ、夜は笹寿司だった。

母の笹寿司はもっと美味しかった、と。何気ない言葉でひと味おいしくなったりする。

筍、 この重量で木の芽とは。

2012年5月11日(金曜日)

頸城区の知人から今度はまるまるコロコロとした筍を五つもいただいた。頂き物ばかりで恐縮至極である。

 

筍これでも木の芽だから勇ましい。中に全ての節がすでに形成されているという。 

 

夜、妻が下ごしらえを始めたら二階まで香りがのぼってきた。明日はスタッフたちと分けて賞味しよう。時間があれば描きたいところだ。

 

追伸:当初のタイトル「筍やこの重量で木の芽とは」は季重なりのため文にしました(5月14日)。

 

 チェロとギターのコンサートバナー

山の幸(力)山菜 昔、池の平で私たちにも沢山採れた。

2012年5月10日(木曜日)

わらび

 

山菜採りが好きな方からわらびをいただいた。この時期から多くの人が山へ行く。皆さんに独自の場所があって沢山採ってこられる。深く入ることもあるのだろうが、絶えることない山菜に感心させられる。

 

山菜採り池の平のタケノコ採りの帰り。妹が担ぎ、母は着物。遠くに野尻湖。
昭和30年代中頃。

 

中高生のころ、池廼屋さんに泊まり池の平でワラビやタケノコを採った。宿の湯の香が良く、信州味噌を使った味噌汁が美味しかった。イモリ池を回り東大の寮を過ぎるあたりから私たちでも沢山ワラビやタケノコが採れた。

 

時には父が持参したコッヘルを固形アルコールの火に掛け、付近の谷川の水でタケノコと豚肉で味噌汁を作った。宿で用意してもらったおにぎりの美味しかったこと。

ワラサ そして広くなった?砂浜。

2012年4月25日(水曜日)

今朝Yさんから、息子さんが釣ったばかりという魚を頂いた。出世魚のブリがフクラゲ(フクラギ)からワラサにかかる頃合いか、ゆうに60㎝を越えていた。 

 

夕陽を見に行く大潟区四ツ屋浜から降りた海岸からの投げ釣りで、最後は海に浸かって引き揚げたと聞いた。 一般に初夏からの魚らしいがすでにそんな季節になっているのだろうか。

 

フクラゲ

 

立派なので昨日お孫さんが生まれたばかりのスタッフさんと分けた。今夜は腹の身を刺身にして頂いたが、脂は薄めで味は濃く大変美味しかった。明日は背を焼き魚にするらしい。 

 

ところで大潟・柿崎一帯の海岸は、毎冬激しい浸食を受けていた。それが今冬、意外にも深刻な被害は見られず、むしろ砂浜は拡大している印象がある。こんなことは極めて珍しい。直江津港の防波堤の延長による現象ではないかという人がいた。

 

浸食を防ぐために大量のテトラを投入し続けなければならなかった海岸線。こんな徒労から免れ、今後は少しずつであっても、砂浜の再生へと向かうならこれほど嬉しいことはない。トキのヒナなどとともに、失われた環境回復へ希望を繋ぎたい。

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