食・飲・茶・器
小林古径 びんのかけら Lait Deux(レ・ドゥー)。
昨日上越市は高田の総合文化博物館と埋蔵文化財センターの催事を書かせて頂いた。どちらも充実し企画→展示のご苦労が偲ばれた。文化財埋蔵センターは撮影がOKということで有り難かった。
博物館で小林古径も観た。特に夏をテーマに三階で展示されている植物を中心とした多数の素描は興味深かった。氏の探求と修養、そして品格は印象的だ。
清らかな美は小冊であるが、古径の要点を本人の語った言葉を引用して良くまとめられている。なかでも写生、時代と絵画、画品というもの、下絵の要点、対象の価値(命)の表現などにおける文言に畏怖を禁じ得なかった。
古径は、いま脱税などで騒がれ同じような絵ばかり描いていた高名な某画家とは天地ほど格が違うのである。郷土の真の誇りとしたい。
さて、少し早かったが夕食のため「びんのかけら」へ寄った。趣味のよいご主人の好みがさりげなく生かされ、ほどよく味付けされた年月にくつろげる。
入るとビル・エバンスの「My Foolish Heart」 がかかっていた。美味しいミックスとアンチョビーのピザを妻と一人前ずついただき珈琲を飲み、オーナーと沢山話をした。南欧風のしつらえ、流れるジャズ、隣接するオーナーのバレー・スタジオ、庭、バラ、小鳥、、、、。
ちなみにと、仰ってレコード棚から取り出されたレイ・ブライアントの一枚は、偶々私が持っているのと一緒だった。
途中激しい驟雨が来て、小止みを見計らって失礼した。それから直江津へ出てお菓子屋さん「レ・ドゥー」へ寄った。
フランス菓子の店「Lait Deux(レ・ドゥー)」。お菓子、内外のしつらえともおしゃれだ。
樹下美術館ではカフェのケーキでいつもお世話になっている。夕刻にはケースがカラカラになるほどの人気を長く維持しているらしい。ご出身が筆者の地元大潟区で、ご近所だったのも頼もしい。
びんのかけらさん、レ・ドゥーさん。ともにポリシーとその現れなど、樹下美術館にとっていつも勉強になる。
新鮮なソラマメとタケノコ。
春、天候を気にしながら植えた野菜。その後のお天気はどちらかというと寒い傾向が続き、ここへきて雨が降らない。毎日水やりが続いているようだ。畑は楽しさと難しがいつも一緒、あれは良いがこれが悪い、と話が絶えない。
いつも頂き物の話題で恐縮してしまうが、本日は立派なソラマメと根曲がりタケ(山タケノコ)を頂いた。ソラマメもタケノコも一部すでに食膳に乗ったが味濃く非常に美味しかった。
タケノコを採りに行かれた方は、今年は少なかったと仰ったらしい。
皆さんは自分が採りに行くところをほぼ絶対に教えてくれない。
なんでも私たち次第。
樹下美術館が建って、裏の田で7回目の田植えが終わった。
新鮮な水田に浮かぶように建つ樹下美術館は何度見ても夢見るように穏やかだ。
私が郷里に帰ることを決めたのは、医家の長男であったことも大きいが、地元の松林と水田の引力は決定的だった。
いまJR線沿いの広大な松林は荒れた。一方水田は踏ん張っている。農業は老人の仕事などと一般に言われるが私が知っている限りそうではない。若年ではないにしてもまだ壮年の人たちの踏ん張りでなんとか成立している。
先日オランダの稲作をTVでみたが、もはや農業ではなく、巨大工業プラントのごときものだった。見渡す限りの農地はすべて透明に近い屋根で覆われ、土は無くダクトが巡らされ、必要な環境管理はすべてコンピュータだった。
今夕、樹下美術館の裏に植えられたばかりの稲は風に揺らぎ、とても愛着が沸く。果たしていつの日かこの稲は大気や日光から切り離され緑のロボットの如きものと化すのだろうか。
その可否は消費者の私たちが握っている。自分たちがどれだけ消費者ロボットになるか、世の中何でもそれ次第だ。樹下美術館は建っている限りロボットにはならない。
新幹線 上越地域の明るい明日とは何だろう。
東京にお住まいで、昨年倉石隆の版画6点を寄贈してくださったご夫婦が本日来館された。昨日から瀬波→村上→新潟市→犀潟→樹下美術館へと到着された。明日はもう長野県入りという日程だった。
某テレビ局に長くお勤めのいわゆるテレビマン、後年は美術界のお仕事だった。赤坂生まれの東京ッ子。夕食を直江津の「おと」でご一緒して楽しい時間を過ごした。新潟県のことで興味深かった話を二、三記してみたい。
●新潟県人といえば河井継之助です。そもそも上野はなぜ西郷さんの銅像なのでしょう。継之助が当然だと思っています。前島密は立派な人ですね、恥ずかしい事ですが高田の人だったとは知りませんでした。上杉謙信のことはあまり興味がありません。
●新潟のお米は本当にすばらしいですね。お米が美味しいものだということを初めて知りました。見渡す限りの田んぼも本当に見事です。
●根曲がりタケと言うのですか。初めて食べましたが、こんなに美味しいものがあるのですね。
●新たな新幹線の名が長野新幹線か北陸新幹線か、もめていますね。新潟県の言い分はどうなのですか。
高田の桜と蓮は見応えがあった、と東京などの人から聞く。特に蓮は素晴らしいとも。そもそも旅行者は無駄を避ける。一過性の話題づくりやパフォーマンスでは観光はきつい。
遠くから来る人の貴重な時間を頂戴するにはやはりそれなりのクオリティが必要だ。˝時間の無駄、二度と行くところではない˝などという悪評だけは絶対に避けなければならない。そのようなことがどこかにあれば、上越全体の評判として一挙に定着する可能性がある。
大切な通年集客は一朝一夕に成立するとは考えられない。日本にはさまざまな人が居る。広い視野のもとで、大変な努力の継続が必要だ。当然ながら最初が肝心であろう、果たして間に合うだろうか。
追加:予定新幹線といえば、まず上越市のことを考えるが、妙高一帯の高原は有望だと思う。少なくとも北陸三県、さらに関西圏には妙高高原のようなのびのびとした美しい場所が見当たらない。もともと関東、首都圏にも人気だった。
冬場のスキーはじめ野尻湖とのタイアップなど復活のチャンスは大きい。荒れ地の整備、愛らしい在来線の高原列車、宿泊施設の質向上は不可欠であろう。実力あるプランナーを得ることも鍵にちがいない。
樹下美術館の山菜 蕗の下ごしらえ 続く寒冷。
毎年樹下美術館の庭で山菜が採れます、と言っても蕗ですが。早春にフキノトウ、今ちょうど蕗の採り頃のようです。妻が採ってきて切りそろえ、湯がいて皮を挽きました。
皮を挽いてきれいになった。
山菜の支度は意外と手間が掛かるのですね。
ところで、お会いする皆さんが口々に寒さによる田畑の遅れを嘆かれます。畑の苗が植えた時のまま大きくならない。稲の苗も小さいなどです。
本日は晴天でしたが、やはり寒い一日でした。夏もそこまで来ているはず、この寒冷は少々心配です。
良いお彼岸でした。
穏やかな薄曇、今頃らしいといえばそのようなお彼岸の一日でした。
上越に良いところがあると聞いたからという新潟市のカップルさん、二時間以上もゆっくりされましたね。
お近くの青年さん、市内のカップルさん、多くの皆様、丁寧に作品を見て頂き感謝しています。
母の故郷佐賀県を訪ねたのは昨年の今頃で、お彼岸の連休。思い出深い感傷旅行でした。
ところで樹下美術館の行き帰りによくこの踏切を通ります。ほくほく線と信越線が通過する広い踏切にはいつも旅情が漂っています。(向こうは犀潟駅です)
友人ご夫婦からおはぎを頂きました。お二人ともいつも忙しいのに美味しいおはぎでした。
かつて医師会長のころあまりの忙しさに頭がおかしくなりそうでした。
「用事は忙しい人に頼め」か、なるほどなと思いました。
「忙しい人ほどちゃんと作る」
これは本日おはぎを見た妻の感想でした。
午後からお客様の相手をさせて頂いたり、裏の芝生の草取りや、チューリップの植栽、実生で育っている松苗の移植などして暗くなるまで美術館で過ごしました。明日は一転荒れて寒くなるという予報です。
※チューリップは、前年秋に慌ただしく(時には悪天候も)支度するより、春にスーパーで苗を買う方がずっと便利と知りました。
上越市は高田 友ずしさん。
三日雪に吹かれた週末の日曜夕刻、高田へ行った。
以前、上越市のぶろぐ「みやっちのひとりごと」さんで寿司屋さんの記事を見ていた。
上越市高田は東本町3丁目の「友ずし」。昔ながらの町内のお寿司屋さんの雰囲気をそのままに、見るからに美味しそうな気配が伝わっていた。
人の良さそうな親方のお顔も引力だった。
とても美味しくお値段もリーズナブル。町の一角ににこうした昔ながらの店が残るのは本当に貴重なことだ。
しばしば猛烈な地吹雪の夜、帰りは飲まなかった妻が案外平気な顔して運転しました。
夕刻、柿崎の海を歩けば バレンタインお干菓子。
晴れ間が多かった日、休診の午後は柿崎の海へ行った。
昨年3月下旬に新潟空港から福岡まで何十年振りにジェット機に乗った。その時の母の故郷を訪ねる一人旅は思い出深い。見上げた飛行機雲で旅が思い出された。
「お前も来たのかい」
私が死んだら天国の母はそう言いそうだと思った。シーグラスを拾おうとしゃがんだらメガネに涙が一つぶ落ちた。
天国の母は祖先達の食事の仕度に忙しそうにしている。
「これをお食べ」
ちゃぶ台にご飯と味噌汁、生卵と野沢菜が置かれていた。
死んだ親のことを考えるのは自分だけの自由時間。
妻が茶の先生から頂いたお年玉である巳年のお茶碗。
それにまた頂き物のバレンタインのお干菓子を食べた。
薄茶に軽々した風味が新鮮だった。
恥ずかしいきっかけ スフレの誕生日ケーキ。
前回のノートに体重の事を書き、後からかなり恥じています。しかしこの度のことは本当に恥ずかしいきっかけがあり、我慢をせずに補充いたします。
以前ノートに書きましたが昨年10月日6日、えちごくびき野100㎞マラソンがありました。
夕暮れの大潟関門を訪れた際、そこに同じ年の患者さんが運営ボランティアとして参加していました。長く体重だけで血糖コントロールを試みている方です。
近づいて話しかけるとすぐこう仰いました。
「先生も結構出てますね」
彼は私のお腹を触ったのです。
ああなんと言うことでしょう、あわてて引っ込めましたが間に合いませんでした。
その日の夕刻からこっそり食事を減らしはじめ、11月末、階段昇降とともに妻に宣言して全体として取り組み始めたという次第でした。
職業柄、分かり易い見本にならなければ、、、。100キロマラソンの夕刻の一言は恥ずかしくも貴重でした。
「忙しく、遅れてゴメンネ」。本日若い身内から頂いた手作りの誕生日ケーキ。
「おじちゃんの顔だよ」というクッキーが嬉しい。
美味しいふわふわのスフレ、明日はスタッフにも上げよう。
さあ、階段、階段。
減量 ソフィーさんの“あわゆきシュトーレン”。
年令は若くはならないが、体重を若い頃に戻すことは出来る。
思い立って昨年11月末から食事カロリーを少なくとも10%は減らし、間食を半分以下にした。現実には食べ残しをしながら減らしていった。
また10段ある階段を一回につき2~5回昇降し、現在一日400~500段の昇り降りをしている。胃が小さくなり、階段昇降は増えた。
およそ70日経って58,5㎏の体重が53、5㎏まで減少し、30代の体重に近づいた。小がらな筆者は当時163㎝で体重は52㎏前後だった。この二ヶ月半でBMIが22,6→20,5になり喜んでいる。
このことで変わったこと、変わるであろうこととして、
①歩くスピードが早くなった。
②組織の老化ベクトルにいくぶんのブレーキが掛かるはず。
③おなかがへこみ、昔の衣服が着られるようになった。
経験上、定年前後からおよそ10年間の比較的若い人が、突然重篤な脳血管障害や心筋梗塞に襲われることがある。。私の先は分からない。しかし遅れぎみながら念のための備えをすることにした。
※昔から小太り(例BMI:25-30!)のほうが寿命が長いという発表が時々あります。しかしこれには乗りすぎのリスク、人種の特異性、糖尿病の無視、足腰負担の無視、心肺機能低下の無視、メタボへの反動などを感じます。あるいは長生きしても多く疾病を抱えることが危惧され、筆者はあてにしないことにしています。
近時お腹が空くことを実感でき、ああ昔はこうだったなと懐かしい。午後おなかが空く頃、髙田はソフィーさんの“あわゆきシュトーレン”を食べた。
クリスマスに食べるドイツ菓子(パン)シュトーレンが“あわゆきシュトーレン”になった。
味は濃厚、イラストも愛らしい。
賞味期限が3ヶ月とあり、ラップにくるまれて少しずつ熟成する。
およそ週に一度スライスしながら美味しくなるのを試そう。
白い砂糖のコーティングは淡雪そのもの。これは“春待ちシュトーレン”でもあろう。
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