食・飲・茶・器

上越茶道会の記念茶会 美味しい薄茶 陶齋のお茶碗。

2013年9月29日(日曜日)

本日9月最後の日曜日はいっそうよく晴れました。この日、直江津駅前ホテル センチュリーイカヤさんで上越茶道会による20周年記念茶会がありました。

江戸千家(濃茶)小川紫雪、裏千家(薄茶・立礼りゅうれい席)有澤宗香、表千家(濃茶)香西宗英、各先生のお社中による三席です。

 

130929センチュリーいかや上越茶道会会記本日の会記

日曜日とはいえ宿題と重症の患者さんを抱えていて時間が取れず、宗香先生のお席だけ座らせて頂きました。
千家三代目、およそ400年ほど前の茶人〝わびの宗旦〟画賛によるお軸「六祖面目」は禅味に溢れ、唐物(からもの)の籠に入る5種の秋草は季節そのまま爽やかでした。皆具からたばこ盆までみな大変貴重、そして見事だったこと。

恥ずかしくも主客席に座らせられた小生は古萩のお茶碗、銘「熊川(こもがい)」でした。びわ色~ほんのりうす紅に変化を遂げ、李朝の風情を伝える碗。お隣で支えて頂いた西口宗米先生は唐物(中国伝来)の珠光青磁の端正な平茶碗でした。

そして三客さんは齋藤三郎(陶齋)の「秋草の絵」です。前もって会記を読んでいましたので陶齋のお茶碗は興味津々でした。実際目にした器は傍目にも見事で言葉もありません。
拝見を所望しますと、全体は黒々とした筆跡が覗える鉄絵茶碗。正面に白く抜かれた大きな半月、それに秋草が掛かり宗達を思わせる風趣満点の作でした。

私も大好きです、と宗香先生。その碗でもう一つどうぞ、と宗米先生共々勧めて下さり、あらためて一服を頂きました。若き陶齋の気力と今日まで器を伝えた人々の愛情が口いっぱいに広がるのでした。

お点前された若き人は樹下美術館の美しい常連さん。お心こもりの所作で、美味しいお茶が立ちました。時間が足りず名残惜しい会場を後にしました。

帰宅して往診、そして福祉書類の作成、図録文言集の見直し、個展の風景画の下絵、、、いつもながら忙しい日曜日でした。

茶の復習 アキアカネ 栗とスダチ。

2013年9月21日(土曜日)

 

稽古来月の毎日曜日昼、「陶齋の器で食事会」が近づいた。本日も茶の稽古をした。

食事のほか、食後に陶齋の器を使ってお抹茶を差し上げることになっている。合計4回のうち3回を館長責任で、小生がお点前をすることになった。緩急と呼吸、自然な所作と手順。昔ほど上がらなくなったと思うが良いお点前をしたい。

 

トンボ連日の晴天で庭が乾いてきたので要所に水を撒いた。
庭のアキアカネが盛んに首をかしげて考え事をしている風。

 

栗とスダチ家に帰ると、いつもの方から元気いっぱいの栗とスダチを頂戴した。

昼のガラス栓 夜の名月。

2013年9月20日(金曜日)

昨日木曜日午後はいつもの休診。柿崎の海を40分ほど歩いた。海は先日の台風も知らぬげに穏やかで、沢山の砂利が上がっていた。シーグラスを期待したがやはり少なかった。すでに多くの人によって拾われている感じを受けた。

シーグラス幸運なことに、写真中央の緑色の先が丸いガラス栓のシーグラスが見つかった。
他のはこれまで集めたものの一部です。右には薄いブルーのガラス栓があります。
(コップに入れて水を注いでいます)

さて昨夜9月19日は旧暦8月15日で、十五夜の名月(仲秋の名月)の日に当たっていました。そして三年続きで暦どおり満月を迎えましたが、次にこのように暦と満月が一致するのは8年後ということです。

登り始めた月上越市は尾神岳の南側に昇った月。 大潟区渋柿浜から頸城区へ向かう道路から。

ところで、夕刻にお見えになった男性のお客様が、「今夜8時ころ、樹下美術館のデッキで月を観ていいでしょうか」とカフェで尋ねられたそうです。妻からそのことを電話で知らされました。

ご遠慮なく使ってください。それより私たちもご一緒するのはどうですか、と聞いてと言うと、是非というお返事。急遽ご一緒のお月見が決まりました。

お客様とは8時の約束。私たちは6時半から月明かりの下でお弁当を広げました。昇るに従ってますます明るさを増す月。

月と妻お弁当を終えて、デッキの妻とススキとお団子、そして月。

8時になると約束の男性が貴重な草団子を持参して現れました。40才ほどの背の高い男性とは初対面です。侍のように礼儀正しく振る舞われ、丁寧な挨拶をされました。何度か樹下美術館を訪ね、とても気に入っていると仰ったのです。

東京の写真学校を卒業後、広告の世界を経て父親の没後、故郷上越市へ戻られた人。現在設計に携わっておられるというこで、沢山四方山話をしました。私たちから無理に誘ってしまい、ご迷惑でなかったかなと思っています。

 三人で田んぼに昇る名月を惜しんだ一夜。氏とはお団子にお抹茶、番茶、コーヒーを一ご緒した。

お団子話を聞いたお茶をされる友人の奥様が、予め自宅用の月見団子を分けて下さった。
月明かりの下、軽い甘みとほのかな塩気は美味しかった。

さてオリンピックといい、次の十五夜満月といい、いずれも7ー8年先のことになる。それまで生きているかどうか、とは老人たちの話であり、71才の私の話でもある。

増々危うい年齢になっては健康への留意以外、将来に関してなすすべは無い。先日の後輩との食事、昨夜の初対面の男性との月見、、、。いつしかみな一期一会の真実味を帯びてきている。

お付き合いはある種厚かましさを禁じ得ません。ご無理を聞いていただき感謝しています。

上越市で少々懐かしい友人と食事。

2013年9月12日(木曜日)

過日、私より少し若い知人が樹下美術館を訪ねて下さった。数年前のこと、展示だけご覧になって帰られたことがあった。このたびはカフェにも寄られ、留守中の拙宅の呼び鈴を押したという。そのことが同夜のメールにあった。

誰もいない家の呼び鈴を押す情景は目に浮かぶ。追い返したようで申し訳なかった。詫びのメールをしてひさしぶりに食事をしましょう、と返した。話はとんとん拍子となり、何日も経ずして今夕上越市は高田「おと」で夫婦の会食をした。

おとの踏み石店の土間の踏み石。食事の最中は夢中で写真を撮る暇なしでした。

地野菜、魚の焙り、のっぺ、貴腐サラミ、栃尾の油揚、ほか皿を回しあって美味しく食べた。代金もリーズナブルだと思った。

医師会の今昔、旅、上越の偉人、焼き物、庭、体調のことなど話尽きなかった。
氏が仰ったとおり、いつしか過ぎた食事は一期一会の味が残った。氏とは若干の起伏はあったが、知人から友人へ変わった様な気がした。

番茶と甘納豆家に帰って齋藤尚明さんの近作の湯呑で甘納豆を。

酒は弱い方の私ですが、、今夕は生ビールのあと「山崎」のストレートをちびちび頂きました。
相客は良い方なので無理に酒を勧められず、ほどよい加減。
家に帰るといつものように甘い物と牛乳を少し口にしました。

陶齋の器で食事会 茶の復習 セプテンバー・ソング。

2013年9月10日(火曜日)

陶齋の器で食事会が迫ってきました。10月の毎週日曜日の昼、拙宅で5,6名の食事を予定していました。早いお問い合わせや、常連の方、何かとお世話になっている方たちで、皆様に詳しくお知らせする前に一杯になってしまいました。まことに申し訳なく思っております。

このたびは一回7名となりましたが、全てでわずか28名様です。うまく出来ましたら来年は6月に4回、あるいは毎月、何番目かの日曜日を決めて3月から12月まで行うことも検討しております。
後者ですとうまくいけば70名様に参加して頂けます。今年を踏まえて方法を検討し、ぜひ来年も行いたいと思っています。

ちなみに、今回は高田「京」のご主人に厨房に入って頂き、食後はお抹茶のお点前を差し上げる予定です。私も何とか頑張って一、二度座ることになりました。

 

月
お茶の復習を終えて外へ出ると月齢5という月。ほどほどの雲を従えて煌々と輝いていました。

 


ユーチューブからの「September Song」です。

〝9月になって日は短くなり、あなたとの日々はいっそうかけがえのないものとなった〟
ウエスタン歌手のウィリー・ネルソンが心を込めて歌っています。
古いピアノを使っているようですが、敢えてでしょうか。

ほぼ同い年の友人宅で。

2013年8月29日(木曜日)

今夕ある友人宅に招かれ(押しかけ)てご馳走になった。

食卓1

食卓2

食べ物飲み物、お話、ともに新鮮で5時間もお邪魔してしまった。

日曜日のメガソーラー 仙人草 お嬢さん ラ・ペントラッチャ。

2013年8月18日(日曜日)

今日も当地は34度まで上がり、明日も同じような予報が出ている。部屋にいればエアコンの世話になり、心配したお年寄りたちがちゃんと反応しているのもエアコンのおかげかもしれない。

それにしても以前Yahoo!やGoogleなどの検索サイトで刻々示されていた発電の需給表示が消えて久しい。これだけ暑いのに何故だろう。

024今夕の上越市大潟区渋柿浜の「INPEXメガソーラー上越」(国際石油開発帝石)。夕日を受けて眩しい。
冬期の雪を落とすため傾斜を強くしてあるらしい。

 

019今盛りの仙人草。密集して白い塔のようになっているのも見かける。

 

お客様カフェにノートや資料を持参されていたお嬢さん。
子どもの頃よく私の所へ通ったと仰った。今日は大勢のお客様に来ていただき感謝しています。

 

ラペントラッチャお盆は何かと忙しなかった妻の慰労で訪れたラ・ペントラッチャ。テラス席を中から妻の携帯で。

チーズリゾット、肉料理、サラダみな美味しかった。ある席のご家族の所へバースデーケーキが運ばれた。するとスタッフが揃ってイタリア語でハッピー・バースデーを歌った。歌が終ると賑わう店内のテーブルから拍手。上越市は美味しい店が沢山あるようで、「もてなし」は有望ではないだろうか。良い日曜日だった。

美味しい茗荷と忘れん坊。

2013年8月6日(火曜日)

茗荷・ミョウガを頂いた。随分昔、東頸城から大潟へ来られた方からだった。山地を思わせる場所に住まわれ、山菜を植栽され、季節ごとに頂き物をして恐縮している。このたびの茗荷も美しく、さすがだと思った。

 

ミョウガ頂いたミョウガ。

 その昔、我が家でも茗荷が採れた。私は子どもの頃から茗荷が大好きで、季節が近づくと待ちきれずに庭の隅へ探しに行った。

中学生の下宿先で、茗荷を食べると忘れっぽくなると初めて聞かされた。
実は拙生は小さな時からの忘れん坊。小学校の登校の際、友達を呼びに行ってはしばしばそこにカバンを置いてきたり、運動会の帰りに着替えもせず、短パンにハチマキをしたまま歩いていて笑われました。恥ずかしい話ですが、後年、往診先から聴診器が届けられたことは一回二回ではありません。

およそ茗荷と忘れん坊は関係ないと言われています。しかし頭が妙にすーとする独特の香りを嗅ぐと、どこかで関係あるのではと思ってしまう今日この頃です。

斑入りの桔梗 デッキのお茶 鵜の浜温泉の人魚像。

2013年8月3日(土曜日)

晴れ間が覗き暑くもなく過ごしやすい日でした。

まだ完成しない図録は作品数とページを10%ほど減らして身軽さを目指しているところです。最近ようやく来年5月予定の拙個展の下絵を描き始めました。

何事も集中出来るまで時間が掛かるのは年齢のせいだと思っています。一方で時間スピードだけ上がりますので、割り切りのようなものが必要なのでしょうか。

 

斑入り桔梗夕刻が近づいて美術館へ。随所の桔梗の中に一本、紫の斑が入った白桔梗がありました。

新品種というのではなく、何か脆弱因子が関係して起こったのでしょうか。せっかくですからいくつかの蕾も是非斑入りを咲かせてほしいと願っています。咲きましたらまたご報告致します。
追加:何年か前にもこのような花が咲きました。紫と白をかなり沢山植えていますので自然交配かもしれません。今年は種を採ってみます。

水田とお茶レ・ドゥさんのケーキを薄く切ってもらい、デッキでお茶を飲みました。
器は2002年の拙個展で皆様に珈琲をお出しした時に使ったリモージュのデミタスサイズ。
戸外のお茶に合っていると思いました。

 

トレーの青空カフェのトレーを丸型から取っ手の付いた四角いものへ変えてみています。
青空が写ってきれいでした。

 

人魚像今夕の上越市は鵜の浜温泉の人魚像。

きれいな夕焼けの海で人魚像が雰囲気を出していました。この像は陸を向いています。歓迎?の意味かなと思っていましたがやはり不自然ですね。本当は故郷の海を見たいのでは、と思いました。振り向くわけにも行かず、可哀想です。

小林古径 びんのかけら Lait Deux(レ・ドゥー)。

2013年7月15日(月曜日)

昨日上越市は高田の総合文化博物館と埋蔵文化財センターの催事を書かせて頂いた。どちらも充実し企画→展示のご苦労が偲ばれた。文化財埋蔵センターは撮影がOKということで有り難かった。

博物館で小林古径も観た。特に夏をテーマに三階で展示されている植物を中心とした多数の素描は興味深かった。氏の探求と修養、そして品格は印象的だ。

1ショップで求めた「清らかな美」

清らかな美は小冊であるが、古径の要点を本人の語った言葉を引用して良くまとめられている。なかでも写生、時代と絵画、画品というもの、下絵の要点、対象の価値(命)の表現などにおける文言に畏怖を禁じ得なかった。
古径は、いま脱税などで騒がれ同じような絵ばかり描いていた高名な某画家とは天地ほど格が違うのである。郷土の真の誇りとしたい。

さて、少し早かったが夕食のため「びんのかけら」へ寄った。趣味のよいご主人の好みがさりげなく生かされ、ほどよく味付けされた年月にくつろげる。

2外にも席があり、ミストが吹き出すファンが置いたあった。

3多くのホーローの器が時の流れを演出している。

4

5天井の明かりととドライフラワー。

入るとビル・エバンスの「My Foolish Heart」 がかかっていた。美味しいミックスとアンチョビーのピザを妻と一人前ずついただき珈琲を飲み、オーナーと沢山話をした。南欧風のしつらえ、流れるジャズ、隣接するオーナーのバレー・スタジオ、庭、バラ、小鳥、、、、。
ちなみにと、仰ってレコード棚から取り出されたレイ・ブライアントの一枚は、偶々私が持っているのと一緒だった。

途中激しい驟雨が来て、小止みを見計らって失礼した。それから直江津へ出てお菓子屋さん「レ・ドゥー」へ寄った。

6フランス菓子の店「Lait Deux(レ・ドゥー)」。お菓子、内外のしつらえともおしゃれだ。

樹下美術館ではカフェのケーキでいつもお世話になっている。夕刻にはケースがカラカラになるほどの人気を長く維持しているらしい。ご出身が筆者の地元大潟区で、ご近所だったのも頼もしい。

びんのかけらさん、レ・ドゥーさん。ともにポリシーとその現れなど、樹下美術館にとっていつも勉強になる。

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