食・飲・茶・器

11月が終わる日。

2017年11月30日(木曜日)

本日朝はやや暖かったがすぐに気温が下がり時折降られた。
午後休診の木曜は、週半ば過ぎに背の荷を少し軽く出来る貴
重な日。

どんよりと曇ってはいたが柿崎海岸を30分ほど歩いた。

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薄く緑がかった灰色の日本海。飽かずうねり砕ける波はドードー
と鳴り、威厳に満ちている。

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↑ハマヒヨドリ(イソヒヨドリ)は海岸の鳥だが、たまに樹下美術
館にも来る。いつも一人ぼっちで現れるのが不思議であり、殆
ど鳴くこともなく何となく可哀想だ。

 

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忙しくしていたカワラヒワの群。つがいとしてあるいは若鳥と
して近隣に定住する留鳥のほか、冬期に北方から群として
渡ってくるグループもあるようだ。
確かに吹雪の田んぼや野原で何十羽も群れているのを目
にする。雀やアトリ、カシラダカの群と一緒のことが多かった。
本日さっそく群を見たが、まだ南下を続けるのか。冬は過酷
ゆえ集まって旅するのだろう。

午後尊敬するお茶人が来館されご一緒させて頂いた。
美と情の機微に優れた方と過ごすと、緩んだ心身がしゃんと
する。

 

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本日館内にあるこの花の場所を移動するため器を手にした
ら良い匂いがした。花は匂い椿で、小ぶりな白花を沢山つ
けて姿も良かった。お客様からの頂き物だった。

器は30数年前に新潟三越で求めた三田窯の故谷本光生
氏の伊賀の花生(はないけ)で懐かしい。
当時お茶向きとは知らずに買い、その後まもなく故渡辺宗好
先生の許で裏千家茶道に不肖入門した。先生亡き後さぼり
続け、何かあるとに平手前(ひらでまえ)のにわか稽古で恥
をかいている。

 

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例年カフェ右手に覗くモミジが樹下美術館の庭で最後に落葉
する。散り方は様々で、北風に飛ばされてみな向こうに行って
しまうこともあれば、満遍なく芝生に散らばることもある。今年
は穏やかな風に出合ったのか、樹の下を中心に上手く散って
いる。
現在樹の北側が散り、南側半分が残っている。散った葉と残
った葉はこれからどうなるのか、少し楽しみだ。

明日から冬、12月が始まり今年の樹下美術館は残り25日とな
りました。足もと次第ですが、お暇な折はどうか暖まりにお寄り
下さい。

心暖まった初冬の城下町茶会 糸魚川市と柏崎市へ図録を運ぶ。

2017年11月26日(日曜日)

本日日曜日、午前は風無く時折晴れ間が見えて穏やかだった。
そんな午前上越市髙田は百年料亭の名館「宇喜世」で第8回
越後城下町髙田茶会」があり参席した。

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宇喜世の格調の門。

 

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目にしみる初冬の紅葉。

 

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香高く滑らかに練られた茶を頂いた宗皋先生の濃茶席。

 

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爽やかな茶を美味しく服した宗泉先生の立礼の薄茶席。

翠巌宗珉の横掛け「露堂々」が掛かった濃茶席、井伊直弼の
「静者心自妙」の一行が掛かった薄茶席。
ともに静かな花とともに、大切に伝えられた好趣のお道具が初
冬の室内に美しく佇み、お菓子は茶を引き立てて止まなかった。

別室で心づくしの点心を頂いて帰路についた。
主催されたフカミ美術様、有り難うございました。

午後からかなり激しく雨が降ったが糸魚川市と柏崎市へ向った。
糸魚川市「酒井書店 東寺町店」 0255(53)2400
柏崎市「文化書院」         0257(24)2200

各店のご好意で齋藤三郎と倉石隆の図録を置かせて頂いた。

カフェでゆっくりされるお客様 美味しかった姫リンゴ。

2017年11月12日(日曜日)

日々寒さが強まっている。11月も半ばに差しかかり、間も
なくアラレの音を聞くのであろう。
本日日曜日は二十数名のお客様だったが、秋を惜しまれる
ように庭を眺め、2時間、3時間とカフェに座られる方が多か
った。

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_MG_7374

昨夜はお客様から頂いていた姫リンゴを食べた。ちゃんと蜜が入
り、大きなリンゴと遜色なく美味しかった。庭で育ってていらっしゃ
るということ、大変ごちそうさまでした。

倉石隆の「(人生)」 大洞原の大根 お客様から姫リンゴ。

2017年11月8日(水曜日)

本日午後からポツリポツリと始まり夕刻までしっかり
降り続いた。さらに夜間雷がゴロゴロ鳴ると強い風が
出てきた。

列島にそって長く伸びていた高気圧がプツリと切れ
て、好天だった空がにわかに冬型に変わった、と予
報が伝えていた。

そんな日のお客様はちょうど10人で、4人の方が展
示をご覧になり、9人の方がお茶の飲まれた。
居あわせた男性は東京の方で電車の待ち時間か、
犀潟駅から歩いてこられていた。倉石隆の絵をご一
緒した。
「人生」と「詩人」に長く足を止められた。
とくに「人生」をじっとご覧になり、この絵は晩年の作品
ですか、と尋ねられた。

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「(人生)」 1957年 90,9×72,7㎝

上京後、貧しく苦労をしていた比較的若いころの作品です。
苦しい自分を揶揄するように描いたと思います。ご本人は
とてもハンサムな人ですが、美しいだけの絵は描きたくない、
と生前仰っていました、とお話しした。
お客様は、晩年に人生をこのように振り返ったのであれば
つらい絵になる、とお考えだったようで、
「なるほど、色々考えさせられる絵ですね」と幾分ほっとした
風に仰った。
以前ここで書いたように大学生になったばかりの若者も、こ
の作品の前で、これが人生か、凄いなと唸っていた。

次第に雨が強くなり、お客様が見終わる頃合いでスタッフが
車で駅までお送りした。
館内のノートに好意的な感想を残されていた。

 

さて大洞原のお土産の大根は煮物になったが、漬け物も予
定されている。

 

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午前の大根。

 

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昨日お客様から頂いた姫リンゴはそのまま絵のようだった。

お天気が庭の冬仕度をせかせて落ち着かない。

半年に三回の健診 68年かかっている野菜。

2017年11月7日(火曜日)

本日午後、来年度就学園児の健診があった。かってこの
年令の園児は、秋の健診として10月に他の年令の園児と
ともに診た。

だが一ヶ月後、もう一度就学前と称してこのたびのように健
診を受け、さらに来年入学すると5月に学校健診がまたあっ
た。

同じ児が半年余に三回もの健診を受けるのである。
丁寧といえば丁寧だが、本当に意味があったのだろうか。

同じ時期に秋期健診と就学前健診、名は違うが内容は同じ。
健診が心身に悪いというわけではないが、さすがに多すぎる
と、学校、保健所に伝え、医師会でも取り上げた。そのせい
か、いつ頃からか年長の園児は秋の健診を止め、およそ一
ヶ月後の就学前健診を行うことで済ませるようになった。

私が当地へ帰った昭和50年から担当した小学校の生徒数
は1000人を越えていた。就学予定者は170~180人いて、
もうお一人の先生と、延々診た。
医師もそうだが、園、親御さん、園児?にも余計だったので
はないだろうか。
こどもたちがちゃんと小児科医にかかるようになったことも大
きい。
私が言ったせいでもあるまい、堅苦しい制度の堅苦しいお役
所が、よく変えてくれたものだと、今にしてつくづく感心してい
る。

 

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数日大変よく晴れた。明日から崩れる予兆か本日午後の雲。

 

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さる11月4日、お訪ねした妙高市は大洞原のSさんから帰り際
頂いた白菜。皆さんとお分けしました。一昨日、朝日の中あまり
に美しいので撮りました。お漬け物になるのを待っているところ
です。

 

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本日夕食は一緒に頂いた大根が出ました。妻の作ですが本当に良
いお味でした。

ご不自由なのに玄関先まで出て見送って頂いたSさん、貴重なお野
菜を美味しく食べています、本当に有り難うございました。形式でなく、
ひたすら実を追求した開拓地の野菜が美味しいのは頷ける。

大潟漁港の波浪 ギンナンと栗のご飯。、

2017年10月30日(月曜日)

そう大型でもなさそうだった台風22号だが、去った後も
本日強風に見舞われた。
温帯低気圧に変わり、強い冬型の気圧配置がもたらし
た風らしいのだが、夜になっても吹き続け、「木枯らし」
などでなく終日大嵐の様相だった。
近隣の大潟区渋柿浜の大潟漁港は激しい波浪に見舞
われていた。

膨大なエネルギーを内包している波浪は発電に利用さ
れ得る力を有しているように見える。
かって大潟区四ツ屋浜では帝国石油が用いた桟橋に京
都大学が波浪研究所を設けてデータをとったことがあっ
た。
発電の実用は難しいという結論ではなかったかと思うが、
本日の波などはもったいなく写る光景だった。

 

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夕食は、恥ずかしながら頂き物の栗とギンナンのご
飯で、栗は焼いてあった。
向こうは渋皮煮で、作るのはかなり大変そうだ。

十五夜饅頭とお茶 直江津の彩雲 六本木の電線。

2017年10月5日(木曜日)

昨日は十五夜で月見饅頭でお茶を飲んだ。
愛らしい饅頭は土底浜の都寿司さんからの頂き物で、東京千
住は喜田家のお製だった。

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茶碗は鈴木秀昭さんの金銀彩綺羅星茶碗
ところで大切な茶碗を私の不注意で大きく割ってしまい、金継ぎ
の修理をしてもらっている。
鈴木さん、お茶碗、本当に本当に申し分けありません。

 

 

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今夕直江津の用事で見た彩雲。
これまで見た中で最も大きな彩雲だったかもしれない。
場所がら電線が入ってしまう。

ところで漠然ながら、電線は大都会では見られないものと
思っていた。
それが去る9月の上京の折り、六本木ヒルズの近くで地方と
く同じ電柱、電線を目にしてかなり驚いた。
見慣れた電線にはふるさと感が漂い、驚くと同時にどこか安心
もおぼえた。

 

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六本木界隈の電線があった通り。

さて明日が満月だそうで、今夕の月は既に真円に見えた。

 

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今夕、尾神岳の右方に昇った月は童謡を思わせる眺めだった。
写真素人の自分には、風情良くちゃんと月を撮るのはとても難し
い。

大洞原のトマトとトウモロコシ 本日の夏櫨(ナツハゼ)、アオハダの実。

2017年9月13日(水曜日)

昨日、妙高市関山の大洞原で農家を手伝っている方から
野菜を頂いた。

まだ訪ねたことはないが、同地に於ける入植による開墾の
話は聞いていた。
頂いたトマトは真に充実しトウモロコシは甘味つよく美味し
かった。

IMG_8957 - コピー
頂いた野菜。

戦後間もなく25戸で始まったという事業。雪深い所で今日
までよく到達したものと、深い敬意を禁じ得ない。

ところで倉石隆の昭和20年~25年までの髙田に於けるス
ケッチに草原開墾と裏書きされた小品がある。
当時の開墾といえば大洞原ではないか、と漠然と考えてい
た。
また原野から妙高山を描いた油絵があるが、これも同地か
らの眺望では、とあらためて想像している。

この機会に是非現地を訪ね往時をしのび、描かれた妙高山
がそこからのものなのか、など確かめてみたい。

所で去る10日、庭のナツハゼを書かせて頂いたところ、本日
館内のノートに〝夏櫨が赤くなりましたね〟という記載を見た。
難しい漢字でお書きになっていて驚かされた。

以下は本日の夏櫨・ナツハゼとアオハダの赤い実です。

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品良く愛すべき小ぶりな木。
この木を見た人は大抵好きになるのではないだろうか。

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本日のアオハダの実。
わずか甘みがあるが、不思議なことに鳥が食べているのをあま
り見ない。

 

低気圧の日。

2017年9月12日(火曜日)

低気圧移動の予報どおりに荒れ模様だった一日。

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正午過ぎ、四ツ屋浜の西方に厚く重い雲。

 

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本日美術館のカフェで、妻の煮物が昼食。
番茶の湯呑は二代陶齋・齋藤尚明氏作。
巻昆布、オクラ、ニンジン、大根、シイタケ、ミートボールの一
皿。
これのみで昼食とすることも多いが、本日お客様と話をしな
がらショートケーキを食べた。

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そのお客様が持参された秋の花。
時節のお花は重宝しています、いつも有り難うございます。

 

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時折日射しが混じった午後、近隣の水田で。

大きな被害もなく夜遅く風雨が止み、静かになった。

地上に暑さ空に秋雲 美味しかった熊本産マンゴー。

2017年8月23日(水曜日)

時に晴れ間が覗き、雲は多かったが暑かった日。
雨が続くと低温を心配するが一旦晴れれば直ちに暑さ効く。
東京の雨続きも一種異常な感じで伝えられていたが、本日
は晴れて34℃近くまで気温が上昇したらしい。

当地の週末はぐずつくが、以後残暑が待っている模様。

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本日午後の空に涼しそうな雲が現れていた。

過日熊本から訪ねてくださった方からお礼と言って西瓜とマンゴー
が届けられていた。

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マンゴーは動画で切り方を確認し、キューブに盛り上げて食べた。

一日冷やした熊本産マンゴーは文句なしの熟し加減。喉が痛くなる
ほどの甘みと、独特の南国の香りを堪能させてもらった。

先生、本当に美味しかったです、ごちそうさまでした。

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