拙(歌、句、文)
あの雪はいま雨となり そして辛夷(こぶし)の油絵。
雨ほど雪を消すものはない。これに南東の風でも当たればもっと消える。ここ二日続いた雨で雪消えが進む。上越市大潟では30㎝あるかなしかとなった。
こんな日のもやは、融けた雪が地面で暖められ水蒸気となって立ちのぼっているのだろう。
午後の往診、訪問の雪もや(上越市大潟区)。
雨が融かしているのは嘗ての自分にほかならない。
“ あの雪はいま雨となり降りしきる嘗ての己身をみな消さむとて ”
いよいよ3月9日(金曜)~15日(木曜)まで上越市本町5丁目の「ギャラリー祥」さんで第4回東日本大震災&長野県境地震復興支援チャリティ「アート&アーティストの底力」上越展が始まる。
同展に当ノートに掲載した水彩の辛夷を仕上げて出品するつもりだったが、規格サイズより随分大きいことが分かった。それで一花だけ取り出して小さなSMサイズ(ハガキ二枚より一回り大きい)のキャンバスに油絵として描いていた。
あれこれやりとりして今夜何とかゴールとした。まことにお恥ずかしい作品ながら、大島画廊で簡単な額を付けてもらい9000円のチャリティとして出品してみたい。
潮だまり二つ残して行った冬。
午前には雪もあろうかという予報が外れた一日。昼過ぎの柿崎の海は、沢山あった潮だまりが僅かとなっていた。
これから思い出したように一雪あったり、風花がチラリホラリとするだろう。しかし季節の入れ替えは始まっている。
“ 潮だまり二つ残して行った冬 ”
それから寄った美術館に春の帽子と装いの若い女性。コーヒー、ケーキ、水、お番茶、本、手帳などカウンターいっぱいに並べてニニコニコされていた。
いよいよ今年も始まっている。
いつも静かに始まる樹下美術館。
樹下美術館は今年の開館日となった。例年初日にこだわってくださるお客様6人とお二人の取材の方が来館された。静かに始まる初日は樹下美術館らしい。
木曜午後を休診にしているお陰でちゃんと取材を受けることが出来た。大小15の倉石隆氏の作品は14点が初展示。齋藤三郎の陶芸は初展示4点を交え季節順でみるので新鮮だったとお聞きした。
上越よみうりのk氏にはいつもお世話になっている。じっくり話を聞いて下さり窓外の雪に苦労されながら食器まで撮って下さった。お忙しいのに有り難うございました。
上越タイムスの若いIさん、初めてでしたがこれからが楽しみです。今後ともどうか宜しくお願い致します。
また明日弥生の入り陽を見送れり
小雪降る蘆の入り江の白鳥は何処も行かずただ添い合へり。
小雪の日曜日。雪が少なく県立大潟水と森公園は楽に歩ける。枯れ蘆に落葉樹の木立が静かだった。
岸近くにハクチョウが二羽はねを休めていた。一羽はコハクチョウ、一羽はオオハクチョウの若鳥のようだった。種類がことなる者同士が一緒に居るのは普通だろうか。
小雪降る蘆の入り江の白鳥(しらとり)は何処(いずこ)も行かずただ添い合へり。
二羽は行き帰り同じ場所に居た。オオハクチョウが手前のコハクチョウを見守っているようにも見えた。この時間、普通ハクチョウたちは食事のために田んぼへ行く。仲がいいだけならいいが、昨年のこと もあり少々心配だった。
夜、妻が本を読み満を持して臨んだ平清盛は中身がいっぱいだ。“遊びをせんとや生まれけむ”。梁塵秘抄も満を持して歌われた(やや歌われすぎたかな?)。人物達は妻が要所を説明してくれるので分かりやすかった。
昭和60年前後、ひどく孤独でキツかった時代。ある小説の主人公の回想で初めて梁塵秘抄に出会った。その頃新潟市のイタリア軒の画廊で、同抄の一節にある以下の歌の軸を求めた。
- 仏は常にいませども、現(うつつ)ならぬぞあわれなる、
人の音せぬ暁に、ほのかに夢に見え給ふ。
素朴な地蔵の絵が添えられた軸は脚本家・高橋玄洋氏の筆だった。居間に掛けて随分慰められた。以後この歌にもよく出会った。梁塵秘抄は時期を置いて繰り返し流行るのか。
スケールの大きさで「平清盛」はよく見られるのではないだろうか。
北ぐにの波に桜の色見えて雲に龍かな正月の浜
年末30日に末期癌の方の看取りがあったが、その後は静かに過ぎているようだ。
上越市の頸北地域では一月元旦は穏やかな日になることが案外ある。いつぞやは坂田池湖畔へ母を連れて行き、リハビリの散歩をしたこともあった。
昨日2012年の元旦もそこそこの一日となり、午後3時すぎから柿崎海岸を歩いた。
柿崎の海は季節風が止んで3,4日すると、西側に平坦な渚が広がる。
そこは大きな潮だまり様になり、少しでも夕陽が差すと波の出入りがきれいだ。
昨日も一時桜色になった。
普段縁起はほとんど担がないが、どうなのかな、という夕刻だった。
冬のバラ
聞いたとおり当地に初雪が降った。量は僅かで、昨日のバラは平気だった。
今夜はもう少し降ると予報されている。寒い分花持ちは良いと考えられる。いつまで頑張るのだろう。
明日の雪知るや知らずや薔薇の花
底冷えがして一日時雨れた。明日は雪と何人かの人に聞いた。次第にいつ降ってもいい感じになってきた。
こんな時期に真っ赤なバラが咲いている。もう少し早ければもう少し多くの人に見てもらえるのに。
それともこのように赤々と咲いて厳しい冬を過ごせと言っているのだろうか。
明日の雪知るや知らずや薔薇の花
雲見るためもあらむ今日の日 夜は救急
往診は夕刻までかかった。夕焼けは日没する西をはずして東寄りの雲を染めた。ダッシュボードのポケットカメラで撮った。
人の世のいかなるものかは知らねども雲見るためもあらむ今日の日
追加:夜9時過ぎに電話があった。夕食は変わりなかったという在宅患者さんの急変、痰が詰まっているようだということで急いで出た。完全に反応を失いぐったりされている患者さんの顔ががゆがみ、左上下肢がだらりとして脳血管障害。血圧は維持されていて、すぐに病院と救急に連絡し紹介状をFAXした。
在宅の急変は家族が直ちに救急車にするか、在宅主治医の往診を依頼するか、判断が微妙な場合がある。様子を聞いてすぐに救急車を呼んで下さい、と伝えることもある。
近時脳梗塞は、病院専門科による早期の処置(t-PAの静脈注射)によって重篤な麻痺の回避が期待できるようになった。事実この一両年、救われた事例がみられている。
いずれにしても如何に早く病院に到着するか(二時間以内の到着、三時間以内の処置)が鍵になる。
秋のバラ
数日続いた良いお天気が終わって雨の一日、一時は雷が鳴った。自宅庭でバラがぽつんぽつんと咲いている。花数は少なく形も小さい。孤独を漂わす花をみていたら一句浮かんだ。
旅人の休むに似たり秋のバラ
遠くから来て休んでいる感じ。
それから先日のチャリティに出した油絵「いもけんぴ」は売れませんでした。次回新潟→上越と巡回することになろうと思います。人と同じように拙絵も旅をするんだ。
- 花頭窓、二十三夜塔、庚申塔、社寺
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 聴老(お年寄り&昔の話)
- 医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
- 花鳥・庭・生き物
- 空・海・気象
- 頸城野点景
- ほくほく線電車&乗り物
- 社会・政治・環境
- 明け暮れ 我が家 お出かけ
- 文化・美術・音楽・本・映画・スポーツ
- 食・飲・茶・器
- 拙(歌、句、文)
- こども
- 館長の作品。
- ゴルフ場でトマトジュースの汚れを口を使って落としてみた。
- 晩秋、驚くほど当たる天気予報のゴルフ 朝日池のコハクチョウ。
- かって認知症だった人、晩年の「ありがとう」は「すき」と書かれた。
- 妙高市はいもり池の近く「ギャラリー峨々」を訪ねた。樹下美術館も紅葉。
- 再び良寛椿の苗。
- 1本の木にキンカンとカラタチの実が。
- 秋晴れの日のゴルフ。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その3。
- 本日ジョケラさん初日。
- 明日からジョケラさんの展示会 高宮あけみ展のご来館有り難うございました。
- 別れ。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その2。
- 講演会「良寛さんに学ぶ」が無事終了した。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その1。
- 来たる11月7日からラッセル・ジョケラさんの展示会 晩秋の花 近隣のコハクチョウ
- 先週末の種々。
- 高田高等学校創立150周年の秋 いたくら桜園 近隣の秋。
- 「ラッセル・ジョケラ木工展」 可愛いお子さんとおじいちゃん。
- 本日今年最後の同業ゴルフ。
- 今夜のコンサート カッチーニの「アヴェ・マリア」。
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