拙(歌、句、文)

思わぬ尾神山の月 残照の妙高山。

2013年11月17日(日曜日)

今年最後のお天気、と誰かが言った。暖かく本当に良いお天気だった。何故か好天の樹下美術館は時に暇になる。

本日は貴重な9名のお客様だった。その暇に妻はチューリップを植え、スタッフは落ち葉を掃き、私は芝生に肥料と土を撒き、終わった草花を切り詰めた。

その後画材を買いに高田は本町の大島画廊へ。ここへ来ると楽しくてつい余計な物まで買ってしまう。

 

そして帰り道、素晴らしい月が昇るのを見た。尾神岳の右(南)から左(北)へ、赤く大きな月だった。里に秋のたなびき、これ以上何を望もう、ふるさとの詩情旅情がつのる忘我の眺めだった。

 

尾神岳の右肩の月

以下とほほの作です。

拙句) 名月に肩を貸したる尾神山

米山、・尾神の頸北二山の満月を眺める頸城野の田は、月の名所ではないでしょうか。

 

振り返れば残照の妙高山。妙高方面頸城区のポプラ並木から。

明日は再び荒天らしい。

晩秋の頸城野。

2013年11月15日(金曜日)

日ごと変わる秋の空。本日の夕刻在宅回りを始める頃から雲が切れて青空が見えた。

傾いた陽が頸城野を照らして行った。

ひつじ田雪の関田山脈、高橋新田の紅葉の欅、広がる〝ひつじ田〟

 

大根美味しそうな大根。今年はよく実ったらしい。

 

鵜の浜の雲鵜の浜温泉の大きな雲。車が押しつぶされそうだ。

昔のこととなったが、車椅子の母を秋の農道に連れ出すとよく〝ひつじ田、ひつじ田〟と言った。

稲のひこばえが生えた秋の田のことだ。本日のそれはたまたま射した陽に映えてまことに鮮やかだった。

拙句) ひつじ田に茜の射して母浮かぶ

 先日樹下美術館のお客様で、カフェから見えるひつじ田を詠まれた方がいらっしゃった。館内のノートに俳句が書かれていることがありますが、心和まされます。

晩秋の庭へ 竜胆を抱くクマンバチ。

2013年10月29日(火曜日)

間もなく来る晩秋の荒天を前に、本日は風も無く相応の日差しがあった。火曜日なので樹下美術館はお休み。昼休みの庭でやせ気味の場所に肥料を施した。

庭は「ほっとする」と等しく皆様に褒めて頂いている。手入れは大切だが、何分素人の仕事なので試行錯誤の連続。どちらかと言えば様子を見ながら、人間ならばどうだろう、などと思って行っている。

夕の庭夏の後、晩秋になって賑やかになる庭。
ホトトギス、竜胆、野菊などで庭はクールかつ華やかな眺め、いずれも今年は飛躍的に増えた。

 

熊蜂ふと見ると竜胆をしっかり抱いたクマンバチが動かない。
指を近づけると触角を動かすだけ。病か老いか、寿命を終えるのだろうか。
それともオスが花をメスと間違えているのか。いずれでもクマンバチは優しい昆虫だ。

拙歌) 竜胆を抱きて動かぬ熊蜂の丸き背中の黄の色かな。

強風の一日 アンドリュー・ワイエス。

2013年10月26日(土曜日)

見違えでなければ、当初の報道で台風28号の気圧は905hPaというとんでもない勢力だった。それが27号と仲良くなると、どんどん遠くへ去ってしまい、やれやれだった。

それでも仕事場の上越市大潟では朝から風強く、寒さが増して夕食にはストーブを出した。

荒天の日本日夕暮れ間近の四ツ屋浜、晩秋へ足が速い。
晩秋の避けがたきかな草に風

私は地元以外にさほど各地を知らない。狭い視野で毎日のように上越市は頸北地域の一部を見ているが飽きない。似たような雰囲気でもっと素晴らしい所があるに違いないと分かっているが、懐かしさがそう思わせるのだろう。

生まれ育った土地の海辺や水田などを毎日のように写真に撮る。特にブログを書くようになってそうになった。ブログの恩恵の一つだと思う。

ところで上掲の場所は一種アンドリュー・ワイエスの絵を時に連想させる。彼の絵は、人物や動物も登場するが当地とはスケールを異にする広大な大地における静寂ないし寂寥、風が描かれるなど独特の魅力がある。

拙文)
そもそも風景の感動は〝きれい〟ばかりではない。
孤独、荒涼、、、いずれも訴える力を有している。

それで言えば荒れる日本海は他に代えがたい風景であろう。
今から35年も前、思いもよらぬ長い孤独にさいなまれることになった。孤独な人間が安心して行ける場所があれば、とよく思った。
当時柏崎の先から出雲崎あたりまで日本海に面して一種草地の断崖が続く丘陵地は素晴らしいと思った。。
ここに一人旅向けの小さなホテルを建ててみたい、と本気で考えた。10年ほどの間に何度も土地を見に行った。

佐渡は近く、昔は良寛なむ人も歩いた。どんな季節も良いはずであろう。なかでも晩秋から冬期、大きなガラス窓の向こうに吹雪の荒海がみえる。静かで暖かな室内はモーツアルトあるいはバッハ、フォーレやドヴォルザークなどの音楽が密かに聞こえる。
食事はこじんまりした和食のレストランで白木のカウンターを囲む。各自が選んだ新鮮な魚介と野菜を料理人さんに熱い湯でサッと茹でてらう。もちろん天ぷらも良い。

さすればさほど飲めない人にも地酒はどんなに美味しかろう。

荒海の向こうにわずかな茜が射すならばこの上ない旅情にちがいないない、、、。

いつしか時が経ち2007年6月、それが樹下美術館に変わった。

 画集表紙アンドリュー・ワイエスの画集
樹下美術館のカフェでご覧になれます。

十三夜の月と初雁 うさぎまんじゅう 宗遍流の皆様。

2013年10月17日(木曜日)

来年の為に草花に肥料を施していると妻の友達が来てうさぎのまんじゅうを下さった。本日旧暦9月13日、十三夜の月見の日になる。先般十五夜の時は月見団子を頂いた。

今夕は月を撮るため場所を探した。すると芝生の丘で向こうの松まで小さな谷間になっている場所があった。見晴らしが利き月との相性も良い。

松と月 松と月と雲

台風一過、夕空は澄み十三夜の月はほれぼれする明かりを放っていた。まだ満月ではないがまん丸に見えた。

月と雁初雁(はつかり)が十三夜の月に向かってくる。
拙句) 初雁の声より先に月に来る

空が暗くなる頃、雁の声が聞こえてきた。夜目ながらこちらに向かってくるのが見える。

月を横切って!祈るようにファインダーを覗いていると上方を飛び去った。月には入らなかったがかろうじて写っていた。夜ごと声だけは聞いていた。その雁が十三夜の月を飾ってくれたとは、ため息が出た。

ここは満月が昇り、雁も通過するらしい。いつか月に入る雁を写せるだろうか。夜のお茶にうさぎまんじゅうを頂いた。

先週長岡市からお越しの方が本日4人さんで再びお見えになりました。茶道宗遍流のお仲間とお聞きしました。その後赤倉へ向かわれたそうですね。展示をご覧頂き拙生の絵はがきまで、有り難うございました。

ホットサンドイッチ コナラのどんぐり やれ秋蝶。

2013年10月11日(金曜日)

何度かお書きしましたことですが、本日のお昼も美術館でホットサンドイッチを食べました。

ほんのりピザの香りとパリッとした食感は館長もおすすめです。中身は野菜とサーモンかハム。ピクルスとフルーツ、およそ2杯のコーヒーがついて900円でした。

今までは練習期間として日曜昼の限定メニューでした。今後は一般としてにOKだそうです。少しだけ時間が掛かりますがどうぞお試し下さい。

ホットサンドイッチ

 どんぐり本日コナラのどんぐりが庭に沢山落ちていました。昨日の台風が落としたのでしょう。
まだ青くて可愛いですね。

拙句) 秋蝶よも少し遊べ樹下の庭

紋黄蝶が現れましたがさっさと行ってしまいました。

緑一色の庭 身にしみるツクツクボウシ 残った宿題。

2013年8月28日(水曜日)

夏から秋へ、本日当地の気温は30度に届かなかった模様。

いよいよ庭は花少なく、良く言えば緑一色となった。それはそれでいいのか、緑がきれいだと仰るお客様に出会う。

花なき庭と蝉の声さて木々では声をからしてツクツクボウシが鳴いている。

拙句) 花絶えて緑一色樹下の庭

拙歌) 木立にて何をか為さむ空蝉の尽くし尽くしと鳴くぞ哀しき
→ 木立にて何を為すらむ空蝉の尽くし尽くしと鳴くぞ哀しき
(ダメはいくら直しても変わりませんね)

彼らオス蝉は良き妻を得るまで皆して鳴き続ける。あたりのメスを求めてあるいは「尽くす尽くす」と訴えているのでしょうか。

さて子ども達の夏休みが終わる。本日の通りで小学生とおぼしき女の子とお母さんが玄関先の階段に並んで座っていた。お母さんが通りを見ながら絵を描き、子どもがのぞき込んでいる。宿題が残っていたのだろう、微笑ましかった。

樹下美術館の草花 厳しい残暑の中で。

2013年8月17日(土曜日)

厳しい暑さの中、樹下美術館の花も暦に従って咲いている。愚痴など聞こえないが耐えているのだろう。

 斑入りキキョウ先日来お出している斑入りの桔梗。
これが最後の花になった。名残惜しいが、是非来年も咲いてほしい。
この花から種を採ってみたい。

 

ホオズキ昨年初めて植えたホオズキが青から赤へ色を濃くしている。しかし頂いたお宅を失念していた。

ホオズキの家は数軒あって、たまたま先日伺ったお宅のを見て、ああここだと思い出した。
「いただきましたよね」と話すと、「元気ですか」と奥さん。

 カノコユリ樹下美術館に咲いている紅白のカノコユリから、白花。

拙歌) 涼しやと声するかたを振り向けば樹下のたそがれ鹿の子白百合

樹下美術館が出来る頃、設計された大橋秀三さんにどんな花を植えたらいいですか、とお尋ねした。
「白い花なんかいいんじゃないですか」と仰った。
白い花は目立つし安心も出来る。

樹下美術館では、少しだけ白花を意識している。
いま氏に聞けば「そんなこと言いましたっけ」と仰りそうだが。

10人でカレーを食べた 槿は月を待っていたのか。

2013年8月14日(水曜日)

今夕は学童5人と大人5人でカレー屋さんで食事をした。三日で2回のカレー、異論もあろうが美味しく食べた。

連日の暑さで芝にまだらが生じ、朝夕の散水が必要になった。以前にも同じことがあったが、一両日ずぶずぶまで行ってみよう。

 

011庭の槿が勢いを得ている。夕刻間近、可憐な花はいかにも涼しげだ。

拙句) うち揃い何をか待つや槿花

拙句) 月煌々暑気を払いて上りたり

013食事を終えて帰ると煌々たる半月。澄んだ光は眩しいくらいだった。

なるほどなるほど、槿たちは〝私たちは昼間一生懸命咲いて涼のつとめをしていました。

もうそろそろ休みます。次はお月さんの番ですね。間もなくですかお月さん〟と言っていたのでしょうか。

うーん、あるかもしれませんね。

夏になる。

2013年5月27日(月曜日)

急に暖かくなった。皆さんは軽装に変わり生き生きとされている。

絶え間なく花が変わり、鳥も一段と活発になった。

先日などは、開けた窓から二羽のツバメが啼きながら部屋に入って来て驚いた。

一つ咲き

拙句) 散る花を集めて迎へる夏の庭

五月雨を集めて早し最上川     芭蕉

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