拙(歌、句、文)

盆の宵見知らぬ人とすれちがう 高田雁木のあんどんの道。

2016年8月13日(土曜日)

まだいつか酷暑の日もあろうが、まあまあで過ごせた一日。
夕刻水まきをし、閉館近くに知った方が来館されお話した。

160813夜ふけて
上越市は東本町雁木のあんどんの明かり。

 

  1. 拙歌)
    盆の宵見知らぬ人とすれちがう高田雁木は行灯の道

初めて見たお盆の雁木の風情は旅情を湛えて静かだった。

積乱雲の日。

2016年6月15日(水曜日)

昼に車の車外温度計が29度を指し、
東の空にもくもくたる入道雲が次々見られた。

 

IMG_0294

拙句) 服ぬぎて飛び込んでみたや入道雲。

 

IMG_0300

 拙句) 山の字を描いて高し積乱雲

夕刻からは曇り始め雷が鳴りそうな雲行きになった。

 

 

雨に咲く花 芝の雨太宰案じてめくる本。

2016年6月9日(木曜日)

午後から雨降りとなり気温が下がった。
昨日半袖になったばかりのところでまた長袖に後戻り。

午後は休診の木曜日午後、樹下美術館の庭はヒメタイ
サンボクが香り、アジサイまで匂う気配だった。

 

IMG_3644
↑雨で重そうなヒメタイサンボク。

 

IMG_3447
↑濃い青のアジサイ。

 

IMG_3577
近頃愛読の太宰治の本、繰り返し読んでも飽きない。

芝の雨太宰案じてめくる本

可哀想な氏の命日が近づいている。

強風の憲法記念日。

2016年5月3日(火曜日)

5月3日は憲法記念日の祝日。
貴重な記念日だったが当地は瞬間風速20メートルを越す強風
に見舞われた。
しかも南寄りの風だったので草花はおろか植えられたばかりの
作物の苗にも最悪だった。
一部の草花はぐったりしてしまい、明日雨降りの予報ながら散
水した。

田植え後の水田が強風に見舞われると植えた稻が浮いてくるら
しい。
当地は田起こしが始まったところだったので難を逃れたと思う。

 

160503悪風の日
↑本日強風の美術館裏の田んぼ。

ところで本日来館されたご家族が憲法の話をされた。
以前は改憲止む無しの方だったが本日はこのままで良い趣旨を
述べられた。

このままで良しは私もその一人。
憲法が発布された昭和22年の自分は6才だった。
暗く貧しい時代、発布が周囲にもたらした「明るさ」と「希望」の感
覚は子供心も打ち、今日まで脳髄に染みこんでいる。

一部不満の人はあったことはうなずけるが、多くは新憲法に奮い
立たされ、働き、家族を支えたように思う。

厳しい人生で個人が豊かで良い子が育つ国へ。
憲法には真の幸福を反映する唯一無二の絶対価値が漂っている。
これ以上無い最上位の国の規範(理念)でありほかに何をか望もう。

あらためて膨大な戦争犠牲者の方々が思い出される。
憲法、なかんずく第九条は米国よりも、この方達によってもたらさ
れた尊い魂の遺産ではないのだろうか。

_MG_9703

拙歌)
強風の庭に一輪香りたつ 花は牡丹かはた憲法

強力な春の魔法。

2016年4月5日(火曜日)

 

拙詩)
いつも春の魔法は強力だ
この前モジモジしていると陰口を言ったら
いきなりあっちもこっちも花だらけにした
いまや「参りました」という感じだ

 

1
樹下美術館の一角で

 

2
裏手の一本桜も大きくなってきた。

 

5
摘み取ったクリスマスローズはカフェのテーブルへ。

 

6
近くの新堀川公園も満開まじか。

 

7
同公園のコブシは圧倒的な白さ。

油断出来ない冬の道路。

2016年1月25日(月曜日)

 

拙詩)
昨日今朝と見舞われた寒波
気象の主が忘れ物とばかり寒波を取りに戻り
さあ、さあ、と言って降らせた

除雪された県道などはやはり狭い
往診でバスが来るとぐぐぐっと左に寄って
じっと通り過ぎるのを待つ

下校するこどもたちも大変だ
ちゃんとした歩道が無いので、
車を避けるのに芸当のようにしなくてはならない

その昔高校時代の冬の終わりころ
車が来て道路脇の雪の山に避けたらずずずっと滑った
ずり落ちた足を車のタイヤが踏んで通った

こんな日は今でも右足の甲が痛みを思い出す
広く除雪されるようになったが、車は増えた
すれ違いに足を踏まれる人は居ないだろうか

冬の道は油断出来ない。

「青い鳥」「銀河鉄道の夜」、ジャコメッティ、「星の王子さま」 “雪がきれいなのはどこかに春をかくしているから”.

2016年1月11日(月曜日)

何度も書きましたが孫の一言、
「ああ、早く明日がこないかなー」は一種啓示的だった。
長年忘れていた言葉から始まった遅咲きの本巡り
孫の言葉の午後、歯科医院で手に取った絵本が「青い
鳥」だった。

その先堀口大學訳の「青い鳥」を別に求めて読むと、
宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の時空を感じ、本と共に双
方のDVDも観た。
両者とも自分をとりまく世界の秘密に触れるようで新
鮮だった。
ブログに書かなかったが宮沢賢治の感受性性と方向
が、いっそう特別なものに思えた。

青い鳥と銀河鉄道の夜
銀河鉄道の夜:宮沢賢治著 新潮社 平成24年6月10日
第60刷
青い鳥:メーテルリンク著 堀口大學訳 新潮社 平成25年
11月10日 第57刷

そして希代の彫刻家、画家のアルベルト・ジャコメッティの
本は、秋に頂いたみすず飴からみすず書房に振られて読
むことになった。
文中図らずもジャコメッティは「早く明日になればいい」と述
べていた。
孫のつぶやきはこんな所へも繋がっていた。

ジャコメッティ二冊
アルバム ジャコメッティ:矢内原伊作著 みすず書房
1999年9月20発行
見る人:矢内原伊作著 みすず書房 1999年9月10日発行

さらに昨年12月、「青い鳥」「銀河鉄道の夜」を一緒に検
索すると、「星の王子さま」に関連するヒントがあった。
求めた芥川賞作家、池澤夏樹氏の翻訳絵本はとても
親しめた。
氏は弟の本「フォルテシモな豚飼い」の書評を書いて下
さっているので、いっそう有り難みを感じた。

星の王子様
星の王子さま:アントワーヌ・ド・サンテグジュペリ著
池澤夏樹訳 集英社2015年11月18日第13刷

さて先の大戦で枢軸国への隠喩的な警告を含む本と言
われる同書。
汚れ無き王子は地上を問いあるいは詠う。
全編詩篇と言っても過言では無い本だった。
最後にさしかかると、物語は王子の遺言ではないのかと
思われ、せつなさと重みを増す。
それを若かりし日、自分は途中で中断していた。

このたび数々の言葉が心に響いた。
「砂漠がきれいなのは、どこかに井戸をかくしているから
だよ」
そして、「家でも、星でも、砂漠でも、きれいなものはみん
な何かをかくしている」
と続く。
かくれている大切なことにしっかり気付いて、
と言うメッセージなのだろう、立派な言葉だ。

この言葉を以前にある方から聞いたことがあった。
それがこの本からだったとは、巡り会いを喜んだ。
今夜たまたま、その方たちと食事をした。

「雪がきれいなのはどこかに春をかくしているから」
帰りの車中で呟いてみた。

言葉は王子に触発され、一昨日三和区の雪を見て
よぎった。
どかどか、ぐじゃぐじゃの雪はいやだが、
降り始めの雪や快晴の雪原はきれいだ。
それらに遠い春や近い春を思うこともあろう。

我ながら上出来の呟きも元はと言えば、
孫の一言から始まっている。

冬バラが散っていた 花の別れ。

2015年12月15日(火曜日)

風もなく暖かな火曜日、上越市高田の最高気温が17度とは。
そんな日の庭で、

拙詩)
昨日見たバラの下に花びらがぱらぱらと散っていた
風も無いのに思わぬ暖かさのせいで散ったのだろう
花は突然の別れに呆然としていた
花びらは花よ、花は花びらよ、と呼び合うようだった

風よ吹くな
雨よ降るな
雪よ積もるな
別れても懐かしめ

 

009一枚も重なり合わず花の下に散った花びら。

 

010 - コピー名残惜しそうな花。

 

夕刻から雨が降り出した。
午後のひととき残りの芝に土と肥料を撒いて全て済んだ。
撒いたものを雨が押したり流したり馴染ませてくれていると思う。

落ち葉の情景。

2015年10月25日(日曜日)

 

拙詩)
風の無い先日の庭で色づいた桜の木から一枚の葉が落ちた
落ち葉はあっと言ったように思ったが、二三度回ると草むらに消えた
落ちていく数秒、芽吹きの雨音から初夏のおしゃべりや
真夏の沈黙や秋の高い空などを思い出したのかもしれない

小雨が降った夕暮れの街をケヤキの枯葉が走っていた
木の葉はみな小さくて 、まるで大勢の子どものようだった
かたまって車の前を横切ると、次は反対に走り出す
おっと危ない、今度はこちらに向かってやってきた

晴天の北風の丘で真っ赤な桜の落ち葉が舞っている
さらさらさよなら、さらさらと幹に別れを告げている
見えなくなった彼女らは、南の土手に集まって
ぽかぽかうとうとぽかぽかと、日向ぼっこをしていたよ

北風空を鳴らす頃
己(お)の身を赤く染め終えて
何億枯葉が舞い落ちる
今日の日射しに暖まり
眠れや花の夢を見て

006 先日の樹下美術館の庭。

昼寝に父が現れた 朝日池の蓮。

2015年7月17日(金曜日)

「ああ元気だったんだね」
やっと言うと嬉しくて言葉が出なくなった。
本日午後、短い昼寝に30年も前に亡くなった父が突然現れた。

パーキンソン病で背が曲がり、何も言わず悲しい顔ばかりしていた父。
それがにこやかに笑いながら部屋に入てきて私の隣に座った。

-こんなに元気だなんて-
-こんなに元気だなんて-
嬉しさのあまり目が覚めると涙が出ていた。

昼食を美術館で摂ることになっていたが、赤い目が恥ずかしい。
時間延ばしに朝日池を回った。
池にぽつんぽつんと蓮が咲いていた。

 

朝日池の蓮 この蓮が一番きれいだった。

忘れてた父を夢見た昼の蓮

亡くなって30年近く経つ父の夢をみるとは。
この年になって親に甘えてみたかったのか、と思った。

2024年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

▲ このページのTOPへ