明け暮れ 我が家 お出かけ
春待ち椿
気温上昇と雨で中旬に降った雪は大方融けた。今日はみぞれ混じりの日。傷みながら椿が咲き、多くの蕾が開花を待っている。
みぞれの後の椿
恥ずかしながら先日の椿の絵が進んだ。分量が少ないせいかやや楽に感じた。いい加減なのかなあ。
その後の椿のボタニカルアート
描いていると、この花を愛した陶齋(齋藤三郎)の気持ちがよぎる。これから陰影・葉脈・汚れ落としなど細部を失敗しながら進んでみます。蕾が少々大き過ぎますが、葉が小さい椿ということで許して頂ければ。
青空
今日の青空は格別だった。雲がいいと余計空がきれいに見える。雪雲の上にこんな青い空があったんだと、まじまじ見上げた。冬至から一ヶ月を過ぎて陽が高くなりつつあるのも分かった。
午後4時頃の月。 Blue moon,You saw me standing alone ♪
椿の蕾のボタニカルアート
昨年の冬は3年振りの絵筆でなんとか白花デドロビュームを描いた。その直後に小さな紙に椿の蕾を描き始めたものの中断していた。
このたび上越医師会報の表紙を描く番が回ってきた。2ヶ月に一回刊行される冊誌の表紙を4,5人の医師で順番に担当している。幸いモチーフにした椿の蕾が庭で膨らんできた。今回は続きを完成させて勘弁してもらうことにした。
2月上旬が締め切り。B5版で絵の分量も少ないのでなんとか間に合わせたい。恥ずかしながら昨年の白花デンドロビュームと同じく完成まで何回か掲載して緊張を維持してみたいと思いました。お目汚しで恐縮です。
今日は50分かけてここまで。右側中段の葉を少し大きくしたいのですが。
つづきは後日掲載致します(2月16日のノートに掲載しました)。
雪の往診
降らなければ吹かれ、吹かなければ降られる。数日、夜は静かでひどく降った。
ここ上越市大潟区は海沿いなので、雪は少ない方だ。それでも1メートル近くの積雪となり、道幅は極端に狭くなった。すれ違いは人も車も神経を使う。幸い今日は往診が無かったがこれから少々心配だ。
冬と言えば30年ほど昔の大雪の夜、遠い里で脳卒中の発症があった。めざす集落へは車で入れず、暗い雪原を新雪に埋まりながら家を探した。当時の救急事情はまだ悪く入院は翌日となった。その後この方は25年ほど健在された。今は残されたおばあちゃんを時々訪ねるが、お家の辺りはなつかしさが漂う。
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一昨夜の車 | 今朝、隣で妻の車が埋まっていた |
4WDが普及する前の大雪はタクシーを使うことがあった。ある日タクシーが雪に嵌って動かなくなった。降りて運転手さんと共にスコップを握り、板や毛布を敷いて車を救出した。また私自身が脱輪したときは農家の耕耘機に助けらたこともあった。そして皆さんに押してもらったことも、、、。
昔は色々あったが、色々させていただいてためになった。
雪は白魔か
一昨日の晴々した海が嘘のように一転して激しい雪に見舞われた。雪中の昼間、二件の往診をして夜は介護保険の審査会に出た。審査には25人分、150ページの資料を読み込んで行く。午後7時からの審査会出席は気がもめた。
多分私が一番遠い。早めに出たがいつもの高速道路は封鎖されていた。国道に戻ると立ち往生の車が何カ所かで道をふさいでいる。 なかなか進まない車中で審査開始の時刻が過ぎて行った。事務局に携帯をかけると、もう一人委員が到着していないという。5人のうち4人揃わないと会は不成立になる。
早く着かなければ待っている委員に申しわけない。結局30分以上の遅刻、通常の3倍時間が掛かって着いた。お一人はついに欠席となったが会は成立した。
いつもながら真剣な審議を終えると、みなで帰路の無事を心配しあって別れた。次回は一ヶ月後、はたして雪はどうなっているだろう。
なんとか出席して帰宅。
初海
午後から新型インフルエンザの集団予防接種があった。小3までの児童に三人の医師で当たった。頻回の予防接種を受けているせいか、泣くお子さんが少ないように感じた。
時代を反映しているのだろう、子どもたちの服装が少し地味になったように思った。しかし皆すらりとして足が長く、ブーツが似合って格好良かった。
のびのびと波を打ち返す海。
夕刻、今年初めての海へ。荒れるだけ荒れた後でおだやかな表情だった。例のリューボは姿を消していた。あんなに高い所までまた波が来たに違いない。今どうしているのだろうか、再び現れるなら凄いことだ。
二代陶齋のお茶碗で濃茶
今日も終日荒れ模様、濡れた雪があちこち乱雑に溜まっている。
今夜は正月の〆とて濃茶を飲んだ。茶碗を二代陶齋(斎藤尚明さん)の鉄釉。お茶は裏千家宗匠・坐忘斎好み「緑毛の昔(りょくもうのむかし)」(宇治・上林春松本店)。御菓子は患者さんに頂いた上越市安塚区の秋山菓子店の壽羊羹を。
菱垣文が刻まれた端正なお茶碗
行儀を考えずにテーブルで練った。湯を注ぐと茶の香りが高く登り、滑らかな濃茶になった。茶の緑をしっかり受け止めた茶碗。服すると明日からまた頑張ろう、という気持ちになってくる。
※ちなみに緑毛とは長生きをした亀の甲羅尻に生える毛のことで、目出度さの象徴と聞いています。
今夜、間もなくNHKで「日本の名峰 ふる里の富士」がある。妙高山が出るそうなので是非見たい。それに鳥海山も。
ほとんど旅行をしていない自分は、せめて鳥海山を見に行きたいと思っている。できれば母の故郷佐賀県へも。
猛烈に吹かれて
早朝、猛烈な風音で目覚めた。激突するような風で家が揺れる。普段ヒューヒューという樹がシューシューと不気味な音を立てている。遠いはずの海鳴りが耳元まで迫っていた。
冬の季節風に慣れてはいても、これほどの風は珍しい。古い家に寝ていたので心配で起きると妻も起きてきた。一瞬、中越沖地震の時とダブった。
電車が止まったために、部活の子を車で送ってきたとスタッフの一人に聞いた。暴風の高速道路は怖かったらしい。ワクチンにきた高校生は運休を口実に模擬テストをサボれたと苦笑いをした。
往診で見た鐘楼がしゃんとしていたのは、さすがだった。降らなければ吹かれる。みな無事で良かったが冬の気象には鍛えられる。
仕事が始まり、インフルエンザは?
看取りや往診もあった正月休みがあっという間に終わった。仕事始めとなる今日、大人のインフルエンザの方が何人か来られた。皆さん高熱だった。
新型インフルエンザが多い分、通常のインフルエンザが少なめという報道が12月にあった。A型の場合、すでに現場では両者の区別が付かない。はたして新型の強毒化や耐性など進化はどうなのだろう。遅れたワクチンとウィルスのせめぎ合いが続く。公的な情報だけが頼りだ。減少傾向とあるもこれからが本番、油断は出来ない。
夕食後遅くに陶齋の茶碗で抹茶を飲んだ。梅と笹が書かれた大きな茶碗。笹はそれぞれ雪をかぶり、如何にも富本憲吉一門といった文様が描かれている。
小康となっていた雪は今夜あたりからまた降るようだ。予報は暖冬だったが大雪を覚悟したほうが気持ちは楽ということもあろう。
母のむかし話:綿
少々前のことで恐縮です。もう半月ほど経ちますが北陸園芸に寄りました。その時たまたま店に綿の枝がありました。これはと思って、白く美しい綿を買って帰りました。綿の話を何度も母から聞いていたからです。
買ってきた綿。
その後、先週の日曜に「うみなり」のコンサートで大潟区のコミュニティプラザに行きました。今度はそこで初めて「綿くり機」を目にしました。これも最近の昔話にたびたび登場していました。母の説明だけではどんな道具なのか分かりませんでしたので、目の当たりにして一瞬胸が熱くなりました。
大変恥ずかしいのですが、今回は綿や着物にまつわる母喜代と祖母ヤイの昔話を記させて頂きました。
あるご年配の女性が小さなお子さんに説明していましたので「綿くり機」だと知りました。
先回のむかし話では、佐賀県の古枝(現鹿島市内)という小さな村でのこと、家屋の倒壊事故でヤイが夫を失った所まで綴った。夫の死後三人の子を抱えて、ヤイは魚の行商を始めた。ほかにも一家を守るため身を粉にして働いた。
わずか一反ながら家に田んぼがあった。行商のかたわらで田植えから稲刈りまでヤイは一人で行い、暮には一人でモチをついた。田のほかに畑もあった。
春になると、ヤイは家族の着物の分だけ畑に綿の種を撒いた。秋に綿玉(コットンボール)がはじけて白い繊維が吹き出す。それらを摘んで綿くり機に掛けた。綿くりのハンドルを回すと種がポロリと落ちるのが喜代には面白かった。綿は糸車で紡ぎ、出来上がった糸はカセにして紺屋へ運んだ。
紺屋のお母さんはとても面白い人だった。母に付いて行くと冗談を言ってはからかわれたが、喜代はその人が好きだった。カセは樫の棒に架けられ手早く瓶に漬けて染色された。
後日、糸ができあがるといよいよ機織りだった。ヤイは遅くまで機をあやつり、親子が着る全ての反物を織った。ヤイの仕事は鮮やかで、喜代は母が扱う様々な道具の音が好きだった。綿くり、糸くり、機織り、、、母の足許に寝そべってはよく宿題をした。
喜代はヤイがこしらえたものの中で、白地に赤と緑の薄い縞がある着物が一番気に入っていた、という。
ところで、小学時代の喜代に母は三つの言いつけをした。子守と勉強と洗濯だ。子守では毎日のように幼い弟を背負って古枝小学校へ通った。幼児をおんぶして登校する子は他にもいて、学校には子どもを預かる部屋があった。
母の言いつけもあって喜代は勉強をした。勉強は好きだったので毎年鍋島賞をもらった。旧鍋島藩の華族が出している賞で、鏡台をもらった記憶がある。
そんな喜代が一度だけ激しくヤイから叱られたことがあった。ある日、自らの勤めだった洗濯を放って、仲良しのおゆりさんと川遊びに行った。帰るとヤイは烈火の如く怒り、「お前の背にこんな大きな石をくくりつけて、その川に沈めてやる」と身振りをして迫った。ヤイは常に優しかったが、この時ばかりは人が変わったようで恐ろしかった。
大きくなり始めた喜代が裸で遊んだことも、母の怒りを買ったのだろうか。
さて高等小学校を終えた喜代は、九州大学で看護学を学ぶことにした。試験は厳しく佐賀県からは3人だけ合格した。遠く広島からも入学者があった。
喜代が笑って話したことだが、入学式には自ら縫った袴を着けて張り切って出た。しかし当日、同級生達のあまりの身なりの良さにびっくりしたらしい。彼女たちは上等な純毛の袴を履いていたのに自分は安っぽいメリンス。皆のは足首が隠れるような丈なのに、自分のは寸足らずで足首の上まで丸見えだった。
さらに他の生徒達は時計をしていたが、自分はそれも付けていなかった。
母は急いで送金するようにヤイに電報を打った。一家の生活はとてもつましかったが、家にはちゃんと蓄えがあることを喜代は知っていた。小さい時から家の通帳を扱っていたからだ。
届いたお金を持って博多のデパート「イワタヤ」へ急行した。そこで生地を買うと一晩で袴を縫いあげた。時計は皆に負けない物が買えたらしい。看護の仕事では時計が大切で、ずっと長く使った。
ところで当時、未曾有の不景気が始まっていた。佐賀の小さな村にも、信州で糸引きをする女工さんを集める周旋屋の姿があった。彼女たちの悲劇は伝わっていて、喜代には娘を漁る男達が忌まわしく写っていた。
口癖で喜代は言う、自分の家は貧しかったかもしれない。しかし綿から作るヤイの着物をいつも着れて「自分は幸せだと思っていた」と。
※大変長くなってしまいました。実は以前、私は母の昔話が嫌いでした。どこか突飛で、作り話かもしれないと思ったりもしました。しかし車中などで仕方なしに聞いているうちに、面白いと思うようになりました。94才の親を相手に、最近では「それから?ほかに?」と言って聞いています。
いつも身内の事で恐縮です。機会がありましたら、大都会博多に出た喜代の学生時代などを書かせて頂ければと思います。
※文中のイワタヤ(岩田屋)は今もありました。
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