明け暮れ 我が家 お出かけ
湯気 そして冬の下宿のやかん
お風呂、吐く息、台所,,,それらの湯気。雪を心配する毎日の中で湯気は心温まる。
その昔の中学の一部と高校時代は高田(現上越市)に下宿をした。寺町にある小さなお宅の二階の6畳間、弟と一緒の時期もあった。昭和30年代前半の下宿の冬は、コタツも無く火鉢一つだった。しかし吐く息が真っ白になる冷え切った部屋でも炭をおこすと温かくなった。
その部屋の火鉢にやかんを掛けるか、どうかで弟と争ったことがある。弟は掛けないほうが暖まると言い、わたしはどちらも同じだから掛けたいと言った。
正直今でもどちらなのかよくわからない。しかし喉や肺が弱かった私は少しでも蒸気が欲しくて、生半可な物理の法則まで持ち出してやかんを掛けた。
冬になると懐かしい下宿の火鉢とやかんを思い出す。毎年夏にやって来る弟は覚えているだろうか。今度会ったら聞いてみよう。今では微妙に弟の言うとおりだったような気がしないでもない。
こころのすがた 自然 そして波間に宝珠?
テレビを見るのはいつも偶然、しかしどこかで一つはいい番組をやっていて感心する。本日午後「こころのすがた」というのがあった。進行の宮崎哲弥氏に応えるゲストの養老孟司氏の話を興味深く聞いた。
番組の最後に「心とは」と訪ねられた養老氏が「自然に対して開くもの」と答えられた。あまりに明快、しかも驚いたことに人に対して開くとは仰らなかった。厳しい言葉だと思った。人も自然の如くあるなら、と含んでおられたのか。
当ノートのアバウト(プロフィール?)に自分のことを「山河は緑、人また山河」を思っています、と書いている。書いて以来、何かずっと気恥ずかしかった。しかし今日、養老氏の言葉を聞いて救われる思いがした。
沿岸の大潟区の雪はわずかとなった。午後からまた海へ。自分は海辺で育ったのでどんな海でも飽きない。ずっと昔、好きが高じて外洋ヨットで舳倉島(へぐらじま)往復や佐渡海峡横断、そして佐渡一周などのレースに参加させてもらった。クルーはみな超勇敢、個性十分でいい人達だった。
先日、葛飾北斎の波に影響を与えた宮彫り師・波の伊八を取り上げた番組があった。荒波の間に浮かぶ宝珠(宝・幸せ)を彫った作品は強いインパクトがあった。これは真実の表象だろう。しかし、いつしか自分も年寄りの冷や水を考える年になっているのも事実だ。
拙宅の夜間・時間外の電話対応 少々変かも
気温が上がって雨交じりのミゾレが続き、雪は一時の半分以下になった。しかし山間の生活地では2メートルを越えているという。高齢化と重なっていっそう深刻な状況が報道されていた。
ところで拙宅は数日前から妻が所用で遠方へ出掛けている。夜9時過ぎ、その妻から「○○さんが食後の痰で苦労している。連絡してみて」と携帯が入った。
我が家では夜間・時間外の電話は妻の携帯に自動転送される方法を続けている。掛かる電話の公私を仕分けして、医療(主として在宅)用件のみ私に伝えるやり方だ。35年たっても夜間の電話音は緊張するし、携帯は音も静かで相手も分かる。妻は大変だが一定のストレスを緩和できて感謝している。
昔こんなことがあった。
「Aさんが繰り返し吐いているそうです、どう返事しますか?」
「行くと伝えて、ところで今何処?」
「小樽です」
少々変かもしれないが、長く零細な仕事を続けられたのもこのような方法のお陰かもしれない。今日の電話も400キロ先からだった。
痰に困っているお宅に電話をした。吸引器はあるのですが、と遠慮の中に心細さが伝わる。日頃から農業を懸命に営むご一家を見ている。それで特に心動かされた(農業は政治に翻弄され続け、本当に大変だと思う。長い歴史も、手入れされた広大な風景も、文字通り日本の貴重な背景。良くて搾取のTPPなど何を考えているのだろう)。
お宅へ伺った。「思い切って」、とお嫁さん協同でむせる痰を吸引、ご本人は楽になられた。
帰宅してパックの紅茶にミルクと砂糖を入れ、千葉のピーナッツを食べた。すると余計お腹が空いてきた。それでつい明朝のサンドイッチを半分食べてしまった。コンビニのサンドはとても美味しい。
寒波がきた 少々不思議なハクチョウの行動
予報通り昨夜から強い寒波が来た。上越市大潟区も75センチほどの積雪となった。
こんな日はどうなのだろうと、午後から朝日池を見に行った。強い地吹雪が舞う湖面にコハクチョウがかたまっていた。みな伏してじっとしている。まさかこの寒波で落鳥?とドキッとした。
見ていると全く動きが無かったが、しばらくすると群から一羽が出てきた。群に向かって「さあ、でかけましょう」と誘うような動きをする。しかし残った鳥たちはほとんど無反応。
するとその鳥は一人で歩きはじめ、4,50メートルの所から突然群に向かって飛んだ。
全く動かず、心配な光景。
一羽が起きてきて、何か言っているようだ
歩き出した
群に向かって飛んだ
いっときざわついたが
またみな寝てしまった。
まるで「さあさあ、起きて!」と促すようにみえた。群は一旦目覚めてざわついたようだが、間もなくもとと同じに寝てしまった。
一体何があったのだろう。飛んだ鳥は帰らなかった。飛んだのがリーダーだったとすると、もっと敏感に反応しても良さそうなのに不思議なくらいの無視。こんな日はやはり動きたくないにちがいないが、それにしても空腹はどうするのだろう、本当に。
本日スタッフの通路と診療所駐車場の一部がすっぽり新雪に埋まっていた。一時間近くスノーダンプを使った。こんなにするのは何年ぶり、雪の一休みはあるのだろうか。
写真でスペースを沢山使った
二つのいよいよ
このところ気温が零度を下まわるようになり、午前の道はガリガリと氷った。夕刻からサラサラと降り始め、いよいよ雪本番の予感がする。昨年も同じ1月13日から本降りとなって久しぶりに大雪の冬だった。
ところで午前にこられた50代の方は熱が37,7度、喉の痛みもわずかだったが、だるさを強く訴えられた。例年より遅く、今年当院で初めてインフルエンザテストA型陽性だった。強いだるさはやはり要注意。
教育委員会の上越市学童のインフルエンザ状況および国立感染症情報センターによる全国の情報ではまだ本格的流行を示していない。しかし雪同様しばらく予断をゆるさない日が続く。
大晦日の蛍の光 Farewell Waltz ハンサムな先輩
2010年が間もなく終わります。少し緩んでいたお天気が再び荒れ始めました。来る2011年がどうか健やかな年でありますように。
映画「哀愁」の場面から“Farewell Waltz”
先日の“Till We Meet Again”は今年美術館終了のワルツに。連日you tubeで恐縮ですが大晦日は蛍の光“Farewell Waltz”を借りました。日本語タイトル蛍の光は古いスコットランド民謡で1780年頃バーンズによって詞を付けられ、同じ頃メロディも確立したようです。スコットランド語で、さあ友よ古き友情を暖めあおうと、いう意味が歌われているといいます。
掲載の蛍の光は、妻お勧めのビヴィアン・リーの代表作「哀愁」の一場面です。一生一回の人生、もちろん映画のようにはいきません。書きかけでもいい、自分なりの小さなドラマに憧れます。少なくとも一途さと良心だけは持っていようと思うのですが。
動画にダンスの場面を借りました。ダンスと言えばその昔、学生時代に複数の学生バンドが参加するダンスパーティがよくありました。私の学校のバンドにハンサムでピアノの上手い先輩がいました。
パーティでは前のバンドがラストにワルツを演奏します。そのワルツが後半になると次の出番の彼は前のピアニストの右側からそっと入って、腰をかがめて右手でメロディを弾き始めます。前の演奏者は左手を弾きながら静かに左に抜けて鮮やかに入れ替わるのを見ました。any number any key okでプロのようでした。
この先輩は絶えず挑戦を続けているように見えました。ピアノではどこへ出ても恥ずかしくないばかりか、ハワイで飛行機免許を取得すると、最後には合衆国の医師免許試験に合格して渡米しました。女性にモテて、まるで映画の中の人のようでした。
どうしてそんなに出来るのですか、と尋ねたことがありました。「ひたすら努力」が答でした。男前が並外れた努力をするのですから、もう異次元です。
雨の日の色
吹きたいだけ吹き、降りたいだけ降り、鳴りたいだけ鳴る荒天の祝日。美術館には友人夫妻が二組訪ねてくれた。こんな日だけに心温まる。
夕刻の帰り道。晴れた日には見られない信号の色が、吹き付ける雨の舗道に写っていた。車を横道に入れて写真を撮った。あるか無しかの旅情だった。
もうお一組、勇敢な三人のお客様がお見えになったと聞いた。その方たちは、前回、雪の冬期休館中に来館されて入れなかったが、今日はゆっくり見れたと仰ったという。もしかしたら雪や荒天は美術館日和なのでしょうか。押し詰まった大荒れの日、まことに有り難うございました。
後日追記:水たまりに写った信号を掲載しましたが、どこか似た情景の短歌があったと思っていました。赤い鼻緒が冷たい水溜まりに浮いている、というような感じで、、、。昔の本棚をみましたら石川啄木でした。時節、時刻、赤、などが少々似ていたようです。
水潦(みずたまり) 暮れゆく空とくれなゐの紐を浮かべぬ 秋雨の後(のち)
貴重な啄木、お恥ずかしいことですが記事のタイトルを少し変えました。12月26日の追加と修正でした。
冬の来て道は喘ぎの場となりぬ
昨日、初雪らしく降った。ここ海岸線の降りは控えめだったが、行き交う人に難儀が見えた。
新潟県に住んでいると雪が降って初めて冬を実感する。今年は夏があれだけ暑かったので、冬はどれほど寒かろうと大雪を恐れている。
天気予報のせいもあって昨日の雪降りは会う人みな予想していた。一昨日、用事で妙高市へ行った妻も「こんなに温かいと明日は降る」と聞いて帰ってきたばかりだった。
長めの予報では前半は例年並みという。しかし例年並みの内容がよく分からない。これまで思ってもみない暖かな日に恵まれていた分しっぺ返しがあるのでは、と疑心暗鬼で空を見る毎日。冬将軍という影の如き存在を思い浮かべながら、善人であれば、とつい期待をしてしまう。
樹下美術館の駐車場はスタッフが雪かきして確保しています。この程度ならカフェの雪景色は貴重な眺めだと思われます。
冬の来て道は喘ぎの場となりぬ 雪なき国の人は知らずや sousi
マッシュルーム・けやき
ちょうど一年前のノートに名作椅子「マッシュルームスツール」のことを書かせていただきました。記事で当椅子が2008年12月パリにおける「日本の感性展」で好評を博し、09年10月にパリ装飾芸術美術館のパーマネントコレクションに選らばれた事を記しました。
この秋、デザインした山中グループは装飾美術館の選定記念に限定100脚のマッシュルームを制作しました。これまではマホガニーとクスでしたが、記念スツールはケヤキで制作されました。
樹下美術館に加わった「マッシュルーム・けやき」(左手前)、フレッシュです。
その昔1961年に家具メーカー天童木工は家具コンペを行いました。3人の学生、山中グループがデザインしたスツールが入賞を果たします。しかし作品は2003年の商品化まで41年間も眠り続けました。眠りを覚したのは昨今のミッドセンチュリーへの人気でした。マッシュルームは復刻後一気にパリ装飾芸術美術館の永久収蔵まで登りました。
2007年、樹下美術館開館の際に絵画ホールの椅子にと天童木工のスツールからマッシュルーム二脚を選びました。後で山中グループのお一人が当館収蔵作家・倉石隆氏のご長女と知って大変驚きました。
「マッシュルームスツール・けやき」には和やかな味わいがあります。どうぞご興味のある方は以下からご覧ください。 山中康廣建築設計事務所&YAMANAKA DESIGN OFFICE
今日から上越市一帯も今年初めての寒波に入り、降雪に見舞わました。
- 仏像、社寺、二十三夜塔、庚申塔
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 聴老(お年寄り&昔の話)
- 医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
- 花鳥・庭・生き物
- 空・海・気象
- 頸城野点景
- ほくほく線電車&乗り物
- 社会・政治・環境
- 明け暮れ 我が家 お出かけ
- 文化・美術・音楽・本・映画・スポーツ
- 食・飲・茶・器
- 拙(歌、句、文)
- こども
- 館長の作品。
- 強風の日。
- 庭仕事と読書は似ている 新堀川の自然な桜。
- 雨の今夜は満月だった 明日は晴れるので施肥。
- 居ながらの花見 スミレの好意。
- 良いご一家の話。
- 近隣の花自庭の花 赤い動物のオルゴール。
- 吉川区の長峰城址 トランプショックに時代劇。
- 頸城野にようやくの春 メダカの学校。
- いま四月馬鹿はどうなっているのだろう メギスの旬。
- 3月30日の徳川美術館と豊田市美術館 そして富士山。
- 週末は名古屋と豊田市へ 本日は名古屋の分です。
- 自然の末席で。
- 三月にして真夏日 初ゴルフ アイスクリーム 啓翁桜 雪割草 内山雅子さんのCD。
- 春の公園、過日の大潟水と森公園と本日の大池いこいの森公園 その付近でクジャクチョウ。
- 大好きな濱谷浩作「ホンヤラ洞で歌う子供たち」とその絵はがき。
- 小林古径記念美術館「生誕110年記念 濱谷浩展」と講演会。
- 春分の日、肌寒いが日が長くなった 啓翁桜はいつ咲くか。
- 柏崎から佐藤さん、明静院の大日如来坐像 いしだあゆみさんの訃報
- 宮崎俊英さんとあらためて倉石隆を観た。
- 25年初日 A君の書と芸術。
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