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黄色の芝生は最後のモミジを舞わせる舞台 コール親子やエディー・ヒギンスの「枯葉」。
11月も残すところ何日もなくなりました。
本日の庭。
随分前に刈った芝は伸びることを止め、じっとして休んでいる。
大方の木々は葉を降らせたが、数本のモミジが落葉を待っている。
黄色の芝生は最後のモミジを舞わせる舞台のようなものだ。
枯れるもの同士、いつかのようにここをきれいに飾ってほしい。
本日ご来館くださった22名の皆様有り難うございました。
本日は特別な記事もないためYouTubeの音楽から「Autumn Leaves 枯葉」を並べました。
最初はナット・キング・コールの歌です。
歌は1960年代のラジオからどれほど流れたことか。
次はその娘さんであるナタリー・コールの「Autumn Leaves」です。
やはりとても上手いですね。
ナタリーが亡き父の音源と映像に重ねて歌ったシングル「アンフォーゲッタブル」は大きな反響を呼び、1991年グラミー賞のソング・オブ・ザ・イヤーに輝きました。
グラミー賞授賞式のセレモニーで歌うナタリー・コール。
往時の父の映像と音声に歌と演奏が重なる。
同じキーで歌う幸福なシーン。
最後にエディー・ヒギンス・トリオです。
スウィングする「Autumn Leaves」。
ピアノソロの後ベースに続きドラムスが、
ピアノと掛け合いながらソロをとる。
いずれもよく歌い、とても楽しい演奏。
以前にも書きましたが、
その昔新潟市のホテルのエレベーターでエディー・ヒギンスと一緒になったことがありました。
柏崎市立博物館の秋季企画展「かしわざきの木喰さん」最終日。
過日は鮭遡上だけ見て帰った柏崎。実は10月10日から同市立博物館で「かしわざきの木喰さん」展が開催されていた。迂闊にもそのことを知らずにいたところ、一昨日A氏から、柏崎の木喰展は明後日で終わりですよ、素晴らしいですから、と聞かされた。
この度の企画展ではもうお一人から貴重さを聞いていたものの、同館に格調高く常設展示されている9体の木喰仏を思い出して、はい見ましたなどと言い、正直聞き流していた。そこへA氏から、もう終わりますよ、早く、と熱い催促のお話で、本日慌てて観てきた次第。
江戸時代後期、二度にわたり新潟県を訪れた上人の作品は佐渡、長岡、小千谷、柏崎に多く残されているという。このたび84体に及ぶ(一体は上越市から)同市安置の木喰仏が一括展示され、規模の大きさは初めてという。好機は二度と無いと思い、昼に出かけた。
チラシ裏面。
チラシも底をついたため自前でプリントされている。
三十三観音、十王尊ほか十王堂の12体の群像の壮観な列に加えて、会場を埋め尽くす諸仏は、圧倒的な力をもって賑わう入館者を迎えていた。
上人の仏力か、入場者の昂揚か、場内に入った途端体が熱くなるのを覚えた。
一晩に一体、時には二体を彫り上げたという仏像の多くくは微笑(みしょう)を湛えつつ、独特の彫刻として全くスキが無いのである。庶民に向けて造られたというものの、高い品格と完成度は、研究とともに深い仏性によるとしか考えようがなかった。しかも九十才を越えた年令時の作品だというから、上人の並外れた体力、健康にも驚かされた。
意外だったのは三十三観音だった。おしなべてお顔がふっくらとしたいわゆる美人顔、明らかに木喰さんと異なっている。後の仏師が手を加えて彫り直し{改刻)したという。仏はどんな気持ちだったろう、凄まじい世界だと思った。
展示は本日最終日。
初日から賑わい、昨日は900名の入場だったそうで、図録は売り切れたと受付で聞いた。
代わって生誕300年を記念して刊行された「廻国放浪の作仏聖 木喰」(広井忠男著 日本海企画平成29年5月23日発行)を求めた。
「廻国放浪の作仏聖 木喰」
彫刻し安置された地域の風土とともに詳細に綴られている。
最後にショップの絵はがきコーナーの一番上にポツンと一枚、小生の「ヒメタイサンボク」が残っていたので求めた。
応対された館員の方が私を知っていて、嬉しかった。
「ヒメタイサンボク」
2002年の最初の個展でDMに用いた懐かしい絵はがき。
博物館の後木村茶道美術館に寄った。
紅葉は峠を越えていたが山荘の園内は賑わっていた。美術館の呈茶席は四名が座った。お点前の方は私が通い始めた昭和六十年代当時からの懐かしい人だった。かって樹下美術館も訪ねていただき、数年ぶりにお目に掛かった。当時の者は私だけになりましたと仰り、終わって短い話をした。
頂戴したお茶は熱く美味しく、お茶碗は奥高麗(おくごうらい)。大ぶりで作行き風合いとも非の打ちようがない立派なもの。一度盗難に遭い、後に出て来たという曰くある名品だった。
博物館、美術館とも、今年は突然生じたコロナ騒動で神経をすり減らしたのでは、と思った。
本日最後の月末茶会が終わった。
7月から始めた月一回の月末茶会の最終回を本日終えた。
樹下美術館が今年行った精一杯の催事で、コロナ騒動のなかなんとか5回を行った。
京間四畳半の室に一席5名様までとさせて頂くと、90センチ×5,4メートルの畳に5人で座ることになる。
西と南の窓を半分近く開けたので一定の換気は出来たのではないか、と思っている。
最終日の本日合計19名のお客様に検温をさせて頂き、午前10時半から3時まで4席に分け、一席およそ20分で終えるようにした。お客様はお菓子と茶を頂く時以外はマスクをして頂き、不肖お点前の小生は終始着用した。
室を通過した楚々とした風は爽やかだった。
古谷和也作の伊賀面取り掛け花入れに白玉椿とマユミの枝を生けた。
軸はこの秋二回目、良寛筆「四時有月」を掛けた。
冷々たる山水と高空の秋月を讃え、月を鏡に、世界を境とし、鏡なくして境は非ず(無い)、境もまた然りと書かれている。
両者は一体である、という碧巌禄(へきがんろく)からの一節。文言は有で始まり後に非が繰り返され、禅味と哲学を秘めている。小さな紙面に流れるように美しく書いた禅師の深い思想と教養に圧倒される。
※碧巌禄:中国の唐~宗代に編纂された禅宗の語録。
齋藤三郎作の染め付け香盒。
富本憲吉から拝領した竹林月夜の上品な文(絵図)と独自の作り。
今秋妻の友人から頂戴した黒柿の炉縁(ろぶち)を早速使わせてもらった。
釜は江戸後期の高木治良兵衛作。炉の炭火は初冬のもてなし。
齋藤三郎の水指と風炉先屏風の書簡、そして伊賀の蓋置き。
蓋置きは昭和60年頃、新潟三越で行われた谷本光生展で求めた。
まだお茶を始める前で、何に用いるかも知らず、ただ感じが良いだけの理由
で求めた。
その時の売り場のお客さんにお年寄りの女性がいて、「あなた良いものをお買いになったね」と言われた。谷本作品の風合いが非常に気に入り、用途も知らず肩衝(かたつき)の茶入れと徳利型の花入れも購入した。
茶も知らぬ客が次々茶道具を購入したので売り場は、ちょっとした騒ぎになり、居合わせた谷本氏が駆けつけ、良いのですか、と心配顔で仰った。それから作品の包み方、仕舞い方など、大変丁寧に教えて下さり、それぞれインド更紗の風呂敷に形の良い木製の名札を付けて頂いた。
後で調べると広い教養を有し、谷本伊賀のジャンルを創造された作家さんと知った。優しくまれに見る紳士的な方だった。
それから二年経った頃、大潟区の裏千家茶道、渡辺宗好先生に入門しお茶を始めたが、本日の伊賀の蓋置きはそのきっかけの一つとなった懐かしい品。
美しくおいしいお菓子「木枯らし」は髙田の竹内泰祥堂さん。
皆様にはいつも拙いお点前を致し、恥ずかしく思っています。
ご来席頂き誠に有り難うございました。
毎回恐る恐るの茶会開催を終了、残す今年の開館はあと一ヶ月となりました。
昨今のコロナの流行事情から、お客様、そしてスタッフ共々無事でありますことをひたすら願っています。
吉川区の橋爪法一さんのブログで、当地に一羽コウノトリが来ていると書かれている。お茶の後車を走らせたが目にする事は出来なかった。まだ居るのだろうか、是非見てみたい。
生誕250周年、年末にベートーヴェンの名演をSPレコードで。
来る12月12日(土曜日)午後3時から,
樹下美術館で例年行っています年末の手回し蓄音機によるSPレコード鑑賞会を催します。
今年はベートーヴェンの生誕250周年のメモリアル年です。
年末の会は貴重な年に相応しくオール・ベートーヴェンのプログラムに致しました。
以下は予定プログラムです。
名演奏家による1930~40年代中心の録音を、
当時のSPレコードでお掛け致します。
○アルトゥール・シュナーベル ○エドヴィン・フィッシャー ○カザルストリオ
○ピエール・フルニエ ○ゲルハルト・ヒユッシュ ○シモン・ゴルドベルグ
○リリー・クラウス
電気を用いず音の空気振動をそのまま盤の溝に録音したSPレコード。
全ての音はカットされること無く、豊な臨場感をもって再現されます。
名演の再現は、レコードのすれ音も気にならず、遠い時代の空気まで私たちに伝えるようです。
コロナに配慮して席は30席までの予定です。
お申し込みは美術館の窓口か、美術館への電話025-530-4155でお願い致します。
換気を行い、検温とマスクをお願いし、年末のひとときを有意義に過したいと思います。
※ところで新潟県では比較的規模の大きいクラスターがみられています。
開催を前に上越地域の状況によっては中止の止む無しをお知らせする場合があるかもしれません。
万一の折は、どうかご理解のほど宜しくお願い致します。
紅葉の庭とメグスリノキ カザルス・トリオなどのベートーヴェンを聴いた。
良く晴れ渡った木曜日は午後仕事休み。美術館の庭の木々は色づき、澄んだ日射しに映えていた。
庭はヤマザクラ、松、ハンノキ、コナラなど元から自生していた木々に、25年前から植栽を続けたものが混然一体になっている。植栽したものの多くは落葉広葉樹の雑木のためとても成長が早く、当初のものは下に立つと見上げるほどになった。
大きくなった分、一段と彩りが目を引くように思われる。好天の本日、二三の角度からの写真を載せてみました。
西側の庭。カエデのほか中央にメグスリノキが色づいている。
末尾にメグスリノキを近くから撮ったものを載せました。
上の写真を撮った美術館裏の場所。
皆様には今春入れたこの椅子テーブルに座って頂きました。
黄色が美しいカフェ前のモミジ(左)とイタヤカエデ。
イタヤカエデは植えて25年、モミジは8年ほどが経ちました。
玄関左から、右に株立ちのアオハダ、向こうにマユミやニシキギの低木。
前述したメグスリノキです。
この木の紅葉は陽の当たる所からグラデーションになります。
赤、ピンク、オレンジ、黄色、うす緑など、とても上品です。
※ご覧になりたい方には、スタッフがご案内致します。
さて午後、A氏がベートーヴェンのSPレコードを持参されました。
実は12月12日{土曜日)に恒例のSPレコードを聴く会が予定されています。今年はベートーヴェン生誕250周年のメモリアルに当っていますので、特集としてそれに沿ったレコードを掛けることになっています。
本日A氏はその試聴に、何枚かレコードを持参されたという訳です。
ピアノ三重奏曲第7番「大公」のレコードアルバム。
1905年から約30年間続いた歴史的なカザルス・トリオによる演奏。
コルトー(ピアノ)、ティボー(ヴァイオリン)、カザルス(チェロ)による
迫力と気品にあふれる演奏が臨場感をもって再現されました。
上掲した1927~28年録音のレコードラベル。
主人の声を聴くニッパーは時代と共にいっそう貴重になったようです。
心配していたコロナの流行期に入りましたので、開催の詳細は状況を見ながら検討することに致しました。
小島正芳先生の講演会が近付いた 昨日文化の日の良寛の里行き。
当館で月1回最終日曜日に催していたお茶会。
コロナ禍の中、7月から始めましたが、10月で無事4回終え今月が最終月となりました。
ある月の会で床の間に掛けた伝良寛とされる漢詩をご覧になったお客様の機転から、全国良寛会会長・小島正芳先生とご縁が出来、その後のやり取りによって本書は、良寛五合庵時代初期の真蹟であることが判りました。
小島先生は新潟大学時代、髙田の芸能科で齋藤三郎の講義を受けて以来、氏に心酔されコレクションもされておられます。このたびのご縁により、来たる11月7日に「齋藤三郎と良寛さん」の講演をして頂くことになりました。
良寛を敬愛し、よくその話をしていたという齋藤三郎。長年におよぶ第一線の良寛研究者、小島先生。 当日どのような話を聴けるのか、とても楽しみです。
ところで、昨日文化の日のこと。
すっかり寝過ごしたと慌てて茶の間に出ると、今日は祝日と妻から告げられ、地獄で仏の心地がした。
この日は終日季節風が吹き荒れ、夜は雨も加わり、いよいよ今どきの空模様が続いた。
何も予定を決めてなかった祝日、午前は柿崎海岸を歩き、昼は本を読み軽い食事をした。その後思い立ち長岡市島崎の「良寛の里わしま」へ車を走らせた。
お目当ては良寛の里美術館。かって25年ほど前に初めて訪ねて以来何度か足を運んだ。
田園に囲まれた一帯の丘陵地は良寛の仮寓地国上山や最晩年の地島崎に近く、如何にも良寛の里の風情が漂う。
良寛の代表作やゆかり深い親族や親交者の作品が
静かなたたずまいの中で澄んだ気品を漂わせている。
(当然ながら展示室は撮影出来ません)
秋の足は速い。この地への訪問の目的はもう一つ、旧和島村篭田の「椿の森」熊野神社に寄ることだった。当地は古くは水運の要地で、境内の見事な椿林によって「椿の森」と呼ばれていたらしい。
良寛の姪が神社の神官家に嫁いでいて、良寛はたびたび家を訪ねている。
祭では白塗りをして踊ったと伝えられている。
椿の森入り口近くに設置された「幾千の和」
過日柏崎市のドナルドキーンセンターで写真を見た実物。
今井翔太・今井駿哉兄弟作によるトレーラーに描かれた壁画。
社殿と良寛、貞心尼の座像に椿が散らされている。
良寛さんには、子供たちとの野遊びなどに関した詩文やのどかなエピソードが多数残っている。ただ上掲のような風景を見ると、1日の乞食托鉢を終え、暮れるなか一人山へ家路を急ぐ禅師の姿がぼんやり浮かぶ。
昔から私にはこの眼で見てみたい人が二人いる。会いたいのではなく、一人歩いているのを遠くから見てみたいのである。
二人のうちの一人はキリスト、もう一人は良寛だった。
実際には会えないのは分かっているので勝手にイメージするしかない。
粗末ななりをして一人夕暮れを歩く姿を、ぼんやりした光が包んでいる、そんな様子が浮かぶのである。
もう一人、これは実際に会って話を聞きたい人が居て、1818年生まれの高祖父・玄作爺さんです。
どんな顔をしていたの?父母はどんな人でしたか?どうやって医者になったの?本当に高野長英を匿ったの?本当にドンドの池の洗濯女を妻にしたの?旅した当時の京都は?信州でどんな人達と合っていたの?
出来ればこの眼で見てみたい、あるいは会って見たい人。
皆さんはどんな人でしょうか。
以下はわずかですが、所蔵する良寛様関連の本です。
中に齋藤三郎の兄・齋藤泰全和尚の著「良寛の生涯」(編者齋藤謹也 昭和63年洞門教材社発行)があります。
多くは読んでいた頃から2,30年ほど経ちました。この機会を得て、再読すべき年になったと思っています。
●コロナ禍で講演会の参加数を減らしましたため、申し込みが予定いっぱいになりました。
小島先生にはお聴きしたいお話が沢山ありますので、来年もと念願しています。
実現出来た時は皆様にもどうか宜しくお願い申し上げます。
庭が赤くなってきた リュウノウギク レッド・ガーランドの「Rain」。
よく雨が降った月曜日。
さほどの寒さではないが、美術館の庭も少しずつ赤味を帯びてきました。
夏の間、長く咲いたカシワバアジサイは早めに紅葉を始めます。
北アメリカ東部原産といわれる木は、紅葉もどこか洋風な感じを受けます。
真っ盛りのリュウノウギク。
2007年の開館の数年前に植え、その後沢山増えました。
もとはと言えば東京の伯母が富士山麓の別荘の庭から送ってくれました。
60年も前の話ですが、別荘の土地は伯父のゴルフの賞品だったそうです。
時代とはいえトンデモな話として当時聞きました。
鈴を振ったように綺麗な声の持ち主だった伯母。
生前何かとお世話になりました。
レッド・ガーランドのピアノトリオで「Rain」。
この人のジャズには温かみが感じられます。
学生時代はじめ若い頃に沢山聴きました。
鐘の残響のような響きを持つ和音や、コロコロしたメロディは彼独特の演奏スタイルです。
美術館のすぐそばでノブドウが綺麗です。
去る10月17日、妙高山の初雪の日の当欄でノブドウの写真を1枚掲載しました。
それがこの数日日増しに色濃くなりました。
これまで何度かノブドウの掲載をしました、
2018年11月1日、 2017年10月4日。
しかし今年ほど沢山しかも鮮やかに色づいているのは初めてです。
今年はどこでもこんな風でしょうか。
以下は本日雨中の美術館裏にあるベンチの左手で見た実です。
様々な色がありますが、紫色がニュアンスとして共通しているようです。
よくもこんなに綺麗な色を作れるものだと感心します。
かってノブドウを描いたことがありました。
こ2000年作で、これまで何度か出した絵です。
これでも精一杯豪華に描いたつもりでした。
平成3年、日本橋三越で求めた根本曠子作野ぶどう切貝棗(きりがいなつめ)。
お茶を習い始めて5年目のころでした。
秋に何度も使い、これからもお出しするつもりです。
明日は月末日曜日の茶会の日です。雨降りが続いていますが、日中は止むようです。
柏崎市のドナルド・キーンセンターを訪ねた 今井翔太、駿哉ご兄弟の作品 帰路の福浦八景。
本日日曜日、念願かなって柏崎市、ドナルド・キーンセンターを初めて訪問した。
同センターは樹下美術館の少し後に開館している。
まったく格上の同センターを訪ねるのに10年の歳月を要した事になる。遅くなったがその間に年を取り、偉大なキーン氏を少しく理解できる仕度をしていたのかもしれない、という言い訳を許して頂きたい。
センターは想像以上にスケールが大きく、目的が明瞭で、知的な文化漂う場所だった。それはとりも直さずキーン氏自身のエッセンスの現れであり、センター設立者のキーン氏に対する敬愛と深い理解がそうさせているものと思った。
自国の文化価値は自国人の理解だけではまだ足りない。国際的な研究と俯瞰が加わっていっそう価値の普遍性が高まる。
キーン氏がこの国の文学を研究し世界に向けて多数発表され、多くの作家、文化人、国民と広く親交を結んだのはまことに貴重なことだったにちがいない。
氏の足跡を示す展示は大変分かりやすく充実していた。こまやかな資料蒐集と展示構成とともに、傍らのキャプションは誰が書かれたのだろう。ご苦労と内容の明瞭簡潔さに深く感銘を受けた。
ロビーでは今井翔太、今井駿哉兄弟の展示イベントが行われていた。
駿哉さんの立体と版画の現物ほか、広大なインスタレーション作品の写真も。
以下は翔太さんの絵画。
表現が異なるご兄弟の作品は、ともに精神性と時間要素が重なり、印象的だった。
展示順路の口に建っていた鮮やかな柱。
ここから先はマナー遵守で撮影をしていません。
よく手入れされたバックヤードの芝生。
ショップで求めた本。
左から別冊太陽「ドナルド・キーン 日本の伝統文化を想う」 2017年9月25日平凡社発行。
真ん中は常設展示図録「ドナルド・キーンセンター柏崎」
2013年9月20日 ブルボン吉田記念財団発行。
右「石川啄木」著者・ドナルドキーン 2016年6月10日新潮社発行。
バックヤードを歩くとすぐアカタテハ蝶が飛んできて塀に止まった。
いつかの武相荘でもそうだったが、記念施設の庭で蝶をみると、
かつての主が遊んでいるのか、とふと想ってしまう。
また柿崎海岸で千鳥をみると母かと思ったりもする。
懐かしい柏崎マリーナを入り口から覗いてみた。
出来たばかりの昭和50年中頃、
私たちの30フィートヨット「オレンジペコ号」をここに係留していた。
以下は本日の福浦八景と恋人岬。
この一両年、庚申塔や天神様街道の探訪、市立博物館や木村茶道美術館訪問など、何度も柏崎市を訪ねた。
同市は歴史と神仏が厚く、多くの文化人やスポーツ選手、さらに様々なコレクターを生んだ貴重な文化都市だ。
世の中が偏狭と目先利益や見た目に夢中の昨今、求めるべき幸福が遠く薄くなるのを漠然と感じる。
文化と教養は幸福を求めて歩くために履く、歩き心地の良い丈夫な靴かな、と思う。
今日、文化豊かなドナルド・キーンセンターでは気づかされることが非常に多かった。
館内奥にあったキーン氏の再現書斎でなんとも居心地の良さを覚えた。
求めた本も楽しみにしたい。
御地がいつまでも心安らかに訪れることが出来る街であることを祈っています。
寒かった日の見聞 皆様に感謝。
本日は朝から寒い一日だった。
午前の仕事を終えて美術館に向かう道で、妙高山山頂に雪が見えた。
雪は谷すじに溜まり、ちょっぴりであり冠雪というより初雪のイメージ。
しかし例年より相当早く降った模様で、今冬の寒さが案じられる。
午後3時ころ、買い物帰りの妙高山。
ホームセンターで芝生の肥料や百合の球根と咲いているフジバカマを買った。
フジバカマも蝶が寄る花なのでブッドレアのそばに植えたい。
以下午後から目にしたものです。
裏のベンチ脇で沢山実をつけているノブドウ。
ある種のハチが卵を産み付け、その実だけがこのように色づくらしい。
夕刻に尊敬するコレクターのA氏が見えた。
お持ちになったスプーンは、先ほど手に入れたばかりのイタリアのアンティーク。100年ほど前のもので、コーヒー豆の計量スプーン。
良い感じに使われ、各部のカーブとバランスが何とも言えず美しい。
如何にもイタリアという感じでしょ、と言うニコニコ顔のA氏。センスの良さにはいつも感心させられ、美学の専門家と言ってもいい人。
仕事帰りの俳句のA氏も加わって、しばらく四方山を話した。
閉館後西方の空低く僅か雲の切れ目が見られ、綺麗な夕焼けの予感。
近くの水田へと出向いてみると、いっとき紫色の世界が現れた。
東の米山は変わった形の雲が浮かび、童話のシーンのようだった。
本日夕食のメザシ。
このほかに玄米ご飯にサラダとおでん風の煮物が出た。
軽い朝昼とメザシ&野菜中心の夕食にして45日、
54,7キロの体重が2,5キロは減った。
減り加減が早いため、夕食のおかずを少し増やした。
ちなみに朝・昼はヨーグルトとサラダに紅茶が基本。多目に動く日は8枚切りトーストを1枚加える。
このような食事は一般に勧められないかもしれませんが、味覚が鋭くなり、ゴルフが良くなり食後の眠気も無い。年の多い私には合っていると感じている次第です。
仕事場の夕食どき、外でドンドンと音がした。鵜の浜温泉の花火が見えてカメラを向けた。
本日夕刻近く、柏崎の方達がお見えになり、熱心に展示をご覧頂いた。その後カップが楽しみと仰りカフェでゆっくりして頂いた。
午前に来られた方が「森のトマト畑」を二冊お買いになったと聞き、有り難く思った。
さまざまにスマホを楽しまれた若い女性お二人の様子は、スマホが上手く使えない私には羨ましい光景でした。
多く留守をしましたが、皆様ご来館有り難うございました。
明日は暖かくなるということです。
常時玄関扉を6.70㎝ほど、カフェの窓を20㎝ほどを、晴れていれば天井の排煙孔を開けていますが、新しい二基のエアコンのお蔭で館内はほどほどに暖かく、助かっています。
- 仏像、社寺、二十三夜塔、庚申塔
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 聴老(お年寄り&昔の話)
- 医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
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- 社会・政治・環境
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- 文化・美術・音楽・本・映画・スポーツ
- 食・飲・茶・器
- 拙(歌、句、文)
- こども
- 館長の作品。
- 三冊の図書。
- 強風の日。
- 庭仕事と読書は似ている 新堀川の自然な桜。
- 雨の今夜は満月だった 明日は晴れるので施肥。
- 居ながらの花見 スミレの好意。
- 良いご一家の話。
- 近隣の花自庭の花 赤い動物のオルゴール。
- 吉川区の長峰城址 トランプショックに時代劇。
- 頸城野にようやくの春 メダカの学校。
- いま四月馬鹿はどうなっているのだろう メギスの旬。
- 3月30日の徳川美術館と豊田市美術館 そして富士山。
- 週末は名古屋と豊田市へ 本日は名古屋の分です。
- 自然の末席で。
- 三月にして真夏日 初ゴルフ アイスクリーム 啓翁桜 雪割草 内山雅子さんのCD。
- 春の公園、過日の大潟水と森公園と本日の大池いこいの森公園 その付近でクジャクチョウ。
- 大好きな濱谷浩作「ホンヤラ洞で歌う子供たち」とその絵はがき。
- 小林古径記念美術館「生誕110年記念 濱谷浩展」と講演会。
- 春分の日、肌寒いが日が長くなった 啓翁桜はいつ咲くか。
- 柏崎から佐藤さん、明静院の大日如来坐像 いしだあゆみさんの訃報
- 宮崎俊英さんとあらためて倉石隆を観た。
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