花鳥・庭・生き物

暑さが続いています 京都の若い人 蝶の夏。

2024年8月23日(金曜日)

他所で38度、39度とニュースに上がっていた厳しい残暑。しかし当地上越市髙田の観測で今年8月は31℃代~34℃の間を推移していました。
ところが昨日22日は35,9℃、本日36,5℃と今年の暑さを更新しました。昨日は6月から始まった両眼白内障の手術に関わる全て終了となった最終診察日でした。
お陰様で左右視力は術前裸眼0,3と0,4だったものがそれぞれ1,2となり、老化一途の身体で眼は唯一若返った器官となりました。上越総合病院眼科の先生方とスタッフの皆さまには心から感謝いたしております。
一時間半の病院滞在のあと車に戻ると車内表示の室外温度は39度を示し、くらくらするような暑さでした。

その昨日午後遅く、まだ暑い中一人の若い女性が来館されました。犀潟駅から炎天下歩いて来られたということ。お尋ねすると京都から新潟市まで行く途中、上越妙高→直江津→犀潟の行程だったそうです。新潟市で、あるグループのコンサートがあり東京の友人とそちらで落ち合う約束の来潟。SNSで当館を知り寄ってみたくなったということでした。

齋藤三郎の焼き物、倉石隆の絵画を良かったと仰り、カフェでコーヒーを飲んで頂いた。黒のロングの服装、まだ20才前後の方でした。京都といえばつい先日新婚の甥が京都出身の奥さんを連れてきたばかりで、若い京都の女性に続けてお会い出来て嬉しかったです。

若さ。一人で京都から犀潟駅へ、その目的と行程を伺うにつけ行動する若者の頼もしさに少々感動しました(私が京都へ行くのと、京都から見知らぬ頸城区へ来るのでは全く訳が違って)。

さて暑さ厳しい本日昼、美術館に昼食のサラダを食べに行くとき、仕事場の金柑にアゲハが産卵に来ていました。

産卵するアゲハは
ひらひらと頼りなげ。

するともう一羽(多分オス)が来て二羽で絡み合うように敏捷に飛翔を始めました。

するとどうでしょう、いつの間にか2羽が加わり以下のように4羽で活発に飛び交うではありませんか。

オスメス2羽ずつで飛び交う。

背丈2メートルほどの金柑にはアゲハの仲間がよく訪れます。3羽も珍しければ4羽はなお。
それにしても産卵を中断し、現れたオスと交尾のために飛び立つメス。蝶の交尾は産卵に優先するように見えました。オスが出すフェロモンがそうさせるのでしょうか。アッケラカンとしてそれに従う生殖の「際限なさ」と「割り切り」には恐れ入るばかりでした。

いえ蝶たちの短い人生の夏、それを惜しむ本人たち。彼らには私のようによそ見などをしているヒマは無いのかもしれません。

週末は「オオウバユリ祭」 蜘蛛ケ池のオニユリ 四ツ屋浜で自撮り 長峰のカカシ。 

2024年7月28日(日曜日)

昨日27日午前、再びA氏が二貫寺の森のオオウバユリの写真を送って下さった。10数個の花をつけた豪華な写真だった。

 場所はもう1枚から二貫寺の森の
「ともだちハウス」広場のようだ。

同じ日の午後、A氏の写真にせかされるように二貫寺の森へ。すると前回11日の初回より沢山の株が目に付く。県道から入るや駐車場までの間に何株も開花している。

これはツル草に絡まれ喘いでいる。

道ばたのクズもそうだが、ツル性の植物は陽当たりの良い場所で威力を発揮する。そのため道路際の草木は、松の苗さえ絡まれて消えてしまうことが容易に起こる。道路が多いのは良いのだが代わりに苦しむ草木を見るのは辛い。

早くもハグロトンボの出迎え。

駐車場の周囲にも何本か映えていて、入り口から11本を数えてともだちハウスへ向かう。

途中次々に現れるオオウバユリ。
前回よりずっと数が多い。

ともだちハウスの広場に出た。

広場で。
一番目のA氏の写真はこれか。

近くに4,5本集まっている。

同じ陽当たりでも広場の花は良く育ち背が高く沢山花を付けている。下草から突き出ているので余計に目立ち、特に上掲の花は豪華で根元に近い茎は驚くほど太い。

ちなみに握ってみた。

握るとまるで木のようで、これが「ゆり」だとは!すぐ上に草履のように大きな葉がほぼ同じ高さでぐるりと茎を取り巻いている。

ともだちハウスの方向にも
立派な花が。

二貫寺の森のオオウバユリはその数において想像以上で本日の目的は十分に果たしたとして引き返した。
以下は駐車場までの帰路です。

林中にはまだ蕾のものも。

森の奥に目をやると向こうに沢山花が見えたので入ってみた。

群生するオオウバユリ。

林間のものはさらに葉を大きく広げているが、花数は少なく貧弱に見える。陽が当たらないせいであろう。その近くにも群れ咲く場所があり、この森にはどれだけのオオウバユリがあるのだろう。

二貫寺の森を辞して美術館にもどるとなんとA氏がカフェに。話は当然オオウバユリで盛り上がる。ブログに書くとA氏が反応され二貫寺の森へ行き私に状況を知らせてくださり、私も心奮わせて出かけた。
驚いたことに氏は黒姫の童話館の途中で撮りましたと、素晴らしい花が複数並んだ写真を見せてくれた。国道のすぐ脇、路傍である。こちらではジメジメ「し場所で見るものが、高原では国道際にも生えるのか。本当に驚き、まだまだこの花には驚くことがありそうだ。

さてこの日雲が盛んで夕刻には美しい夕空になった。四ツ屋浜で記念に自分を入れて撮った。2021年心筋梗塞から回復したあと同じように四ツ屋浜で自分を撮った。この度は白内障手術の終了記念にした。

ここまでは昨日27日の分、以下は本日28日日曜日の種々(くさぐさ)です。

午前は溜まっている医療や福祉の書類を書き午後から周辺へ出かけた。大潟区は潟湖が多い。ジメジメした場所の一つ蜘蛛ケ池を思いだし、ウバユリが観られないか出かけた。池に近づける場所には無かったので、周囲の雑木林の小さな流れを探してみた。

草刈りが行われたばかりの流れ。

刈られたオオウバユリが淵にあった。

辺りに目を凝らすと遠くに2本の花。

潟が多い大潟区では、私が知らなかっただけで昔からオオウバユリが案外多く咲いていたことが考えられる。開花直前に急に伸び、咲くとすぐ枯れるなどから目立たなかっただけかもしれない。

蜘蛛ケ池の帰路、同集落手前でオニユリが沢山咲いているのを見た。

セイタカアワダチソウの中で
咲いている。

その後吉川区長峰の田で見たカカシが面白かった。

スズメはともかく私達には
十分楽しいカカシでした。
ビニー製のようです。

最後ですが、週末は「ウバユリまつり」と言うべきものでした。花を間近でみたのは初めてで、色々変わった花だと思いました。
流れなど湿気の多い場所を好むこと、スカシユリ風の切れ長で波打つ形状、ほぼ同じ高さで360度茎を囲んで展開する広い葉、開花直前に一気に延びる茎、日光の条件に合わせしぶとく生きるらしいこと、あっという間に枯れるなど独自の性質をもっていることが垣間見られました。

みすぼらしいものから威厳に満ちたものまでバリエーションに富み、それは長い間の巧みな生存戦略によるものではないかと考えられ、この花の古さを想像しました。

二貫寺の森で匂いを嗅いでみますと、ほんのかすかですがやはり百合の匂いがしました。

長くなりました。

眼科受診 大潟水と森公園のオオウバユリ 脱水熱中それにコロナ、就寝時の飲水。

2024年7月26日(金曜日)

本日25日木曜日、眼科受診をした。6月26日に終わった左眼白内障手術の一ヶ月後健診だった。すでに右眼は同12日だったので、最終チェック。

お陰様で視力は裸眼で両眼とも1,2だった。術前0,4を考えれば別次元、ある意味小中学生時代のレベルに戻ったことになる。メガネ無しでパソコンが打て、仕事も楽でゴルフボールも先まで見える。当初イヤだった鏡の自分の顔は敢えて納得した。

老化現象一途のなかで眼一つでも若返る(超)のは嬉しいことで、昨日受診では何度も医師に礼を述べた。
昨日午後暑かったがその後のオオウバユリを見るべく午後から大潟水と森公園へ行った。

既に花が枯れていた。

去る7月20日の花。
とても花期が短い。
夏の花はみなそうなのか。

既に散り、種になるもの。

これはまだ開花前では。

二貫寺の森、大潟水と森公園。少なくとも近隣二カ所、それも整備されている場所にオオウバユリがかなりあることを知り、また来年の楽しみにしたい。
大潟水と森公園の前に同公園の西側、長崎新田で鵜の池湖畔のチョウトンボを撮った。

いくら撮っても面白いチョウトンボ。このトンボが枯れた水草の茎などにじっと止まっているのを見ると、暑さの中一心に修行している僧を思わせる。そうかと思えば田んぼで群れて飛び交うチョウトンボもいて、こちらは空中の小さな虫を食べているのか。

今からこの暑さ!この先の本番はどうなるのだろう。

朝起きたら急な頭痛、だるさ、,食欲不振、、、。就寝中の脱水症や熱中症の可能性があり、さらに11波と言われるコロナも心配しなければならない。いずれにしても人混みのマスクがもう一度必要になった。日中の大汗とともに就寝中の効き過ぎるエアコンや扇風機の風は油断出来ず、就寝前の飲水は大切になる。

新潟県立大潟水と森公園のオオウバユリ。

2024年7月20日(土曜日)

昨日知人のA氏が二貫寺の森のオオウバユリの写真を送って下さった。自分が観た日から9日目、つぼみが膨らみ開花が近いことを覗わせる写真だった。

そもそも私は間近でオオウバユリの花が開花しているのを観たことがない。
2021年7月、大潟水と森公園の歴史ゾーンの先で2本のつぼみを観たがすぐ後に心筋梗塞を発症して入院、花を見る事が出来なかった。しかし先日訪ねた公園の3年前と同じ場所に花は無く、お聞きした二貫寺の森で6,7本のつぼみを確認した。少なくても今年は二貫寺の森で晴れて花を観れるというところまで来た。

そして本日7月20日土曜日、一時間近くの午睡の後、念のため大潟水と森公園の管理棟を訪ねた。すると管理者の方が野鳥観察ゾーンに4,5本、歴史ゾーンに1本つぼみがあり、数本が開花しているという。思いもよらぬ場所に幸運があるらしく早速向かった。

花は意外と近く管理棟から野鳥観察ゾーンへ入って間もなくの場所だった。このゾーンは静かで、かって何度か歩いたが人を見かけることはほとんど無かった。

さっそくのつぼみ。
蓮の花のような部分から
数本花がひらいてくる。

 次いで花です!

 三つの花。

さらに進むと、

 七つです。

何と気高く生き生きと咲いていることでしょう。辺りから真っ直ぐ突き抜け、花は緑で茶紫のアクセントを帯び毅然として、ああ古代の正統な女王か姫の趣きだった。

一帯は湿り気が強くうす暗くて草木は密だ。しかし近くに人家があり、傍らの国道の行き交いはかなり賑やかで、私も通い慣れている。花はそんな場所で人目を避け長ーい年月咲き続けたていたのだ。本日そこで初めて大小6本のオオウバユリを観ることが出来た。そのうち数本の蕾もあるので後日の楽しみとして公園を後にした。

都市公園という場所で一種原初的で威厳に満ちた花を見る事が出来るのは幸運なことだと思う。

以下は昨日写真を届けて頂いた二貫寺の森のオオウバユリの中の一枚です。

うす暗い森で1本の茎の根元から10数枚の大きな葉を広げている。懸命に光を集めているのだろう。なかでもこの花は太く立派で、一体幾つ花を付けるのだろうか。数日以内に開花が想定されこちらも是非観なければ。

すでに御存知の方も多いと思いますが、まだの方にはどうか素晴らしい花を観て頂きたいオオウバユリでした。

梅雨の晴れ間。

2024年7月12日(金曜日)

しっかり降ってはまた上がる。梅雨の晴れ間でチョウやツバメはつかの間の陽光に当たりながら活発に動き、空は澄んで雲が面白い。

潟町のブッドレアにアゲハが来る。
アゲハはブッドレアが大好き。

なぜこんなに造形的なのだろう。

午後の往診の道で。
山で積乱雲になれない雲。

この空がまだ続くならば今年は長梅雨ではないだろうか。今のところ作物には良いらしい。

「二貫寺の森」へ、オオウバユリを見に初めて行った。

2024年7月11日(木曜日)

およそ小雨模様の本日、晴れ間も見えた午後、姥百合の状況を大潟水と森公園に電話して尋ねた。すると、現在1カ所で確認されていますが、「二貫寺の森」では何カ所かでつぼみがみられているようです、という返事。
二貫寺の森は初めて聞く名前だった。さっそく調べてみるとおおよその場所が解った。上真砂の交差点の東、(株)コスゲに隣接する森一帯がそうだった。着くと駐車場と管理棟(施錠されていた)があり、如何にも湿り気の多そうなフラットな場所で、植物と樹木が濃密に茂っていた。

管理棟

薄暗い森を、ここなら姥百合(オオウバユリ)があるかも知れない、と歩き始めた。

間もなく現れるツリーハウス。

ガマズミの赤い実がきれいだ。

気持ち良いくらい茂るシダ。

スマホの歩数で3000歩ほど歩き、10本前後のオオウバユリを見た。

背の高さに違いはあるが大潟水と森公園の電話どおり眼前にする事が出来た。おそらく先端のつぼみに見える部分は更に伸び、そこにいくつもの花を着けるものと思われる。

姿は崇高で、うす暗い湿地の中に繁茂する無数の植物を代表するかの如く真っ直ぐに堂々と伸びていた。
開花はいつ頃なのだろう。まず1週間おきくらいに来ては眺めてみたい。

以上が一回目の二貫寺の森歩きでした。初めて歩く湿った場所は何が出てくるのか少しく緊張するが、随所でひらひらするハグロトンボに心なごまされた。

ハグロトンボ

普通であればこのような場所は荒れ果てて一歩も踏み入れることが出来ないのだが、珍しい事にここはクズやクサギの繁茂も全く見られず、かって読んだ閉鎖林を想像させる望ましい森林環境が保全されている印象を受けて驚いた。

二つの河川による永年の作用でこのように豊かな自然が形成されたとある。しかし関係者の維持管理努力は並大抵ではなかったのでは。「公園」と名付けられていないのも良いと思った。

汗をかきかき夏の大潟水と森公園、新たな出会い。

2024年7月6日(土曜日)

7月第一週の土曜日。何も予定が無い日の午後は大潟水と森公園か大池いこいの森公園に足が向く。行くまでお目当てがあるわけではないが、行けば新たな出会いや興味深い再会がある。

自生するオカトラノオ。

同じくヒヨドリ草。

ジャノメチョウとドクダミ。

数年ぶりのコムクドリ。

冬は雪、夏は亜熱帯。

マムシグサの実。
次第に赤くなる。
(ヒロハテンナンショウを訂正)

 

賑やかなホタルブクロ。

湿地に黒いアゲハが一頭
すでに来ていた。

目の前を横切った
明らかにモンキアゲハ。

モンキアゲハは上掲のように印象的な飛翔を目にして驚くだけだったがこの度はちゃんと撮った。この蝶を見るのはいつもこのゾーンだった。調べるてみると通り道が決まっているらしい。

眼前に降りた。
日本最大のアゲハだという。

二頭いて並んで吸水
左の個体にも前翅に隠れて白斑がある。
色あい違いは春型と夏型?又は雄と雌?

暗い木立の中にキビタキ。
カメラを向けると飛び立った。

芝生の広場で沢山のネジバナ。

暑くて面倒でも、行けば何かに出会え、次の楽しみも生まれる場所、自然公園。大潟区の大潟水と森公園や頸城区の大池いこいの森公園はそんな場所だと思う。
この度は汗を掻き掻き、特に数年ぶりのコムクドリ、まさかのモンキアゲハとキビタキの後ろ姿、賑やかなネジバナなどを目にした。
望遠レンズを着けずに歩いたがちゃんと撮るために次回は装着して行きたい。

夕ご飯の茄子の煮浸し。

妙好人の話 カニ。

2024年7月4日(木曜日)

昨日の当欄で丁度良い梅雨と書き、最後に世相などを愚痴った。愚痴りは万人のものであろうと思われる。良くあれ、良くしたいの裏返しが愚痴で、そう頻繁でなければ悪いことでもなかろうと弁護している。
それにしても去る青年、どうか調子が上向きますよう心から祈っています。

本日木曜は身勝手ながら休みの日。新潟から書家で良寛研究家の小島正芳さんが来館された。不明な自分は先生にお会いするととても楽しい。本日は良寛の実家の凄まじい困難、出家と修行、浄土真宗が盛んな北陸地方における「全てを阿弥陀に任せる」「妙好人」の話が特に興味深かった。「阿弥陀が代わりに悩んでくれる」という概念が普通にあるらしいのだ。
いわく言い難い禅を英文で海外に紹介した大仏教学者、大哲学者の鈴木大拙によって宗派が異なる「妙好人」の概念が確認されたところも宗教の混淆性というような面が現れて非常に面白かった。

有名な「天上大風」では何度も質問させて頂いた。先生とお会いするといくら質問しても足りない。今秋11月3日予定の先生の講演会を沢山の皆さまとお聴きできること、今から期待したい。

ブリキのおもちゃのようなサワガニ。

閉館近くお客さまが引けたあと芝生でゴルフボールを打った。すると小さなカニと出会った。毎年のように今ごろ庭のどこかに出てくる。カサカサと横歩きする沢ガニを嫌いな人はまずいないのでは。どんなに愚痴りたい時でも愛嬌あるカニを見れば忘れることが出来そうだ。少なくとも彼らのいるところにはほどよい水分があり麗しい。何処かに「カニ神社」があってもおかしくない気がする。

本日カフェの丸テーブルにまた楽しいイラストがあった。

あたかも「梅雨どきの幸せ」

アマガエルはまるで目の前のものを見ながら描いたようだ。宜しければまたお描きください。

梅雨時の花修行?

2024年6月30日(日曜日)

しっかり降り、時に止む。一日中そんな時間が続いた本日日曜日。薄暗い空の下で三種類の白い花が咲いている。ポツポツ咲き始めた鉄砲百合、モサモサと白い房を付け下げるカシワバアジサイ、ヒョイヒョイと白い円錐が下向くオカトラノオ。

鉄砲百合。

柏葉アジサイ。

 

オカトラノオ。

6月は本日で終わり、梅雨が本格化している。この時期の白い花はしばしば雨に降り込められる。特に鉄砲百合の優雅な花が,、この先連日の雨に打たれ、次第に傷んでいく様子は痛々しい。今年痛めつけられても翌年また同じ時期に咲きまた傷む、、、。

美しい貴婦人はかって何かあって罪滅ぼしでもしているのだろうか。それとも自ら高みに上がるためあえて雨に身を任せ“花修行“と言うべきことを厭わず行っているのか。

花に宗教など考えられないが、同じ生きものとしてそれは人間だけのものとも言い難く見える時がある。

同じ百合で姥(うば)と乙女。

2024年6月25日(火曜日)

去る日のことあるお二人と庭を歩いた。まず南の庭の少々日陰で姥百合(うばゆり)の苗を観た。昨年2年目だったが花が咲かず、今年に期待しているところ。やや陽当たりに問題があるやに思い、先日被っているカエデの枝を一部切った。

姥百合は大潟水と森公園に数カ所自生していると聞いている。しかし実際には開花前だったり後で花を観たことが無い。かってある人に苗をもらったが絶えてしまい、一昨年ネットで一苗購入して植えた。

一方別の場所に今春同じくネットの苗を2本並べて植えたが、ふた月経つのにただじっとしているだけである。

3年目の苗。
葉の数だけは倍になったが、
花芽の気配が無い。

 上掲2枚は今年の苗。

さて当館には齋藤三郎の姥百合作品が3点ある。

現在展示中の齋藤三郎の
姥百合の鉄絵皿。

上掲2点は
当館収蔵の齋藤三郎作
「姥百合の圖」

姥百合に関して今年庭が駄目なら大潟水と森公園で観なくてはならない。もう数週間すれば開花時期、そろそろ長い花芯を伸ばすのではないだろうか。

次は乙女百合。
何故これを挙げたかと言えばお分かりのように姥百合の後だったからで、案内したお二人は花が終わり『乙女百合」の札が付いている茎だけを見て「今度は乙女」と声を出して笑われた。

開花していた頃の乙女百合。

齋藤三郎の百合にはほかに笹百合と思われる染め付け皿が1点あり、乙女百合は無い。どこかにあるかも知れないが氏の場合一種貫禄と野趣満点の姥百合を特に好まれたのかも知れない。

それにしても同じ「百合」で「姥」と「乙女」とは。前者に同情したくなるが、図鑑で見る姥百合のスケール感と貫禄は一見の価値がありそうだ。今期は是非大潟水と森公園で花を観なくては。公園に電話をして状況を確認をしないと今年も見損なうかも知れない。

※かって10年ほど前、燕温泉から赤倉に向かう道で左の谷間遠く姥百合が咲いているのを一度だけ目にしたことがある。

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