医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
健診を生かす はくたかに虹 クリスマスリース作り レス・ポールの虹の彼方に。
本日午後、ある工場の健診結果に対する個人面談があった。過食、偏食、アルコール、喫煙、塩分過多、運動不足、そしてストレス。これら七つは何処でも変わらない課題だ。
生活上のほどよい節度なしに薬だけに頼るのは問題の解決にはならない。健康な人生、健康な老後を考えれば自ら納得してぜひ望ましい生活習慣に向かってほしい。
本日の事業所は長いお付き合いもあって、工場長以下担当者の意識は高く、個人面談の理解や反応はもとてもいい。
さてこの時期の悪天候は虹と遭遇しやすい。本日も事業所の帰りに見事な虹と出遭った。
虹を背景にほくほく線の特急はくたか号。強風のためのろのろと走っていたので写せた。
家を覗くと妻の友人たちやスタッフが、知人の奥様からクリスマスリース作りを習っていた。一段落して隣室でお茶だった。女の人達はよく集まり、よく話す。
女性は存在価値を確認するために和(輪)を広げる。
存在価値がよく分からない残念な男たちは、敵を求めて人迷惑なことをする。
名ギターの生みの親で名プレーヤーの故レス・ポールがお爺さんになって「Over The Rainbow」を弾いていた。
エンディングは華やかなカデンツァから穏やかなルートに戻って終わった。
米山の雪化粧 季節や時代と血糖値。
風、雨、雷、この数日の荒天は騒々しいものばかりに見舞われた。それが本日はシンと静まり澄んだ青空が広がった。
妙高連峰はすっかり冬の装いとなり、本日の米山は上三分の一に雪化粧が施されていた。
ところでこのところ患者さんの血糖値が少々上がる人が多い。そんな方たちで「柿が美味しくて」、と仰る方が少なくない。今年は当たり年らしく、柿の話を多く耳にする。私たちも何度か頂いた。
美味しそうな富有柿。小ぶりでとんがってカリッとした筆柿もいいですね。
ただし柿は重量当たり梨より20%近く、りんごよりおよそ10%もカロリーが多い。
中くらいのものでご飯一膳と同じなので「ついつい」を用心して。
ところで冬はモチとミカンに運動不足、夏はビールとつまみと意外な野菜太り、秋は果物、、、。季節ごとに血糖が上がる要因があり、宴会もまた影響を与える。
ただし運動や農作業が始まり、糖質の食品がやや少なめな春の途中から初夏まで、わずかに下がる傾向があるようだ。
戦後の食品教育でビタミンC補給のため、“もっと野菜と果物を”と言われた時期があった。随分改善されたが今度は後年まで、果物の過剰による過血糖を見るようになった。
また嘗て肥満気味の栄養士さんや保健師さんの指導では、食事よりも運動がより強調されることがあった(後ろめたさがそうさせた)。運動によってお腹が空き、返って余計に食べてしまい逆効果に警戒が必要だった。
バランスがことさら強調された時代もあった。オーバーカロリーの人が野菜果物の不足を指摘され、バランスの名の下に過剰な野菜や果物を追加し、さらに血糖値を上げてしまう現象もあった。
糖尿病とその予備軍は本当に多い。当院で9月末から一ヶ月間を調べてみると、診療回数のおよそ35%がそのような方だった。運動は取り組みやすいが、食事は当人が嫌気をささないよう配慮が必要だ。将来のために自覚を促しながら、体重を目安に親身になって意識を維持して頂くようにしている。
適切な総カロリーの概念は50年近く前から言われていた。ようやく近年医師の指導のほか会社の担当さん、保健婦さん、インターネットの学習など、全体で意識が高まりつつあるように見える。
あまりお金が掛かる方法は勿体ないので避けた方がよいのではないでしょうか。
手こずる二つの用件。
今夜は医療の日頃のこと、なかんずく往診の事を書いてみたい。
以前は重篤な心筋梗塞や脳出血なども往診依頼された。
かつて早朝の心筋梗塞で患者さんの救急車に同乗した。途中苦しい呼吸の中で何度も脈が無くなり、昇圧剤の静注を繰り返した。なんとか病院に到着できたが、専門医の到着は未だだった。その時は病院ナースに基礎的な指示をお願いして帰った。(病院に上がり込んでオーダーを出すなど、無謀なことでしたが、この方は助かりました)。
往診依頼の電話の際、緊急性の高いケースでは救急車も呼んでください、と伝えて出かける。しかし到着するとすでに亡くなっていたり、車の到着まで持たなかったケースもあった。脳出血(恐らく蜘蛛膜下の大出血)の女性は蒼白となり嘔吐し、悲鳴とともに激しく頭痛を訴えた。直後に身を反らせ強い痙攣を繰り返して息を引き取った。救急車は間に合わなかった。
真の救急に向けた病院の対応、地域の理解など全体が進み、今では上記のようなケースは直ちに救急搬送されている。わずか10~15年におけるめざましい進歩だったと思う。
ところでさほど頻繁ではないが往診用件で手こずるものが二つある。一つは鼻出血(鼻血)でもう一つは尿閉だ。
往診の一式。カルテのほか、左:主に内科用件の用具、手前:AED、
真ん中:お薬、右:応急処置用具と点滴類、点滴スタンドは常時トランクに。
いずれも夜間の依頼が多い。耳鼻科、泌尿器科とも病院医師が少ない科である。疲れている医師を煩わせたくないが、患者さんはおびえ、あるいは震えている。なんとかしなければならない。
鼻出血ではアドレナリンを浸したタンポンを詰め、氷で冷やし圧迫し、止血剤も注射する。夜間一時間も掛かってようやく止ることがあった。ご家族が心配して見守るなか、再び出血しないよう抜き足差し足、そーと帰った。
次は尿閉で、カテーテル挿入による導尿が必要となる。しかしどうしても奥がつかえて入らないことがある。患者さんは脚を振るわせて辛そうにされ、あまつさえ出血がはじまることも。
申し分けありません、と夜の病院にお願いしたことが数回あった。病院でも入らない場合は、外部から孔を穿ち、直接膀胱へ管を入れる。お一人はそのような方法によって今日もお元気で過ごされている。
さて今週末の夜は超高齢者の尿閉だった。以前外科医に聞いた通り十分麻酔ゼリーを使い、時間を掛けて通した。結局1000mlも出て、ご家族とともに驚きかつ喜んだ。週が明けたらカテーテルを留置しなければならない。
いつしか現役とは言えない年になった。夜間などは不安を払拭できないまま出かけ、病院さんにも助けられた37年。文字通りあっという間だった。私が知らない患者さん・ご家族のご苦労も沢山あったにちがいない。
肌寒い一日 保育園の健診。
夜半に雨、そして肌寒い一日だった。暑い夏が恋しいくらい、という感想を聞いた。
午後は近くにある保育園の健診に行った。1~5才児まで70人近く診た。一人も欠席者がいないとは珍しく、胸がすーっとした。
・健診中、列の遠くからニコニコしてこちらを見ている三才児の幼女。前回は大泣きしてとうとう出来なかったという。虫の居所が悪かったのですね。小さな顔、クリクリした髪、娘の幼少に似ていた。
・福島から避難の園児は一時20人前後だった。一年半を過ぎて3人にまで減ったと聞いた。あらためて大変な事が起きていたのだと思った。皆さんの運命は様々に変えられたにちがいない。
秋を告げる日に。
本日夜遅く、在宅で6年診ていた方が亡くなられた。
誤嚥による肺炎だったが持たなかった。もとの病歴は長年に及びご家族は情をもって介護された。
自分は9才の時からこの方を知っている。お元気な時のこと、衰弱の過程、ともに脳裏をよぎりそれぞれに悲しい。
「うちの人は先生が大好きでした」と帰り際、奥さんに言われた。
お心づかいは有り難いが、最後まで関わらせていただいたことに感謝しなければと思った。
今日一日、空が澄み、山と雲は極めて鮮やかだった。暑かったが、大気は秋の到来を告げていた。
S先生の白衣。
一昨日、新潟県上越市の頸北地域で長く医療をされたS先生が亡くなられた。享年85才、今夕直江津でお通夜があった。髙田の病院8年、当地で51年間の地域医療を遂行された生涯だった。
先生には、医療の原点ともいうべきエピソードがいくつかある。以下思い出を交えて一部をご紹介してみたい。
●30年以上も前、当地で駆け出しの頃、よく先生とゴルフをご一緒した。先生に自分はゴルフは好きだが、患者さんが心配で仕方ないことがある、と言った。すると先生は「心配なら出かける前に診てくればいいんだ」と話され、自分はそうしていると仰った。医師の休暇とはそういうものだと明快に教えられ、眼からウロコの言葉だった。
●45,6年前のこと私はまだ学生で、往診中の父が交通事故を起こして手術をした。リハから復帰まで二ヶ月ほどかかった。その間、S先生から週に一度代診をしてもらった。後年お礼を言うたびに「お互い様さ、助け合えばいいんだよ」と仰った。これも後々まで地域医療の重要なキーワードになることを実感させられた。
●以下は最近私の患者さんからお聞きした話になります。
昔、私(患者さん)たちは町の医者まで一時間以上かかる山に住んでいた。ある冬、父が腹痛で苦しんだ。近くの診療所で診てもらったが、悪くなるばかりだった。
里の方に若い先生が来たというので、私が夜道を下って呼びに行った。どうか診てください、助けてください、と必死に頼みました。
「女の人にそんなに泣かれては仕方がない、行きましょう」と先生は承諾された。
上りの雪道を二時間歩いて案内することになった。診察すると、腸閉塞ですからすぐ町の病院で手術です、と言われた。男手が集まって父をソリに乗せ病院に向かった。手術で父は助かり、S先生は私たちの恩人です。
さて2007年7月に中越沖地震があった。医師会長職を汚していた自分は震央に近いS先生宅などを見て回った。「ふかし君、どこから手を付けて良いか分からないよ」
初めて聞くような力ない先生のお声だった。
薬棚ほかあらゆるものが倒れ、あるものは割れ散乱していた。先生はすでに80才ではなかったか、ややおぼつかな気な長身の白衣が印象的だった。翌日事務局から何人も出てもらって後片付けをした。
今日のお通夜、先生の白衣が入り口に置かれていた。
危険な真夏の運動会。 何回もある鵜の浜温泉の花火。
先の日曜日(7月29日)、当地のある地域で住民の運動会があった。前日、会場準備が行われている横を通ったが、連日の厳しい暑さである。“大丈夫かな”と思った。
運動会は行われた模様で、翌日30日の月曜日のこと。高熱が収まらないお子さんが見えた。運動会に参加中、発熱したということ。聞けば当日何人か倒れて救急車が来たらしい。参加者に看護師さんがいたので、ほかにも手当を受けた人たちがいたとおっしゃった。
この日夕刻にやはり運動会に参加した60代の方が見えた。帰宅後かなりのビールを飲み扇風機に当たり、急な下痢と発熱が始まっていた。未だ収まらぬ熱と倦怠に二日の点滴が必要だった。さらに脱水を加速させるビールの作用も恐い。普段壮健な方だったが、疲労も蓄積されていて危うい出来事だった。
麦わら帽子に入道雲。昔なら夏の運動会は風物詩だったかもしれない。しかし昨今の異常な熱暑である。長時間の炎天下は命の危険と背中合わせの懸念がある。
不特定多数の住民行事では個々の体調は異なろう。重大事故が起こってからでは遅い。“熱中症に注意”などではなく、“この時期を避けよう”という公の助言・指導が望まれる。
ところで上越市大潟区の鵜の浜温泉で恒例の花火が始まった。ドンという合図の音で出かけてみた。
少し遠くの海で見た花火は、短時間なので煙が少なく綺麗に澄んで見える。今後何回も行われる。
●以下は花火の日程です。 いずれも午後8時~8時10分
1日(水)色彩音楽花火
2日(木)色彩音楽花火
8日(水) 色彩音楽花火
9日(木) 色彩音楽花火
15日(水) 色彩音楽花火
16日(木) 色彩音楽花火
25日(土) 第12回鵜の浜温泉まつり2012 色彩音楽花火他
今夜は小望月、明日は満月。月明かりの砂浜で仰向けになって夜空を見た。すぐそこに雲が明るく見え星も混じっていて胸がすーっとした。
今月は満月が2回みられる3~5年に一度の珍しい月だそうだ。
傍らで休み無く波音が続いていた。
「海は不思議」という妻。なんで?と思ったら、「大きな船が浮かぶ」ということだった。
さまざまなな契機で。
80半ばを過ぎたAさんは、浜や松林の清掃ボランティア、大がかりな日曜大工など何でもなさった方だ。ところがこの一両年頭が重い、胸が苦しい、やる気が出ない、と嘆きが先立つようになった。
いくつか病院を受診されたが、脳動脈硬化と老人性うつと言われるだけ、と険しい顔で不満を口にされる。家では何かと奥さんに辛く当たるようにもなった。
デイサービスへ行って生活リズムを変えてみることを何度か提案した。しかし、まだそんな所へ行く年ではない、の一点張り、活発だったAさんなら仕方ないのか。
試みに精神安定剤を変え、さらにここを受診してみましょう、とある病院を紹介した。
数日後の夜間、今度は奥さんが片方の眼を中心に三叉神経痛に似た痛みの症状を訴えられた。往診先で神経内科を受診することに決めると、傍らのAさんを見ておや、と思った。
いつもの険しい顔が和んでいる。聞けば、本日受診した病院は女医さんで、とても親切だったと仰る。優しい女医さんが効いたのか、変えた薬が効いてきたのか、以前のAさんらしい温和な表情が蘇っていた。
さて、奥さんは4,5日の入院の後、無事帰宅された。奥さんの入院中、何処へ行った、何の病気かと、Aさんは大変心配されたらしい。
奥さんの退院後、ご夫婦は以下の様な話をされたという。
「今度私はデイサービスに行ってみようと思うの。お父さんもどう、一緒にに行ってみようさ」
「おまんが行くならオレも行ってみるか」
思ってもみなかった相手の入院、それに女医さん?薬?老後であっても、いや老後ならばこそ、人や関係はさまざまな契機で変ることがある。
このたびは良い方向が期待される。やはり諦めることなかれなのだ。
成長されたお嫁さん 桔梗、そしてカノコユリ。
昨日に続いて介護をされている方の話です。2010年5月にお年寄りの介護が始まって辛そうなお嫁さんのことを書かせて頂いた。
先日久しぶりにお宅を訪ねた。やや小柄、日焼けしたお顔にくりくりした目鼻のお嫁さんはすっかり変わっていて少しびっくりした。違う人のように落ち着かれ、このたびの用件の話もしっかり要領を得ていた。
あれから婆ちゃんはデイサービスも行ってくれましたし、ケアマネさんにも色々相談してやってきました、と仰った。
爺ちゃんの方は転んで骨折して手術をしたのに、あの通りです。庭に箒をもったお爺さんが見えた。大変だったろうなあ、と思って、「頑張りましたね、立派ですよ」と言うと笑みをたたえた大きな眼が少し赤らんだ。
それにしてもケアマネさんは頼りがいがある。この度は一定期間、訪問看護に来てもらうことにして依頼書を書いた。
樹下美術館隣接の庭でキキョウが盛り。この花の自生を見ることは難しいが、昔は妙高高原でよく見た、と先輩にお聞きしたことがある。
小生は昭和50年代なか頃に、上越市吉川区で見た。山にさしかかる森の水辺でポツンと咲いていた。当時とて貴重であり、はっとした覚えがある。
さてこれから8月に入ると、白とピンク二種のカノコユリが咲き始める。とても楽しみだ。
本日午後、柏崎からお見えのお三人さん、有り難うございました。
幸福な親子 今日の夕焼け。
超高齢者(およそ85才以上の方)にとって、夏は冬よりも危険ではないだろうか。ご本人がさほど辛さを感じないうちに高熱を発したり、意識障害に陥ることも希ではない。熱中あるいは脱水症であり、時として尿路などの感染症を併発する。
90半ばのおばあさんはまる一日意識が無かった。しかし数日の点滴のあと、少しの粥、それに味噌汁とお茶で回復に向かっている。ひごろ息子さんは母親の車椅子を押して散歩に出るなど熱心な介護をされる。
不十分な食事を補おうと栄養リキッドをお出しした。それはとろりとして甘い。プリンがダメだったので心配したが、「甘いのう」と仰って飲まれたという。一安心だ。
「これはおまんの乳だから甘いんだわね」とせがれさん。
「あー、どおりで旨まかった」と患者さんは喜んだらしい。
おばあさんには一定の認知症がある。しかしこんな素晴らしい会話を交わされる親子もざらには居まい。我が子のようなもんですから、と彼はよく言う。私も晩年の母を好きになったが、せがれさんの足許にも及ばない。
さて今日の四ツ屋浜の夕焼けも変化に富んで素晴らしかった。夕焼け度8は十分にあったのでは。
19:18
夕刻にかけて高いむら雲やすじ雲が広がる日は、綺麗な空になることが多い。華やかなものは日没後から始まる。
TVならきっと音楽が入ることだろう。しかし実際は当然音も無く展開する。およそ15分、壮大なのに静かであることで余計神秘的だ。
これから本番。鵜の浜温泉やキャンプ場のお客さんにも、ぜひ忘れられない夕焼けに出遭ってほしい。
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- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その1。
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