食・飲・茶・器

小雨の日、広間のお茶会へ

2011年10月2日(日曜日)

雨模様の一日、真宗大谷派高田別院で表千家・知足会の茶会がありました。ご無沙汰を続けながら、一年に二三度は何とかお茶会に出て復習をさせて頂いています。

 

 竹籠に
唐物の竹籠にお庭から七草。初めて見る細葉タムラソウの可憐なこと。

 

本日は表千家さんの会、裏千家の拙生にはアウェイです。最初に伊澤宗利先生の薄茶席、次いで杉山宗栄先生の濃茶席に座りました。いずれも正客に祭り上げられ面映ゆいばかりでした。

 

そろりに 
曽呂利(そろり)にイワシャジンとススキ一すじ。背筋を伸ばしておもてなし。

 

両席とも更けゆく秋を惜しむ風情。お道具、お菓子、お香、何より心こもったお手前のお茶は格別でした。

 

可愛いお客様 
立派にお相伴する小学生さん?たち。何て頼もしい。

 

異なる流派の暖かなもてなしを受け、幸せな一時でした。

この数日、夜間に雁の音が聞こえるようになりました。

お客様 燕市 新潟市 関根日出男先生 鵜の浜温泉 

2011年9月24日(土曜日)

どのくらい雨と寒さに苛まれたことだろう、今日は爽やかに晴れ上がった。樹下美術館は新潟市や燕市、そして地元の方たちからお訪ね頂いた。

新潟市のご夫婦は2,3月の新潟市の拙生作品展で知って、燕のお二人はお友達から聞いてと、それぞれお見え下さった。 

 

土曜の仕事は午前だけ。それが連休の中日とあって忙しかった。夕刻の鵜の浜海岸は若い人達が多くて驚いた。

釣り 
写真を撮る 
人魚の像 
浜辺の人魚像
渚 
車 
砂の造形 
砂の城 両端に橋もあった

 

お茶とお菓子

塩野のお菓子とあって、我が家のとっておき魯山人の茶碗を出した。

 

午後、東京から姉夫婦が来て昼食を一緒した。久しぶりに義兄、関根日出男氏にお会いして楽しかった。氏は耳鼻科医でチェコ文化研究家。チェコ文学の翻訳と紹介、音楽ではドヴォルジャークおよびヤナーチェクなどの研究を通して日チェコ友好に貢献されている。

 

夫婦は日帰りだった。見送って海へ行き、夕食を終えると頂戴した赤坂「塩野」のお菓子で抹茶を飲んだ。

 

オタク化する生活、樹下美術館であれ鵜の浜であれお客様はますます有り難い。

 

司修氏講演会 

街の夕焼け ネマガリタケ 深雪花の新作ロゼ

2011年6月15日(水曜日)

 今夕齋藤尚明(二代陶齋)さんとお会いするのに高田へ行った。駅が見える通りでちょうど夕焼け雲がかかった。

海の夕焼け、山の夕焼け、里の夕焼け、そして街の夕焼けもいいな、と思った。

 

高田駅前の夕景 高田駅前の夕焼け雲

 

尚明氏に陶齋の図録初稿を監修して預いてからもう一度印刷屋さんに回す。ようやく一冊目の陶齋がゴールへ向かうことになる。
つぎは倉石隆氏、こちらはかなり進んでいる。作品の時代も陶齋よりもはっきりしているのでその点楽だ。楽しんで取り組みたい。


タケノコ
ご近所から頂いたネマガリタケ(ヤマタケコノ)
妻は涙を溜めながら、タケノコの皮をむいていた。
 

さて、高田を辞して家に帰ると妻が開口一番、興奮した様子で以下の話をした。この春、ある方へ贈った岩の原葡萄園のワイン「深雪花」の新作ロゼが信じられないほど貴い人のお口に入ったという手紙を受け取った、と。妻は涙ぐんでいて、私は息を止めて驚くような書面を読んだ。

 

日本橋 ときわ木の御菓子「若柴」に善五郎の雀のお茶碗

2011年1月24日(月曜日)

 きめこまかいあずきを砂糖でコートした半なま系統の御菓子「若紫」。綿密なあずきと滑らかに装われた砂糖の歯ごたえが嬉しい。見た目以上に濃厚な味わいでお茶のお代わりが欲しくなる。

 御製は日本橋のときわ木、若紫は年に三回だけ予約を受けるという。

 

若柴  御菓子「若紫」の箱表

 

 20数年前に求めた永楽善五郎の雪中の雀のお茶碗で頂いた。偶然源氏に見初められ、いずれ紫の上となる若紫はまだ愛くるしい少女。出会いは愛玩の子雀をいたずらによって逃がされた騒動の最中だった。善五郎のお茶碗に今夜の出会いがあったとは。

 

 御菓子を届けて下さった方の有り難みを思い、雪の夜にかみしめるように頂いた。

 

               お茶と
雪の越後で若紫と小雀が再会

 

 さて当地では、一旦緩んだ寒波が再び猛威を振るい始めた。上越市は大雪災害警戒対策本部を設置、かなりの地域ですでに県災害救助条例の適応基準に達している模様だ。明日我が診療所も駐車場の除雪に業者さんが入る。

続:上越市大潟区の名菓 マルト歌代(うたしろ)商店のいちじく菓子

2010年12月22日(水曜日)

 昨日は我が町大潟区のいちじくの缶詰の写真を出させていただいた。今日はいちじくのようかんを食べた。どちらかというとゼリーの趣で食感はあっさりしている。

いちじくようかんお番茶は陶齋の器で、 いちじくようかんは黒岩卓実の小皿に。

 

 非常に小つぶながら、こんなにと思われるほど種の歯ごたえが心地よい。かんづめほかいちじくの菓子類は当地ならではの珍重な風味があり、ぜひ皆様にお勧めしたい。

 

 マルト歌代商店:上越市大潟区潟町159番地  電話025(534)2155

 

上越市大潟区の名菓 マルト歌代(うたしろ)商店のいちじく菓子

2010年12月21日(火曜日)

 上越市に美味しい物は沢山あるが、大潟区潟町のいちじくの御菓子は秀逸だと思う。今年は気候の影響で缶詰などは品薄となり私たちはキャンセル待ちだった。 

缶詰とバヴァリアのカップ 
  絶品のいちじく缶詰にドイツバヴァリアのカップで紅茶を飲んでみた

 

 拙診療所のすぐ前、歌代商店にはいちじくのジャム、缶詰、ようかん、最中、それにどらやきなどがあり、遠く高田・直江津にまで固定ファンがいらっしゃる。夕刻お店に寄ったら埼玉県から注文の電話が入っていた。

 

ラベル表 
 1907年創業と書かれているいちじくの缶詰ラベルはどこかアールデコ調

ラベル裏 
缶詰ラベル裏の品名に 「いちじくシラップづけ」とあり、 今どきでも新しい。

 

 歌代商店のいちじく製品の開発には親戚すじの故・歌代万吉氏の尽力が欠かせない。山林王とも言われた氏は現金収入に乏しい当地の振興にと各地を回って見聞を深めた。その折り、横浜と聞いたがいちじくが商品化されていることを知ったという。

 

 以後、現大潟区一帯においていちじく栽培を広め、且つマルト商店で商品化に向けた研究が続けられた。缶詰やようかん、最中などが作られるようになり、集落からいちじくの集荷も実現した。たしかその昔、どの家にも一本はいちじくの木があり、我が家にも古木があった。

 

 最後に、万吉氏は当館展示陶芸家・齋藤三郎氏をも支援している。かって三郎氏が窯を作るに当たって生命線とも言える薪が不足した。歌代氏は自らの松林から遠く高田まで薪の供給を続け、窯の火が保たれることになったという。振興について、地域を俯瞰するようなスケールには感嘆を禁じ得ない。

 

 マルト歌代商店:上越市大潟区潟町159番地  電話025(534)2155

サントリーの限定ワインCENTURYのサプライズ

2010年12月6日(月曜日)

 本日昼、岩の原葡萄園社長・坂田敏さんが貴重なワインを携えて訪ねて下さった。サントリーが営む「登美の丘」におけるぶどうづくり100周年の記念醸造ワインで、1200本の限定「CENTURY」。サントリーからの贈り物だった。何ページもの資料が付いていて、ほんの先だって12月1日発売とあった。

 

 シャトー ラフィット ロートシルトで知られるドメーヌ バロン ド ロートシルト社との提携25周年の祝いも込められ、両社共同で開発醸造されている。

 

ワイン・センチュリー 
樹下美術館のデッキで撮ったCENTURY 

 

 ぶどうは、日本で摘んだカベルネ・ソービニオン、プチ・ヴェルド、メルロを主力に川上善兵衛が確立したマスカットベリーAも入る。 「伝統的なボルドースタイルでありながら、日本をイメージするエレガントなワイン」を目指したと謳われていて、非常に楽しみだ。

 

 それにしてもサントリーホールディングス社から樹下美術館はいつも心に掛けて頂いて感謝に堪えない。2007年の開館に際して副社長・鳥井信吾氏からシャトー・ラグランジュの珍しい白を二本お届けいただいた。また今年7月の岩の原葡萄園120周年では氏みずから来館され1200mlの記念マグナムボトルを頂戴した。このたびは小生の県知事表彰の祝いということ、思ってもみなかった。深く痛み入り言葉もない。有り難うございました。

 

 岩の原 スパークリングワイン
夕食は岩の原スパークリングワイン「ブラン・ド・ブラン ローズ・シオター」で
牡蛎など

 

 頂いたワインはみな取ってある。齋藤三郎のいにしえの縁とはいえ、ささやかな当施設を気に掛けて下さるサントリーさんには心から勇気づけられる。樹下美術館もさらに先へ向かって成熟を果たして行きたい。

 サプライズと、良いお天気に恵まれた1日だった。

 

越後上越 米山山中(よねやまさんちゅう)の水野

2010年11月20日(土曜日)

 知人夫婦8人で6,7年振りの上越市柿崎区水野に集まった。囲炉裏を囲んであっという間の2時間半だった。いわなに噛みつき、熱いのっぺを頂き、心ゆくまで新そばを楽しんだ。

 

イワナ 
囲炉裏のいわな
そばがき 
そばがき
いわなの卵 
いわなの卵(こ)
そば 
新そば
古時計 
古時計
吊るし柿? 
つるし柿? 

 

 銚子屋さんのお父さんご夫婦、若夫婦も優しかった。米山薬師の旧宿場、水野の一夜を心に沈ませて帰ってきた。越後に鄙(ひな)あり、山水に田も海もある。

 

正午のお茶事

2010年11月14日(日曜日)

 本日、日頃お世話になっている茶道の先生宅で正午のお茶事があった。お炭点前と懐石の初座、濃茶と薄茶の後座、心温まるもてなしを受けた。

 

 小生以外の4人のお客様はいずれもお師範で少々緊張した。しかしご亭主お心入れの印象的なお道具と端然たるお手前に、穏やかなお正客様のリードが相俟って忘れがたい一座建立がなった。このような出会いはめったにあろうはずがない。いつかまたと思いながら一期一会をかみしめた。

 ツリフネソウ
 晩秋の路地に咲いていたツリフネソウ

ブリューゲル版画の世界展で新潟市へ、そして少々の探索と食事

2010年9月20日(月曜日)

 日曜午後、在宅の患者さんに小康がみられて、急遽新潟へブリューゲルの展覧会を見に行こうということになった。過日、同展を監修された森洋子氏から解説を聴講していたので楽しみだった。

 

ブリューゲル版画展 ベルギー王立図書館所蔵 ブリューゲル版画の世界展

 

マウスパッド 
ショップで買ったマウスパッド

 会場の新潟市美術館は人気で、しかも若い人達で賑わっていた。膨大で濃密な内容から、主要なテーマの一つである人間の愚かさと罪が教義や時代を超えることを自然に知らされる。

 

 A3ほどのサイズに数百人の人物と妖怪などの詳細さ。奇想天外な象徴性。風景や船のスケール感と立体感。写真以前の時代にあって凄まじい迫力だ。若者達に混じってこのような絵画を目の当たりに出来たことを幸運に思った。

 

 ブリューゲルの後、同美術館の常設展示も見た。ここにあるとは知っていたが、4点のウジェーヌ・カリエールに出会えて大きな収穫だった。カリエールは樹下美術館の常設展示作家、倉石隆氏が傾倒した作家の一人だ。霧のカリエールと称させる所以がよく分かる。30点近く収蔵されているようだがもっと見てみたい。

 樹下美術館も一点カリエールを所有している。ネリーを描いた作品だが、本物であるかやや心配になった。カリエールは市美術館の常設展示室を入ってすぐに出会える。

 

 ところで同美術館は昨年カビや虫の汚染騒ぎに見舞われて、大規模な処置が施された。本日かすかな燻蒸の匂いが残る館内に安心と清潔感を覚えた。

 

 せっかくの新潟の日暮れ、美術館を出て信濃川の河口を見たい一心で車を西へ北へと走らせた。初めて見た窪田町のY字路の風情は大変印象的。

 行き着いた河口付近は港湾管理が強力で行き止まりとなる。入船(いりふね)みなとタワーなる少々風変わりな施設の7階展望台から夕暮れの河口を見物した。寂しいところで、この時間に女性1人なら怖かろう。

窪田町のY字路 
窪田町のY字路
入港する佐渡汽船 
入船みなとタワーから見た汽船入港
カーブドッチ 
ぽるとカーブドッチ
料理 
前菜
デザート 
デザート 
 出港する佐渡汽船
出港する佐渡汽船

 暗くなってみなとぴあにある旧第四銀行住吉支店内「ぽるとカーブドッチ」で食事。楽しめる7種のメニューで3800円はとても嬉しい。

 帰りの高速道路から見た秋の花火のやや侘びしさ。家に帰るとヘルパーさんに寝かせてもらった母にいつもの寝息が聞こえて、良い休日だった。 

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