明け暮れ 我が家 お出かけ
松林をほんの少し走った。
本日1月5日、木曜日は自分の仕事はじめ。雨雪は
無かったものの、風強く寒く感じられた。
30日から6日も休み、ご迷惑をお掛けした事もありな
んと案じられるが、妻が持つ診療所からの転送電話も
鳴らず、お陰様で十分な休養が出來た事に感謝を禁
じ得ない。
さて仕事始めとはいえ、木曜日は午後の休診日。午
後は書類を書いたり図録をチェックして過ごし、寒かっ
たが夕刻は歩くのに外出した。
↑先日と反対に四ツ屋浜から鵜の浜方面へ向か
った。車の車外温度は4℃だが海かぜが強く体感
は厳しい。
往復2,5キロを30分ほど歩いたが、まさかの事
に往きの途中で突然3分ほど走った。
何故走ったのかよく分からないが、300メートルば
かりだったのか。
如何に短くまたゆっくりでも歩くと走るとでは全く違
う。
恥ずかしい事だが、300㍍も走る事など何十年来
まったく無いことだった。
息切れはなく、靴はジョギング用だったが、突然な
のでアキレス腱や膝また股関節などがショックを受
けているように感じて無理をしなかった。
それにしても今さら何故走ったのだろう。
誰も人が居なかったせいもある。
普段地元で出歩くとたちまち知っている人と出会う。
私が防寒具を着て暮れる松林を走っていたなどは、
いかにも面白かろう。
あるいは新たに重ねられた年への抵抗か挑戦だっ
たかも知れない。
きっかけの一つは、一昨日の散歩で50メートルほ
どのゆるい下りを走ったことのようにも思われる。
一昨日のことにしても何だったのか。
普段家で開脚屈伸や捻転そして腹筋運動を繰り返
し、滑稽なことに階段は左右交替の横向きで昇降し、
全速歩行や後ろ向き歩行、そして横歩きも日課のよ
うにしている。
もしやそんな事をしていると、老人でもある日突然
走り出すような事が起きるのだろか。
枯芝が生える土の小道は如何にも優しく招く、帰り
は負担を避けて上り坂だけ走った。
まさか続けようとは思わないが、だれも居なかったら
また少し走ってみたい。
距離は違うが、こんなことは30年も前、時間ぎりぎ
りの上野駅に向かうタクシーが渋滞に遭い、途中で
降りてホームまで走って以来のような気がする。
大潟区の夕陽の森公園を歩き万年青に出会う。
正月二日目の日中も穏やかで、夕陽の森公園を歩いた。
鵜の浜温泉の西隣りにやや高く見晴らしの良い駐車場
があり、そこを起点にして大潟キャンプ場まで往復した。
展望台から振り返ると私の車が見える(矢印)。
その向こうは鵜の浜温泉。
道すがら数百メートルごとにトイレがある。
4つあるが半数は冬期のためか閉じられていた。
しばしば夕陽を撮りに来る四ツ屋浜へ。
この裏手にあるキャンプ場を横断して引き返した。
一帯には往時の屋敷跡である窪地が多い。窪地は
沿岸の強風を避けるためのしつらえだった。
国道、新国道などが次々内陸方面に整備され、住
民は沿岸を離れてそちらへと移動した。
屋敷跡は手入れされ、広場として用いられている。
途中で自生と思われる万年青(オモト)を見つけた。
過日ほかの雑木林から万年青を手にして出てくる人
と出会った。
私は知らなかったが、この辺りに以前から自生してい
るのか、海岸に近い林の日陰を好むとも聞く。縁起の
良い植物なので幸運を感じた。
度々歩いていた道であるが、出発の駐車場当たりか
らキャンプ場まで直線で約1キロの一帯を夕陽の森
公園と呼ぶらしい(詳しい区画や名称が分かりません)。
地元の人は好んで歩いたり走ったりしています。また
展望台には温泉客さんが時々来られます。
県立大潟水と森公園とひと味違う変化に富んだ、ど
こか不思議な感じがする良い場所だと思うのですが、
如何でしょう。
大変長くなりました。
夕刻に向かって晴れた2017年正月の初詣。
本日、正月元旦の午後遅く、予報の通りに雨が上が
り、陽が射した。
その晴れ間に柿崎区の圓田神社(えんたじんじゃ)と
楞巌寺(りょうごんじ)へ初詣に行った。
楞巌寺は文化庁の登録有形文化財。
↑圓田神社の社殿。松飾りの葉牡丹が左右紅白に分け
て生けられていた。
毎年可愛い巫女さんがいる。
縁起物を買い、引いたおみくじは吉だった。
神社を出てそのまま東に進むと間もなく左手に楞巌寺。
上掲の社殿の中に圓田神社の霊串(たまぐし)。
自分たちの行動もそうだが、神仏混淆を自然に
享受している。
苔むす境内の随所に菩薩が安置されている。
寒さよけであろう、赤い掛け物が愛らしい。
貴重な元旦は雪も無く初詣は晴れ間に恵まれた。
普段煩悩にまみれているので、こんな日に出会え
ると心洗われる。
食べ過ぎているので、明日から軽めの二食にしな
ければならない。
昨年5月に義父が逝去し年賀を欠礼させて頂きまし
た。
静かな大晦日。
今夜から明日午前中は雨降り模様の2016年の大晦日。
今年は手書きの書類やパソコンの文書などに2016年の
文字を沢山書いたような気がして、思えば懐かしい。
高田の割烹「京」さんが作ったおせちはすべて手作りで、
摘まんでみると後を引いた。
徹底して素材に忠実、野菜が多く、胃に優しく素晴らしい
お料理を正月の間楽しみたい。
サイモンとガーファンクルの「サウンドオブサイレンス」。
1960年代後半頃、毎日どこかから聞えてきた。
すべてを吸い込む「真理としての沈黙」と「黙っているだ
けの沈黙」のどちらを歌っているのか分からなかったが、
「地下鉄の壁には予言が書いてある」の一節が印象的
だった。
今夜は静かなのでこの歌と雨の音で今年の拙ブログを
終わりたい。
「ご覧いただいた皆様本当に有り難うございました、どう
か良いお年を」
手帳の偶然。
10年以上前、恥ずかしながら当地の医師会長職を
汚していた当時、用事で多忙を極め、手帳を手放す
ことが出来なかった。
職務が終わり、持ち物を簡単にするためずっと手帳
を止めていた。
それが過日書店に寄ったところ、ふと黄色の手帳が
目に留まって購入した。
来年は10周年行事のほか2,3大切な予定があり使
ってみることにした。
そんな折の数日前のこと、妻と来年のことを話した時
に、お互いが全く同じ手帳を取り出したのでびっくりし
た。
妻は私が手帳を買ったことなど知らず、店も違ってい
るようだった。
偶々同じになったが、来る年に少しでも良いことが記
入出来ますよう願っているところです。
暖かな日。
12月にこんな暖かい日があろうとは、上越市高田で
16℃だったという。
3ヶ月予報ではおよそ例年並みで、特別大雪とは大
書されていないので、出来れば小雪をと祈っている。
ところでその昔夜間の急病往診が多かった時代、冬
の深夜にしばしばスリップをして恐い思いをした。
池の土手道で数十メートル滑ったり、スリップしたま
ま赤信号に突入、特に二月は怖かった。
↑本日訪ねたお宅の玄関で見た愛らしいクリスマスの飾り。
小学校低学年の姉弟の仕度はとても楽しい。
明日も本日同等の暖かさらしいが、風雨がある模様、
その後は寒波が来るらしい。
数日で変わるお天気は、秋のあるいは春先の気象の
ようだ。
午後の半日をゴッホとゴーギャン展の上野へ。
午後休診の木曜日、過日の上京で時間が足りず
見逃した「ゴッホとゴーギャン展」を見るため東京
都美術館へ行った。
本日遅くなったので行き帰りに撮った写真だけ揚
げさせて頂きました。
(カメラはキャノンパワーショットSX710HSでした)
↑長野駅にあった金沢医科大学の大きな紹介看板。
長野県には信州大学医学部があるが、他県の医大
の紹介に寛容なのは学問の県、長野だけの事があ
る。
より金沢に近い上越妙高駅にもあってしかるべきも
のだと思うが、宛にされていないのか残念。
↑昭和33年の上野駅開設75周年記念に設置さ
れた構内の彫刻「三相 智情意」像。
彫刻家、朝倉文夫の作品で氏の生誕が同じだった
ことなどから置かれたという。
数え切れないくらいこの像の脇を通ったはずだが、
本日初めてまじまじと観た。
強く大らかでバランスが良く、自由と希望の昭和の
気風を静かに放っていた。
先回、加齢のぼやきを書いたばかりだが、この像に
眼が行ったのは年を重ねた賜物かもしれない。
展覧会を見終わって歩いたお花見で賑わう通りのイ
ルミネーションがきれいだった。
アメ横の賑わい。アジア系の旅行者が半分はいるの
ではないだろうか、すっかり外国のようだ。それがまた
いい雰囲気になっていた。
東京駅八重洲口の100メートルはあろうかと
いう巨大なスクリーンに投影されているおとぎ
話のような映像の一部。
今月18日に終わる都美術館の展覧会は賑わ
っていて20分ほどの行列に並んだ。
ゴッホとゴーギャンは印象派→後期印象派の
大うずの時代にあって、劇的なまで命を削って
自己の絵を追求している。
特にゴッホにこそ憧れて止まなかった当時の
日本に来てもらいたかった。
そうすれば耳も切らず、ピストル自殺もせず、
どんなに幸せだったかと、無理を承知で空想
した。
後日展覧会のことを少し書いてみるつもりです。
もうすぐ初雪 上越市牧区の干し大根
最高気温が5℃前後に下がり、冷たい風がほのかに
雪の匂いを含んでる。
例年だと今頃までに初雪が見られるが、今年はまだ。
昨冬がまれに見る小雪だったので、多くの方が大雪
ではと、恐れをまじえて仰るが、この所のお天気は
予報よりやや緩めに推移している。
↑昼休みのカフェで雪囲いされた庭を見ながら織
部の茶碗で熱い抹茶を飲み、六方焼きを食べた。
銘々皿は二代陶齋尚明氏の白磁、六方焼きは上
越市に昔からある素朴で風味ある可愛いお菓子。
この日上越市牧区の縁者から届いた冬の便り、干し
大根。
大きさと言い干し加減言といいい絶妙で、今冬も美味
しいハリハリ漬けを沢山食べられる、本当に有り難う
ございました。
“良いお年を”の季節 素晴らしかったオーケストラアンサンブル金沢の上越公演。
12月の足が進む。
本日、在宅の回診で「先生も良いお年を」と言われた。
暖かな気持ちを感じながら、あと少し、今年も大禍なく
過ぎて、とかえって気持ちが引き締まる。
仕事が終わって慌てて上越文化会館へ向かった。
18:30からオーケストラアンサンブル金沢の公演がある。
1988年創設当時、日本初のプロによる室内オーケストラ
としていっそう金沢市と石川県の名を全国に知らしめた。
創設間もない頃一度聴いたことがあったが、当時より
団員数、音ともにスケールアップされたように写った。
1.歌劇「どろぼうかささぎ」序曲/ロッシーニ。
勇壮なマーチ風の序曲は左右の小太鼓の連打が本
日の開演をも高らかに告げる。
2.ピアノ協奏曲第26番ニ長調「戴冠式」/モーツア
ルト。
今日人気実力ともに日本を代表するピアニスト・菊池
洋子さんを迎えてのコンチェルト。
繋いでは離れ、離れては出会う両手、スケールを追っ
て鍵盤を走る指が流麗に音を紡ぎ、フィナーレまで耳
を捉えて放さない。
2’アンコール ワルツ/ブラームス
赤いドレスをまとったすらりとして美しい菊池さんは本
当に優雅で滑らか、ステージにふわりとワルツを浮遊
させる見事な演奏だった。
3.歌劇「ウイリアム・テル」序曲/ロッシーニ
チェロのソロから6人のチェロパートへ、低音部が朝を
告げて始まる序曲は、嵐、牧歌を経て勇壮なギャロッ
プへと高らかに入って行く。
各部は映画、ドラマ、アニメ、コマーシャルなどを通し
てさまざまに耳にしていたが叙事詩的序曲を全て聴く
のは初めてであり、とても幸運だった。
4.交響曲第36番ハ長調「リンツ」K425/モーツアルト
結婚の報告で故郷ザルツブルグに滞在の帰路、リンツ
の伯爵家の歓待に応え、わずか5,6日で仕上げたとい
う交響曲。
金の波銀の波、金の渦銀の渦、寄せては返す音の芳
醇さに圧倒される。
ビロードの音と称されるオーケストラアンサンブル金沢。
年の終わりにふさわしい豊かな音楽で心満たされた。
40人もの演奏家が来越して披露した素晴らしい演奏、
もう少しお客様が入っていればと、いささかの残念を禁
じ得ない。
切符を世話して下さったKご夫妻、本当に有り難うござ
いました。
ロイヤルドルトンのカップ 前日の五智訪問。
寒いとはいえ本日高田で最低気温7度代、最高13度代、
終日雨ふりだったがこごえる程では無かった。
そんな日にご来館頂いた皆様誠に有り難うございました。
閉館近くお客様がお一人の時間カフェで紅茶を飲んだ。
ロイヤルドルトンのタンゴのカップは今では懐かしい。
10数年前、まだ開館前の頃、ポットも付いたセットで求
め、艶やかな乳白色の地にシャープな1930年代のア
ールデコ調のデザインが新鮮で気に入っていた。
現在カフェでご利用頂いています。
↑おせんべいをかじりながら太宰治の文庫本の一節を読んだ。
短い「ヴィヨンの妻」は10回目だが、酒飲みでいい加減な詩
人の妻として営まれるどん底生活が人情話風に語られる。
年末の一話はもの悲しくも着陸は絶妙で、読了すると不思議
と再読したくなる。
このカップの頃の太宰は波に乗れず強く苦悩している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さて前日土曜日午後、直江津は五智国分寺と本願寺国府
別院を訪れた。
本当は、落ち葉を踏んで歩く五智の山道は気持ちが良い、
と聞いて訪れたものの、遅かったせいで二つのお寺を見て
いるうちに日が暮れてしまった。
塔は消失後10年の歳月を掛けて、慶応元年、
1865年に再建され、軒下には浮き彫りの十二支
の木彫がある。
作者は高田の名工、石倉正義という人らしい。
写真を拡大してみると大変繊細で滑らかな作風。
十二支いずれも木目を美しく活かしてあり、添えられて
いる季節の草花なども深く見事に彫り出されている。
またその上層には中国24孝の説話から12孝が彫刻
されているようである。
薄暗くなった時刻のコンパクトカメラだったので、上手く
写らないものが多く、年内にもう一度訪ねて来年の酉
(とり)なども見つけてしっかり撮ってみたい。
その後薄明かりの残る中、近くの本願寺国府別院へ足を
運んだ。
重厚かつみやびな寺院の雰囲気は京都にいるような錯覚
へといざなわれる。
本堂の東に続くお堂の唐門。
ここは京都本願寺からこられた要人が出入りする玄関、
とお聞きした。
五智は古代、中世、近世の歴史の重みを如実に伝え、直
江津の人が地元を愛し自慢するのがよく分かる。
一帯がもっと整備される事が望まれるが、上越市は常に課
題山積でいくらお金があっても足りない。
年内の晴れた日に、かって「野菊にも配流のあとと偲ばるる」
と高浜虚子が詠んだ光源寺も入れてもう一度五智を訪ねたい。
暮れても人が行き交う通りを歩きながら、一帯のどこかにいさ
さかの風情を有する甘味処でもあればいいのに、と思った。
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