花鳥・庭・生き物
野イバラ(野バラ)と齋藤三郎(初代陶齋)の壺。
先日まで樹下美術館一帯はアカシアの白い花が沢山見ら
れていました。
それも終わり、いま路傍などに野イバラが咲いています。
野イバラはいわゆる野バラに相当する植物です。
茂ってトゲもあり、容易に触れにくい花ですが、近づくとと
ても良い匂いがします。
さて樹下美術館に齋藤三郎(初代陶齋)が野バラを描いた壺
が二つあります。
一つは青(るり色)の地に黄色で描かれています。
↑初夏の青空を思わせる地色の「色絵のばら文壺」。
縦横22,0×26,0㎝
もう一つは現在展示中の作品で、赤い地に金彩で描かれ
ています。
↑「赤絵金彩野薔薇文壺(あかえきんさいのばらもんつぼ)」
縦横20,0×16,9㎝
あでやかな赤と金、才気と情熱が伝わる作品です。
(「ばら」と「薔薇」とありますが、器の箱の記載通りにしました)
↑上の写真の一部を拡大。
二つの作品とも軽やかな筆致で花の喜びを伝えています。
野バラを描いた陶芸家は珍しいと思われ、陶齋の花への親し
みが伝わる作品ではないでしょうか。
アザミの季節にもなりましたので、近いうちにその作品も掲載
したいと考えています。
5月に33度の日の給餌 幼鳥の凄まじい食欲。
昨日、仕事場の上越市大潟区は突然のように気
温が33,4度まで上昇し、当日全国1を記録した。
南国にはもっと暑いところがあるはずなのになぜ
当地だったのか、全く不思議で仕方がない。
その日昼の美術館の庭に一昨日のハクセキレイ
の一家がいた。
親鳥は餌を運んだが、一昨日と違い子供達を連れ
回す様子は見られず、たいてい寄って行って餌を
与えた。
幼鳥が日陰に集まっていたのも、さほど親を追い
かけなかったのも、親が連れ回そうとしなかったの
もみな33度もの暑さに対して幼い体力を消耗させ
ないためだったのか。
それにしても親に餌をねだる子の姿は本当に凄ま
じかった。
ヒナたちは「食べなければ死ぬ」レベルの原始的欲
求をみなぎらせ、全力で餌を求めているようだ。
要求はあまりに凄まじく、親を脅迫あるいは恫喝して
いるようにさえ見える。
ヒナというものが黄色のくちばしを目一杯開き、赤い
喉を見せて激しく鳴く時、あまりの切なさに別の種類
の鳥さえ餌を与えてしまう事があるらしい。
人の子も睡魔や空腹に襲われて激しく泣く。
時には傍目に見当もつかないまま何十分も泣く。
親はその声や形相にせかされ、必死に抱き時に困惑
させられる。
幼少の激しい欲求は自分も体験しているはずだが、
どこにも痕跡が無い。
ただ成人後、時にこみ上げた強い怒りなどは幼少に
鍛えた原始的感情から発しているかもしれない。
もちろん泣くことで心肺機能や喉を訓練していること
は容易に理解出来る。
それでいうと、自分が人より声が小さいのは幼少で激
しく泣かなかったのだろうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨日の33度から一転、本日昼の車の車外温度は17度
を示していて肌寒かった。
樹下美術館の庭でセキレイの子育て。
周囲の水田は水が入りすっかり瑞々しくなった。
庭は花の種類が三回ほど変わり夏の姿になろうとしている。
↑餌をねだるがなかなかもらえない。
幼鳥の体の大きさは親と全く遜色がない。
↑餌をもらえなかった者がさらに追いかける。
子はパニックを否めないが親は終始落ち着いている。
巣立った幼鳥に対しておよそ親はすぐには餌を与えない。
走ったり飛んだりして子供をあちこちへ誘導する。
そうしながら脚力や飛翔力を付けさせ、場所の変化やテリ
トリーの様子を教えているように見える。
親鳥が来るまで幼鳥たちはたたずむほか、周囲を突っつき、
餌をあさる動作も行っている。
辺りでは雀、カワラヒワあるいはツバメたちが親を追って
とても忙しい。
ツグミは北へと姿を消しているが、新たに生まれた鳥たち
で一段と賑やかになった。
自然界に接している樹下美術館。
樹下美術館は草木や鳥たちに囲まれている。
↑水盤のコムクドリのつがいが同じタイミングで水を飲み込んだ。
↑庭の灯りで営巣しているシジュウカラは終日ヒナに餌運び。
自然界の無心さは心を魅了する。
その一員であるはずの自分たちは、今やそこからはみ出し
ているようで心もとない。
草花や鳥たちは母の懐の如く私たちを懐かしがらせ、
山河や田畑の眺めもそのような雰囲気を持っている。
樹下美術館の作品も庭もカフェもそんな世界の近くにある。
熱風の嵐が去った日。
昨日の熱風の嵐が去った本日は緑の日の祝日。
樹下美術館はほどよくお客様にお越し頂きました。
まだ風は残ったが庭の草花や鳥たちは嵐のダ
メージを癒やす風でした。
本日は一夫一妻のキジ 緑の蜘蛛ヶ池
昨日は二羽の雌と一羽の雄による睦まじいつがい?を記載
した。
そしてキジは一夫多妻と書かせて頂いた。
その筆の先も乾かぬうちに本日は一夫一妻のキジに出会った。
こちらの方が落ち着く感じだったが、この先まだ奥さんが増え
そうな予感もする。
場所は樹下美術館の近く、上越市大潟区は蜘蛛ヶ池のあぜ
道だった。
このところ鳥ばかりで、美術館館長の内容としていささか問題
であろう。
↑日射しの中、雄はいっそうあでやかで、一方雌に鬼気迫る真剣
さが見られた。
(だが雄の眼差しは滑稽で真剣みが無い。そのことが余計に雌を
惹きつけるのか、今で言えばチャラ男の骨頂かもしれない)。
キジの後、目と鼻の先にある蜘蛛ケ池を訪ねた。
ここで終わるはずだったが、、、。
↑向こうからコブハクチョウが岸辺に寄ってきた。
コブハクチョウはかって近くの鵜の池や朝日池で見ている。
いつも一羽だが同じ鳥なのだろうか。
連日の鳥(あるいは蝶)で背中に羽が生えそうだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本日は風強く不安定なお天気で、午後の晴れ間の後に
雷が轟き激しい雨になり細かいアラレが混じった。
夜遅くも雷をともなう雨が降った。
キジは一夫多妻らしい 実は雄は消費されているのか。
やや寒く小雨が降った一日、今日はキジの夫婦を見ました。
美術館からの帰路、昨日モンシロチョウの乱舞を見たキャベツ畑で
した。
最近は鳥や蝶などのことばかりですが、どうしても目に入ってしまう
のです。
キジは鳥類では珍しく一夫多妻だそうです。
二羽の雌が一羽の雄を共有しているように見えた本日キジの
夫婦。
普通なら色々な雌雄の組み合わで多様な子孫を残し、めまぐ
るしい環境下で種の保存を図るのが基本であろうと思われます。
それが多くの雌が徹底して一羽の美しく逞しい雄の子孫を残そ
うとするキジの戦略。
雨降りの中、何か気後れするような不思議な光景でした。
もう一つ、雌は写真のようにとても周囲に同化して見えます。
一方雄は目立ちに目立つ容姿です。
雌は環境によって守られ、雄は上位の存在の標的になりやすい。
雌の気を引きたいあまり、敵に狙われやすくなってしまった雄の
ジレンマ、、、。
倒された雄に代わって忍耐していた次の雄が共有されるのか。
雄たちは雌によって次々に使われる構図が想像され、それもま
た「あり」かもしれないと思った次第です。
多くのオスを引き連れたモンシロチョウの交尾活動。
本日キャベツ畑の片隅で複数のモンシロチョウが慌ただしく舞っていた。
群の数は4から8頭(羽)ほど数を増減させながらて四方八方へと忙しく
移動していた。
交尾をすべくメス(写真では一番下?)を複数のオスが追いかけているらしい。
多くのオスを引き連れるメス。
最後まで付いてくるオスを選ぶのだろうか。
↑この写真ではあたかも鳥のように羽(翅)をしならせて飛んで
いるのが分かる。
風の中でジグザグに飛翔しながら、一定の方向を目指して飛べ
る蝶の強さやしなやかさが読み取れる。
草木、鳥、虫たち、春は命盛んで生物はみなとても忙しい。
モンシロチョウは精々一週間の命だという。
これに対して先日私のズボンに止まったヒオドシチョウは成虫の
まま冬眠越冬し、春も活動するようだ。
このところ生き物日記の様相です。
庭の明かりにシジュウカラが営巣しているのか。
昨年春、庭の西隅へ行くと激しく鳥が鳴いた。
近くに苔をくわえたシジュウカラが居て盛んに警戒の声を上げ
ていた。
あたりに巣を作るのだろうかと漠然と考え、当日その事を記載
した。
結局昨年、付近に巣は見つからなかった。
それが先日同じ場所を通った時に、再びすぐ近くでシジュウカラが
激しく鳴いた。
少し下がって見ていると庭の明かりの下方に開いた穴に入った。
↑本日閉館後、明かりの穴へシジュウカラのつがいが何度も出入
りするのを見た。
巣作り中、もしかしたら給餌中かもしれない。
昨年もここを使ったのかだろうか、風雨への備えは十分だがこんな
場所を気に入るなんて。
上越市頸城区は茶臼山の春 オシドリもあらがう。
暖かく、野も花も鳥も春を謳歌した一日。
昼食後に近くの茶臼山の林道を車を走らせかつ歩いた。
樹下美術館から近く、小高い山を回る道は短いが、
下方に隠れるように沼があるため植生は豊かなようだ。
↑群生する小さなスミレ、こちらはツボスミレと言うらしい。
白っぽい花のサイズはタチツボスミレの半分くらい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
林道に行く前の用水池でオシドリを見た。
「ガーガー!」
メスの取り合いをしたらしく、一羽のオスが他のオスを威嚇した所だった。
追われたオスは堤に逃げ、追った方はメスに添った。
人もうらやむオシドリ夫婦とは言え修羅場があるらしい。
追われたオスはつがいを眺めていたが間も無く遠くへ飛び立った。
“つがはねどうつれる影をともとして
鴛鴦すみけりな山川の水”.
その昔、西行は孤独なオシドリを自らに重ねて歌っている。
長くなりました。
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