花鳥・庭・生き物
妙高高原のゴルフ場にイワガラミ 夕暮れの庭で花の声を聞いてみる。
ゴルフに行った。
成績はともかく本日は特に、ゴルフは自分にとって検診か
体力測定に似た面があるように感じた。
スコアは54,48、カートで回ったが歩数は16000歩を越え、
そこそこの運動となり、なにより同業の皆さんと話が出来る
ので心癒やされた。
さて妙高高原のゴルフ場の林間に自生するヤマアジサイを見
かけ、以下の様な花を初めて目にした。
イワガラミ。イワカガミではなくガラミ。
大きな額アジサイに似た白い花を沢山つけつる状になって
杉の木に高く巻き付いている。
見た目の通りアジサイ科の植物だという。
植物の多様性は驚くばかりだ。
イワガラミの拡大。よく似た花にツルアジサイがあるらしい。
これはアジサイ同様に萼片が4枚、一方イワガラミは1枚だ。
フジもそうだが巻き付かれてこんなに沢山花を咲かせられて
は樹も大変だろう。
からみながら20㍍近くも上って行くくらしい。
(以上の写真はスマホでした)
さて無事に帰ってみると美術館は昨日同様賑わったという。
終了してから雑草取りをして、水を欲しがっている草花に撒
水した。
半ばぼんやり撒いていると耳元で私に話しかけてくる声が聞
こえた。
〝ねえ、私たちもそのうちに終わるのでしょう?〟
〝楽しいのでもっと咲いていたいです〟
〝出来れば来年も咲きたいのです〟
声を掛けたのはテッポウユリで、花はすぐ耳もとにあった、
「ご心配は良くわかります。一つだけいいですか、やはり花の
命は短くて苦しきことのみ多いのですか」と、
今度は私が聞いてみた。
すると一番姉さんか母親のユリが
〝シー、みんな黙って、余計な事を話してはなりません〟
と言い、ユリたちは静かになってしまった。
背の低いテッポウユリが終わり、今背が高い花が咲き誇っ
ている。
数日間雨が止んでいたのでどれも皆生き生きとしている。
何も考えないで喜んで咲くだけで良いでしょう、ということなの
か。
「では記念写真を撮りましょう」ということで園内を回った。
ユリに混じって強い香を放っていたクチナシ。
私もしっかり撮ってね、と言っている。、
夕暮れの庭は風が止み花が話をしながら香り、鳥も加わるの
でとても良い。
梅雨の晴れ間のクレナイと合歓〔ネム)。
本日は久し振りの晴天、雨を吸った庭や畑は生気をはなっていた。
掲載していたあのクレナイは真紅になった後横向きとなり、あるもの
は下を向き始めた。
どういうわけかヤマアジサイの花(萼片)は終わると下を向き始め秋
、冬にはドライフラワーのごとく枯れていく。
さて雨降りで周囲を気にする暇がなかったが、本日ふと見ればネムが
沢山咲いていた。
繊細な花なので雨に降られるとくちゃくちゃになるが、今夕見た花は概
ね傷む事もなく、開花を喜んでいる風だった。
雨に打たれながら次々に新しい花を咲かせるネム。
つかの間の晴天に咲きほころぶ花は清楚かつあでやかで魅力的だ。
拙歌)
はちすとは仏のしとねと覚ゆなら 誰の夢かぞ合歓の花糸
下手な歌ですが、合歓は誰か昔の貴い人が時を隔て見ている夢なの
か、と30年ほど昔に作った拙短歌です。
一息ついている夏の庭。
昨日の豪雨は上がり、薄曇り時に陽が射した日の日曜日、あたりに
ほっとした空気が漂っていた。
あまり降られると部分的にガラスのように透けてしまうテッポウユリ。
無事で良かったね、と喜ぶ風だった。
4月に近くのホームセンターで求めたクレマチスが二つ花をつけている。
良い色の花は大きからず、とても気に入っている。伸びてきた時の棚作
りを楽しみにしたい。
巣立ったばかりと思われる雀のヒナは恐らく今年の二番子。
三羽のヒナに餌を運んでいた親鳥は、この夏もう一度産卵、子育て
をする可能性がある。
1回に3羽を成鳥に導くとして、3回で9翅、それだけでも大変だが、
この先豪雨と酷暑が待っているので最も過酷な子育てになる。
真夏の鳥たちはしばしば口を開けて呼吸をするが、それ以外は淡々
としているように見えるので凄いなあと感心させられる。
その昔、猫に追い詰められていたヒナや胸が裂けているヒナを保護
して育てたことがあった。
大概上手くいったが、だめだったこともあった。
表情を表さない鳥たちだが、亡くなったヒナの最後は苦しそうに首を
振りながら懸命に立ち上がろうとし、またうずくまるのを繰り返した。
なきがらは折り紙のように軽く痛ましかったが、閉じた目に安息が見
られた。
以来雀にはほかと違った思い入れを覚えるようになっている。
トクサにムギワラトンボが数匹止まっていた。
とても初々しく感じられた。
本日都議選があった。
おごれる者は久しからずは方程式のようだ。
栄枯盛衰はこの先も繰り返されるような気がする。
梅雨の窓にアマガエル。
カラ梅雨と言って葉書を出していたところ、本日はよく降り梅雨本番
の空となった。
昼のカフェのお客様が窓枠でじっとしているカエルを見つけた。
梅雨の窓辺にアマガエル(正式にはニホンアマガエルと呼ぶらしい)。
拡大したカエル。見える部分の体長はわずか1,5㎝ほど。
ミニチュアのオモチャのようで可愛い。
アマガエルは繁殖期に水田へ行くが、それ以外は近辺で生活し、水
中では過ごさない。
また、耕作中の水田周囲で生活するものの、放置されて荒れた田に
は寄りつかないらしい。
人の気配とともに過ごす点で雀に似ている。
樹下美術館は耕作されている水田に隣接しているのでとてもよく見
かける。
カワラヒワがオオキンケイギクの実を食べた。
昨日午後施設回診の日、道路脇にカワラヒワが飛来して熱心に植物
の実を食べるのを見た。
実は春に咲き終えたオオキンケイギクのようであり、これは早くから特
定外来生物に指定されていて、生態系に有害な植物として駆除が求
められている。
花は黄色のコスモスに似るが春に咲き、既に結実し始めている。
実をほじって種を食べているのだろう、器用に2本の茎を掴んでいる。
食べられた種は消化されれば、駆除に一定の貢献をしている事になるが、
とても間に合わない。
ところで過日のブタナは生態系被害防止外来種の指定になっている。
この花も圧倒的な繁殖力を有していて、空き地や広場を占有しつつある。
眺めは美しかったが今後特定外来生物の指定になるのか気になる。
6月の庭は来年の仕度もしている スジボソヤマキチョウという蝶。
6月もあと少しを残して終わろうとしている。
さほど降らず、風は穏やかで暑さもほどほど、朝夕涼しく6月らしく
過ごしやすかった。
元来6月が1年で最も好きな月だったので、樹下美術館の工事も6
月開館を目指して着工したほどだった。
本日昼の静かな樹下美術館。
イトススキが細い葉を伸ばし、トクサの新芽も揃い始めた。
花を終えた植物は根だけになるか、周囲の草木に隠れて息を潜めている。
旺盛に繁る樹木といい、すでに庭は来年のことも考えているように見える。
1年の前半の最後を飾るようにテッポウユリが開花した。
一見上品なこのユリは日長おしゃべりに夢中だ。
咲くのは梅雨時だが、何日も降られる場合の花はとても哀れだ。
週間天気予報を見るかぎり雨マークは少ないのでく、しばらくおしゃべり
を楽しめるにちがいない。
本日昼、ふと目にしたダルマバノリウツギにあまり見かけない蝶が居た。
白くもなければ見慣れた黄色でもない。
調べるとスジボソヤマキチョウというらしく、翅(はね)の先端が尖っている
のが特徴のようだ。
〝ダルマバノリウツギにスジボソヤマキチョウ〟舌を噛みそうな取り合わせ
だったが、美しかった。
この蝶は県によっては絶滅危惧種の指定を受けているようであり、主に高原
や山岳など比較的高い所が生息地らしいが、新潟県では平地も一般的なの
だろうか。
男の像を気に入られたお客様 新潟市と村上市からのお客様 「紅」とテッポウユリ。
本日うすぐもりの土曜日、やや蒸し暑さを感じる一日だった。
このところ初めて当館をお訪ねになる方が多く、熱心に展示を
ご覧頂いている。
本日の親子さんは倉石隆の「男の像」をとても面白い、た顔が、
特に目が気に入ったと喜ばれたとお聞きした。
↑大きな身体に小さな頭部、顔と手に落ち着かない表情が見ら
れます。
↑その顔の拡大。何かを我慢している目は尋常ではなく、フラ
ストレーションで身体が膨らんでしまったのかもしれません。
ある時代の倉石隆氏の自画像と考えられます。
↑午後新潟市と村上市からのお客様は樹下美術館オリジナル
のシーグラスのチョーカーをお求めになりました。濃いブルーと
薄黄色のものだったということですが、それぞれ2000円と1200
円でのお買い求めだったということ、「誠に有り難うございました」
↑ついに真紅になった「紅」アジサイ。その向こうにテッポウユリ
が咲き始めました。
当館は新潟市から110キロ、村上市から140キロはあるので
はないでしょうか。
遠くからお訪ね頂いたのは、過日発行の新潟日報夕刊「Otona
プラス」をご覧になったからとお聞きしました。
あらためて新聞の影響の大きさに驚いています。
一日2回お見えになったお客様 カシワバアジサイ こだわりない樹下美術館。
低温の日が続いていたが本日は暑さが戻った。
それでも朝晩は気温が下がり着たり脱いだり忙しい日だった。
本日はとても熱心なお客様がお見えになり、午前はお友達に案内
され、気に入ったと仰ると午後にはご主人をお連れして再度来館さ
れたという事でした(お家は40キロも遠い所のようでしたが)。
日を変えてこのようなことが時々ある樹下美術館ですが、同日に二
回もいらっしゃったのは初めてかもしれません。
さて庭ではカシワバアジサイが女王のように目立ってきました。
この花は開館以前からあったものを株分けをして増やしました。
↑庭の入り口から見たもとからあるカシワバアジサイ。
手前は増やして5年ほど経ったもの。
右奥に親の木が見えています。
さて当館は開館して10年が経ちましたが、次第に不思議な場所だと思
うようになりました。
手作りの庭、カフェ、ヨーロッパアンティークの食器にデンマーク家具。
メインにはちがいありませんが、もしかしたら建物と展示物さえ樹下美術
館という場所の要素の一つかもしれないという考えがよぎるのです。
和み楽しむ場所に難しい定義などは必要無いのかもしれません。
どうか今後もこだわりなくお気軽にお過ごし下さい、
(初めての方達には熱心に展示もご覧頂いています。展示だけご覧に
なる方の入館料は200円です。)
ユキツバキが描かれていた辰砂(しんしゃ)の壺 岩の原葡萄園の深雪花。
過日新たに齋藤三郎作品が樹下美術館にやって来た。
地に銅を含む辰砂釉を用い、大きな窓を開け、中に地色
で花を、枝葉を呉須(藍色の顔料)で描いた壺。
派手な赤や緑が控えられ、渋めのあずき色と言えばいい
のか辰砂(しんしゃ)が醸し出す壺は伸びやかな形と相俟
って落ち着いた魅力を湛えていた。
居あわせた者で描かれた花の話になった。
これまで見ていた椿とちがい花びらは十分に開きかつ
乱れが見られ、花芯が短い。
枝も従来と異なり軟らかくたわんでいる。
野イバラやチューリップまで斬新な絵付けをした陶齋と
はいえ、花弁の数や芯が違うのでアメリカハナミズキで
はないでしょう、などとも語られた。
意識的に従来と異なる椿を描いているのは間違い無く、
結局「ユキツバキ」ではないかということで落ち着いた。
ユキツバキなら花びらが不揃いに広く開き、花芯はば
らついて短い。
花の不均衡さなどある種の逸脱感が茶人に喜ばれ、茶
室によく飾られる。
枝が細めで軟らいのは雪に耐えるため身につけたもの
らしい。
多く見られる陶齋の椿の一例、バランス良い花びらや枝
のゴツゴツ感など上掲の花とは異なる。
所で我が上越市に名門岩の原葡萄園があり、同園で長
く愛されているワインに「深雪花」がある。
「深雪花」のロゼ、白、赤。ラベルの椿図は陶齋の色紙
から取っている。
椿の花びらが不揃いで枝が細くしなやかに描かれて
いている。
「深雪花」はまさにユキツバキを描いたものであろう。
新潟県の花「ユキツバキ」。
この度の辰砂の壺からあらためて陶齋の観察眼と描写
力に敬服させられた。
花はマイペース ガクアジサイ、ヤマアジサイ。
日中かなりの暑さになったが朝夕はさわやかだった一日。
梅雨なのか未だなのかよく分からないうちに、いつしか6
月も半ばになった。
人がお天気を云々する間にアジサイたちは自分たちのペ
ースで色を変えあるいは強めている。
見頃になった「クレナイ」。
少しずつ足してあちこち5株くらいになりました。
クレナイと競うように咲いている青いアジサイは藍姫らし
い。
ヤマアジサイは産地によって色々な名が付いている。
買った時には名札があったのだろうが、それも見失い、た
だ育てているだけなので、大抵名を忘れている。
名は忘れても可愛がっていればいい、と思うのだが当人た
ちはどう感じているのだろう。
ただし、このアジサイの名は?と希にお客様に訊かれるこ
とがあるのでうろたえてしまう。
さて上記のアジサイはいずれもヤマアジザイの種類で、こ
れまで古い覚えのままガクアジサイと記していましたので訂
正させてください。
ガクアジサイは木、葉、花ともヤマアジサイより大型で、葉
には光沢あるということです。
樹下美術館の北側の庭に数本あるものが相当すると思わ
れます。
花期もヤマアジサイより半月~一ヶ月近く遅れるということ
ですが、その通りの順序で咲きますので、こちらがガクアジ
サイなのでしょう。
アジサイは土壌のPHで色が決まる(変わる)といわれます
が、ヤマアジサイにはそのような性質が無いという事、当庭
でも青、赤いずれも毎年同じ色で咲いています。
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