花鳥・庭・生き物
頸城野の道。
薄曇りの午後休診日、
車を駆って頸城区は茶臼山公園の東を通過する林道を走ったり歩いたりした。新型コロナウイルスに巻き込まれているうちに、野は芽吹き新緑の装いを始めていた。
美術館からほど近いこの道は、さして高くもないが山道の風情があり、舗装もされている。花を、よしんば鳥にも出遭いたいと思って出掛けた。
小さな谷あいのユキツバキ。
五枚の花びらに楽しい変化があり、茶席でも喜ばれる。
遠慮しないでばっと開くのも良い。
初めて見たきれいな色の小さなスミレ。
名が分からなかったが、初対面なので訊くわけにもいかない。
み道はおよそこのような感じ。
途中で来客の知らせがあり、引き返した。
客人はとても趣味の良い人で樹下美術館の常連さん。コロナの四方山に茶道具や棟方志功、あるいは作品の真贋のことなどを話して清々しく過ごした。
いつもより互いに離れて座るのは、それとはなしにコロナを意識しているせいであろう。
客人を見送って、新堀川の桜を見た。
(フラッシュを焚いています)
林道の帰りがけ期待したエナガの小さな群が枝から枝へ飛んだ。素早さに追いつけずうまく撮れなかった。
訪ね来る人影もなし樹下の庭 花や小鳥、そして歌 全てはPCR次第。
本日水曜日の暖かな日は午後から施設の回診。帰路、樹下美術館へ寄った。妻が手入れをしていた庭を見てまわった。
精一杯咲いてみせてたソメイヨシノ。
屋根に雀のつがい。矢印に毎年使用される巣がある。
今年はこのつがいが確保したらしい。
ルルリリ、ルルリリと松田聖子の歌のように鳴くカワラヒワ。
ただし顔はこわもて。
訪ね来る人影もなし樹下の庭 相手になりたや花や小鳥の
トゥルリラ、トゥルリラの松田聖子さん。
maj7thコードの詩情が多用される聖子さんの歌。この曲でも効いていました。
本日国内で、あらたに新型コロナウイルスの感染確認が503人となり、はじめて500人を超えたという。最も多かった4月4日の365人から一気に飛躍している。偶然ではないとすると一挙拡大の懸念がある。
一方、この急拡大は、突然PCR検査を拡げた結果の可能性が考えられ、ようやく実態に近づいたのかもしれない。新型コロナウイルス対策で何かと出遅れが指摘されたが、PCRの遅れがすべの始まりである。感染症対策のイロハの「イ」に目をつむり、後ろを向いて「医療崩壊を招く」とまで雑言を浴びせられた基本検査PCR。診断の手がかりを失った暗闇ではまともな疫学も診療も成立しない。事態は医療を離れ、陳腐なカオスと化した。
初めにクルーズ船でなけなしのキットを使い果たしに近い状態にしたのも痛かった。
首相は直近の会見でPCR拡充のテコ入れを表明した(今度こそ本気と期待したい)。まだ遅くは無い。精度の高い事実に基づくなら、如何なる悪材料が出ても有意である。合理的な分析・検討に沿うなら対応が可能である。またその発表にも自信が持て、結果としてパニックの総体は逓減し、真摯な国民は要請に応えるだろう。
緊急事態宣言の真の勝負はPCRから始まる。金と手間は掛かるが総力を挙げて取り組み、遅れを取り戻してもらいたい。
キットが余れば窮している国々を支援すればいい。
得意の経済面はそれこそ存分に実力を発揮してもらいたい。
ほぼ展示準備を終えた 近隣の自然 特攻準備? 間もなく発表?
昨日は午後休診の木曜日で、齋藤三郎の陶芸作品を展示準備した。
「陶齋の梅と椿」がきれいに並び、室内は一見春でいっぱいになった。
手前味噌とはいえ、絵画ホールの22冊の本といい、館内にはある種迫力が漂っている。
一通り終えると、貴重な晴れ間、近隣の林へ鳥を探しに行った。
細い波状雲が空を埋めている。
爽やかな眺めだが前線の前触れと言われている。
雑木林の流れ。
小さな流れながら気に入っている。自然に見えるが手入れされていた。
天ケ池。
今冬の小雪にもかかわらず水は満々とある。
上越市大潟区は大小多くの湖沼がある。
天ケ池と蜘蛛ケ池は道と畑を挟んで隣り合っている。
天ケ池湖畔の砂利道を歩いていると初めて見る鳥に出合った。
上掲2枚は初めて見た鳥。調べるとミヤマホオジロだった。
頭部を中心に黄色と黒の色分けはとてもおしゃれだ。
飛び立った野鳥は追わずに待っていると戻ってくることがある。雀より素早く飛んだので待っているとやって来た。砂利道で餌を探すのをなんとか撮らせてもらった。
長生きは良いこと、という考えをコロナウイルスが曇らせる。
初めての鳥をレンズで追いながら、ああやはり良いことだと思い直した。
結局コロナを試練と考えることにしようと思った。
それにしても東京はじめ大都市の状況には何とも言えない危さを感じる。
このところ休みであっても1日に何度も手を洗い、何度も洗顔し、何度も歯磨きをする。
上越市で公式な感染者の発表はまだないが、私の外来でさえ緊張させられる方が混じる。
すでに何人かの方には翌日電話をして状態を確認した。
いわんや現在当地の病院にかかる見えざるストレスは並々ならぬものがあろう。
この先、実際に始まった場合、持ちこたえられるだろうか。
かって戦争で若い人が特攻に行った。
このたびのコロナでは、特攻として老医が前線に向かう場面を想定した方が良いかも知れない。
ぐずぐすのニューヨーク、たった2枚のマスクの日本、踏ん切りつかない東京、、、。
例によって精神論まで語られはじめた。
そもそも世界にはいわれるほどの体力は無かったのではという疑念がよぎる。
緊急事態宣言はすでに実施の具体的詳細を機密下に検討している最中と想像している。中央の検討のあと対象知事とのすりあわせが待っている。まもなく発表ではないだろうか。
これが試練で済むことを祈りたい。
日本に悪化はあるが、体型の要因などからアメリカのようにひどくはならないような気がする。
一つだけ危惧があるならば働き過ぎによる疲労であろう。
本日の県立大潟水と森公園 4月6日に今年の開館を予定。
かろうじて雨をこらえていた本日土曜日日中の空、夜になりしとしとと降っている。
厳しさを増した東京のコロナの状況は、大規模な病院・施設の内部感染が報じられ、全体としての動静が気になる。
柏崎市以西の上越市および糸魚川市においては、依然として感染者の確認はない。この問題では、公の発表が実態を反映しているかどうか常に悩ましい。何となく疑わしい眼であたりを見る癖が付いてしまい、いかにも気が重い。
精一杯自己管理を続け、一定の行動規範に従う以外になさそうだ。逃げる訳にもいかず、これも健康維持の一つの形として、納得するので良いのかな、と考えている。
本日午後は大潟水と森公園を歩いた。このところヒマさえあれば公園に行く。寒暖の差が激しいので服装には気を付けなければならない。本日は、途中で小学時代の同級生に出合いほっとした。
騒然とした社会と異なり、公園の自然は確かな足取りで季節の歩みを刻んでいる。それらに触れると、混乱しがちなこちらの調子が整えられていく感じがしてくる。
タチツボスミレであろう、歴史ゾーンの一カ所に沢山咲いていた。
潟の里ゾーンのミズバショウ。
さて間もなく4月になります。
新型コロナウイルスのため、3月15日の今年の開館を小学校の新学期の始業まで延期する予定としていました。
当地は4月6日がその日にあたります。感染の収束や安全宣言など宛になるものがありませんので、やはり随分悩みました。
しかし、
「こんな時だからこそ、ささやかな文化ながら、心のともしびになれば」、と考え開館を決めました。
事情が事情だけに、幾つかの事項に配慮し、普段と異なる形で始めたいと思っています。
ぎりぎりになりましたが、詳細は明日掲載致しますので、どうか宜しくお願い致します。
休館のお詫び 銀の匙その3 ムラサキシジミ 雀たち お菓子に温まる ウィルスの行方 マスク。
日中暖かな陽が射した一日、午後から特養の診察に伺った。今年はインフルエンザの流行を免れたものの、新型コロナだけは何処を突いてくるか分からないので落ち着かない。
昨夕、妻がちょっとした集まりに出掛けた。二時間経とうとするころ、お節介かと思ったが、そろそろ中座するよう電話で促した。帰宅した妻は、電話をもらって助かったと言った。今は人に嫌われても、ウイルスにだけは好かれないようにせざるを得ない。
さて休館のお詫びにと勝手ながら小説「銀の匙」のから、明治時代の子供たちの振る舞いを紹介させて頂きました。前回は人見知りの激しい主人公のお友達にと、お伯母さんが見つけた「お国さん」という女の子と「蓮華の花ひらいた」をして遊ぶところを載せました。
本日はお国さんと仲良くなっていく場面の一節その3です。
〝二人がさしむかいになったときにお国さんは子供同士がちかづきになるときの礼式にしたがって父の名母の名からこちらの生年月日までたずねた。そしてなにの歳だといったからおとなしく酉の歳だと答えたら
「あたしも酉の歳だから仲よくしましょう」
といっていっしょに、こけこっこ、こけこっこ、といいながら袂で羽ばたきをしてあるいた。おない年はなにがなし嬉しくなつかしいものである。お国さんはまた家の者が自分のことを痩せっぽちだのかがんぼだのというといってこぼしたが私もみんなに章魚坊主(たこぼうず)といわれるのがくやしかったので心からお友達の身のうえに同情した。いろいろ話あってみればいちいち意見が一致して私たちは間もなく仲よしになってしまった。〟
以上、またご紹介させてください。
さて午後の施設を終えて美術館に寄りました。美術館はねそべったまま身を持てあまし、庭の花も何か申しわけなさそうにしています。幸い在宅回りが無かった午後、枯れ芝の庭にボールを撒いてアプローチの練習をして過ごしました。
すると小さな物体がチラチラと飛び回り美術館の壁や敷石に止まります。
アオスジタテハでした(当初ムラサキシジミと記載しましたが訂正しました)。私にとっては珍しく、喜んでカメラを向けますと、どこかへ飛んで行ってはまた戻るのを繰り返します。しゃがんでいる頭上にも何度か来ました。樹下美術館は午後の陽を包み込むような形をしているため、温まっている壁や石が気に入ったのでしょう。
調べますと成虫のまま翅を立てて越冬するということです。
なるほと翅の裏は枯葉そのものの模様になっています。
小雪の冬は越冬する昆虫たちには楽だったことでしょう。
それにしても数ヶ月の寒風の下を何処で過ごしたのでしょうか。
この魅力的な蝶にとっても幸運な年でありますように。
ベンチの傍らに雀たちがいました。
大きな群から離れて一帯を住処に決めたのでしょう。
パートナーを求めて活発に追かけっこなどをしていました。
さて以下のようなお菓子を頂きました。
東大寺お水取りの時期だけのお菓子と聞いた「御堂椿(みどうつばき)」。
奈良市千代の舎竹村(ちよのやたけむら)の製。
きれいなもんですね。
長生きはするものでしょうが、この度ばかりはじっと狙われているようで落ち着きません。
世界はどのように推移するものか。日本はまだまだですし、大国アメリカはどう切り抜けるのでしょう。貧しい無保険の人達がとても気になります。
本日は四人の方に一枚ずつですが、マスクを上げました。とても喜んでくださったのが目に浮かびます。
沢山載せてしまいました。
3月1日日曜日、再び大潟水と森公園 鵜の池にオオハクチョウ さらに美術館から上下浜へ。
暦が前進して3月1日を迎えた。
今年の春は色々な意味で1日1日が貴重になりそうだ。自分が感染を免れる保証は一切無く、不意にヒヤリとする。
せめて1日気を紛らわせて無事に過ごさなければならない。
日曜日の本日、予報より良く晴れたので、昨日に続いて再度大潟水と森公園へ出向いた。同じ所へ繰り返し行くのは本と同じ、気楽なのが動機であろう。
上の写真の池に鯉がいた。
冷たそうな水の中、そーと泳いでいる。
この辺りでミズバショウを保護し増やしている。歩道が新しくされた。
園内から見た鵜の池の南方面に白鳥の群が見えたのでそちらへ回った。
鵜の池の水門。ずっと向こうに白鳥たちがいるはず。
このあたりは公園の区域外になります(対岸が公園)。
。
ここで白鳥を見るのは初めて。
普段白鳥は隣の朝日池に居る。ただ毎年季節の終わりになると鵜の池でよく見た。
モニターで大きくしてみるまで分からなかったが、この群はコハクチョウとオオハクチョウが一緒だった。
当地でオオハクチョウを目にすることは普段ほとんど無い。
このグループはくちばしが長く、黄色の部分が前に伸びている。
オオハクチョウだと思われる。大きさも少しだけ大きい。
写真で右の、よくみると9羽がオオハクチョウ。左の5羽がコハクチョウであろう。
遠目にも大きさが違うようだ。
すでに隣の朝日池には、当地に馴染みのコハクチョウの姿は無く、みな北へ帰った。本日見た群は北陸や山陰から北国へ帰る途中の群ではないかと考えられた。日本海沿岸を訪れるオオハクチョウは当地ではなく、主に北陸・山陰へ渡る。しかしなぜ彼らは北への帰路で朝日池を避け、鵜の池に降りるのだろう。
これまで冬の終わりに、鵜の池で白鳥が見ることがあり、コハクチョウが二つの池を移動するのかと思っていた。本日の写真にオオハクチョウが見られたことから、北陸、山陰からシベリアなどに帰る途中のお客さまたちでは、と新たに推測された。それにしてもなぜ朝日池でなく鵜の池なのだろう、詳しい人に色々訊いてみたい。
池を去って美術館の庭に戻った。私があちこちウロウロしている間に、妻が雑草取りをしていた。
何かしていないと落ち着かない私の性分。夕暮れまで時間はあるので上下浜へも行った。美術館から10分少々で近い。
いつもと反対の東側へ回り、そちらからマリンホテル「ハマナス」を写した。
ワイエスの絵みたいだ、とまた言われそうだ。
本日はゆっくり出来たが、いま病院はかってない緊張の日々であろう。私の外来でも普段より細かなやり取りが必要になっている。上越地方が大事に到らないことを祈るばかりだ。
公園では散歩の人と何度も出合って会釈したが、いつもよりほっとする。
庭の旺盛な雑草 見頃を迎え始めたクリスマスローズ。
雪が無いまま2月は半ばに入っている。
本日せっかくの日曜日なのに朝から雨が降った。夕方のローカルニュースで春一番が吹いたと聴いたが、強い風を感じなかった。
雨の庭は以下のような眺めでした。
暖かさのため雑草の勢いがすごい。取る分どんどんきれいになるので、除草作業を始めている。
クリスマスローズは見頃になっているものが増えている。
寒さが残る庭で下向きに咲くクリスマスローズはけなげで愛らしい。庭に大小50株はあり、これから順次開花を始めることでしょう。開館はまだ一ヶ月先、現在は写真ですがどうかご覧ください。
体を動かそうと、昨日に続きヒュウガミズキとミツバツツジを植えました。小さな苗木7本のうち、本日一本ずつ植え全て終了。雨の合間を見て行いましたので、そう濡れずに済みました。
今年度の倉石隆 今年初めて辺りが白くなった。
小雪無雪は自然現象なのでともかく、武漢肺炎、よく分からない不倫に汚職に選挙法違反などで紙面?は賑やかですが、多くは例年のことかも知れません。
せめて樹下美術館は何とか爽やかに推移できれば、と願っているところです。
さて開館の3月15日に向けて、今年のラインナップが少しずつ出来てきました。本日は倉石隆の展示をご案内致します。
油彩は昨年好評でした「細長い絵」を延長して展示致します。良く言えばロングランというところです。
このほか氏が挿絵や表紙で携わりました多くの書物のうち当館が収蔵する本を展示いたします。
もとより小さなスペースですが、工夫をして展示する予定です。
ご高覧頂ければ有り難く存じます。
齋藤三郎(陶齋)の展示および今年の新機軸「毎月一回のお茶会(薄茶点前)」につきましても順次掲載していく予定です。
さて本日予報通り雪が降りました。あたりはせいぜい5~6㎝という感じですが、今年初めて積雪らしい風景を見ることが出来ました。午後は青空が現れ、昼の外出で車が示した車外気温は-1度、室内外とも寒い1日でした。
昨年は多くの催事を行い、オーバーペースを否めませんでした。
年令のこと、注力せねばならない本業。今年は催事を減らし、極力心身の〝安定〟を心がけたいと願っている次第です。
テッポウユリの球根 雲の変化。
本日日曜日の日中は気持ちが良い晴れ間も見えた。気温は少々寒いが、買ってあった鉄砲百合を午後から植えた。
50ヶあった球根を30は植えた。いつもは深く植えるが、すでに芽が伸びているものがあるので浅めにしてみた。6月に真っ白な花を沢山咲かせるのを楽しみにしたい。
それが夏のカナトコ雲のようにぐんぐん上昇して広がるや、30分もすると今度は山が見えてきて、雲は透け、散って行った。
空全体を被う灰色の雲は動きもしないが、塊の雲の変化は早い。
穏やかな日中、クリスマスローズの葉切り。
本日日中うす曇りで穏やかなまま過ぎた。
雪が無いのでいつも庭が丸見えである。見るたびに庭の仕事がありそうで落ち着かない。
予報は2月も雪が少ない見通しを伝えている。そこで懸案のクリスマスローズの葉を切ってみた。
切り終えた葉っぱの山。
あと半分以上残っているが、残りはそのまま様子を見ることに。
現れた花芽や蕾はこざっぱりした感じ。開館前に花が開くのではないだろうか。
暖冬とはいえ、このさき何度か雪が降ることだろう。
あまり降られるようならその時は袋を掛けてやりたい。
ほかに本日は2メートルばかりのカエデを一本、50㎝のヒュウガミズキ二本植えた。
明日は晴れの予報。
カエデをもう一本、小さなツツジの苗4本を植え、猛烈な勢いで芝生に進出している青々とした雑草に手を付けてみるつもり。
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