花鳥・庭・生き物
終日冷たい雨が降り続く 寒空の白鳥と人とどちらがいい。
晴れ間をみたのは何時だったか思い出せないほど長々と続く寒波。
今日日中は冷たい雨が降り続いた。非常に激しく降る時があり、これが雪になったら大変なことだとと考え、ぞっとした。
本日施設で悪い方がいるので往診をした。
帰りの車中。車の気温表示は3℃。
何時雪に変わってもおかしくない。
本日の樹下美術館。
数十㎝あった雪がシャーベット状に変わった。
こんな日の白鳥はどうしているのか、田に寄った。
道路から4,5メートルの所に居たコハクチョウは停車をするとゆっくり遠ざかった。彼らは雁たちより人を恐れず、車が往来する道路のすぐ脇でも食餌をする。但し車が停まると警戒して少しずつ距離を置くように遠ざかる。
さらに道路から遠くの田にいる群に近づくと、一斉に飛び立つことがあるので、止めなければならない。
寒さのなか降りしきる雨を気にする気配もなく食事に勤しみ、厳しい気象条件でも着の身着のまま飛び休息する白鳥たち。
家族単位で平和裏に生涯を全うする彼らと、国同士でとんでもない武器を開発し激しく殺し合うことを行う人間を比べれば、明らかに白鳥の勝ちだ。
だからといって白鳥になってこの寒い田で餌をあさることが出来るか、と問われれば、私は人間のままでいいです、と答えるしかない。
一方世界には飢餓や戦渦で苦しむあまり、白鳥になりたいと思う人が数限りなくいるはずである。
不意なドカ雪 雪田の雁 その後のスマホ。
まあまあの晴れ間だったが、予報よりも気温が上がらなかった。
半分は溶けるだろうとタカをくくっていた雪はほぼそのままで、いっそう固く締まったようでもあった。
早めのドカ雪に冬鳥は困っているであろう。午後特養の回診帰りに田んぼを見てきた。白鳥を見なかったが雁の大きな群を目にした。
ねぐらの朝日池は一面雪に覆われている。雪は固そうで、一昨年のように鳥はあちこちを漂泊することになるのだろうか。
ほくほく線側に寄って何百の雁の群。千は居るかもしれない。ちゃんと食べ物にありついていれば良いが。
さて新しいスマホを購入して明日で1週間になる。
十何万円もしたのに棚の飾りのままはさすがにまずい。気象、医療保健関連、ニュースや動画のサイトを表に載せた(正式な方法では無いかもしれない)。
分からなかったQRコードの位置は、ドコモショップの三日後の予約日に、外出した妻が出してもらってきた。
それで最も肝要だった抗コロナウイルス薬「ゾコーバ」の使用届けを読み取り、ミスタッチを繰り返しながら指示に従いシートにあれこれ記入し「完了しました」までたどり着いた。
先から受諾の返事が無いので、果たして受理されているか、スマガー(スマホ嫌いの造語です)には自信が持てない。
すると製薬会社のプロパーさんがひょっこり現れ、大丈夫ですよ、まとめて返事が来るはずです、と言った。
そして目覚まし。
これこそ最初に出来た事だったのだが、途中からさっぱり言うことを聞いてくれなくなった。ドボジャークの「我が母の教え給いし歌」をメロディに選び、バイブを不使用にしたのが、いくらやっても音楽が鳴らず、嫌なバイブ音だけ鳴るのだった。
どれだけ時間を費やしただろう、何度やってもダメで悲しみと怒りのあまり、明日除雪車に轢いてもらうか、おでんの具に入れて懲らしめてやろう、と考えた。自分は哀れなシシュフォスか、言葉は悪いが奴隷の奴隷になってしまったような悲しい気持である。
ウィキペディアからティツィアーノの「シシュポス」。繰り返し大きな岩を山頂までただ運ばなければならない。
そこまで追い込まれると不思議なもので、そもそも「設定」が問題ではと気がついた、見覚えのある設定ボタンを押して一覧を見ると「音」設定で音声×、バイブ○になっていた。
用も無い電話やメールの着信に備えて、初めに自分がそうしていたことだった。
チェックを変えると当然だろう、希望通りになった。
これでまだスマホを手許に置くことになったが、当分不信を払拭出来ない。
明朝、本当にこのメロディが鳴り目ざめるのか?
{動画はクライスラーのモノラル演奏です)
A氏のSP盤で聴いていた演奏かもしれない。
甘美な曲なので、何度も二度寝しそうです。
初冬の大潟水と森公園 SPレコードを聴きささやかな食事会。
日中温かかった日、大潟水と森公園を歩き、夕刻から美術館で普段忙しい方たちと久し振りに食事をした。
四時半ころから3組の夫婦が集合、蓄音機を回してSPレコードを聴き食事をした。
今夜のHMVはことさら澄んだ音を奏でた。
ディヌ・リパッティのピアノ「ショパンのワルツ第10番から」
アンコールで二回掛かった。上掲は1950年の音源。
シューベルト冬の旅からエレナ・ゲルハルトが歌う「おやすみ」もとても良かった。いつもながら聴き応えのあるレコードを持参されるA氏のセンスに深く癒やされた。
お茶と軽食でほどよく食べ、古き良き音楽を聴いた夕べだった。
よく晴れた土曜日の鳥たち 「夢見る頃を過ぎても」。
予報の通りに良く晴れた土曜日、午後は鳥を見に新柿線を走った。
水田のあちらこちらにコハクチョウのグループが見える。国道8号線に出る手前に小さなグループがiいて、撮っているとタカが一羽飛んで来て近くの電線に止まった。
外に出たなら飛び立つので車内からグラズ越しに撮った。
詳しくは分からないのですが、ノスリでしょうか。
それにしても随分大きく見えました。
飛び立つとハクチョウたちの頭上でホバリングを始めた。
ハクチョウを狙っているのか。
急降下して一羽を襲った。
ハクチョウはすかざず翼を広げ威嚇した。
(直ぐにはピントが間に合いませんでした)
狙われた鳥は無事だったが、自分の何倍以上もあろうかとという相手をも狙うタカの猛禽ぶりにびっくりした。
夕刻はねぐらに入る鳥を見に朝日池へ。
段々と数が増えてくる。
対岸の米山水源カントリークラブのホテルの明かりがきれいだ。
白鳥がコウコウ、雁がカリカリ、鴨はガアガア。
このあと雁が帰り湖面は鳥の幸せの声でいっぱいになる。
(16:35頃)
リンダ・ロンシュタットの「When I Grow Too Old to Dream」
邦題「夢見る頃を過ぎても」
セサミストリート時代の名優カーミットらと一緒。
1946年生まれのリンダは1970~80年代に世界で最も売り上げた歌手と言われ、グラミー賞ほか2019年ケネディセンター-名誉賞を受賞している。ロンシュタットと名乗るように曾祖父がドイツ移民。
初雪の日 ワクチンの毎日 シュトーレン。
昨日はぐっと気温が下がり黒雲が垂れ込めた。夜間はさらに寒く、今朝アラレの音がして大きなカミナリがドーンと鳴った。
午後の美術館の庭の一部に雪が残り初雪となった。
窓に貼り付いたモミジの葉。
寒空のもとご来館のお客様、有り難うございました。
さて5回目のコロナワクチン、例年のインフルエンザワクチンで忙しい。
インフルエンザの発症は過日の一人だけだが、コロナは毎日数人の相談ないし診療がある。
日本の8波感染数報告は世界でも最多レベルにあるようだ。熱心にカウントをしない国も多いので、日本は相対的に多いという見方もされている。
流行して早くも3年が経とうとしている。当初に比べ死亡率は大変減少しているが、感染数と比例するのでやはり油断は出来ない。
5回目、オミクロン対応ワクチンのシリンジはブルー。
午前12人午後6人がルーチンになっていて、1月まで続く。
頂いたシュトーレンを切って食べるのもルーチン。
明日土曜日は晴れるらしい。白鳥の良い写真が撮れれば。
寒かった日 私のお知らせ。
時雨れることが多くなり気温も下がっている。
美術館のムラサキシキブ、以前からあった譜代の木。
直江津三野屋のかわたりもちを食べた。
話変わって一つ目、今秋10月に二泊の入院をして昨年7月に発症した心筋梗塞の治療成績の診断を受けた。皆さまから、 どうでした、大丈夫でしたか、と診察時によく訊かれていた。
もう一つ、来年2月には81才になる。一応の健康を維持出来ているが、少しばかり体を休めつつ仕事を続けたいと考えていた。
そこで二つのことをまとめて以下のようにお知らせ」として刷り、患者さん達にお配りしている次第です。
“皆さまへ 二つの“お知らせ”
○今年10月19日~21日まで上越総合病院循環器内科に入院し、心臓の検査をしました。結果心配した心臓は血管も全体の機能も良く、もう通院しなくても良いでしょう、ということになりました。○この先も元気に診療を続けようと思い、来年2月1日の誕生日から毎週木曜日を休診とし、少し体を休めながら続ける事に致しました。
ご迷惑をお掛けしますがどうか宜しくお願い申し上げます。
一方的なお知らせですが、なんとかご理解して頂いているようで少しほっとしている次第です。
午後いっときアラレが窓を叩きました。
本日の朝日池 タゲリとコハクチョウ。
曇り空から晴れ間が覗いた本日午後、朝日池に寄った。普通この時間だと田んぼに食事に行くコハクチョウが数十羽残っていた。
気温が高いので早々と田んぼから帰ったのか、北から到着直後で休息しているのか、池はのんびりした眺めだった。
ミャーミャーという鳴き声があちらこちらから聞こえてくる。
池は放水を終えて貯水に入ったばかりで、まだ水かさが少ない。その泥地に紛れていたタゲリの鳴き声だった。大きさはほぼ鳩とおなじくらいらしい。
泥や枯れ草に紛れて姿が見えにくいタゲリ。
ひょうきんな印象を受ける。
昨冬のように雪上でコントラスト良く見てみたい。
以下は憩う白鳥。
コロナが勢いを増している。全数報告を止め県単位の推移しか分からないが実感として周囲に普通見られる感じになっている。
朝日池の鳥たちのダイバーシティ カフェの灯りと樹下美術館の家具。
し残しの色々をやろうと計画した日曜日だったが結局昼近くまで寝て、午後は風景画の手入れをした後ハクチョウを観に出かけた。
絵は筆を進めるたびに誰かに似たり、面白かったりつまらくなったりする。油彩はつまらなくなったら塗り消すことが出来るので良いのだが、遊んでばかりもいられない。
白鳥に関して、新井柿崎線を東西に走り、小さな群を見て撮影の練習をしたあと朝日池に寄った。まだ時期が早いかなと考えていたのに、湖面に多くの白鳥が休むのを観てとても嬉しかった。
昨夕の朝日池(16:31ころ)。
向こうの林にねぐら入りする雁の群が写っている。
昨夕の湖面(15:42ころ)。
ねぐら入りしたコハクチョウや雁たち,、カモ類の鳴き声が
湖面いっぱいに響きわたり、佇むだけで幸せな気持になる。
上掲写真には枯れた蓮の茎が沢山写っていますが、黒い塊の多くはカモや雁です。雁はマガンとヒシクイで,カモはマガモ、オナガガモほか沢山いるはずです。
どんな大都会でも通りで見るのは人類と犬くらいです。
しかし周囲数キロの現在の朝日池には文字通りダイバーシティを地で行く生きものの豊かさが観られます。
一方、世界の多くにこだまする自国ファーストの味気ない叫びはつまらなく偏狭で、生物学的な幼弱さと退行が伺われ、成長や真の幸福追求からみれば望ましいことではないと考えられる。
夕暮れの朝日池にこだまする数多くの鳥たちの合唱こそ健康なダイバシティーを表象する響きではないだろうか。
4時半過ぎ静かになったカフェの窓にペンダントライトが写る。
開業以後16年間の灯りはポール・ルへニングセンによる名作「スノーボール」。
樹下美術館のカフェはじめの家具類は北欧などのデザイナース家具を多く使っています。興味をお持ちの方は眺めたり座ったり触ってみてください。
トニー・ベネットとレディ・ガガ「I’ ve Got You Under My Skin」
随分と日が短くなりましたが、冬至まであとほぼ一月、もっと日が短くなるのですね。
夕暮れの朝日池の白鳥を撮ったり、お客様が撮ったというコウノトリに出会えないかなどと楽しみです。
先週末の上京。
先週土曜日に上京し友人達と会食した。およそ25年、年末に3組の夫婦で集まっていたが今夏Aが亡くなった。コロナのため19 年11月以来ほぼ3年振りとなった食事は夫人にお声を掛けて偲ぶ会になった。
暮れてからの食事、気丈に振る舞われる夫人を交え昔話や近況を話したが、Aの姿が無いこと知っては愕然とした。
3時半ころチェックインしたホテルから日比谷公会堂が良く見えた。
公会堂は1969年オスカー・ピーターソントリオとエラ・フィッツジェラルドの公演を聴きに一度だけ入ったことがある場所。このたび食事前の散歩に寄ることにして、妻と日比谷公園を初めて歩いてみた。
今は廃墟?の日比谷公会堂。エラの時はここから入ったのか。
1947年の黒澤明監督映画「素晴らしき日曜日」で
貧乏な恋人二人は公会堂の入り口まで来てお金が足りず、
コンサートを聴くのを諦める。
お金の無い映画の二人は散々な日曜を過ごし、野外音楽堂で
“貧しい私達に拍手を励ましを”とスクリーンから訴える。
二人には「ヒアシンス」という名の喫茶店を開店する夢がある。
絵画的な先週末の公園。
黄色のツワブキの花と樹木の黄でいっぱい。
当公園は明治36年開業、日本初の洋風公演。
鶴の噴水は東京美術学校の二人の作家によって制作されたという。
公園の膨大さ、至る所のベンチ、多くの若者や家族連れ、随所のツワブキの植栽など驚くことが多かった。クリスマスローズが集められている場所も多々あったので来春の花期は再訪し樹下美術館のクリスマスローズと比べてみたい。
食事はKが選んだ三度目の有楽町のレストラン。
ウェイティングルームのグラス類と向こうにワイエスの絵。
店にはユトリロ、ブラジリエなどの本画が掛けられている。
キンキ、クエ、アオリイカと温菜のオードブル。
魚料理でオマール海老、を肉は鴨を選んだ。いずれも幹事をしたKが分量を少なくと伝えてあったため残すこと無くみな美味しく食べた。
半ばを過ぎてチーズのワゴン。
臭味の強いエポワスとTVで観ていたロックフォールを取った。
ワインは貴腐ワインに変わった。
デザートのケーキ。
果物のコンポートにしてエスプレッソを飲んだ。
食事を終えた後の支払いで、Kはスタッフたちに私達を紹介した。素晴らしいサービスを提供する彼らは、上越なら知っている、蔵めぐりで岩の原葡萄園へ行ったとにこやかに話した。
一年一度の貴重な食事のあと皆で少し歩きA夫人と別れた。年末で賑わう雑踏に消えた夫人の後ろ姿の突然の哀しさは筆舌に尽くしがたい。
翌13日日曜日、これまでしばしば美術館に行っていたのを、混雑を嫌って神宮外苑のイチョウ並木を歩くことにした。
初めて見る紅葉のイチョウ並木はとても混んでいた(仕方ありません)。
樹木も路上もイチョウで真っ黄色。
ヨーロッパ風の身なりを好むKはこのような風景が似合う。
新国立競技場のそばでタクシーを拾いホテルに戻ってK夫婦と別れ、上野動物園に行った。
何かをこらえているうちに頭がおかしくなってしまったような
シロクマ。
高い塀のあちらこちらに空いた小さなガラス窓から観る。
いくつかのパートに別れていた園内のうち半分も回らなかった。
奥の方でひたすら行ったり来たりを繰り返すシロクマやトラ、落ち着かないタンチョウヅル、広くも無い檻でじっとしているだけの大型猛禽類などなど、、、。
楽しい動物園のイメージとは裏腹に、およそ狭いケージに閉じ込められている動物たちが可哀想で、妻と私は全てを観る事ができなかった。動物たちは毛並み色つやも悪くみな病んでいるような印象を受けた。
65才以上300円。小学生以下と都内中学生は無料と入園料は安いが、観るほどに心が重くなり、特にこどもたちにこのような形で動物を見せるのは良くないと、怒りさえ覚えた。動物を生き生きと見せる先進的な取り組みが見られる時代に、一体どうしたことだろう。
コロナの時代、動物園や公園にはより多くの人が集まろう。
動物園は世界に向けた都市の顔でもある。日比谷公園に比べて上野動物園ははるかに見劣りがする。オリンピックどころでは無かった、何を置いても1番に取り組む事業だった。
色々なことがあった24時間が過ぎ、K夫妻と来年夏の約束を一つして別れた。
私達は少なくとも一つ二つの病を抱えている。だから約束とは言え何となく心もと無さを禁じ得ない。
今週末、姿の無かったAは修業を終えた僧のようであり、Kは勉強をした詩人のようで、私はつまらない俗人だった。
マーラー「交響曲第五番よりアダージェット(第四楽章)」
Kが葬式に掛けてもらいたいというカラヤン指揮の音楽。
とても長くなりました。
私の初白鳥、初雁。
既に先月中旬ころには白鳥や雁の飛来が告げられていた。
本日午後、新井-柿崎線を走ると、田んぼで食餌する5羽のコハクチョウと数百羽の雁(マガン、ヒシクイ)を見た。
白鳥は少数だったが今年もまた出会えて嬉しい。
冬鳥たちは何百、何千キロを羽ばたいてそれぞれの越冬地にやって来る。下りる先は代々決まっているらしいのだが冬景色に生気と彩りをもたらし、とても貴重。
待ち遠しいハクガンはいつ、どのくらいやってくるだろう。人間は勿論、鳥たちが困るほどの大雪だけは勘弁してもらいたい。
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