社会・政治・環境
墨絵風の大潟水と森公園 松枯れ 朝日池の水鳥。
本日日曜日も暖かく、風雨なく静かな日中、県立大潟水と森公園
を歩いた。
↑湖沼の中を古墳まで行くのは軽やかな赤松の道だった。
それがこの一両年松枯れを起こして急変した。
↑上掲の左側で新たに伐採された枯れ松。
松枯れは全国で何十年、延々と続いている。
環境の長いテーマであり、樹下美術館の隣接地もあっと言う間
にやられた。
私はあきらめないでここに松苗、出来れば同園に実生から生え
ている自生の苗を植えたら良いと思う。自生苗は強いし、松は育
ちが早く、来園者が成長を見るのは楽しいことでもある。
罹患は主に成木なのでそれまでの間に進んだ予防措置や対策
法が見つかる可能性もあろう”
それにしても最先端の癌医療をリードし、科学部門で多数のノー
ベル賞受賞者を輩出するわがサイエンス国家が松枯れ病のな
すがままにされているのは、どういうことだろう。
その公園内の道中、隣の朝日池方面から盛んに雁や白鳥の鳴
き声が聞こえてきた。
水鳥の朝日池は近く、ねぐら入りを見るべく急いで向かった。
↑普段この辺りは風が当たらすカモが沢山居る場所だが、本日は白
鳥(主にコハクチョウの様子)がいる。
空が埋まるほど、次々に飛来した雁(マガン、ヒシクイ双方かと
思われますが区別が付きません。ねぐらは林の裏側にある入り
江のような所と思われます)。下方の白い部分が白鳥。
コウコウと鳴く白鳥、キュルルという雁、寒い空に響く喜びの声に
は心癒やされる。
何年ぶりかで見たねぐら入りは壮観だった。いつかもっと素晴らし
い光景を見てみたい。
鳥インフルエンザの感染経路。
この度の新潟県における鳥インフルエンザで上
越市と関川村で合計54万羽の鶏が処分された。
具体的な方法は分からないが、炭酸ガスを用
いて死亡させるようだ。
不慣れであっただろう処分に当たった職員は“申
しわけ無いが収束のため涙を飲んで行った”と述
べている。
濃厚なウイルス環境下の不眠不休の作業は、恐
れと疲労の極みだったにちがいない。
ところで一旦始まると直ちに何十何百羽と死亡す
る鳥インフルエンザだが、ウイルスがどのように鶏
舎に侵入したのか不思議である。
ウイルスを保有しながら発症せずに飛来する水
鳥は稀ではないと考えられるが、それらが直接
鶏舎に接触するとは考えにくく、何らかの動物が
媒介している可能性を否定出来ない。
小鳥、カラス、猫、ネズミ、タヌキやイノシシ、昆虫、
人etc。
ところで本日のニュースはいずれの鶏小屋にもス
ズメなどが出入り出来る網のほつれや隙間があっ
たと報じていた。
外部からの小動物は案外容易に鶏舎に出入りで
きたらしい。
それを聞いて今年の4月末に見た、近郷のある鴨
小屋の光景が蘇った。
何十羽のスズメが鴨小屋の網にある隙間から
出入りしていた。
中の餌を求めての事だと思われるが、スズメは
こんな所でも餌をあさっていたのか、と感心して
見た。
そしてこの度の当地養鶏場における鳥インフルエ
ンザ発症。
スズメが?まさかとは思うが、2004年国内で多
発した鳥インフルエンザの際、研究のため多くの
鳥を用いてウイルスを実験的に感染させ、感受性
をみている。
さまざまな鳥のなかでスズメは多く死亡し、鳥イ
ンフルエンザウイルスへの感受性が高い鳥類と
推測されていた。
たまたま今年2月、上掲のように道路の水
溜まりに群がるスズメを見た。
厳しい冬を越せず多くの仲間が亡くなって
いる時期に、この群は強い、あるいは幸運な
個体の集まりだと思い、寒中の水浴びや吸
水に見とれた。
ところで水1000リットルに濃厚感染してい
る鴨類の糞を溶かすと、1ミリリットル中に数
百個のウイルス濃度になるという。
上記の写真の水溜まりにそのような糞があ
れば雀たちに感染が成立する可能性が出て
くる。
ところで感染に弱いスズメのこと、果たしてこ
のたびの出来事で、例年以上に多くの死亡
が確認され、しかもウイルスが分離されてい
るのだろうか、是非知りたいところだ。
一方、以前の鳥インフルエンザの大発生で
ウイルスが分離されたハシブトカラスが多数
死亡していたという知見もある。
カラスもまた養鶏場によく集まることで知られ
ている。
スズメやカラスのほかにもウイルスの媒介
が可能な動物は多く存在しそうである。
私の拙い知識ではもうこの先へ進めない。
冬は留鳥以外に沢山の小鳥が訪れる。
スズメの写真を掲げたが考え方の一例とし
て挙げさせていただいた。
私の大好きな雀に言われ無きことがらが課
せられないことを祈っている。
このたび鶏舎への鳥類や動物の侵入が可能
なことが分かったが、おそらく以前から指摘さ
れていたことだろう。
防疫は重要である。
これで終わりとせず感染経路の詳細な解明
が待たれる。
そして鶏と野鳥と私たちの健康のためにも、
飼育環境が改善されることを願わずにはいられ
ない。
新潟県知事選挙が終わった。
新潟県知事選挙の結果が出た。
NHKの出口調査は得票予測のほか原発再稼働
の賛否も問うていた。
反対が73%、賛成27%。
圧倒的な県民が原発に反対であり、同じ動向は
新聞調査などにも見られていた。
有権者の意識が選挙結果にそのまま反映されると
は限らないが、この度はまず一致した。
珍しいことであり、原発の負の側面を如何に県民
が深刻に受け止めているかを物語るものだった。
勝ち敗けを別にして、今後はポスト原発を価値あ
るイノベーションとして挙げ、同時に社会が静か
で着実なパラダイムシフトへと向かうことに希望を
繋ぎ、ささやかな仕事の維持に努めたい。
頂いたギンナンが混ぜご飯に 原発と県知事選。
雲を見ることもなく晴れわたった土曜日だった。
本日殆どのお客様が男性だった、と聞いた。
美術館に、カフェに男性、きっと様になっていたことでし
ょう。
明日日曜日は当館には珍しく50名近く団体さんの予約
が入っている。
半数ずつ一時間を置いて来館され、作品鑑賞のあとカフェ
に入られるということ。
絵画ホールに8名様用のテーブルを出してお茶のサービ
スをする予定。
↑その路傍でひときわ明るく咲いているミゾソバ。
小さなお菓子のようだ。
↑日暮れ時、庭の落ち葉を掃き終えると大きな月が明るい。
明日が満月らしい。
↑昨夜頂き、妻が剥いていたギンナンが混ぜご飯になった。
頂いた生姜は味噌漬けになって向こうに、恥ずかしながら
左はスズキのムニエル、汁椀は鶏肉とカブのすまし汁で
した。
さて明日は新潟県知事選挙の投票日。
知事おろしと新聞の同調、終盤に於ける知事を巡る不可
解な動勢、心ない中傷、、、今夜の澄んだ月と反対に選
挙は汚濁の印象を深めた。
最大イシューと考えている原発は、一旦ことが起これば
広大な周辺地域で故郷を捨てさせる底知れぬ破壊力を
有している。
軽々に安全の担保を言うほど、原発の恐ろしさへの無理
解が露呈する。
事故に備えてヨウ素剤を手許に置かなければならない生
活など歴史的暗黒であり、事あれば離郷の止む無きなど、
何と無慈悲な施策であろう。
40年間真面目に納税してきた結果がこれだとは、涙が出
てくる。
もともと新潟県は穏やかで海山川田園に恵まれ、創造的
工芸、技術の盛んな県だった。
人々が安心して励み暮らせ、喜んで人が集まる県であるこ
とを心から祈り願っている。
昔の秋今の秋 ほおずきの鉢 突然の知事選撤退。
秋来ぬと目にはさやかに見えねども
風の音にぞおどろかれぬる
読み人藤原敏行の時代(平安時代)の
暦(旧歴)は今の新暦よりもおよそ一ヶ
月前(早く)に相当している。
つまり秋は現代の8月には始まっている
ことになり、昔人はかすかに秋が来た
ことを、その頃の風の音で感じる、と歌っ
ている。
台風シーズンの始まる頃であり、風の
音はその予兆を指していたのだろう。
これが樹下美術館であれば、8月頃から
庭は花が減り、やつれを見せるようにな
る。
昔の人は暑い盛りのそんな眺めも「秋」と
と認識した。
良くしたもので、昔から見れば一月遅れだ
が、今日8月31日に、「ああ明日から秋か、
それにしても暑いなあ」などと自然に思うよ
うになるのが人間の便利なところだ。
↑今月初め近くの「コメリ」で求めたほおずき。
樹下美術館のほおずきはこんなに沢山実を
つけることは無い。
もっと涼しくなったら鉢から庭へ移したい。
ちなみに浅草寺のほおずき市のはとても立
派な鉢らしい。
一度見に行って一鉢買っみたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ところで10月の新潟県知事選挙に出馬を
表明していた泉田知事が昨日突然それを
取り下げて撤退した。
原発再稼働に慎重な知事から整然とした
論理と生活者目線が伝わり、大変だろうが
このまま頑張って欲しいと期待していた。
翻意には新聞社を巻き込む大きな力が働
いたと想像され、原発に潜む底知れぬ暗
黒をあらためて知らされる思いがした。
知事とは医療や個人的なことで
数回立ち話をしたことがあり、
親しみを覚えていたので余計に残念だ。
アオスジアゲハのブルー 昆虫の無個性。
かなり涼しかった午前、それでも午後次第に暑さが
戻った一日。
その午後の外出の際、私道でアオスジアゲハが羽ば
たいては路上に降り、また羽ばたいていた。
わずかな水たまりを探しているようだった。
この蝶をちゃんと写したことがなく、本日何度も路上に止
まってくれたので撮れた。
個性が見当たらないのにみな満足しているように見える。
幸福か否かを別にしてこの一点は昆虫に敵わない。
花鳥は死して害なるものを一切残さない。
人間は有害の極みである核燃料
を放置的に残す。
私は共犯者みたいなものですから、
恥ずかしくも悲しい罪悪を感じるのです。
赤ちゃん、こどもの成長、自然。
選挙の日、投票の帰りにすれ違った若い女性は初めての
投票、と言って手を振った。
子供時代、ワクチンでいつもワアワア泣き叫んでいた人だ。
この人とそのお子さんの幸福のために投票するのだと思った。
それはまた50年100年、そのずっとずっと先までの幸福。
つまり可愛い赤ちゃん、こどもの成長、清々しい自然。
3つの健やかな永遠のために何を選べばいいのか、
自分の先は長くはないが、感じたり考えたりしていきたい。
つゆの合間の過ごしやすい日だった。
強風の憲法記念日。
5月3日は憲法記念日の祝日。
貴重な記念日だったが当地は瞬間風速20メートルを越す強風
に見舞われた。
しかも南寄りの風だったので草花はおろか植えられたばかりの
作物の苗にも最悪だった。
一部の草花はぐったりしてしまい、明日雨降りの予報ながら散
水した。
田植え後の水田が強風に見舞われると植えた稻が浮いてくるら
しい。
当地は田起こしが始まったところだったので難を逃れたと思う。
ところで本日来館されたご家族が憲法の話をされた。
以前は改憲止む無しの方だったが本日はこのままで良い趣旨を
述べられた。
このままで良しは私もその一人。
憲法が発布された昭和22年の自分は6才だった。
暗く貧しい時代、発布が周囲にもたらした「明るさ」と「希望」の感
覚は子供心も打ち、今日まで脳髄に染みこんでいる。
一部不満の人はあったことはうなずけるが、多くは新憲法に奮い
立たされ、働き、家族を支えたように思う。
厳しい人生で個人が豊かで良い子が育つ国へ。
憲法には真の幸福を反映する唯一無二の絶対価値が漂っている。
これ以上無い最上位の国の規範(理念)でありほかに何をか望もう。
あらためて膨大な戦争犠牲者の方々が思い出される。
憲法、なかんずく第九条は米国よりも、この方達によってもたらさ
れた尊い魂の遺産ではないのだろうか。
拙歌)
強風の庭に一輪香りたつ 花は牡丹かはた憲法
熊本で米が足りないとは 水盤にメジロやアトリ。
学生時代ずっと部活で一緒だった一年上の先輩が熊本市にいる。
当時下宿を訪ねたりしたが、もう50年近くお会いしてない。
躊躇の末今夕お電話した。
電話口の声は昔と変わらず、お元気だったのが嬉しかった。
だが仕事場と家の建物は無事だったものの、室内はめちゃめちゃ
になった、といい、ようやく今日から仕事を再開したところと仰った。
何が不足ですか、とお尋ねした所答えは意外だった。
「米だよ、米が無いんだ」
普段何でもありそうな裕福なイメージの熊本県で米が足りないと
は。
福祉施設も営んでいるため特に深刻らしい。
新潟県民として黙っているわけには行かない、今夜至急60キロ
を手配した。
交通の混乱が想像されるが、どうか一刻も早く着いてほしい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
嵐が明けた本日昼、美術館の水場でメジロ、ツグミ、アトリを見た。
↑実はメジロをみたのは今年初めて。本当に目が可愛い。
目白押しはこの鳥がびっしり群がっている様子から来ているという。
以前は鳥のことなどさっぱり分からなかったが、ブログを書くようになって
次第に目が行くようになった。
東北の大災害から5年が経った。
本日は5年目の大震災の日だった。
当日も金曜日であり、夕刻近く当地もただならぬ揺れに見舞われた。
ゆさゆさ、ゆさゆさと不吉な揺れの後テレビは宮城、岩手県はじめ一帯の
前代未聞の大地震を告げた。
仙台市に妻の子と私の義理の弟が、南三陸町には弟が、それぞれ家庭を
持って住んでいた。
仙台市との電話は最初だけ繋がったが南三陸町の音信は最初から途絶した。
同地の姪たちはともに小学校に通っている。
テレビの映像は想像を絶するもので、津波が下校時間と重なっていたため
安否がとても気になった。
同夜遅く南三陸町が壊滅したという情報に接した。
災害が超巨大であることが次第に明らかになっている。
翌日夜、仙台の甥から電話があり、姪達はほぼ全員高台の学校に残り一
夜を明かして無事らしい、と電話があった。
数日後、インターネットの安否確認サイトを通して弟一家は全員無事らしい
ことが分かってきた。
サイトでそのことを知らせてくれたのはフォークシンガーの小室等さんと、
お仲間の歌手のネットワークであり、有りがた味は心に沁みた。
後日臨時に開設された公衆電話所から弟の声を聞いた。
自分の事より、町の防災庁舎の痛ましい犠牲は行政の怠慢と憤慨した。
三週間ほど経って妻が子供達を訪ねた。
あまりの惨状に帰ったあともしばらくショックをひきづっていた。
そしてかねて忌まわしかった原発が本当に事故を起した。
悪夢は地獄の出来事のようであり、異次元感覚を引き起こさせた。
失敗が広大な地域を汚染させ、十万を越える人に故郷を捨てさせる。
いつかこうなる予感はあったし、さらに先に絶望的な廃炉と廃棄が待っ
ている。
生活のために得体の知れない魔物を使い同居することをどうしても肯
定できない。
「他者とその犠牲を本気で心配する人」と、「風評としてお上に付く人」
事故は肝心な点で人が二通りに分かれることを示した。
人間はこんなに違うものかと実感するのは淋しいことだった。
願わくば両者は根底で繋がっていれば、と一縷の望みを託したい気持ち
だ。
幸福、不幸の根拠が互いに対極とはどういうことだろう。
政治は高い理想を掲げ、行政はその方法論を練る、願わくばそうあって
ほしい。
だが今日それは入り口から便利不便の現実論に後退して始まる
理想理念が漠然としたまま、いつしか政治は行政の代弁者の如く漫然
となる。
大災害ほど政治家の勇気や希望や慎みの言葉が期待されるものはない。
5年経ても現場の無念と必死が伝わるだけに、心打つ言葉が期待される。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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