医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
やはり寒波は危険らしい 残した胃カメラノート。
明日から始まる寒波について昨日やや楽観的なコメントを書いた。しかし本日、ニュースは10年に一度クラスの最大級で危険な大雪と知らせた。
10年に一度とは如何なる大雪か、一昨年のドカ雪が浮かぶ。降り始めて2日目だったか往診をして深刻な身の危険を感じた。到来はもはや仕方がないがあれ以下であって欲しいと切に願っている。
さて過日1回目の断捨離に父や祖父の品を取捨選択した。その折私の胃カメラノートが出て来て、昭和50年代、一生懸命だった当時のことが懐かしく思い出された。
昭和56年{1981年)11月17日からと印された二冊目の内視鏡観察ノート。
40数年前のノートであり、今なおお元気な方がおられる一方故人になられた方も多い。お顔が浮かぶ人、思い出せない人があるなか、紙面から共通して生々しさと緊張感が伝わる。
以下内容を少し紹介させていただきました。
胃透視X線フィルムの解読精度を上げるためX線像との対比は重要だった。
病変の悪性/良性および癌の進行/早期の区別は絶対的な課題で、進行癌であっても5年は生きてと祈っていた。
当時胃集団検診の読影医(フィルム判定)の一人として、また二次検査{内視鏡またバリウム直接撮影併用)の受け入れ機関として内視鏡は非常に重要だった。
所見の要点は終了と同時に描き、後で全体を仕上げた。図に所見を再現するため細部はより詳細に見なければならなかった。潰瘍やビランに集まる粘膜ヒダは何本か、その先端はどうか、固さや色調の印象は、範囲はetc、すべて後で正確に描くことを意識して観察した。
当初、一部が思い出せないことがよくあり、集中力を高めるよう努力した。
救えた人も間に合わなかった人もあった。
助かった人はおよそ忘れていて、何十年後、有り難うございましたと言われてもよく思い出せない。一方駄目だった方は雪の上に吐血されたこと、あるいはお元気な時のお顔が鮮明に浮かぶなどはっきり脳裡に残っていることが多い。
少々古い現在のスコープと装置。
スコープ自動洗浄機。
昔は専用シンクでスポンジ洗いだった。
いま検査は月一人か二人。当時の10分の1にも満たない。しかし専門医やドック検診が充実した現在、それで良いと思っている。
後に花を描くようになった。内視鏡のスケッチが基礎になっている。
さらによく描くようになった三冊目の内視鏡ノートは長男にやってしまい、本日のノートくらいは残そうと考えた次第。
悪天候と寒波 コロナ診療への礼状。
冬型の気圧配置が強まり強風に見舞われた金曜日。明日にかけて大荒れと報じられている。週明けから来る強い寒波による大雪への注意も伝えられる。
この先は荒れるか降るか、とにかく悪天候のようで、外来は早めにという方たちが目立った。
問題は来週からの雪であり、出来れば50センチ以下程度で勘弁してもらいたい。
ところでコロナは、このところ全国および新潟県の報告が減少している。しかし拙院は、多くはないが毎日のように相談や検査投薬の用件がある。件数は減少するものの全国の死亡数は7波を越える高いレベルにあり、特に高齢者はまだまだ油断が出来ない。
過日初めてシオノギの抗ウイルス薬を使用した。新薬のため併用薬が多い高齢者で使いづらさがある。今後使用治験が重ねられたうえ除外事項が限定され、より一般化されることを期待したい。
県知事から文書が来ていた。
文面は、新潟県のコロナ死亡率が全国最小で、誇れる成果を達成していること。そのことでコロナ診療に協力している機関に対する慰労の内容だった。
かろうじて追随する拙医院としては励ましを覚え、特に3年間リスクとストレスの中で、戦うように仕事を続けたスタッフには感謝に堪えない。
今春からコロナは2類相当から5類へと扱いが変わる予定だという。3年の経験では未だ「こなれた」とは言い難い新興感染症。今後も科学に基づく柔軟な姿勢は必要ではないだろうか。
今年も飛来したハクガン スマホを教えてもらう フキノトウはテンプラに。
去る11日から昨日まで三日間、冬に希な晴れ間が続いた。気温も上がり小春日和となり晴れがましくもあった。
5回目のコロナワクチンの接種が間もなく終了する。3年間に5回もの接種となった。高齢者の死亡率を抑え、事業所や学校への影響を最小限に食い止めるためだった。
3年間に5回もの接種があるとは、当初では考えられないことだった。せめて5回目のオミクロン株対応ワクチンが効果を上げ、仮に9波が来ても深刻な影響を生じないことを切に願いたい。
コロナ禍で日本人の平均寿命の伸びが止まり、僅かながら下降している。富める国アメリカの短縮は著しく過去2年で2,7年短くなったという。中国が受ける影響が案じられるが正確には公表されないことだろう。
さて11日以来2日ブログを空けてしまった。
12日の晴れ間に朝日池に行くと、湖畔の農道に数台の車が見えた。ハクガンが来ているという。
随分遠くにかなりの数のハクガン。
飛び立たさせないよう近づく人はいない。
別な場所に行ってみるとマガンに混じって小さな群が食餌していた。
今年も来てくれたハクガン。全体で何羽くらいいるのだろう。
今のところ大雪は避けられている。この先およそ二ヶ月、どうか安全にゆっくり過ごしてもらいたい。邪魔にならないよう気をつけて、優雅な彼女らの写真を撮れれば嬉しい。
さて悩みの種だった新しいスマホ。普段パソコンを診てもらっている(株)信越情報のA氏に来てもらって教えを乞うた。
指紋認証から始め、連絡先のグループ分け、画像転送、アイコンの動かし方と整理や削除、メールの統一など基礎から教わった。下取りに出して元の簡単ラクラクフォンに戻せないかとまで考えていたが、先まで使うことになった。
カメラの機能は凄いのだが、小さなキーパッドの英語をはじめ意味が分からないまま登場する様々なメニュー記号。タッチミスも絶えないため、機能を限定して慣れればと願っている。
先日のフキノトウは天ぷらになった。
越後の真っ直ぐな「銀色の道」 続く看取り 散髪と連休。
雪は無いが連日の雨天と風に悩まされていた。それだけに先日訪ねた信州上田、別所温泉の青空は別天地そのものだった。
それが本日少々雨は降ったが風はピタリと止み、何か潮目が変わったような感じを受けた。
山地を巡る別所温泉観光をしたばかりだったのでこのようにフラットで真っ直ぐな道を少々不思議に感じる。走りながら学生時代に良く聞こえていたダークダックスの「銀色の道」を思い出した。
年を取るとモヤモヤしていた人生の道が次第にはっきり見えるように感覚される。ゴールが近づく効果ではないかと思われる。
本日夜更けてまた看取りがあった。救急車を呼ばずに助かりました、と言われたが、年末のお二人に続き10日で三人になった。帰宅すると頭が冴えてしまいわずかな眠りだけで離床した。例年冬の死亡率は高いが、このところの看取りは今冬の不安定な寒暖の影響か。
午後から散髪。
馴染みの店に行くと、連休はどうするのと聞かれ、えっ何時ですかと返した。明日ですよ、明日、と言われ、寝不足を取り返せると大いに喜び、温かい室内の椅子でウトウトした。
明日あたりから予報に晴れマークが時おり見受けられる。少し気温も上がるようであり、一時的にしても有り難い。
コマーシャル映像の今昔 上手く行かないスマホの転送。
頭が忙しい時に時々観る動画がある。ご覧になった方は沢山いらっしゃると思いますがコカコーラのコマーシャルでバブル期のもののようです。
映像は若者から老人達までさまざまな人々の幸せそうな場面がコマーシャルソングとともにちりばめられます。それぞれは特別な設定ではなく、いわば日常的な一コマです。
服装や風俗、行動などから今とは異なる時代のものであることが分かり、爽やかで明らかな懐かしさが感じられます。何か違いがあるのなら何なのでしょう。観ているとある一つのことが気になりました。皆さんは如何でしょうか。
遠近どの人も、どこにもスマホ(ケータイ)が写っていません。全て演出でしょうが、現在ではこれだけのシーンをスマホ無しで撮るのはむしろ無理なのでしょう(当時すでにpcやポケベルなどはありましたが)。
多くの場面で(コーラ以外)両手が空いているのも新鮮で、自由に触れあい反応しあい行為に夢中です。そのことが人が生き生きし、ひいては幸福そうに見えるのは私だけでしょうか。
ところで話変わり、在宅で長期間の処置で褥瘡が縮小しましたが、ある部分に出来た空間(ポケット)が中々ふさがらない方がいます。その方を外科で皮膚を部分的に切除する等修復治療(デブリードメント)を依頼するための写真を新しいスマホで撮りました。
カメラは鮮明で素晴らしいのですが、操作が不慣れで何度も撮り直しました。
傷と看護師さんの手。
帰宅してから画像を私のpcに転送しようとしましたが出来ず、スタッフにやってもらいました。しかしいざ自分一人になってやってみると上手く行きません。
あまつさえ途中で手が滑り、だれかに電話が掛かってしまい、その止め方も分からず、済みません間違いました、と言って相手が切るのを待つことが三回ありました。
※IT本来の価値はこの画像を相手のスマホかパソコンに直接送るのでなければあまり意味が無いのかもしれません。
そんな訳で私の新しいスマホは、早くも怖くて触れないピカピカしたものとして、そっと棚に置かれたままになりました。
電話帳?住所録?も以前のものと全く様子が変わっています。
来週になったら、医師会のIT関連の方に来て頂き、しっかりノートを取り今後のためにしようと考えています。
初雪の日 ワクチンの毎日 シュトーレン。
昨日はぐっと気温が下がり黒雲が垂れ込めた。夜間はさらに寒く、今朝アラレの音がして大きなカミナリがドーンと鳴った。
午後の美術館の庭の一部に雪が残り初雪となった。
窓に貼り付いたモミジの葉。
寒空のもとご来館のお客様、有り難うございました。
さて5回目のコロナワクチン、例年のインフルエンザワクチンで忙しい。
インフルエンザの発症は過日の一人だけだが、コロナは毎日数人の相談ないし診療がある。
日本の8波感染数報告は世界でも最多レベルにあるようだ。熱心にカウントをしない国も多いので、日本は相対的に多いという見方もされている。
流行して早くも3年が経とうとしている。当初に比べ死亡率は大変減少しているが、感染数と比例するのでやはり油断は出来ない。
5回目、オミクロン対応ワクチンのシリンジはブルー。
午前12人午後6人がルーチンになっていて、1月まで続く。
頂いたシュトーレンを切って食べるのもルーチン。
明日土曜日は晴れるらしい。白鳥の良い写真が撮れれば。
昨日今期初めてのインフルエンザ、本日雪囲い。
昨日38,8度の発熱の75才の方がインフルエンザ抗原検査で陽性だった。今年初、いや何年々ぶりかで突然現れたインフルエンザ。今までどこに居たのか、ウイルスのしぶとさを垣間見て緊張が走った。
数日前からの軽い喉の痛みとくしゃみのほか平熱だったというが今朝から声がれ、午前9時に38、8度の発熱、自宅の抗原検査は陰性で受診された。当院のコロナとインフルエンザの同時抗原検査でインフルエンザのみ陽性反応が出た。何年降りかでタミフルを処方した。
症状だけでは全く両者の区別は出来ない。
症状が軽いと言われるコロナだが、数日前の20代の方は三日間高熱が続き受診時とてもつらそうだった。四日目に電話すると解熱し始め食欲だ出て来たということでほっとした。
現在連日のインフルエンザワクチンの接種が続き、平行していたある事業所の4回目のコロナワクチン接種が終わったところ。間もなく高齢者のオミクロン株対応二価ワクチンが始まる。
高齢者が受ける肺炎球菌ワクチンの方も混じり、これほどワクチンに忙殺されるのは未経験。
さて本日午後は冷たい雨が降った。その中で二人の方によって美術館の雪囲いが行われた。
雪囲いから冬タイヤ履き替え、ミゾレ、雪へと冬への行進が続く。
検査当日と翌日の退院。
検査日の10月20日、15時半近く看護師が迎えに来て検査着に着替えた。スリッパを履き、今や分身となった点滴スタンドを押して看護師とともに検査室まで向かう。
検査着に着替えて記念撮影。
病後一年数ヶ月、意識して7キロは痩せた。
それが心腎の保全にも良かったと思っている。
昨年の救急では真っ暗に感じていた深夜の検査室がとても明るく思われた。施術する主治医医師と担当スタッフに挨拶して十字架に似た細いベッドに両腕を拡げて寝た。前回行った剃毛や導尿カテーテルの挿入はなかった。
検査のためのカテーテルとやワイヤを通す右手親指下の動脈周囲に局麻が打たれる。痛みはこの時だけで検査終了まで何処にも痛みはない。
検査が始まって静かな室内に心電図モニタの心音がピッ、ピッ、ピッと規則的に響く。前回のピピピッ、ピピなどの不整脈とは大きな違いだ。
最後に、検査目的の一つである、ステント設置せず経過を観た狭窄血管について、病変前後の内圧比を調べる検査(FFR)が行われた。医師達がやり取りする数字から機能の回復が想像できた。検査は40分ほどで終了。動脈射入部を止血固定し室内にほっとした空気が流れた。
すぐにモニタ室に呼ばれ検査動画を観ながら待っていた妻とともに主治医の説明を受けた。結果は去る21日のブログの通りだった。
翌日の退院が9時と決まり、妻と別れ再び病棟看護師と一緒に点滴スタンドを押して部屋に戻った。夕刻に少し本を読みぐっすり眠った。
21日退院の朝は晴れ、朝食を摂って部屋を片付けた。9時頃看護師が点滴を抜きに来た。
問題の腎臓を造影剤の悪影響から守る点滴処方をした主治医先生に感謝し、忠実に実施した看護師さんたちにも同じ気持ちだった。繋がれっぱなしの点滴はもう一人の恩人に思われた。
迎えに来た妻と10時過ぎ病院を後にした。
お世話になった主治医F先生とスタッフの皆さま、そして妻にあらためて深く感謝します。
入院の種々 輝くスタッフ愚かな自分。
【点滴したままの着替え】
さて入院一日目、用意された病衣に着替えると直ちに点滴が始まった。二泊三日の入院期間中、点滴に繋がれたままの生活を送ることになる。
スタンドを引っ張って衣類などを片付け、本を読みトイレ、自販機に行った。
しばらくすると看護師が状態のチェックにやってきて、服が少し大きいようだからと小さめのを届けてくれた。だが私は高い点滴スタンドのバッグまで長いライン(チューブ)で繋がっている。着替えるにはどうすればいいのか。左袖からこの一式を抜かないと服を脱ぐことが出来ず、新しい服はその逆をしなければならない。一人で出来るだろうか。
着替えは難問だった。
まず自由な右袖を脱いでみた。左袖を通して服全体が点滴チューブにぶら下がるような形になる。次ぎは点滴を止め、ラインをバッグから外して袖から抜くのか。だがこれは露わになっている先端の針が服に接触するなど不潔を免れない。
では点滴チューブを抜かずにバッグごと袖を通せるか。見ると袖幅に余裕がありそうだった。バッグを台から外しチューブを伝って服の袖を移動、最後に袖からバッグを抜いて服を外した。
新たな服はこの逆を行った。だが一連のことは手品か曲芸のようで、万事神聖で合理的な病院に相応しい行為に似つかわしいとは言えなかった。看護師を呼ぶべきだったか。
実は翌日、点滴をしたまま検査着に着替える場面があった。この時は看護師がいて、まずコネクターの上部チューブと射入部それぞれの流下を止めてコネクターの連結を外し、露出した接合部をアルコール綿で消毒後、袖を通して脱いだ。その後新たな服に袖を通し、再び消毒しラインを繋ぎ着替えを終えた。
点滴をしながらの着替えはこれが正式であろう。遠い昔の勤務時代にはやっていたような気がした。眼前でよどみ無く行った一年目という看護師を敬意をもって見た。やはり誰かに来てもらうべきだった。
【あんかと電気毛布】
本ばかり読んで過ごしていた初日、夕方テレビを点けるとニュースは翌朝までの強い冷えを伝えた。大事な検査を控え、寒がりの自分には掛け物一枚では眠れない。
流しから熱い湯が出る。起きて傍らのペットボトルを空にして湯を満たしタオルにくるんだ。足元に置くとぽかぽかと気持良い。
これで眠れると目をつむった。
だが頭が冴えるので本を読む。
時は過ぎ看護師が預かった私の常備薬である睡眠導入剤を持って消灯を告げに来た。
ペットボトルの湯のことを話すと、湯たんぽがありますよ、入れましょうと仕度に帰った。すると今度は別の看護師が点滴チェックに現れ、あんかのことを話した。
彼は今夜の寒さは特別らしい、電気毛布があるからと、持って来てくれた。あんかの看護師には毛布の話をしました、という。
電気の掛け毛布は初めて。今度は眠れる、、、。
【不眠の原因】
しかしやはり寝付けなかった。緊張していたわけではなかったが、何故だろう。前年の入院では不眠など全くなかったのに。4時を回っても眠れず、室内が明るみを帯びたころ僅かの睡眠と短い夢を見ただけだった。
おかしい。
初めての電気毛布でもなかろう。あるいは前日午前中、腎臓の負担緩和を思って飲んだペットボトルの「生茶」のカフェインが影響したのか。
検査日の朝を迎えた。朝食を終え配られた薬を飲み、傍らのテーブルを見ると、なんと前夜もらった睡眠導入剤がそのまま置かれていた。
飲み忘れ、全く馬鹿げた原因だった。
夜間のペットボトルとあんかに続く電気毛布の一件に紛れてすっかり忘れていた。
何かの支障の原因が分かったとき、それを正せば問題は片付く。しかし不眠の原因が翌朝かわっても、薬を飲み直すわけには行かない。普段それほど効いていると感じない導入剤だが、こんな形で薬効を知るとは。
検査日朝7時ころの窓外。
駐車場はガランとしている。
9時にはスタッフ(手前)や患者さん(向こう)の車で埋まってくる。
病院スタッフ、なかんずく看護師さんたちは大変マメだ.。交替勤務で入れ替わり立ち替わり現れる。ドクターのオーダーを共有しチェックし検査に向けて齟齬なく対応する。
一方私はひとり怪しげな着替えをし、薬を飲み忘れ、寒がり、不眠に到る。輝かしい皆さんに比べ何と愚かしかいことか。
入院中の主な出来事は以上です、この先検査当日をもう少し書かせてください。
長野から再びお客様 入院の種々(くさぐさ)。
【長野県からのお客様】
去る18日、長野市から団体で来館された男性が、今度は奥様連れで本日再び来られたと聞いた。樹下美術館が気に入ったからということ、何と有り難いことかと喜びました。
本日お客様の話で、先日の皆さまの熱心な鑑賞態度はどこへ行っても同じと、伺った妻の言葉。さすが勉強熱心な長野県人だと感心しました。どうか季節が変わりましたなら又お寄りください、お待ちしています。
【二泊三日入院のわけ】
さて前年発症した心筋梗塞による入院は夜間の救急搬送だった。当直医の応急処置と診断後、冠動脈拡張術のため循環器内科医師とスタッフが招集され、深夜に掛けておよそ3時間カテーテルによる造影検査と処置が行われた。
慌ただしく動く皆さんに囲まれながら、当の私は不整と微弱で必死の心臓をよそに終始ぼんやりしたまま身を投げだしていた。
そして今回1年2ヶ月通院の後、10月19日午前、予約通り受付と循環器内科外来で手続きし、9時半に病室に入った。付き添った妻が帰ると直ぐに病衣に着替え点滴が始まった。
この度は検査前後の一日半、生理的食塩水(生食)を主とした持続点滴を受ける。私のように元来腎臓に一定の問題がある人間が負担が大きい造影検査をするには、臓器への負担が無い生食を投与し続けて造影剤による負荷を薄め軽減を図らなければならない。
外来で、あるいはせいぜい一泊入院で済む検査を二泊三日かけて行うのは、腎保護を考えてのことだった。
とても若い看護師が射した点滴部位。
これだけで前後6本の持続点滴が受けられた。
三本目から連結になった点滴。
【岡倉天心の本】
持参した「茶の本」(The Book of Tea)。
岡倉天心著 立木智子訳 平成6年淡交社発行。
明治39年英文による著作は欧米で販売され反響を呼び、
以来多くの訳本も出版されている。
原著を読んだことも見たことも無いが、この本から明治時代にあって、岡倉天心の英語力と深く膨大な教養に驚かされる。アメリカ留学歴がある天心の欧米人への訴え方は洗練されていて、いま我が国で日本文化と固有の美をこれほど上手く伝えられる人がいるだろうか、と考えさせられた。
訳者の言及にあったが、明治の文化人たちの教養は凄まじいものがある。このことは時々お会いする二代陶齋・齋藤尚明氏もよく指摘される。
このたび、これまで途中で投げ出していた本を点滴しながら二回読むことができた。
昭和62年から下手の横好きのまま続く私の茶。何らかの形でずっと続けていたいと痛切に思い、そのためにも我が心臓と腎臓にはもう少しのあいだ頑張ってもらいたいと心の底から願った。さらに天心の晩年の山荘であり終焉の地でもある妙高市赤倉に建立されている岡倉天心六角堂へ、是非とも行かなければならないとも。
本日は時間がきましたのでここで終了させてください。
後日この続き【働く病院スタッフ】、【点滴をしたまま衣服を着替える】、【寝不足の原因】、【検査と結果】などを書いてみるつもりです。
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