医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
幾つかの秋。
芸術の秋、読書の秋、それに健康の秋にもなっている。健康は何故秋かなと思うが、体を動かすに丁度良い清々しさと、厳しい冬への備えが自然に意識されるのかもしれない。
さて昨年11月のこと、人様にお腹を指摘された(真に恥ずかしい!)。以後二ヶ月半ほど掛け161㎝の身長で、58、5㎏→53、5㎏に減量した。加齢は如何とも避けがたいが気持は少し若返った。細身にした綿パンツを二着買い直したのも望外の幸せだった。
その後不安はあったが、入浴時の計量で53、5㎏を挟んでおよそ1㎏の上下で定着している(52キロ代のこともあります)。催事や会食の際の明らかな過食では翌日から1日半程度の調整でレベルになる。減量で胃のサイズが小さくなった感じがして以来食生活が安定した。
さて恥ずかしながら本日の夕食です。
鶏肉のミニ丼(妻に申しわけ無いことですが、肉を少し残しました)。
私はもともと丈夫でない上、良くない人間で、しばしば食べ物を残す癖があるのです。
これで良いか多少迷いはありますが、数年来朝食は数種の果物だけです。さらに今秋から昼は6枚切り食パン一枚または半分に、ソフトバターを薄く塗り、野菜ジュース200mlと暖めた牛乳を約150。二食の塩分は1グラムあるか無しかで、熱量は600KCal未満だと思われます。
遅きに失したとは言え、もう少し仕事をし趣味を続けるために現在の生活にして良かったと思います。運動不足を補う一日300~400段の階段昇降も続いています。2階で生活していますが、一回階段を降りる毎に2~4回の上り下りを追加する方法です。これを1クールとすると10数クール行いますので一定の運動になります。他に自分なりの柔軟体操も工夫してみてます。
それでも突然襲う病は否定できないでしょう。毎年の健診は何よりの必須、後は天運しかありません。
健康の秋のことばかりとなりました。読書の秋では、本日男性のお客様が美術館のデッキでコーヒーをお飲みになりながら1時間半ほど読書されたそうです。曇りがちでしたが暖かな微風で程よい湿度。頸城野の刈り田の午後は気持ち良いお時間だったことでしょう。
天使の一才児 最後に再び。
保育園で、70名ほどの秋の健診がありました。今年は心配が必要な肥満はゼロ。素晴らしかったです。
また5,6人の園児に心臓の軽い雑音がありました。まず無害と考えられますが、一応マークを付けてもらいました。
さて気象にゆさぶられるように老若とも風邪が多くみられます。鼻水、喉の痛みはおよそ必須で、時に38℃前後に発熱します。痰がらみの咳こみは気管支レベルの炎症で、長引く人は肺炎への進行が懸念されますので是非受診してください。
そうこうしている間にインフルエンザワクチンの接種がはじまりました。特別な流行にならないことが願われます。
さて本日の健診はゼロ才~五才児まででした。みな可愛かったのですが、なかでも一才児の可愛さは特別でした。このことはその昔我が子にも感じましたし、普段皆様のお子様にも見受けられることと思っています。
柔和な表情、くったくの無さ、優しい笑顔、危なっかしい動作、、、。人ばかりでなく、子猫、子犬、小鳥など、生き物のある短い時期に、天使を感じるのは私だけでしょうか。ひたすら愛情を集めてやまない存在です。
それを過ぎると強い抵抗や攻撃性が等しく混じるようになります。どちらかと言うと悪魔的側面ですね。しかしそれはそれで独立と防衛、そして全能感(KINGの素養)の形成などにかかわる成長過程にちがいありません。強い押さえつけは豊かな人格形成の妨げが危惧され、広めの視野が必要ですね。
悪い子はぎゅっと抱いてやること(あるいはそれを伝える表現)がとても大切だろうと思われます。
一歳児はまことの天使。
もう一つ、人生の終末のある時期、患者さんや老人が天使のようになることも少なくありません。
介護の形 遠距離介護。
刈り入れ時の農家を悩ませた台風の雨が去ると、一転して晴天が続いています。樹下美術館の庭で早々とニシキギが紅葉し始めました。
ところで以前から当館には介護にまつわる方たちが訪ねて来られます。地元で在宅介護の方、近くの施設や病院に入っている人への訪問、そして遠くから当地の親ごさんや病人さんを訪ねる方たち。時には介護する方される方がご一緒でお見えになることもあります。
介護はご本人の状態とご家族の事情などでおおまかに幾つかのパターンに分かれます。そのうえ状況によってそれぞれの形が移行しあうこともよくあることです。いずれでも介護者ご家族の思いは様々で、何かと気がもめ心重いこともおありと思います。
当ブログではよく在宅介護の事を書かせて頂いてます。しかし遠くから親ごさんや病人さんを訪ね、樹下美術館へ寄られる皆様もよくお見受けします。東京→新潟市の方が、わざわざほくほく線で来られたこともありました。
私の知人友人では東京→四国、東京→新潟県岩船郡、東京→上越市、上越市→隣県、大潟区→妙高市、上越高田→大潟区、さらに町内同士など大変な遠距離から近隣まで介護、看護で往来している方達は少なくありません。
地元の介護支援(サービス)を受けながら、兄弟姉妹の分担で、あるいはお一人で、病を、食事や着替えを、転倒を、周囲とのことを、冬場の雪を、認知症を案じながらの訪問と別れ。老親が独り暮らしの場合、特に大変だろうと想像しています。
長い時間ガラス窓からずっとカフェを覗いていたというイナゴ。
(写真はいずれも一昨日です)
どうか皆様、ケアマネと密に連絡しあい、ご自身のことも気をつけて頑張ってください、応援しています。
母の三回忌 油断出来ない夏の脳梗塞。
本日は母の三回忌だった。母は小生を宿し血液を共にし産み、ある種ふるさと的。その点父は、生成の契機にDNAを届けただけなので〝ふるさと〟感はややクールだ。
パーキンソン病が進行していた父はおよそ20年前、突然に生じた腸閉塞のためわずか半日で自宅で亡くなった。肩を貸して母とともにレントゲン室まで運んだ日のことが鮮明に思い出される。
両親は明治と大正の夫婦で、特別睦まじいという風でもなかった。今よしんば遙か小さな星にでもなっていて、子どものように眠ったり笑ったりしていればなあ、と思う。
CHANSON・D’AMOUR(シャンソン ダ ムール・愛の歌)
本日昼に発症した脳梗塞の高齢者の方を速やかに受け取って下さった病院さんに大変感謝しています。この時期、メディアは盛んに熱中症を取り上げる。一方脱水によって濃縮された血液が関係する突然の脳梗塞も夏独特の怖い疾病であろう。
明日から5日間のお盆休み。暑さは続き、気になる方がいて油断できない。
柿崎病院の貴重 頸北のこと。
筆者の地元は新潟県は上越市、地勢区分で頸北地域になります。平成の大合併によって13もの町村が旧上越市に編入されましたが、それまで柿崎町、吉川町、大潟町の三町エリアは頸北と呼ばれていました。
合併をしましたが、広大な上越市にあって生活圏、なかんずく医療の日常において頸北は歴然たる地域として生きています。なかでも柿崎病院は、高齢者医療および日常疾患における文字通りの砦として欠かせません。
昨夕、その柿崎病院さん主催によって「2013年度上越頸北臨床検討会」がありました。
今年の話題は肺炎実は結核、薬剤によるアレルギー性肺炎、COPDの評価法などでした。いずれも卑近かつ貴重なケースと知見を示して頂き、地域の開業医師を交えて沢山の質疑がありました。
柿崎病院は小規模な病院ですが、院長と医師たちはいっそう暖かく熱心。今後も重要な医療機関として維持発展を願って止みません。
頸北地域はおよそ雪少なく、開業医師同士は仲良く、高速道路のICとスマートICの直近などで、生活利便があります。さらに近年、直江津における中高一貫校の定着と同校への比較的近距離によって、以前より進路の選択肢が拡大しました。さらに柿崎区と吉川区の中山間地域は貴重な特性の維持に、都会交流にと頑張っています。
〝頸北もいいかな〟
地元の一人としていつもそう思っています。
以下のPhotoは頸北三区の一部です。
そしてお隣の〝頸城区と樹下美術館〟これからも宜しくお願い致します。
樹下美術館の庭にも夏は来ぬ 料理人も来られた 地域ケア会議。
本日見たもの出会った方たち。
本日、今秋予定の「陶齋の器で食事会」で包丁を振るわれる料理人さんがお見えになりました。食器や庭をご覧になり、大変楽しみと仰って頂き安心しました。
ところで食事会は詳しくお知らせする前に、ホームページ案内へのお問い合わせだけで既に満席となってしまいました(10月の毎週日曜正午、一回5~7名様の予定でした)。
今年うまく行きましたら来年の初夏にもと、考えておりますのでどうか宜しくお願い申し上げます。
話変わって今夕、上越市大潟区の地域ケア会議がありました。地域包括支援センター主催、各事業所ケアマネジャー、市担当者、医師らも加わり40名余が参加し、有意義でした。懇親会もあり、ひごろ公私とも如何に沢山の方のお世話になっているか、あらためて知る思いでした。
大潟区の良いところの一つは医師同士、自然で仲が良いことだと密かに思っています。
いよいよ始まる暑さの影響。
上越市高田では35,9度を記録して本日の全国最高気温だったという。かつて今時こんなことがあっただろうか。
極端に雨が少なく田畑は深刻な局面にあると伝えられる。患者さんたちの畑もジャガイモはあきらめました、キュウリは小さくとも枯れないうちに採っています、と連日聞いている。
本日歩くのもつらい、食事がとれない、という方の脱水を考えて点滴をした。終わって少し気分が良くなったと仰ったが急な痩せが気になりレントゲンを撮ると肺炎だった。
入院先を探して直ちに紹介状を書いたが、セキ痰はほとんどなく微熱。暑さに加えて老-老の介護疲れが誘因と考えられた。
年齢に関係なく疲労が続く方たちに、これから先の熱暑は冬の寒冷よりも油断できないと例年感じている。
午後の在宅まわりの空。車が示した車外気温は32度。南東の風がよけいだるさを感じさせる。
本日はお会いした皆様に戸外の加重な労働・運動と熱中症、在宅者の脱水症、冷蔵庫への過信による食中毒などの注意をお話した一日だった。
本日はじめて自室のエアコンを作動させようとリモコンを押しましたが、全く反応しません。電池を替えてもダメ、明日電気屋さんに診てもらいます。
保育園で健診した みなそれぞれの個性で生きて行く。
本日保育園の健診があった。一歳未満から年長さんまで100人ちょっと、身体を診ながら子どもたちの さまざまな顔や仕草を見て来た。
子どもは一人一人本当に違った顔立ちと表情をしている。しかし違いは価値でもある。
色々あろうがこの先長く、それこそ墓に入るまで親からもらった顔と性格を密かな拠り所(宝物)としてそれぞれ生きて行くにちがいない。頑張れ園児!頑張れ個性!心の中で叫ばせてもらった。
コムクドリはオスのほうが振る舞いに愛嬌あるように見える。しかしいざ子育、えさ運びとなると猛烈に働く。
動物たちも性格や個性の違いがあるようだ。子鳥を飼っている人なら鳥にも個性があるというかもしれない。そのようなことでは特に養鶏場のかごの鳥たちは気の毒だ。
牡丹はかすかにゴボウの香りがするか コムクドリはのんびり。
本日の在宅まわりで伺ったお宅に黄牡丹が活けられていた。長かった認知症の混乱が鎮まってきた97才のおばあさんのお宅、花が置かれているのを見て少しほっとした。
帰りがけ見事な牡丹に鼻を付けて匂いをかがせてもらった。不思議なことにかすかにゴボウに似た香りがすると思った。みんなそうかなと思って奥さんにお尋ねした。
「奥さん、牡丹って少しゴボウに似た匂いがしませんか?」
「あら、今ゴボウ煮てるんですよ、先生って鼻が良いんですね]
いやいや、こういうのを鼻が良いと言うのでしょうか?
改めて牡丹の匂いを嗅いでみないといけないな、と思いました。
家の周囲で早くもスズメの雛がかえって啼いている。まだ虫が少ないので親たちは朽ち木で虫を探したり、草むらの死骸などを運んでいるようだ。
一方不思議の鳥、コムクドリはまだ抱卵の気配がない。
上がメス、オスは頬や胸に模様があり羽にメタリックなブルーが見られる。
時には他のオスやメスがやってきて、小さな諍いが見られる。
巣は決まったようだ。虫が出始めるまで子作りを待っているのだろうか。
スズメなどと同じくコムクドリは一日一個ずつ合計5,6個の卵を産むという。最後の卵を産み終わると初めて抱卵するらしい。もしかしたらこのペアのメスは産卵の最中か。
抱卵は雌雄交替で暖める。昨年の観察では一羽が巣に入ると一羽が飛び出した。時には巣から出て待つこともあったが、替りが来ないとまた戻った。
「我が愛の譜 滝廉太郎物語」その2 唱歌運動と小山作之助 そして肺結核。
去る4月14日、映画「我が愛の譜 滝廉太郎物語」のDVDのことを書かせて頂いた。伝記映画なので滝作品の誕生、留学の経緯、発病と死など克明であり、添えられる純愛なども丁寧に撮られて興味深い。クラシックの名曲が次々と入り重厚な映画だと思った。普段あまり映画を見ないのに、たまに見ると妙に夢中になる悪い癖が出る。
今回はブログ1000回目の投稿ということ、引き続き「我が愛の譜 滝廉太郎物語」を話題にさせて頂いた。
劇中、キーワードの一つに明治時代中期から起こる幼稚園ならびに学校において皆で歌うことの唱歌教育の普及、あるいは口語で歌いやすい歌をという唱歌運動がある。
小山作之助は東京音楽学校で教鞭をとる傍ら、都内に生まれていたいくつかの私的な教育と実践場所である唱歌会に深く関わり時代をリードしている。映画で滝は、音楽学校に入学するまで「半年間小山先生の芝唱歌会にいました」、と述べる。また作之助も入学後の滝の精進をみて、唱歌会から推薦したかいがあった旨をもらす。
また学友が通う神田猿楽町唱歌会に滝がつきあう場面などには当時の雰囲気が垣間見られる。
ところで滝廉太郎は15才の最年少者として音楽学校入りを果たした。作之助の推挙の力が大きかったのでは、と推察される。
学校の入学方法はつまびらかではないが、一般的な進路を辿ったなら、夭折の音楽家の開花はもっと小さなもの、あるいは間に合わなかったかもしれない、と心配性の筆者は危惧した。あるいは作之助は滝の病の兆候を知っていたのか、とさえ。
作之助の母方の叔父は医師であり、交流を通して相談があった可能性はどうだろう。
映画で肺結核は留学中に重症化するが、学生時代すでに咳き込み、転地し静養治療する場面が何度か登場する。密かに始まり劇的に悪化する肺結核の描き方も感心した。いずれにしても彼の人生は急ぐ必要があったに違いない。
病により早期帰国し故郷竹田で養生する滝は、再上京を試みるが道中で喀血して戻る。最後、廃校となった故郷の分教場に残されたオルガンで遺作「憾」を書く場面は物語とはいえ、涙なくしては見られない。
滝のオルガンの音が止み、待っていた車夫が異変を感じて立ち上がる。
ところで結核は不治の病として世間から忌まれ、かたや周囲との一部関係は当映画でも厚く維持される。不思議といえば不思議な病気である。
筆者も高校2年生の春、レントゲン検診で肺結核と診断された。それまで頻繁に風邪を引き、時に高熱、絶えず微熱があったように思う。その年の9月だったか、父の母校である慶応大学病院へ連れて行かれ、手術の可否診断を仰いだ。
幸いパス、ヒドラ(アイナ)の服用とストマイ(ストレプトマイシン)注射の三者療法、後のカナマイシン注射の登場に救われた。また同病の級友や恩師、高田の下宿先ご夫婦などには本当に良くしてもらった。しかしそれ以前の人々の痛ましさは当映画においても切実である。
ちなみに、「憾(うらみ)」がYouTubeに投稿されている。旋律には病の苦しい呼吸が感じられる。
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