医療・保健・福祉・新型コロナウイルス

福祉施設の忘年会に出て。

2014年12月12日(金曜日)

今夕、医療スタッフとして加わっている上越市内の特別養護老人ホーム「しいおさいの里」の忘年会があった。
2000年開設の中堅施設で100数十人の職員がいる。

およそ皆若い。
言い方を変えれば若くなくては働けないのが介護福祉の現場といえる。
若さのメリットとして肉体の強靱さとともに人間の良さが挙げられる。

仕事の基本姿勢は前屈みの肉体労働である。
丸一日、足腰の負担は並大抵でない。

人は年令とともに知識、経験と称して時としてずるさや悪意も身につける。
しかし若者は一旦張り合いを覚えればその使命感は愚直なほどである。

当組織は高齢者とともに若年障害者も世話している。
開設以来研修に次ぐ研修と、内部の各種対策委員会を重ねて心技を研鑽している。

長時間を要する食事介助、手際よいおむつ交換、大量失禁の処置、排泄の誘導と介助、
着替えの世話、なだめと傾聴、投薬管理、褥瘡予防、補助栄養管理、入浴介助、医療連携。
一般からすれば出来ればやりたくないことを365日行う。

本日忘年会で思った。
「人生終わり悪しければ全て悪し、良ければ全て良し」であり、
「自業自得と批判する人にも思わぬ自業自得があり得る」のである。

80才まで良かったが、その後に考えもしなかった事態が待っている。
85才すぎて見本のようだった人に90才で夢にも思わなかっことが起こりうる。

人の最後は往々にして見当が付かないのである。
どれほど社会に尽くそうと、どれほど社会から疎まれようと,
「終わりは良くありたい」
これを保障するのは政治、なかんずく福祉以外にない。

なのに国は現場の評価を軽んじ、あまつさえ公共なのに自助努力などと逃げる。
経済第一の自助努力など一歩間違えば悪徳への誘導に過ぎない。

明後日は衆議院の選挙がある。
福祉の為にもまず景気。
こんなこと何十年も、耳が痛くなるほど聞かされた。

政治、そして福祉を知っていそうな人が居ればいいのだが、よく分からない。

辰砂の花瓶に水仙つぼみだった水仙が館内の辰砂花瓶で咲いた。
辰砂(しんしゃ):銅を主体として赤紫がかった紅色を呈するうわぐすり顔料。

イタヤカエデを植えた 何かを育てるのは張り合い、あるいは本能。

2014年11月12日(水曜日)

昨日11日は火曜日で樹下美術館は休館でした。
先日記載しましたイタヤカエデが年々立派になるのを見て、あと二本はほしいと考えていました。

さいわいネットの通販に1,5jメートルの苗が出ていましたのでそれを求め、
昨日お天気だった休館日に植えたという訳です。

044一本はカフェから見て正面奥に植えました。

046二本目は美術館左脇、もともと黄色のまだ幼いモミジがあった所を選びました。
イタヤカエデはしばらくすると1年に1メートル近く伸びるようになりますので楽しみです。

047その小さなモミジを美術館の真裏、館内の細いスリットから見える所に移しました。
(いずれも支柱をもっと丈夫にしたいところです)

ところで70才を何年か過ぎて樹を植えるのでは、その成長を見る時間はたいしたものてはありませんね。
しかし一般に花や野菜、稻や樹、人や仕事あるいは趣味など、わずかでも何かを育てたい、という心境は年と無関係のはりあいで、
ある主本能の如きものではないかと感じられるのです。

かなり昔のことですが、長くお孫さんのお弁当を作っていた高齢のおばあちゃんがいました。
お孫さんは高校卒業後、都会の大学へ進学しました。
するとおばあちゃんに明らかな鬱が現れて進行したのです。
大学に受かったのだから喜べばいい、と家族は慰めましたが、最後は肺炎で亡くなられました。

日中お天気は持ちましたが、夜に入り予報通り風が強くなってきました。

打って変わって快晴の日 頑張れ中学生ボランティア。

2014年10月29日(水曜日)

昨日の荒天と打って変って本日カラッと晴れた。
女心と秋の空、、、、。
ほとんど聞かれなくなった言葉だが、私が知っている限りお天気ではしっかり生きている。

庭樹下美術館午後の庭。
荒天後の本日、スタッフの落ち葉掃きはきっと大変だったはず。

リュウノウギクリュウノウギクと紅葉が始まったマユミ。
スズラン、シュウメイギクなどと並んでリュウノウギクの白さは美しい。

特養の駐車場午後出務した近くの特養ホーム「しおさいの里」。
大勢の中学生ボランティアが楽器などを抱えて到着した。
窓から手を振るお年寄りに向かって笑顔で手を振る生徒さん達。

決して恵まれているとは言えない現高齢者福祉制度。
このような光景が明るい明日の根っ子になってくれることを切に祈った。

厳しい制度下でこの施設には実直さが感じられる。

保育園の健診 恵まれた保育園。

2014年10月21日(火曜日)

本日雨がちの一日の午後、近くの保育園で秋の健診をした。
感染症の流行はなく心身すこやかだった。

春秋の年二回、ここへくるとおとぎの国へ来たような錯覚に陥る。
1~2才児は小鳥か天使のようであり、年長に近づくにつれ可愛くも頼もしくなる。
早生まれはいずれもあどけなさが残り、私は2月だが3月生まれの長男を思い出した。

1外観3厨房との境界ガラス5延長保育の持ち物入れ7室内プール9大きなホール 2アプローチのベンチ4可愛い椅子6遊具8広い階段10AED

上越市大潟区は人口1万人少々で、
小中学校とも1校ずつ市立保育園は2カ所で、養教育システムはシンプル化されている。
本日の保育園は東西二つの広場と砂場を有し、ゆとり十分の立体的構造は大人でもわくわくする。

中央のホールおよび階段も大変広く、園児は活発に動き回りることが出来る。
毎年6月から使用する室内温水プールを初めて見たが、暖房、シャワー、トイレ、前室、ほかに2基のミニプールなど驚くほどの設備だった。

ここで午前7時からの早朝保育、夕刻7時までの延長保育の取り組みは早かった。
保母さんたちは優しく、張り合い、とは園長さんの言葉。

11懐かしい旧大潟町の町章と1999年の竣工表示。

園内は充実し環境は恵まれている。
すこやかな子育て環境は地域の大切な基盤だ。

産卵期のカマキリ二色 御嶽山噴火と医師。

2014年10月1日(水曜日)

本日昼の庭で茶色のカマキリを見ました。

色は違いますが先日(9月27日)と同様お腹が大きく、産卵を待っているようでした。

カマキリは人間が近づいても慌てずに、見て見ぬ振りをしたり、じっとこちらを見てたりします。
ご異論はあろうかと思いますが、どことなく猫の気配に似ていないでもありません。

緑のカマキリ先日のカマキリ。

茶色のカマキリ本日の茶系のカマキリ やはりお腹が大きい。
これらはオオカマキリという種類で、生活の場の違いでもともとの色が違うようです。
棲み分けているのですね。

シュウメイギクいつも遅い我が秋明菊がようやく開きました。

ところで御嶽山噴火の犠牲者さんが増え続け、痛ましい限りです。
このたびのことで遭難された方々が心肺停止とされる期間が長く、不自然でお気の毒に感じていました。
どうしても現場と医師の距離が気になります。

まだ助かる人がいるかもしれません。
医師と現場がより接近して迅速な対応がなされることを切に願っています。

医師の寿命と健康。

2014年9月30日(火曜日)

今夕ある医師のお通夜に出かけた。
まだ50代の貴重な病院医師だった。
大変お世話になった方で痛恨の極みである。

この数年、現役の医師が重篤な病で倒れたり亡くなることが相次いでいる。
「先生は大丈夫ですか」と私を心配した後輩が見に来たこともあった。

倒れる医師たちに「無養生」という言葉は当たらない
私の知るかぎり倒れた医師達も健診を受け節制している。

万一健診を受けていなかったとすれば、そのために半日休むのなら
少しでも眠りたいという過酷な日常が想像される。

そもそも昔から医師の平均寿命は短いと言われる。
平均よりも数年から10年近く短いとも。

私は現在、美術館を営み、幸か不幸か多趣味もあって多事に携わる。
しかし昭和50年開業後の二十数年間は昼夜を問わない急患や往診に追われ、多くの胃がんも見つかった。
一日200人を越す日もあり生活のストレスは強かった。
それを越えたら医師会長が待っていた。
数年前の健診で頸動脈の劣化、老化が分かったが積年の産物に違いない。

今も外来のほか、常時30人ほど在宅患者さんを抱え特養ホームにも定期的に出る。
昔と違い、ホームでも看取りをするようになった。
近時、盆正月に5日の休みをもらうが、大抵誰かを診たり看取ったりしている。

先日、丁度私と同じ年の医師ご夫婦がカフェに来られた。
ご主人は多忙な開業の中から二つの特養ホームに出務されている。
「私たちは日帰りの旅行しかできない」と仰った。

「先生、少なくとも一泊くらいしてください、当日急変があれば私が診ますよ」
と思わず言った。
「これから小さな土地で庭づくりを趣味とし、そこに小屋を作って音楽を聴いたり読書をしたい」
とも仰った。
この医師にあらためて強い親しみを覚えた。

上越市に何十億という箱物を作る余裕があるのなら、地域医療の充実にまわらないものだろうか。

トンボとトクサある日の庭。

学校保健委員会 減らすことの考え方。

2014年9月25日(木曜日)

本日午後から当地の小学校で今年2回目の学校保健委員会がありました。
参加者者は5年生4クラス全員と保護者、校長、担任、養護教員、学校医、区の栄養士と保健婦でした。

テーマは「食から見直す生活習慣」。
過去には生活リズム、運動、メディアとゲーム、睡眠、肥満などが取り上げられましたが、本日の食は最も重要なものです。
しかし適切な食習慣やそれへの是正などについて話や議論をするのは案外むずかしいのです。
話し手の情熱や力量(体型も)が不足すれば退屈で何も伝わらない時間になりかねません。

本日、上越市大潟区の保健師と栄養士がそれぞれ話をしました。
配布されたパンフレットはずばり、
「寝たきり予防はこどもの頃から始まることを知っていますか?」でした。
このような言葉で小学生と親御さんたちに話をする時代になったのでね。

驚くと同時に非常にまっとうな視点だと思いました。
健康と人生はある種哲学的な命題ですが、今から遠く終末まで見据えて考えてみましょう、というのです。

特に今回は「食」。
望ましい寿命のための第一はやはり「食」であろうと考えていますので大賛成でした。

ところで「食文化」という言葉が美しく使われて久しくなります。
しかし健康の為の「食」と、文化としての「食」はいささか違うのではと考えられます。
文化とつけば不倫も不潔も、無謀さえ文化と言えないこともありません。
それが食なら過食も肥満も、アルコール依存症も文化として成立してしまうリスクを心配するのです。

医療や保健から見れば食の根底はあくまで健康にあり、
今日長いスパンで言えば「(長い)寝たきり予防」のためにあるにちがいありません。

さて、多くの食習慣の是正には「増やすこと」より「減らすこと」が求められます。
子どもにおいても脂肪、糖質、肉類の過剰摂取は成人同様に指摘されるようになりました。
しかし過剰の習慣は手頃な満足感につながっていて、減らすことは中々大変です。
禁止や精神力を求めるだけでは反発にもつながりかねません。

「減らしたら損をしたと思わないで、体の為に得したと考えて下さい」
「減らすことは、体が望んでいるとても良いことなのです」
「体はだまっていますが正直で、良いことをしてやれば喜んで反応してくれます」

日頃の現場で、くりかえしこんな風に話して「頑張りましょう、応援しています」、と伝える
ようにしています。

このことで、メタボでは「まず運動」、次いで「食の配慮」の図式が続いていました。
なぜこうなったかわかりませんが、実行の難しさ、経済界への配慮などが働いていたのかもしれません。

私はあくまで「まず食事」、「同時に適切な運動」の図で考えます。
本日、保健婦さんと栄養士さんは血液量をペットボトルで、血糖値をシュガースティックで、肉と野菜は見本を示して話しました。
彼女達は本気であり、情熱と力量そして勇気の進化を賞賛せずにはいられませんでした。

さらに「自分で考える」ことの強調も大変良かったと思いました。
お二人の話の後「減らすこと」への理解の仕方を話してみました。

本日話題になりませんでしたが、実は寝たきり予防には骨折の回避があります。
そのためにも適切な食事と運動への配慮が欠かせませんね。
私は本日から区の保健師、栄養士さんへの考えを変えることにしました。

012小学校へ出向く前に雨の美術館で食事をしました。
普段家の食事は葉野菜、根菜をメインというほど沢山食べます。

午後から地域産業保健センターへ出務 健診や保健事業を活かして。

2014年9月10日(水曜日)

本日午後から上越医師会館にある上越地域産業保健センターで相談医として出務しました。
当センターはおおむね従業員50人未満の事業所の健診結果やメンタルヘルス、長時間勤務などについて助言や相談を行うのが目的です。
上越地域では当機関が一帯をカバーし、毎週水曜日午後に医師会員が順番で出向いています。
本日は年に一度の役回りでした。

三つの事業者さんが来られ、およそ30人分の健診結果や長時間勤務への助言、相談をしました。
担当管理者さんや事業主さんはいずれも熱心で、年々意識が高まっていることを実感しました。

課題はアルコール、肥満、脂質代謝異常、肝機能異常、喫煙、などの生活習慣のコントロールが変わらぬ項目でした。
生活・勤務方法の検討および受診など、健診の事後や保健相談は現在だけでなく、将来の健康/疾病に強く結びつきますので、
人生そのものをバックアップする点でも意義は大きいのです。

せっかくの保健事業を活かすために、このことも皆さんに強調してと、お伝えしました。

 

012出務した上越医師開館から駐車場を望む。
本日も健診の人で多くの車がありました。
私も毎年受けています。

019今夕診療を終えた時間の四ツ屋浜。西から大きな雲がせり出している。
東京は大雨、当地も夜になって雷が鳴り時折強い雨が降った。

明日は晴れてくれればいいのですが。

熱中症の季節 強いムクゲ 四ツ屋浜の夕暮れ。

2014年8月1日(金曜日)

暑い日が続いている。

この日午前中、一人で畑仕事をされていて倒れ、自ら気づいたいう女性が来院された。
37,7度の発熱だが感染症症状はなく典型的な熱中症。

超高齢や糖尿病の方では熱暑に対する脱水症への閾値が低下している。
多い糖尿病で言えば、夏は美味しい漬け物、、ビール、清涼飲料水、スタミナ食意識、来客、外食、旅行などによって、
オーバーカロリーとなり、運動不足の冬にも劣らず血糖コントロールが乱れやすいように思われる。
本日の方もこのようなケースに相当され、午前早めの畑でお茶持参にも拘わらず倒れられた。

例年9月半ばまで油断できない日が続く。

土手のムクゲ暑さの盛り、しかも直射日光のもとでムクゲが咲いている。
枝などはとても軟らかなのに強い花だと思う。

落日

直江津方面本日四ツ屋浜の夕暮れはきれいだった。

傍にいた一人の青年がスマホを構えて自分を写そうとして苦労されていた。
背景に夕陽が入れば自分は暗くなるのでアングルが難しいらしい。

撮ってあげましょう、と言ったまでは良かったが、今度は私がスマホに手こずってしまった。
少し横を向いて貰って何とか撮れたましたが。

清々しい犀潟グラウンド 曇りガラスにツタ草の影。

2014年7月8日(火曜日)

台風8号は沖縄に接近しつつ、速度が遅いため九州上陸は10日と伝えられた。
わずかに勢力を弱めたようだが沖縄はまだ特別警報が出されている。

本日日中は晴れ間が多く、暮れてから雨が降ったり止んだりした。

数日蒸し暑さが強まり、昨日高齢の在宅の方が40度の発熱。
反応を失っていて昨日に続き本日は2本の点滴。下熱してきたが油断は出来ない。

犀潟グランド定期訪問で訪れた犀潟。そのお宅の近くにグラウンドがある。

グラウンドは海のすぐそばでとても清々しい。しかしこれだけの芝生を管理するのは大変だと思われるが誰が行っているのだろう。日曜日などには子ども達の一生懸命な野球やサッカーが行われる。

 ガラスのツタ本日廊下の曇りガラスに写っていたツタ草の影。
アール・ヌーボ調の眺めは涼しげに見えた。

現在23時を回り雨は上がっている。ずっと続いていた遠雷が少しずつ近づいて来た。

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