医療・保健・福祉・新型コロナウイルス

本日の新潟県立大潟水と森公園 当面新しい文化で。

2020年2月29日(土曜日)

本日、新潟市で一例目の新型コロナウイルス感染が確認された。
それでも空は晴れ、午後、近くの新潟県立大潟水と森公園をほぼくまなく歩いた。

今冬雪の日がほとんど無かった園内は、例年よりも早くきれいに仕度されていた。

 

 

 

 

 

 

 

できるだけ閉じられた混雑を避ける丁寧な手洗いをまめに行う。食べ過ぎ飲み過ぎを少々慎む。
当面、どこかしら新しいこのような文化に親しみつつ頑張るので良いのだと思う。

今朝の雪より驚いたこと。

2020年2月28日(金曜日)

今朝がた突然雪が降り驚いた。午後の在宅回りでは、少し海岸から離れると雪は見られず、海沿いだけ帯状に降ったらしい。

 

今朝の潟町の庭。

さて雪よりずっと驚いたのは昨日首相から発せられた小中高の一斉休校の一声だ。
いま行う全ての対策はこどもを学校に通わせ続けるために行うくらいの覚悟が必要なはずである。学校や教育はそれほど貴重で、社会の最上位レベルにある。
それをこうもあっさり止(と)めてしまうとは何なのだろう、本当に驚いた。

新型コロナウイルス検査一つの考え方 かけらでも良いから愛情を。

2020年2月26日(水曜日)

昨日政府から新型コロナウイルス対策として基本方針が発表された。
過去にSARS、MERSの国内感染が無かったこと、有効な抗ウイルス薬とワクチンが無い事、さらにPCR診断が十分行き渡らないことなどから決定的な機軸が示されないまま苦しい内容にならざるを得なかった。
新たといえば、クラスター感染という概念が示され、当面それを管理抑制するのが課題という考えが伝えられた。

医療は、重症者を優先し医療資源を保持すること。感染拡大が危惧されるため、不用意な病院受診を控えること、の二点が強調され、以下のような以前からの具体策が継続されるようだった。

【受診要点】
初期のかぜ症状であれば基本家で療養。
受診の目安として以下①,②のいずれか。
37,5度以上の熱が4日続く(※高齢者あるいは基礎疾患のある人は2日)。
または強いだるさ、息苦しさの症状。
受診相談は最寄り保健所へ電話する。
今後感染が大幅に増えた場合、感染が疑われる患者さんを一般の医療機関でも受け入れる。

【問題】
疾病の重い軽いを自分で判断するのは簡単ではない。診察において、一見大した事がなさそうな人のレントゲンで肺炎が見つかることがある。熱にしても、「ありませんでした」と言う人を耳の赤外線で計ると38度あることは、そう珍しくない(熱ははかり方で全くちがうことがある)。
そもそも4日間、症状と微熱を抱えたまま家にこもるのは容易だろうか。心配が増幅され、かえって関係機関の電話が鳴りっぱなしになる、という逆効果を考えなくていいのだろうか。
問題は診断であるが、驚いたことにクルーズ船の段階から、この国ではコロナウイルスのPCR検査能力が極めて不足していたという。日本はこんな国だったのか、「残念」で「恥ずかしい」と言わざるを得ない。ようやく増えたというが、まだ十分ではなさそうだ。

【一つの方法】
疑いのある人が病院に出向くのに感染拡大の懸念があるなら、検査だけでも家で受けられないか。訓練された保健師などがPCRの検体採取セットを持参して巡回するのである。
あるいは現医療機関をつのり、基準を設け検体採取に回る。
巡回が目立つため差別を生むのであれば、個人が保健所に出向くのはどうだろう。希望者はマイカーで寄り道を謹み、検査だけに限定するのである。(一般と動線を区別された小さなスペースで良い、保健所にはいくらでもあるように思われる)。
※いずれも双方十分なガウンテクニックを採用し、接触を短縮するため問診は電話かメールで済ませる。検体採取は入り口など浅い場所で素早く行い、サインして終わる。費用は特別な措置のもと公費を検討すれば良い。

○患者さんが来る、こちらが行く。どちらにどのようなメリットとリスクがあるだろう。費用対効果は如何ばかりか、難しいところだが、一つの考え方ではないだろうか。

【朗報?】
今夕のニュースである製薬会社が小型の迅速診断機器を開発したと伝えていた。3月末までに実用化可能、15分で結果が出るらしい。抗体検査なら一定の経過を経る必要があるが、PCR法に準ずるのであれば大変な発明である。補助診断でも朗報であろう。

【イベント】
首相から大規模なスポーツや文化イベント自粛の勧めがあった。Jリーグは残念だが一昨日のゲームとスタンドはやはり異様だった。

【いずれにしても】
新型インフルエンザの時はタミフルやリレンザがあった。しかしこのたびは丸腰である。
医療に格好などつけなくても良い、政府は国民に対してかけらでも良いから愛情を示してもらいたい。

大潟沖の船とカモメ Jリーグは大丈夫か。

2020年2月24日(月曜日)

昨日は風強く寒く、大潟漁港では手が冷たくて往生した。一転して本日日中はよく晴れ、風も弱まり温かかった。

 

本日昼カモメを撮っていると直江津港からタンカーが出て来た。

 

ところでこれまで何度か新型コロナウイルスの件を書いてみた。免疫やこどものこと、消化器合併症と栄養などに触れた。一般的な経験則を拠り所に、さほど間違ったことは書かなかったつもりだが、動向には注意深く接して行きたいと思う。

目立ったところでひとつ、Jリーグが歌などを自粛して開催された。しかし今は問題ではないだろうか。

明日、国から全体について新しいまとめが公表されるらしい。

大きな海 小さな小さなウイルスの理解。

2020年2月23日(日曜日)

昨夜から台風にまさるとも劣らない風が吹いた日曜日。
大潟区渋柿浜の大潟漁港の波は圧倒的だった。カメラのレンズに絶えずしぶきが吹きつけ、何度も拭かなければならなかった。

 

 

いっとき陽が射した時間に堤防に当たる波しぶきは迫力があった。
このような時に一瞬虹彩がかかることがあるが本日見られなかった。

目に見えない小さな小さなウイルスがひきおこしている災禍の日常で、大きな海の動静を眺めるひとときは少し気が休まる。

いま季節は移り、移動、進学、引っ越し、歓送迎会、スポーツイベントと観光シーズンがはじまっている。コロナの状況はようやく日本人メインになってきた。対応の中に多くの外国人が介在したこれまでに比べて、状況に幾分整理がついてきた。ここに到っては、大声のマスイベントなどは暫く見合わせ、新たな封じ込め対策を実直に実行し確実に克服に向かった方がいいと思う。

経済のダメージは大きいが、だらだらと進めて、何時終わるともしれない深みにはまるのが最も良くない。緩むこと無く綿密かつドラスティックな対策を是非履行してもらいたい。

今ウイルスは何を求め、どんな環境を喜び、何を嫌やがるかを知り、どんな状態に置かれているかを理解することは、私たち一人一人にとって有益ではないだろうか。敵を知り己を知るのは戦の基本。〝本当の専門家〟の話を聴いてみたい。

インフルエンザ、ノロ、ロタ、コロナなどウイルス疾患と栄養の重軽。

2020年2月22日(土曜日)

新型コロナウイルス感染により、クルーズ船の乗客からついに二人の死亡者が出た。その中のお一人は84才の女性で、持病がないことで下船による治療が遅れた。
持病の有無にとらわれ、存在した下痢症状が軽く見られたフシがある。一般に疾患の過程で生じる下痢などの消化器症状は重症化に結びつききやすい。高齢であればなおさらであり、下船治療を急ぐべきだったと考えられる。SARS、MERSにおいて消化器合併症の重大さは経験されているはずであり、このたび軽視されたのはまことに残念だ。

ところで普段インフルエンザの予防や対策でしばしば〝十分な栄養〟が勧められる。しかしシーズンだからと言って、あるいは罹患により発熱や倦怠感を訴えている人に、言葉どおり十分食べるのを勧める事はリスクが大きい。
ウイルス性疾患はおよそ全身に作用し、しばしば消化器をも障害する。そこへ無理して食べ、過重な負担を強いた場合下痢、嘔気、嘔吐を生じ、回復に必要な体力と栄養さらに免疫を喪失し治癒の遅れと重篤化をもたらすことが危惧される。回復期ならばともかく、進行中の食事はあくまで無理をせず、消化器を保護する方向を考慮すべきであろう。

そんなことから私は、インフルエンザなどで受診される方の栄養については、基本〝十分に〟とは言わず、〝普段より軽めに〟とお伝えする。あるいは必要に応じて一定期間の絶食、さらに野菜スープの上澄みやお茶と梅干のみを勧め、食べ急がないようにとお願いをする。経験上そのほうが早く軽快するのである。

消化管がメインターゲットになるロタあるいはノロウイルスではなおさらであり、日常でも、過度な栄養より、ほどほど、あるいは軽めの方が身体の代謝が促され、免疫が強化されることを長年信じてきた(もちろん良質な睡眠はいうまでもない)。

来週の横浜行きを中止した 新型コロナウイルスは生活習慣も関係する少々変わった感染症なのか。

2020年2月15日(土曜日)

実は来週末横浜に泊まり、翌日は鎌倉で梅を見ることを1月に決め、新幹線とホテルを予約していた。
楽しみにしていたが新型肺炎の一件で急遽予定を全てキャンセルした。旅行は誠に残念だったが、どうしても足が向かなかった。

加うるに流行は市中に拡大する傾向を見せ、特に観光の動線にリスクを感じる動きになってきた。新潟県の報告は未だ無い。パニックほどではないが、医療関係者であるだけに万一発端になることだけは避けねばということがあり、中止して良かったと思っている。

ここに到り、海外ばかりではなく国内観光に二の足を踏む人も少なくないかもしれない。そもそもマスクをしてする観光は果たして楽しいだろうか、というのもある。その延長でいえば、この先何万というマスクをつけた観客が座るかもしれないオリンピックは、悪夢ではなければいいがと心配になる。

安易な見通しは厳に謹み、病態、疫学、診断、トリアージなどの精度を上げ、柔軟な受け入れ体勢を確立し、有効な薬剤とワクチンを急ぐほか道はない。未知の疾患だけに、大規模な知見を重ねている中国の真摯な取り組みと協力も不可欠であろう。

クルーズ船は果たしてどうすればいいのだろう。サーズとマーズにこの件はあったのだろうか、難しい問題である。
※ちなみに2003年6月9日更新として、以下の様にWHOから出された
国際クルーズ船における感染予防措置とSARS「可能性例」の管理 のページがありました。このたびの日本の措置の骨格はこれに基づいているのでしょうか。
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/update75-cruise.html

さて、言うまでも無く条件として密集と閉鎖環境は感染症にとって最悪であり、船そのものがそのままウイルスの培養環境にも変わり得る。新たな感染者と治癒者の平衡はどう推移するのだろう。水際をうたいながら感染者が増え続けているところをみると、防護マニュアルと実践テクニックの乖離が懸念される。検疫官や救急隊員の感染など、現場の疲労と汚染も想像され全く気の毒である。

一方で、繰り返される感染連鎖によってウイルス自身が変異強化されている懸念は払拭できない。当座多くを占める乗船者の引き取りに動きそうな米国の動向と日本の対応が一つの鍵になりそうだ。

それにしてもマスクは厄介な問題だ。感染者には吐き出すウイルスをとめると同時に、そこに蓄積させ濃縮させる装置に見える。一方予防者には空気中からウイルスを集め、局所の汚染を促す場所にも見えるのである。
特に慢性呼吸器疾患のある人にはマスクは苦しくてたまらないだろう。一般に呼吸の出納はかなりギリギリの平衡で成立しており、マスクによるわずかな制限が及ぼす心肺への影響は無視できない。高齢者に多い病態だけに感染の有無にかかわらず、このような人がいた場合、本当にマスクを付け続けることなどできるだろうか。

最後に、私は詳しくないが、船内の飲食と運動、あるいは喫煙などの感染症への影響は如何なるものであろう。これらの影響を受ける血糖の上昇機序ほか免疫能の動向もやはり気になる。
このことでいうとこのたびの武漢の正月大宴会、東京の屋形船での新年会はどうなのか。市中へ拡大した状況であれば、大勢の閉じられた密集空間における長時間の大声や飲食は、過労とともにいまやリスクかもしれず、配慮を要すべきものかもしれない。

サーズ、マーズとも私たちには経験が無い。いまのところこどもたちが免れていのは、疾患の一つの特異的側面であり、微妙な免疫の間隙を突いてきそうな点で、偶発的かつ大人中心の生活習慣が絡んだ感染症という、変わった病気でなければ良いがと、少し心配している。

落ち着いたなら是非とも横浜と鎌倉を満喫したい。

在宅医療は大事業 ヴァレンタインのプレゼント ジョージ・シアリング。

2020年2月10日(月曜日)

月1出向いている百才が近いおばあさんは、通い始めてから4,5年は経つ。
促されてベッドで目を開けると一瞬笑顔風な表情になるが、すぐに眠ってしまう。これまで骨折をしたり、執拗な呼吸器疾患や皮膚疾患、時に裂傷を負ったりして何度も病院へ行った。介護者にとって、寝たきりの方を病院に連れて行くのはその都度大変だった。

毎夜二時三時にもオムツを替える介護者の娘さんは、表向きには文句を仰るが、強い愛情をもって接しているのが分かる。
在宅医療というと場合によって美しく聞こえなくもない。しかし癌の方や長い要介護4,5レベルの方を看るのは、一種戦争のようでもあり、ご本人も寝ているだけではなく傷だらけになって戦っている戦士のように見えてくる。
概して在宅医療は一大事業だ。

本日の訪問で、おばあちゃんからです、と言ってお宅からヴァレンタインのプレゼントを頂いた。

 

介護者が作っているルッコラ。それにチョコレート。

 

今夜サラダになったルッコラ。

 


ジョージ・シアリングのマイファニー・ヴァレンタイン。
若かりし時代にラジオからよく聞こえたシアリングは幼くして視力を失ったピアニストで作曲家。
アメリカで活躍したが、晩年母国イギリスから大英帝国勲章を授与された。
1950年代であろう録音はモノラル。以前も書いたがモノラルのピアノは残響が少なく音がコロコロと丸く可愛く聞こえ、私は嫌いではない。

ここへ来て寒さが強まり、冬が意地をみせている。
今日も寒かった。

冬の半分が終わる昨今の卓上 気になる新型肺炎。

2020年1月23日(木曜日)

暦上の冬が半分過ぎた。
春は待ち遠しいが長くお世話になった人が去ることがあり、一概に楽しみばかりとは言えない。

雪が少ないとはいえこの時期、昔のドカ雪が思い出されやはり冬の本番というイメージがある。
そんな折、卓上にのぼった二三の食べ物を載せてみました。

 

お世話になりました、と訪ねて来られた方から頂戴したお菓子「福ハ内」。
節分向けのお菓子。一つ二つ食べてしまった写真です。

パッケージは豆撒きで用いる枡、お菓子はお福豆のイメージだという。桃山だがコーヒーにも合って美味しく頂きました。
上越を気に入っていると仰っていたご家族の皆様。どうかお元気でいて下さい、またお会いできることを楽しみにしています。

 

かって往診をした農家の奥さんが作っているという月餅。
本格的なお菓子をどうやって作るのでしょう。
色々な腕前を有している方がいるものだ、と感心しました。

 

 

越の雪というお菓子。
雪という字がつくと一段と上等な感じになる。

 樹下美術館うらの土手付近の庭で採れたフキノトウ。
どなたかに採られたのか、小さいものばかりでした。
毎年頂いているギンナンとのテンプラは良い香りがしました。

 

シラスが入ったサラダ。
シラスは春が旬らしいのですが、それとは関係無くよく食べます。

 

中国の新型肺炎(武漢肺炎)の報道が止まりません。春節の大移動、医療従事者の感染、海外の発症例、厄介なコロナウイルス、確実な治療法が無いなど、目に見えない相手だけに緊張します。

一方みている範囲のインフルエンザは大人の罹患者が多くなっている印象があります。まず自分が用心しなければと思っているところです。

超高齢者、福祉医療の隙間 日曜日の胎内市は中条の海岸。

2019年12月17日(火曜日)

先週末はお二人の看取りがあり、昼夜4回の往診をした。
かっての週末二日間に10回近く往診が必要だった日もあった頃に比べれば、楽になったと感じられる。

そのような中、事情によりやや長期のショートステイを利用中の方などで容態が悪化した場合、ご本人の境遇から施設、在宅とも行き詰まりを生じる場合がある。
ならば病院であるが、超高齢者をすんなり受け入れるのに地域の病院事情が十分な余裕を有しているとは限らない。このような場合往々にして関係者は、「なんとかして」と一斉にこちらを見る。だが考えるに事情は医療の範疇を越え、本来なら福祉職による諸機関の調整案件ではないか、と一人思案にくれる。
近時福祉分野の各職は高いモチベーションを有しているが、病院に対してもう一歩踏み込んでは、といまだに思うことがある。
本日たまたまこのような課題が予想される事例が生じた。是非とも関係ケアマネ、地域包括、病院連携室またワーカーが連携調整し、シュミレーションをして突破してほしいと思った。勿論相談に参加するし先が決まればしっかり紹介状をお書きするつもりです。

さてその先週末の日曜は午後をすぎて体が空いた。それで車を駆って胎内市は中条の村松浜に出かけた。
そこの海岸は当地近隣と異なり、さらさらと白い砂が広がる遠浅の海である。2009年5月にたまたま訪れ、白砂と見事な風車の列が気に入り、その年の秋にも出かけた。
最近コマーシャルだろうか時折テレビで流れ、冬如何ならむと思いたち、空を気にしながらで出かけた次第。

以下のように短時間でしたが海岸を往き来して写真を撮りました。

 

 

 

 

風が強く寒い日でした。
季節風によって漂着物が沢山ありましたが、夕暮れに紛れて少し写り込みを回避できました。
春になったら是非ともまた訪ねたいと思いました。

 

ところで昨日美術館に寄るとお客様が、私たちも新潟市でワイエス展を観てきました。館長の写真はワイエスの絵に似ていますね、と仰った。途方も無いトレーニングを積み、研ぎ澄まされた独特の感性を有し、時間を掛けて克明に描く芸術家に比べられるべくもありませんので、かなり面はゆい思いをしました。

140キロほどあるのでしょうか、日曜日午後の中条は少々遠かったです。短い陽を気にしながら早々に帰ってきました。

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