三冊の図書。

2025年4月18日(金曜日)

カフェの図書に以下三冊追加致しました。

「おんぶの温もり」著者齋藤利江
2015年9月6日(株)日本写真企画発行

今や「抱っこ」の養育となりほぼ見られなくなった「おんぶ」。写真集に見られる昭和30年代、おんぶは文字通り日常の風景でした。昭和30年代はおろか、私が当地で開業した昭和50年ころに突然「はしか」が大流行しましたが、玄関まで幼児をおんぶしたお母さんやおばあちゃんたちで一杯だった事が思い出されます。

抱っこの場合児は前が見えません。しかしおんぶは背負う人と同じものを一緒に見ることが出来ます。早くから自然や社会を年長者と共に見聞できるので教育面のメリットは無視できないのではないかと思うのですが、実際はどうなのでしょう。

じゃんけんで負けた子が勝った子をおんぶして歩く罰ゲームのようなものもあり学校帰りでよく行われました。ひ弱だった小学時代、私が負けるたびに居あわせたK君が「おれがぶってやる」と言ってくれました。

2冊目は平成19年9月~21年1月まで小学館コミックに「三丁目の夕日」として連載された写真とコラムの一冊です。

「三丁目写真館」著者齋藤利江
2020年12月21日第3刷(株)小学館発行

これも昭和30年代の写真ですが、子供たちの弾ける笑顔、食い入るような眼差しはどちらも子供ならではの幸せにちがいありません。
地元の日常から東京の進駐軍まで齋藤さんの社会や世相を生活の一旦から的確に切り取る感覚と、撮影時の瞬間的な構成力には驚かされます。
今では一般に知らない人を撮るには許可が要りますので社会を自由に撮影できるスナップ写真には制限があります。根本に撮影者の良心の有無が問われることでしょうが、齋藤さんの作品には全てそれが滲み出ています。

齋藤利江プロフィール概略。
昭和14年桐生市生まれ、昭和28年毎日新聞社『全国学生写真コンクール」特選、平成12年11月NHK出演、平成19年米国コロンバス州立大学で「平和と笑顔」展、ほか内外で多数の展覧会開催。

最後に去る3月30,31日、名古屋に一泊して豊田市美術館の生誕120年 黒田辰秋展を観に行った時の作品図録です。

「黒田辰秋 木と漆と螺鈿の旅」
2025年12月17日京都国立近代美術館
第2刷発行

信じがたい制作意欲と出来映えを誇る木工の黒田辰秋の膨大な展示は数多くの所有者の協力で成立していました。滅多に開催されない黒田氏の展覧会はこのたび国立京都近代美術館と豊田市美術館の2カ所だけでした。展覧会は5月18日まで豊田市美術館で開催される予定です。

ともすれば使い捨てされる日用品や家具が代々受け継がれ展覧会に出される。作品に籠もる磨かれた美しさには「福々しさ」が感じられました。

帰路、新幹線で夕刻の富士山を見ることが出来たのも忘れられません。

今日は気温が上昇し上越市髙田で26,4 ℃までありました。夕刻仕事終わりに横になるとすっかり寝入ってしまい庭仕事は出来ませんでした。

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