本日の冬鳥 彼らの幸福とは。

2025年1月9日(木曜日)

厳しい寒波が来ている。終日強風が吹き荒れたが雪はさほど降らず美術館や仕事場の積雪は5センチ程度のままだ。だが今夜から明日一日は相当に降ると予報されている。

ところで待ち焦がれているハクガンは何時飛来するのだろう。昨日外来で鳥に詳しい方とお話したところ北の飛来地(八郎潟)の積雪次第であり、この度の寒波によってそろそろやってくるのではないか、と聞いた。

それで本日はまだかとばかりホッカイロを幾つも付けていつも見に行く所を回ってみた。私が観察できるのは頸城平野のわずかな一角だが、残念ながら目にすることはなかった。

以下はこの日のアトリと僅かの雁です。

季節風を防げる高台の下の田には色々な野鳥がやってくる。本日はアトリの群が跳び回っていた。かってアトリの非常に大きな群を何度か観たことがあるが、目にしたのはそれらの何分の1、まあまあの群だった。

雪まじりの強風の中あっちへ行ったりこっちへ来たり。田に下りたと思うとすぐ飛び立つ。飛び回るのは良いがちゃんと食餌が出来ているのか心配になる。忙しく移動するのはタカなどの捕食者から逃れるためのようだが、それにしてもである。

群が近づいて来た時の写真。
よく雀が混じっているが、
本日の写真からはアトリ一色だった。

いっとき吹雪のなかのガン。
ヒシクイかマガンか判然としない。

春爛漫の季節とは真反対の冷たく荒れる日の冬鳥を見ていると、こんな過酷な環境を選ぶ鳥たちの幸福とは何だろうと思ってしまう。しかもようやく春の訪れが近づく頃には、もうこ居られないとばかり北へ飛び立つのだから。

多分彼らが帰る北国の大地には淡い春の陽光と柔らかな若草が待っていて、気に入った伴侶とともに抱卵し子育てをするのだろう。そこにおける秋までが最も幸せな時間だと想像できる。それに対して今どきの当地は、凍り付くふる里を避けるための避寒地であり、彼らの野性からすればこの程度の気象なら何とも思わないのかもしれない。

時には翼へのあこがれはあるが、私には渡りなど絶対に無理で、せいぜい吹雪を耐える彼らを見てはその身を案じることしか出来ない。

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