A氏を亡くして。

2024年10月7日(月曜日)

去る日ある方A氏が亡くなられた。親しくして頂き世話にもなった。昨日お通夜でお線香を上げた。お顔を拝見させてい頂いたが静かに瞑目しているだけの表情だったので、声を掛ければ返事をしそうだった。

海山と音楽を愛し、ある団体で社会奉仕をされ、長年日本と海外の高校生を交換留学させる事業に取り組まれた。
数十年前、交換留学のお手伝いをさせてもらった時、“世界はテーブルの上でそれらしく話し合いをするが、下では足の蹴飛ばしあいをしている。せめて私達だけでも地道に交流し合わないと”と仰った。

クラシック音楽に造詣深かったA氏。樹下美術館は貴重な蓄音機をお借りしていた。その蓄音機を回しよくカフェでレコードを聴き、何度もお客様を招いてSPレコード鑑賞会を行った。

お考えと構えに貴重な品格を隠し持たれ、先人を尊び地域を大切にされた。負っている責任に対する熱意と周到な実行力は忘れることは出来ない。

以下は1971年10月24日、94歳で国連でスピーチをし演奏した時のパブロカザルスの映像です。当館でレコードを聴く際、よくカザルスの「鳥の歌」が最後に掛かりました。

 

カザルスは演奏に先立ち、
“私は40年も人前で弾いていませんが、今日は演奏しなければなりません。曲は小曲で「鳥の歌」です。鳥たちは大空でピース、ピース、ピースと鳴きます。音楽とはバッハやベートーベンほかの全ての偉大な音楽家たちが愛し尊んだものであり、それはとても美しく、私の国の魂とも同じなのです、カタロニアの。」”とメッセージを述べています。

本日はA氏のお葬式でした。私は急な胃カメラのため参列できませんでした。お葬式は悲しくも非情であり、昨日まだ体温が残り返事をしそうだった人があの遠い次元へ去り、完全に訣別しなければならない日です。

病は本当に残酷です、、、まだ若い人ならなおさらです。

明日から誰と話し、誰に聞けば良いのでしょう。

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