エラ・フィッツジェラルドとカテリーナ・バレンテ。

2023年8月31日(木曜日)

過日のこと“帰りのラジオがエラ・フィッツジェラルドをやっていたけど凄いね”と妻が言った。ジャズのことなどめったに口にしないのに珍しい事だった。
確かにエラが凄いのは○○賞をいくつも取っていると言うこともあろうが、とにかく歌が凄かった。

往時ジャズ歌手は沢山いてそれぞれ極めて個性的だった。若いころは色々聴くき比べては、この人は奇抜で面白いとか、新しいとかはたまた暗さが良いと言って悦に入っていた
それが年とともに次第にオーソドックスが良くなり、歌唱の深さ、あるいは輝かしさなどに耳を傾けるようになった。その結果かって個性的ともてはやされた人の歌は耳障りとなり遠ざけられるようになってしまった。こんなことは私だけのことか、一般論なのか全く分からない。

だがかような事でエラ・フィッツジェラルドの終始一貫した王道の歩み、多彩で広い音域、さらに絶対的な音感とリズムなどから、とにかく安心して気楽に聴くようになった。

以下彼女の人気曲の一つ「How High the Moon」です。


1959年の録音。

アドリブといえども周到にリハーサルされたジャストな音程のスキャットが素晴らしい。終わりの方に「煙が目にしみる」を挿入し、エンターテナーとして全力でサービスをしている。

一方でポピュラーといってもカンツォーネ、シャンソン、ボサノバ・ラテンまで歌ったカテリーナ・バレンテはイタリア出身でアメリカのエラよりも若いが、やはり凄まじい。


カテリーナ・バレンテの
「MOTO PERPETUO」(1971年録画)

すでに何曲か歌った後でパガニーニの常動曲「(MOTO PERPETUO」)をスキャットで歌っている。MOTO PERPETUOはイタリア語の表記。

 


協奏曲の「MOTO PERPETUO」
こちらの方がテンポが少し緩やか。

エラもカテリーナもそれぞれの分野の歌姫として世界を駆け巡り圧倒的な人気を博した。エラは亡くなったがカテリーナは90才を越えて健在だという。

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