ふとオスロ冬期オリンピック 背景は常に色々。

2018年2月22日(木曜日)

かつて小学生だった私は映画館で、次々に飛ぶスキー
ジャンパーの映像をずっと見ていた。
1952年のオスロオリンピックの記録映画で、髙田
の松竹館(現髙田世界館)で父と観た。
遅れて入ったのか、記憶に残るのは延々と続くジャン
プだけだ。

調べてみるとノルウェーで開催された戦後二回目のこ
の冬期オリンピックは、ナチスによって徹底的に破壊
された国土復興がテーマだったという。
そのため大規模なドイツ参加反対の運動が起ったが、
最終的に日本、イタリアとともに西ドイツが参加した。
また大会の一週間前に英国王ジョージ6世が亡くなり、
開会式典は縮小され、葬儀に参加したノルウェー国王
に代わって甥が開会を宣言している。

当時我が家では、ドイツびいきだった父が鞍替えして
米国の雑誌「ライフ」を購読していた。
写真が沢山掲載されるライフを私もよく見た。
その中に英国国王の死とエリザベス王女の戴冠式の記
事が、まばゆい王冠などとともにしばしば載った。
死亡した王の写真を見て、この人はどうして死んだの、
と父に訊いた。
“脳に出来たオデキが大きくなって亡くなった”という
返事だった。
身近な「オデキ」がそんなに怖いものなのか。
豪華な王冠を戴く人も脳にオデキが出来れば死ぬ、とい
う話はとてもショックだった。それが腫瘍であることを
知ったのは後々だった。

ところでライフと言えば当時、朝鮮動乱の最中で写真を
よく見た。

 


1968年、フランスグルノーブルに於ける冬期オリンピッ
クとその記録映画のテーマ曲「白い恋人たち」。
透明感あふれるとてもいい曲。

 


こちらは口笛編。

 


こちらはダニエル・リカリの歌。
勝ち負けよりも選手と競技に注目して撮られた記録は映画
として美しく、テーマ曲も本当に良かった。

恐らくオリンピックは常に大きな背景を抱えているのだろ
う。
戦争、冷戦、民族問題、テロ、事情で開催中止まであ
る。
このたびのオリンピックは、67,8年も前にライフで見
たその戦争当事国の開催だった。
平和の祭典といえども、いえそれならばこそ、大国や隣国
の利害を越えて、いまだに敵対し分断のままの者同士が解
決の課題を話し合うのは、義務ともいえる自然なことでは
ないだろうか。

核を残さないようあらゆる時間と手立てを尽くしてもらいた
い。これは二国だけの協議では無理かもしれない。

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