本日終戦記念日に辛かったであろう先人を思う。

2017年8月15日(火曜日)

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本日樹下美術館の庭

 

終戦記念日がお盆に重なるのは偶然とは思われ
ない因果を感じる。

残暑を迎えて終わった戦争、戦没者の霊魂はどん
な思いで実家に帰るのだろう。
自分の先祖のほかにその方達の胸の内を思うの
は自然な事のように感じられる。
先の大戦で200万人の軍人、兵士の死の痛ましさ
は消えない。

以前に書いたことがあったが、敗色濃くなる戦況で、
多くの兵は十分な武器もなく、立てないほど飢餓、
病にやせ衰え。援軍兵站は絶たれ孤立した。
栄養失調で横たわれば傷にウジ虫がたかり、最
後は敵の機関銃の前によろよろと出て打たれるか、
自死あるいは玉砕によって遠い南洋の島やジャン
グルで息絶えた。
父母兄弟、妻子、恩師に大切にされた若者や一家
の大黒柱たちの飢餓や病を中心とした不条理な死
は想像を超える数にのぼったという。

最後は兵に武器も食糧も与えず死なせる。
なぜもう少し兵(国民)を大切に出来なかったのだろ
う。
自分の身内にも無謀な突撃と拷問で亡くなった人が
いる。
捨てられた動物の如き死に際し、兵が母や妻子の
名を呼んだのは、薄れる意識の中でせめて人間
であったことの証を立てようとした衝動ではなかった
かと、思う。

今夜「全記録インパール作戦」が放映された。
当時を知る証言者はおしなべて90才半ばの超高
齢になっているが、核心に触れる言葉は明確だっ
た。
作戦指揮者に付いた若き部下が詳細に記録したノー
トをねつ造と指摘する者はいまい。
記録した当人が車椅子で生存していて、思い出した
くない、といいながら涙とともに絞り出した言葉は、
悲惨な敗戦に終わった戦争の根源を一言で言い表
すものとして深く胸に刺さった。

老いた記録者のシワの中のお顔は実直さが滲み、こ
のような人こそ美しい人なのではと思った。
歴史の生きた証言がぎりぎり間に合った、渾身のド
キュメンタリーだった。

終わった戦争を肯定したり美化する人が少なくない。
昨今誰を信じ親交すればいいのかわからなくなる。
最近になって言説よりも、その人の豊かな感性や繊
細さなど、人柄の良さが大切ではないかと思うように
なった。
誰も戦争は好きではないと言うが、どこかに暴力性や
傲慢さを秘めた人に出合うとやはり不安になる。

 

2
本日ベンチでワンちゃんと一緒に過ごされた皆さん。

 

3
優雅なアマガエルがいました。

 

 

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