頸城の海と里、梅雨の晴れ間の鬼舞と岩の原。

2016年6月26日(日曜日)

本日梅雨の晴れ間の日曜日、有志で糸魚川市鬼舞(きぶ)へ行った。
同地に江戸中期から明治期に北前船の回船業で栄えた県内有数の伊
藤家がある。

多数の船を有し大阪、瀬戸内、そして日本海沿岸および北海道の商業
港を巡る商いで成功を収めている。

同家のすぐ裏手の高所に五霊神社がある。
境内の鳥居や狛犬などの設えは広島県尾道の石であり、尾道の石工に
よって作られ、北前船ではるばる運ばれている。

蝦夷地へ米、藁、網、繊維、日用品などを運び、北海道で海産物、魚肥
小豆などを買い付けて商った。
同家の伊藤助右衛門[(1887~1967)は事業の近代化に取り組む一方
大正昭和期において富本憲吉(齋藤三郎の師でもある)と親交、民芸運
動作家たちの貴重なコレクターでもあった。

 


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↑気持ち良く晴れた日本海を望む境内。
長大な日本海を帆走、険しい海峡や潮流を越えて商いをしたスケールの
大きな先人たちを誇りたい。

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↑佐渡と能登を見ているような二体の狛犬の一体。
嘉永二年(1849年)と刻まれ、晴れ晴れとした姿だった。

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↑備後(びんご)尾道 石工(いしく)惣八作とあった。
狛犬にしろ鳥居にしろ文字の彫りが異常に深い。
尾道の職人は当地の風を心配し、長く時経ても文字
が読めるよう苦心したのだろう。
お陰で今なお全く歴然として、微塵の風化も感じられ
ない。

尾道石の造作を見たあと伊藤家に寄ってご挨拶をした。
昔お目に掛かったお年寄りが元気に出てこられ、嬉し
かった。

その後上越市へ戻り岩の原葡萄園で食事、同園の石
蔵および雪室を見学した。

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↑レストラン入り口に飾られたワイン「深雪花」と「善」。
二代陶齋(齋藤尚明)による色絵椿大皿を囲んで赤白、
そしてロゼが格調高く配されている。

賑わう店内で8名うち揃って美味しいランチを堪能し、
おしゃべりに夢中のあまりメニューの写真を失念。

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↑森のかおりに包まれて熟成される明治31年建造第二号石蔵の赤ワイン樽。

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↑ワイナリー開祖者川上善兵衛が開発した国産の名ワイン葡萄、
マスカットベーリーAが元気いっぱいに実を付けている。
これから順次房を選び実りの秋を迎える。

清々しい空の下、糸魚川の潮のかおり高田平野の森のかおりを吸
いながら心身のリフレッシュをした一日だった。

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