立派な絵を描くお年寄りの最も好きなのは料理。

2015年7月8日(水曜日)

一日中雨が降って梅雨そのものという日だった。

そんな日ぽつん、ぽつんと15名様のお客様がお見えになった。
昼休み、熱心に絵画をご覧になった若い姉妹にお会いし、要所を説明させていただいた。
また、「雨の日の庭もいいね」という若いカップルさんのお声も耳にしたが、私もそう思う。
そういえば以前「雨の日のカフェで蓄音機を聴きたい」とお声を聞いたこともある。

災害でなければ雨降りには詩情がある。
だが遠くだと思っていた台風が近づく気配で心配される。

さて昨日はお年寄りのタブレットでしたが、今日は墨絵です。

143

 

144上「椿」および下「牡丹」。
失礼ながらフラッシュ無しで撮らせて頂き、光量不足で申し分けありません。
驚かされるのは構図の良さと観察眼、筆力と上品さ、なにより87才の年令だった。

三年前の秋~冬は脱水症、感染症、たび重なる転倒、激しい多発関節痛で離床も出来ず泣いてばかりの毎日。
息子さんの支援、介護保険の申請、月一度の骨粗鬆症の注射などの結果、昨冬から徐々に改善に向かった。
すると、待っていたようにかって親しんだ絵筆を執るようになられた。

一時は認知症の出現も見たが、今はたまの湿布以外に薬も要らなくなったった。
大きな公募展で立派な賞を獲るられるが、一番好きなのは意外にも「料理」と仰った。

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