上越市は頸城(くびき)平野南西部の石垣。

2015年6月14日(日曜日)

昨日、北陸新幹線で長野市へ行ったことを書かせていただいた。
上越妙高駅を出ると西側車窓の妙高山をゆっくり見る暇もなくトンネルとなる。

トンネルの直前、東側の窓から一瞬だがはっきり特養・いたくら桜園が見えた。
2011年夏に亡くなった母がショートステイでお世話になった施設だ。
大抵同じ部屋で、そこからいつも建設中の新幹線が見えていた。
今その新幹線に乗って遠くから母亡き施設を見る。

懐かしく不思議な一瞬だった。

当時、送り迎えで新井柿崎線をしばしば走った。
走りながら母の昔話を聞きつつあちらこちらの里へ道草した。
三和、清里、牧、板倉など各区の村落の平和なたたずまいを母は喜んだ。

話逸れるが、通い始めて間もなく、道中の家々の石垣に目を奪われた。
私が住まう沿岸部ではほとんど目にしないしつらえだ。
特に川石と思われる揃った丸石の垣(かき)が印象的だった。

本日の美術館で、牧区のお客様から一帯の石垣のことで興味深い話をお聞きした。
夕刻あらためて見たくなり、新井柿崎線を中心に板倉まで走り、石垣を見て回った。

1段と2段坂の調整に大きい石の1段から小さな石の2段へと変わる。

1段半下段を埋めて坂を調整。

2段と3段2段と3段の石垣。向こうの下段は石を斜めにして調整。
立方体の石も使って外観を整えている。

5段5段もある。

社1 小さな社の石垣。上段は平らに削り最下段は埋めている。

 

段数と大小を変える高低に合わせて段数と石の大きさを変えている。

目地埋め目地を埋めて傾斜を立て高さを揃える。

亀甲組み亀甲に削ってしっかり組まれた垣。

非常に大きな1石見事に揃った大きな丸石、角の部分は特に立派な石。

川途中の川。この様な所からも運んだのだろうか。

地形や外観への巧みな配慮。
一部を見ただけだったが、石垣は多様で見応えがあった。

日中お聞きした話の中で、冬期の雪を利用し、ソリに石を載せて積んでいく方法は意外だった。
環境や地勢が育む独特な生活文化と、先人の能力の高さをあらためて知らされた。

当地の他所ではどのようになっているのだろう。

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