木村茶道美術館の寒月茶席に伺った 素晴らしい本阿弥光甫のお茶碗。

2024年11月24日(日曜日)

本日日曜日、日中雨模様だったが午後次第に上がってきた。特に予定は無い日は柏崎市の木村茶道美術館へ足が向く。

本日は寒月茶席だった。松雲山荘庭園の紅葉ライトアップ期間中だった。庭園の紅葉は全体に例年の鮮やかさが見られず今夏の長い暑さの影響ではないかと思った。

一時過ぎの到着だったが始まったばかりのお席に入れて貰った。相客に芸術家かお茶人を思わせる若い男性がお一人いらっしゃった。

茶席は今月いっぱいで終わる。同館の茶の美味しさとお道具の貴重さは特別だが、それにも増してスタッフ皆さまの変わらぬ温かさに心癒やされる。折々に訪ねたくなるのはそんなことがあるのだと思う。

この日のお道具も興味深かった。

本席床「利久像 画賛」(大心義統は
江戸時代前期-中期、臨済宗の僧)

軸は禅僧らしい力強さで書かれ、不勉強ながら左から読むのを珍しいと思った。私には読めないが利休を称える画賛ということだった。

初霜というお菓子(最上屋製)は今どきの時候満点の風情だった。

桃山時代の織部の菓子器。
如何にも織部らしい烏帽子鉢。


拝見時のお道具。手前から蓋が赤い松喰鶴蒔絵の薄茶器、
松平不味(ふまい)作茶杓と本阿弥光甫(こうほ)の赤楽茶碗。

上掲写真の奥に私が服した井戸脇茶碗が見える。茶碗ではお正客の光甫茶碗が素晴らしかった。光甫は本阿弥光悦の孫に当たる人ということ。赤楽と名付けられてはいるが、写真で観るばかりの光悦のすっとした形、巧みな口縁の山道、高台の浅さ、深い色合いと薄さなど独特の赴きがありありと観て取れた。

光甫は空中斎と称し光悦同様、総合芸術家のようだが楽家三代道入に習ったという信楽を思わせる赤楽が優れていると書かれている。

ところで見れば見るほどこのお茶碗で飲みたくなる。年内最終日の11月末日までまだ日がある。機会を見てもう一度伺い、是非とも念願を叶えたいと思う。

本日は裏千家流のお点前だった。

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