異骨相(いごっそう)の草むしり。

2024年5月22日(水曜日)

よく晴れ蒸し暑さを感じる一日となりました。今夏はどんな空となるのでしょう。まず冷夏などではなく、皆で散々文句を言う暑さになるような気がしますが、如何でしょうか。

そんな日の午後は時間をとり再三の芝の草むしりでした。
ところで当地では手で行う除草のことを「草取り」と言い「草むしり」とは言いません。上に「草むしり」と書いたのは、一昨年亡くなった高知の同級生、Nへの一種供養です。

大学病院時代のある日、何かの拍子にNは、自分の田舎では除草を「草むしり」と言うと話しました。普段Nは囲碁が強く、私など何目置いても鼻歌交じりで応じ、あっという間にひっくり返されます。あるいは研究室の実験が終わると真剣で居合抜きの練習を行うなど土佐の気骨「異骨相(いごっそう)」振りを垣間見せていました。

それが「寅さん」映画をよく観に行き、診療の合間にふとそばへ来て、寅さんのセリフ「見上げたもんだよ屋根屋のふんどし」などと小声で言っては立ち去ります。
そんなNが私達が言うところの草取りを高知では「草むしり」というと話したのですから、土佐の気骨が妙に可愛く感じられ、不思議と耳に残りました。

「取る」より「むしる」ほうが生活感があり、どこか可愛いくありませんか。
この時期、草取りをしていると頭に「草むしり」の声が響いては消えるのです。

本日の草むしり。

前にも書きましたが、亡くなった人のことを思い出すと天国で眠っていた本人は目を醒まし、喜ぶという「青い鳥」の一章を思い出しました。

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