長野から再びお客様 入院の種々(くさぐさ)。

2022年10月22日(土曜日)

【長野県からのお客様】
去る18日、長野市から団体で来館された男性が、今度は奥様連れで本日再び来られたと聞いた。樹下美術館が気に入ったからということ、何と有り難いことかと喜びました。

本日お客様の話で、先日の皆さまの熱心な鑑賞態度はどこへ行っても同じと、伺った妻の言葉。さすが勉強熱心な長野県人だと感心しました。どうか季節が変わりましたなら又お寄りください、お待ちしています。

【二泊三日入院のわけ】
さて前年発症した心筋梗塞による入院は夜間の救急搬送だった。当直医の応急処置と診断後、冠動脈拡張術のため循環器内科医師とスタッフが招集され、深夜に掛けておよそ3時間カテーテルによる造影検査と処置が行われた。
慌ただしく動く皆さんに囲まれながら、当の私は不整と微弱で必死の心臓をよそに終始ぼんやりしたまま身を投げだしていた。

そして今回1年2ヶ月通院の後、10月19日午前、予約通り受付と循環器内科外来で手続きし、9時半に病室に入った。付き添った妻が帰ると直ぐに病衣に着替え点滴が始まった。

この度は検査前後の一日半、生理的食塩水(生食)を主とした持続点滴を受ける。私のように元来腎臓に一定の問題がある人間が負担が大きい造影検査をするには、臓器への負担が無い生食を投与し続けて造影剤による負荷を薄め軽減を図らなければならない。
外来で、あるいはせいぜい一泊入院で済む検査を二泊三日かけて行うのは、腎保護を考えてのことだった。

 

とても若い看護師が射した点滴部位。
これだけで前後6本の持続点滴が受けられた。

 

三本目から連結になった点滴。

【岡倉天心の本】

持参した「茶の本」(The Book of Tea)。
岡倉天心著 立木智子訳 平成6年淡交社発行。
明治39年英文による著作は欧米で販売され反響を呼び、
以来多くの訳本も出版されている。

原著を読んだことも見たことも無いが、この本から明治時代にあって、岡倉天心の英語力と深く膨大な教養に驚かされる。アメリカ留学歴がある天心の欧米人への訴え方は洗練されていて、いま我が国で日本文化と固有の美をこれほど上手く伝えられる人がいるだろうか、と考えさせられた。

訳者の言及にあったが、明治の文化人たちの教養は凄まじいものがある。このことは時々お会いする二代陶齋・齋藤尚明氏もよく指摘される。

このたび、これまで途中で投げ出していた本を点滴しながら二回読むことができた。
昭和62年から下手の横好きのまま続く私の茶。何らかの形でずっと続けていたいと痛切に思い、そのためにも我が心臓と腎臓にはもう少しのあいだ頑張ってもらいたいと心の底から願った。さらに天心の晩年の山荘であり終焉の地でもある妙高市赤倉に建立されている岡倉天心六角堂へ、是非とも行かなければならないとも。

本日は時間がきましたのでここで終了させてください。
後日この続き【働く病院スタッフ】【点滴をしたまま衣服を着替える】、【寝不足の原因】、【検査と結果】などを書いてみるつもりです。

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