齋藤三郎の盃、陶器と磁器、器の雰囲気、署名の有無 一日中冷たい雨降り。

2022年3月19日(土曜日)

現在展示中の陶芸は齋藤三郎の「湯呑と盃」です。
盃に関連してお気づきかもしれませんが、展示している二つのケースのうち一つは「鉄絵」で陶器。もう一方は「染め付け」と「赤絵金彩」で主に磁器です。

陶器は「土もの(つちもの)」、磁器は「石もの」という呼び方もされます。
前者は柔らかみがあり後者は硬い、前者は厚みとざらっぽさがあり後者は薄くツルツツしているなどの違いがあります。
さらに風合いでいうと、前者がくだけた感じで後者は澄ました感じなどの違いがあります。

この度の展示から、三郎は両者の器の底(高台:こうだい)に書き込むサイン(署名)も以下のように区別していたことが窺えました。

 

全て陶器の盃です。
矢印の一個以外は点が三つ、四つ、あるいは三本線など
記号的で、くだけた感じあるいは遊び心が認められます。
三つの点、また3本線は三郎の「三」でしょう。四つの点は一体何でしょうか。

少し遠くから撮っていますが、一個(矢印)を除き全て磁器です。
青主体の染め付けと白磁のかしこまった雰囲気に
合わせたうようにみな署名が施されています。

2個の矢印作品のように陶器に署名をした訳は良くわかりません。もしかしたら特に気に入った場合にしたのかな、と思いました。
上段の矢印は如何にも絵唐津の味が出て、下段のは辰砂の桃色の出来が良いので、署名したのでしょうか。
齋藤三郎の盃はおよそ小振りです。
賑やかに杯を重ね合うのを期待したのでしょう。

昨日肥料をくべましたところ本日冷たい雨が降り続きました。
濃い肥料が雨によって少しでも馴染むことを願いました。

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