2021年7月16日

新潟県立大潟水と森公園のオオウバユリ。

2021年7月16日(金曜日)

当館が収蔵する齋藤三郎の絵画作品のなかに2点の「姥百合の圖」がある。堂々とした作品であり、一度この目で花を見たいと長年願っていた。
ただ10年も前、燕温泉から赤倉に行く谷筋で高い所から、姥百合らしき花を見下ろしたことがあった。急いでいたのと花まで遠かったので間近には見られなかった。

 

齋藤三郎「姥百合の圖」の2作品(60,7×およそ40,5㎝)。
黄色い花もあるのだろうか。

ところが昨年秋、関山のあるお宅を訪ねた時、うちの庭に姥百合があります、とあるじが仰った。
案内してもらうと、枯れた茎に大きな実がなっていて、一つ取って頂いた。中にフワフワした雲母のような薄い種が沢山入っていた。持ち帰って田に面した当館の南の庭の一角にばらまいた。
だが庭は基本砂地なので湿り気を好みそうなウバユリの発芽は危ういかも、と案じている。

そんな折、本日の上越タイムス頸北版に「ー花咲かすまで8年ーオオウバユリ」という記事が載っていた。みずもり通信と題した大潟水と森公園海淵20周年の記事だった。

 

 

まだ間に合うなら是非見たい、と本日午公園に行った。事務所で、二カ所あるうち見やすい場所を教えてもらった。

だが行ってみるとなかなか見当たらない。想像した場所をどんどん広げながら何度も往き来して探したが駄目。もう一度事務所へ行くか、電話で訊いてみようかと思いながら引き返すと、なんとまあ、入って来た見やすい場所にあった。

 

二本のオオウバユリ。
まだつぼみだが、木漏れ日の林床で気高くも堂々としている。

 

ゆうに1メートルはありそう。

 

ある高さで大きな葉がぐるりと茎を取り囲んでいる。

 

5㎝はあろうかという太く堅い茎。

しっかりした茎とチュチュのように広がる葉。
曲がるなどしている齋藤三郎の花から、名のように姥の老麗なイメージを抱いていたが、実際は毅然として真っ直ぐ。木漏れ日の舞台でポーズを取る女王の気品を漂わせていた。

花が咲くまでに8年かかるという貴重な植物。本日見たのは宝珠形をした蕾だったが、ぐんぐんと伸びて7つ8つと花を咲かせるらしい。
この先、花も楽しめるとはなんとも嬉しい。大潟水と森公園の貴重さを再確認させられ、今後の記事も楽しみ。

今どきから頸城平野の山裾や谷筋で咲くと思われる姥百合。庭に咲くという関山のお宅などは実に羨ましい。

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