2021年4月3日

小島正芳先生の講演会が終わり、心の花(文化の花)が開いた午後。

2021年4月3日(土曜日)

本日午後、「齋藤三郎の絵と書」の題で小島正芳先生の講演会が催され無事終了しました。

 

開始前の駐車場。

小島さんは昨年から全国良寛会会長をされ、名実ともに良寛研究の第一人者です。先生の新潟大学書道科の学生時代、髙田の芸能科(今で言えば芸術科)で講師を務めていた齋藤三郎の授業に強く感銘を受け、今日に続く敬愛の念を持ち続けられています。

良寛研究の傍ら齋藤作品を蒐集、加えて陶芸はじめ日本美術に精通される先生。本日は齋藤三郎の陶芸に至る道程、優れたロクロ技術、師・富本憲吉と学んだ九谷焼きの影響、棟方志功との交流、作品に現れる雪国の自然風土と生活、時代ごとの作品の特徴、他に類を見ない書の味わいなど、明解なお話に参加者みなで引き込まれました。

 

 

若き日、小島先生ご自身が親しんだ髙田、直江津の街並みと文化、常に目にした妙高山の素晴らしさなどが織り込まれ、齋藤三郎の授業は寺町の工房が教室だった事を初めて聞きました。そこでの講義は心に響き、今も一言一句を鮮明に覚えているということでした。
齋藤三郎の要約として、若き日に災害で失った母への思慕と仏心、雪国の風土の表出、九谷焼のオリジナル化、そして特異な書の才能などが心に残りました。

最後に先生は今年4月24日から7月4日(日)まで、東京都の永青文庫美術館(理事長・細川護煕氏)で開催される「心のふるさと良寛Ⅱ」展を監修されます。良寛を敬愛した陶芸家のセクションに齋藤三郎の絵皿が北大路魯山人の作品とともに展示されることが知らされ、一同大いに意気上がった次第です。

休憩を入れて80分。濃い内容とほど良い分量のお話は聴きやすく、あっという間の楽しい時間でした。

 夕刻、知り合いと見に寄った美術館近くの新堀川の桜です。
ひろやかで、伸びやかで、あでやかな花。
髙田の方が、あっと声をだされたほどの美しさでした。
日中何組もの家族さんなどが食べ物持参で来られていました。

外には自然の花(桜)が、樹下美術館に心の花(文化)が開いた良い午後だったと思います。

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