2020年4月13日
三密 淡交 自分を消す。
長年どちらかというと賑やかな所は苦手で静かな場所と時間が良かった。
30代のころ、近しい人が、春の連休の軽井沢について〝まだ賑やかではないのでイヤだ〟と話した。
アララ、春の軽井沢は静かで新緑、それなりに良いのに、と思ったが、人の好みは如何ともしがたいので、〝そうですか〟とだけ言った。同じ一万円でもお札1枚より一円玉1万個を喜ぶようなものかな、と思った。
そんなわけで外出となると近郊の静かな里また里山、柿崎海岸あるいは自然公園などで十分楽しめている。ましてお隣の妙高、柏崎や糸魚川の市へ出かけたならば旅情十分で、自然も風物も外国へ来たように心奪われる。
慣れた所も季節ごとに花鳥風月は異なり、毎日毎分雲と日射しは変わる。ましてカメラを持参するようになってから、なにかしら初めての草花や鳥に出合えるようになった。さすが連日は飽きるが日を変えれば基本同じ場所で一向に差し支えない。
もしかしたら自分は忘れっぽいので何を見ても面白いのかな、と思うことがある。ほかに迷惑をかける事でもないので、まあいいか、と深く考えないでいる。
そもそもこの年になると〝ある程度健康であれば生きているだけで満足〟という道理も働くのだろう。
「三密」
世が世なら、これは空海が説いた「身」「口」「意」、三つの本意(加持)だった。それで字面をみれば宗教的あるいは哲学的な雰囲気を漂わす魅力的な文言に見える。だが今日、新興感染症対応の基本として登場したのは密閉、密集、密接を三密として避けようと、いうもので偶々同じ文字になっただけのことである。
さてよく見れば現三密を避けるのは、親友もいない、酒も飲めないことなどから、およそ自分の性に合っていると捉えている。ただし密閉から開放され静かな戸外へ出ることだけは許して貰いたい。
普段仕事上密接する機会は多く、今日皆様とは相当距離を意識するようになった。逆に皆様の方から私との距離を置こうとされる態度に接することがあり、三密の行き渡りに感心している。ただ三密の励行は行政の力などではなく、ウイルス自身の強大さがさせるものであり、そのことだけは肝に銘じなければならない。
はたしてこれが何時まで続くのか、以前触れたように当面新しい文化として親しむことになりそうだ。
「淡交」
昭和62年初夏に入門した裏千家茶道の同門組織に「淡交会」があり、不肖永久会員の末席を汚している。人との距離、あるいは密接度に関して良い言葉がある。
〝淡交会」とは、十四代家元淡々斎宗匠の斎号に因み命名されたもので、荘子の「君子之交淡若水」 (君子の交わりは、淡きこと水の若し)に典拠するものです。
淡々としてあたかも水が流れるようになにごとにも執着せず、 どんなときにも感情に流されない平常心の交わりを意味し、茶禅一味の精神を根本とします。」、とホームページにある。
人はじめ万物との交わりについて述べられているのだろう。原典には続きがあり「小人の交わりは甘きこと醴(あまざけ)のごとし」と述べられるので、淡きことの価値がいっそう分かりやすくなる。
ところで世間には、ある種の話題になると反射的に激しい感情を込めて人や他国を非難する人がいる。見ていると喧嘩そのものとして写る。
自分を愛する余りであろう、心中休むことなく喧嘩が行われているのではと想像される。ご自分の正義とはいえそのような言説を耳にすると、立派な人なのにと、悲しい気持ちなる。
この点禅味が原点の淡き交わりは理にかなっている。
一昨年4月、お家元がお正客の八畳間の席でお点前をさせて頂く機会に恵まれた。
所作を分けたり繋げたり、人にも観ててもらったり、イメージトレーニングを入れつつ徹底して稽古をした。
最後の方になって、良いお点前とは〝自分が消えてしまうこと〟ではないかと気がついた。すべてそのための稽古だったのかと振り返った。
心配をよそに本番では、水のごとく淡く振る舞えたやに思われた。その時不思議な有り難さで夢心地さえ去来し、あとで家元から暖かなねぎらいを受けた。
但しもう一度それを行えるかと問われれば、今後の稽古(修業?)次第としか言えないのが情け無い。
さて、以上何からこのようなことを書き連ねたのかよく分からなくなりました。昨日日曜日は頸城区にある「大池いこいの森公園」へ出かけた事、それを三密の一つとして言い訳をしたかったからのようです。大変長くなりました。
当日の花鳥などの写真は次に掲載させてください。
- 花頭窓、二十三夜塔、庚申塔、社寺
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 聴老(お年寄り&昔の話)
- 医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
- 花鳥・庭・生き物
- 空・海・気象
- 頸城野点景
- ほくほく線電車&乗り物
- 社会・政治・環境
- 明け暮れ 我が家 お出かけ
- 文化・美術・音楽・本・映画・スポーツ
- 食・飲・茶・器
- 拙(歌、句、文)
- こども
- 館長の作品。
- かって認知症だった人、晩年の「ありがとう」は「好き」だった。
- 妙高市はいもり池の近く「ギャラリー峨々」を訪ねた。樹下美術館も紅葉。
- 再び良寛椿の苗。
- 1本の木にキンカンとカラタチの実が。
- 秋晴れの日のゴルフ。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その3。
- 本日ジョケラさん初日。
- 明日からジョケラさんの展示会 高宮あけみ展のご来館有り難うございました。
- 別れ。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その2。
- 講演会「良寛さんに学ぶ」が無事終了した。
- カフェのノート、スケッチブックの絵、ブログ展その1。
- 来たる11月7日からラッセル・ジョケラさんの展示会 晩秋の花 近隣のコハクチョウ
- 先週末の種々。
- 高田高等学校創立150周年の秋 いたくら桜園 近隣の秋。
- 「ラッセル・ジョケラ木工展」 可愛いお子さんとおじいちゃん。
- 本日今年最後の同業ゴルフ。
- 今夜のコンサート カッチーニの「アヴェ・マリア」。
- 信州は須坂で江戸時代の料理を食べる 満月、私達の奇跡。
- 失った1枚 栗。
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