2020年4月6日

緊急事態宣言は出るけれど PCRへの思い。

2020年4月6日(月曜日)

ついにと申しますか、政府は明日主要な感染都道府県に対して緊急事態宣言を発する予定と表明しました。
4月3日のノートに〝間もなく発表〟と記しました通りで、本日の成り行きには特別な感想はありませんでした。

ただ今後往来が多い東京都の人達がこちらへ移動やある種避難的にやってくることが考えられます。本日の外来で、東京に住んでいる娘さんに帰ってくるな、と電話しましたというお父さんがいました。何とも可哀想で複雑な気持ちになりました。

すでに新型コロナウイルスは、規模、強さ、波動、影響、生成と収束などで複雑系分野の様相、一種カオス的になりました。
だが手探りの中で、克服に向け世界が有している唯一の科学と医学の根拠が「PCR検査」です。
〝一定の乖離がある〟〝テクニックエラーが混じる〟と述べて過小評価しようとする人がいましたが、悲しいことでした。〝検査拡大は医療崩壊に結び付く〟とまで述べた人もいました。
全く反対です、混乱した医療状況で、粘り強く道すじを作れるのが医師の判断と検査およびデータの積み上げです。検査で陰性、しかし状態に疑いがあれば機を見て再検査へと進めばいいのです。前出の諸発言の真意が分からず残念でした。

一定の乖離や一定のエラー。それを伴うのも科学であり、その事を認めた上で間断なく克服行為を続けたのも科学。それらによって今日の信頼と価値に結び付いたのではないでしょうか。

思えば日本はSARS、MERSともにコロナ未経験(とされている?)でしたので、この度はかって経験した国々に比べ、恐らく知見、検査とも出遅れを否めなかった事でしょう。
自前の検査開発を託された感染研は突然の事態を前に、必死だったと想像されます。政府は〝感染拡大に結びつく〟とか〝ゆるやかに感染コントロールを〟などと述べて、出遅れを修飾するのにまた懸命に見えました。
あまつさえ洗練されたロシュ社のキット増援は、感染が世界に拡大したため日本への補充が十分に効いていないことが想像されました。

緊急事態宣言による私たちの行動規範は大切ですが、国民はおしなべて真面目です。
どちらかと言えば、宣言を出す国側こそ、この機にPCRの検査拡充に邁進することを願ってやみません。
合理的な診断、治療、予防の拠り所として、科学(検査)を大切にする基本姿勢の徹底を望みたいのです。
そのために国器(造語:国の器)を大きくし、周辺諸国とさらなる疎通構築も願っています。

外見や立ち位置を気にするのはおしゃれなことですが、今は少しこらえてほしいと思うのです。

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