2020年3月21日

抗体の砦 一見行け行けの達観は混乱と不安を助長。。

2020年3月21日(土曜日)

新型コロナはいつ終わりますかね、と外来でよく訊かれる。ハイこれで終わりです、とピッタリと止むことにはならないと思う。夏ころもダラダラと続き、秋冬はぽつぽつとなり、それなりに年を越すかもしれない、とぼやけた返事しかできない。
ピタリと収まることを期待してる方は、私の返事にがっかりした顔をされる。対応マナーを守りつつ、感染の後抗体を持った人が増えること、早く薬が出来ることが決め手でしょうか、と誰もが考えそうなことを言うのが正直精一杯なのだ。

さて感染には、重症、軽症、無症状など症度パターンがあり、軽症~無症状の人が最も多いとされている(日本に於いてこれらを推定するに必要な検査と質の良い臨床統計の資料が揃っていない)。

先に、自分は既に感染しているかもしれない、として予防を心がけるのをバーチャル感染、バーチャル抗体などとして書いてみた
現実には重軽を問わず感染者は直れば一定の抗体を獲得する。今後、抗体保有者の拡大が流行の重要な砦になるので、治療薬が無い現在、感染者は社会防衛に身を賭して貢献をしいていることになる。但しコロナウイルスは抗体産生が弱めという説があり、いずれにしても克服には根気が必要そうだ。感染の犯人捜しや感染者への非難を謹み、社会全体で防衛していくイメージの維持が大切だと思う。

それにしても、社会で抗体獲得者を増やすために若い人は進んで感染して、という意見やイベント予定までみられる。半分ジョークにしても暴論であろう。若者でも自他の死亡リスクだけは考える必要がある。
行け行けの強気達観は議論提起に役立つこともあろうが、実際には混乱と不安を助長している。

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