2019年7月8日

今ごろ柿の若葉 草木へのあこがれ。

2019年7月8日(月曜日)

本日ふと見た柿の苗木に若葉がついていて、それが花の蕾の趣きがあり目を奪われた。

 

 

 

 


いずれも幼い若芽を包むように若い葉が開いている。その様子には幼弱な部分を守ろうとする優しさを感じた。
それにしても今ごろになって若葉が開いてくるとはかなり遅い。春に出芽したはずなのに不思議な話だ。

思い返せば今年5月18日、一帯にひどい熱風が吹きこの苗も激しく煽られた。

 

一日中熱風に晒された5月の苗木。
もしかしたら一旦出た若葉は風によって駄目になり、このたび再度出芽したのか。

 

“柿8年” この苗木が生長して実がつき、それを食べる日は何時だろう。
その頃は、枝の下を人が歩くような具合になっているかもしれない。
※話それますが、奈良には美味しい柿の葉寿司がありますし、柿の若葉は天ぷらに良いと聞きます。数年先、可愛い若葉の天ぷらを一度食べてみたいと思っている所です。

春の強風と言えば、上記した風の日、隣の空き地にある松もひどい目に遭っていた。

熱風でひょろひょろに変形した松の芽。
この先どうなるか心配だった。

 

それが現在以下のように真っ直ぐに若芽を伸ばして持ち直した。

本日の松はとてもたくましい。

生き物の再生や立て直しの仕組みは何万年、何十万年かけて出来上がったものであろう。
彼らの凄いところは、リスクの多い環境の中で、修繕や再生を黙々と一人行っている点であり、私などとても叶わない。
古来進化の先頭にいるという人間は、一応信頼できる自己回復の仕組みを有している。
しかしながら、長年余りに多くを望んだため、急いだこともあり脆弱な部分を残したままの進化という側面がある。
その結果敏感で傷つきやすくなった心身は、維持再生のため他者の協力を必要とする道を選んだ。
そして今日医療に福祉と保健はともかく、政治、経済、流通、保険、教育・文化に情報、娯楽に相談からおしゃべりまで、まことに複雑な仕組みを“社会”として実現させた。

年取った私はそれらが余りに膨大で混み入っているため、何でも一人でゆっくりやる草木を羨ましく思うことがある。
樹下美術館のカフェでぼんやり庭を眺めながらお茶や食事をするのは、あるいは庭仕事に没頭するのは、年に一度花をつけるだけの草木へのあこがれかもしれない。

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