冬の連休は急ぎ足で京都と奈良へ その2 京の窓めぐり、深く優しい詩仙堂。

2019年2月12日(火曜日)

午前9時にタクシーさんと待ち合わせてホテルを出発。窓から窓へ忙しい京都見物となった。

西本願寺からスタートした。本当はここで遠目にでも、映画「利休にたずねよ」で聚楽第として撮られた飛雲閣を見ることが出来ればと思ったが、そもそも普段の公開はなく、さらに修復中とあって叶わなかった。
しかし壮大な境内で華麗な唐破風門を見て、転輪蔵の花頭窓を見ることが出来た。

 


転輪蔵。中に赤い回転式の書架があるという。どんなものだろう、一度は目にしたい。

西本願寺を辞して金閣寺へ。

 


鹿苑寺金閣。私の中で銀閣寺と共に元から花頭窓の寺として漠然とあった。
輝かしいのに静かに見えるのは不思議だ。黄金が邪悪を跳ね返しているからか。

 


実は金閣寺はこのようにごった返していました。

 

次は大徳寺。大徳寺内の各塔頭は公開日など特別な日以外は参内出来ないが、門と玄関は眺める事が出来る。

 


大徳寺仏殿の花頭窓。

大徳寺塔頭の光臨院の外部。

 


大徳寺塔頭、梅がほころびかけていた光臨院の唐門。客待に設えられた花頭窓が爽やか。

 


光臨院の広く明るい花頭窓。

他に三玄院など、いつか公開日に訪ねて禅味茶味の院内を拝観したい。

続いて東山は銀閣寺へ。

 


道すがら見たおそば屋さんの二階が花頭窓。

 


金閣ほどではなかったが賑わっていた銀閣寺。庭は頑張っているものの、建物は大丈夫だろうか、やはり古い。いずれ全面修復が必要では、と心配した。新しい銀閣というのもイメージしづらいが。

 


休憩所の花頭窓の前を次々に人が通り過ぎる。

銀閣寺を出て哲学の道を眺めた。

 


春を待ちきれない人達が歩いたり憩ったり。

 


銀閣寺近傍で見た半円の窓。わずかに裾が広がっていてこれも花頭窓か。

詩仙堂へ。
昭和43年早春の夕、大学を卒業した生徒全員が京都に集まった。私は前泊して嵯峨野を巡り、最後に詩仙堂を訪ねた。バスを降りた道中、着物を着た二人の女性と出会った。就職が決まり、京都で着物を着たくて東京から持参したと、晴れやかに話をされた。時代は巡り、いま大勢の外国の人がレンタルで着物を着て、楽しそうに歩いている。

 

 


詩仙堂の上品な窓を眺めるのは、このたびの目的の一つ。
庭は思ったよりずっときれいに手入れされていた。季節は違うが、昔はもっと草木が茂っていた印象がある。


非常に複雑な屋根の構成そして窓。庭の静寂と建造の複雑が対比的。

 


堂内に架かっていた「関」の一文字。関は禅の重要な概念の一つで、悟りのために越えなければならない境地の関門。
茶席でもよく関の掛け軸が架かる。この額も“ここにたやすく入るな”という喝を表している。

 


時を知らせる巡照板(じゅんしょうばん)は禅寺で用いられる鳴り物の一つ。
「生死事大」は「光陰可惜」が続く禅語。生死は頭脳・感覚ある者の絶対命題であろう。仏道を歩む者はなおさらであり、寸暇を惜しんで修業せよ、と告げている。禅であればさらに作務を行い座れ、と取れる。

病院時代に再訪したので、この度三度目だった。寒さもあろうが、場所の空気が深く染みこむ気がした。

 


ししおどしが響く詩仙堂は自然と座る人が多い。

深くて優しい詩仙堂から近傍の野仏庵へ。

 


下地窓の外腰掛けは大きな石仏と隣り合わせ。野仏庵はかってのある事業家の庵。門をくぐり少々急な路地を上る。


御抹茶を飲んで一息ついた。

ここがこの度で最も北に当たる。
再度下って禅林寺(永観堂)へ。

 


唐破風門とずらりと並ぶ花頭窓にうっとり。

 


禅林寺境内のお堂。左右の丸窓がのどか。
モミジの名所ということ、変化に富んだ広大な境内を再訪したい。

 

さらに近くの南禅寺へ。

 


講堂側面の花頭窓。

 


三門といい南禅寺は何でも大きい。


三門の左右にある山廊の花頭窓。

湯豆腐も食べずに時は過ぎる。

法観寺まで来た。

 


法観寺は八坂の塔前で尺八を吹く人。


陣笠を被ったワンちゃんと一緒。尺八はとても良い音色で、妻はおひねりを渡しに行った。

最後に失念していた本願寺伝導院に寄ってもらった。

 


サラセン様式が加味されているというかなり奇抜な建物。

 


三階部分の拡大。花頭窓の原型を思わせる窓を見ることが出来た。

ついに奈良行きの時間が近づき、京都駅でタクシーとお別れした。我がまま勝手な駆け足を助けて頂いた運転手さんに感謝を禁じ得ない。
何十回と訪京する人がいるけれど私は七度目で、みな駆け足。機会があったら禅林寺と南禅寺でゆっくり過ごし、大徳寺は芳春院、光臨院などの公開日に是非再訪したいと思った。

さてこの日ほかに、庚申関係の山之内猿田彦神社、八坂庚申堂を廻った。その模様を奈良の庚申堂と併せて次回記載させて頂きたいと思います。

とりとめなく非常に長々となりました。

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