庚申塔その4、柿崎区は猿毛の庚申塔、すずきせいこさんと出合う。
6月からの石塔マイブームはまだまだ終わりそうもない。
二十三夜塔と庚申塔では、浦川原は顕聖寺(けんしょう
じ)、柿崎は楞巌寺(りょうごんじ)の各門前、そして三
和区のとある神社を訪ね、それらを当ページで紹介させて
もらった。
以後板倉区福王寺や山寺および柿崎区は小村峠と猿毛集
落も訪ねた。
本日は小村峠と猿毛で見聞した石塔を記してみたい。
一帯の庚申塔について、今はなき大先輩である笹原作二
郎医師が「柿崎町黒川筋の庚申塔」という一文を当地の
医師会報に書いておられた。
昭和59年のその会報は手許になく、医師会から取り寄
せると4ページに亘る紹介文と6葉の写真が載っていた。
先生は写真に優れ、県展で特選されたこともあった。
昭和59当時の庚申塔が載った医師会報記事から冒頭の
2ページ。
モノクロ写真はドキュメント性を引き立て、石塔は魅力的
であり、在りし日の先生を思い出して胸熱くなった。
すぐにでもこの写真のところへ行きたい。
まずは去る木曜、午後休診日に猿毛と小村峠へ向かった。
峠からの眺め。眼下に柏崎市西部の集落が。
↑峠の高台にあった二十三夜塔。幅2メートル近くあろう
という巨大な石塔(もはや岩石)だった。
30年ほど前、ここにあった5,6軒の家はおよそ10年で
半分ずつ減って、いま全戸が無くなっていた。
残った大きな石塔は、二十三夜の下弦月の晩に女性達
が集い語り合った夜があっことを、なにより誠実な住民の
暮らしがあったことを如実に物語っている。
それは石塔が果たしている重い役割であるが、江戸期に
置かれた石は、“まさか自分一人になろうとは”と呟いて
いるのではなかろうか。
その日の帰路、猿毛(さるげ)に寄った。
道沿いで見た庚申塔。力強い青面金剛(しょうめんこん
ごう)は六臂(ろっぴ;六本の腕)。
お猿さんは中央に一匹、耳を押さえているのか、左右に
もいるようだが、はっきりしない。
そして本日、先掲の医師会報を持参して再度猿毛を訪ね
た。
先回は東側から入り、この度は西から入ってみた。
この辺りで60才くらいの方にお会いし、会報の写真を見
て頂きながらて話を聞いた。
男性は軽トラに積んだネギを納屋に降ろしているところだ
った。
会報の写真を見ると、“道路補修によって今ここには無い
がすぐ近くに移してあるよ”と仰った。
有り難い。
今年のネギはどうでしたか、と訪ねると「良かったかな」と
笑顔で仰った。
石塔は本当に近くの良い所にあった。
きれいに並んだ石塔群。手前は大きな二十三夜塔!二番
目に庚申塔。
記念碑を手入れ良く保存することは、それを残したかって
の住人の願いを大切にすることであり、山間の人びとの愛
郷心とその篤さが心打つ。
行政は各地域を総括する親あるいは子孫の代表機構であり、
他に代えがたい存在意義がある。
文化都市を謳うなら、先人を尊ぶ事業の一環として各地の
民の生活史である石塔や諸石仏を文化として手厚く保護し
紹介する義務を負っているのは論を待たない。
先輩医師が撮ったものと思われる青面金剛の庚申塔。
金剛の六臂と三猿がかなりしっかり浮き出ている。
十像十色、それぞれに特徴があって面白い。
猿毛から樹下美術館に戻ると女性がお茶を飲んでおら
れた。
糸魚川市からこのたび開催された上越市の名家巡りに
来られたという方。最後の頸城区森本の白田邸の帰り
に寄った、と仰る。
お話するうち、小生がよく見るブログの筆者すずきせ
いこさんだと分かった。
まさかである!
とても知的な方だ。
以前にも当館のことをお書き下さっている。
クラウドの人が眼前にいる不思議さと嬉しさで胸弾
んだ。
沢山お話したかったが、長岡市のコンサートに出かけ
る時間が迫った。
アシュケナージ指揮アイスランド交響楽団と辻井伸行
さんのピアノが聴けるコンサートだった。
忙しい午後は長生きして良かった日になった。
コンサートのことは明日の予定にしてみます。
ついつい長くなってしまいます。
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