魚沼行きその2、あこがれの 雲洞庵。
昨日は魚沼行き初日、土曜日午後を記載させて頂いた。
ホテル「ダ・フェールイン六日町」ではぐっすり休み、朝
食バイキングを摂ってこの度の目玉である 雲洞庵を目指し
た。
出てすぐ快晴の魚野川を渡る。ホテルはもともと川沿いの
旅館を改装したばかりだったという。
さっそく沿道に現れた二十三夜塔。大抵庚申塚などと共に
置かれている。開発で元の場所から移動してきたものもよ
くあるようだ。
この春替えた車のナビが優れていて無駄なく目的地に着く。
美しく刷け目が施された大きな香炉(常香炉じょうこうろ)
に蝋燭とお線香を上げた。
少し誇張すれば、夢にまで見た火頭窓が眼前にずらりと10
窓も並ぶ。窓はそろって半開され誠に爽やかだ。
どういう訳か建物の細部に目が行ってしまう。
禅寺らしく簡素な欄間。最初の釘隠しに似通っている。
木瓜紋(もっこうもん)をデザイン化したものか。
回廊の火頭窓。本堂と異なり幅広く嵌め殺しになっていて
とても明るい。※後日記:櫛形窓(くしがたまど)の呼び
名がある模様。
位牌堂の先に開山堂。鏡の如くピカピカに磨かれている。
江戸時代の普請であるのに傷、塵ひとつ無い。どうすれば
こんなに綺麗に維持出来るのだろう、不思議なほどである。
曹洞宗では一仏両祖と言われるらしい。本像はその二祖で
ある道元と瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)の像。
手入れの良い各堂を巡っているうち、もてなしの心が伝わ
り、いつしか心癒やされ何かと有り難くなってくる。それ
で仏像や偈頌に手を合わせたくなる。
禅寺特有の魚板(あるいは魚鼓)。叩くと口から邪気を吐き
出すといい、木魚の原型。修業僧への食事などの合図に叩か
れる。
最後の宝物館は開祖師にまつわる品、あるいは歴史上の人
物(特に戦国武将)たちの書簡や身辺を彷彿とさせる道具類
が展示されている。
上杉憲実愛用の茶釜。その後の名物に比較して地味な印象
を受ける。
13世紀の中国の禅僧・天童如浄禅師の袈裟の端切れ布。
ぼろぼろになっているが大変に貴重な品であろう。
禅師は渡宋した道元の中国に於ける心からの導師。道元は
天童如浄から印可を受け、帰国して永平寺を開山、曹洞宗
の開祖となった。切れは二度と会えない恩人の形見だった
に違い無い。
帰りぎわの香炉にはその後の参拝客が上げたお線香が香って
いた。香炉にも鮮やかな菊水の紋章が見られた。
私のように教義に疎い者にとって、それが実践されている環
境に込められている丹精とその美しさに触れると、自ずと心
鎮まり癒やしに包まれる。
そもそも当寺院の縁起には藤原不比等の子の妻にまつわる物
語があり、庵寺(尼寺)の趣きなのである。優美な窓の曲線な
どはその事に深く関係しているのか。
現在の本堂は、江戸時代に出雲崎の大工の棟梁・小黒甚内に
よって再建されたものだというが、全く素晴らしい出来映え
だと思う。
さて、そのような訳でこの度は塔頭内の端っこばかり見てい
た。
“神は細部に宿る”という言葉があります。
明るく美しい火頭窓や廊下そして釘隠しや庭掃除。雲洞庵は
隅々へ意識が行き渡り、全体として私たちまで有り難くなって
いることに気づかされました。
樹下美術館もそんな風な心がけを少しでも実践して行ければ、
と願った次第です。
まだ幾つかの見聞がありますので、再々度記載させて下さい。
わずか2時間ほどの拝観でしたが随分長くなってしまいました。
- 仏像、社寺、二十三夜塔、庚申塔
- 樹下だより
- 齋藤三郎(陶齋)
- 倉石隆
- 小山作之助・夏は来ぬ
- 聴老(お年寄り&昔の話)
- 医療・保健・福祉・新型コロナウイルス
- 花鳥・庭・生き物
- 空・海・気象
- 頸城野点景
- ほくほく線電車&乗り物
- 社会・政治・環境
- 明け暮れ 我が家 お出かけ
- 文化・美術・音楽・本・映画・スポーツ
- 食・飲・茶・器
- 拙(歌、句、文)
- こども
- 館長の作品。
- いま四月馬鹿はどうなっているのだろう メギスの旬。
- 3月30日の徳川美術館と豊田市美術館 そして富士山。
- 週末は名古屋と豊田市へ 本日は名古屋の分です。
- 自然の末席で。
- 三月にして真夏日 初ゴルフ アイスクリーム 啓翁桜 雪割草 内山雅子さんのCD。
- 春の公園、過日の大潟水と森公園と本日の大池いこいの森公園 その付近でクジャクチョウ。
- 大好きな濱谷浩作「ホンヤラ洞で歌う子供たち」とその絵はがき。
- 小林古径記念美術館「生誕110年記念 濱谷浩展」と講演会。
- 春分の日、肌寒いが日が長くなった 啓翁桜はいつ咲くか。
- 柏崎から佐藤さん、明静院の大日如来坐像 いしだあゆみさんの訃報
- 宮崎俊英さんとあらためて倉石隆を観た。
- 25年初日 A君の書と芸術。
- 明日から2025年度の開館。
- キーボードにお茶をこぼした日,患者さんを送る 同じ日に時代劇の八幡堀が二篇 最近の夕食から。
- 今冬の冬鳥見おさめ。
- ハクガンの姿無く白鳥は少なくなり 庭仕事を始めた。
- コハクチョウの大きな群 タカが舞い野犬がやってくる 再びシジュウカラガン。
- 今年の齋藤三郎は「茶道具展」です。
- 今年の倉石隆は「男の肖像展」です。
- フカミ美術の懇親会が髙田であった 霧を抜けて三和区の喫茶去へ。
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年2月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年11月
- 2023年10月
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月
- 2014年3月
- 2014年2月
- 2014年1月
- 2013年12月
- 2013年11月
- 2013年10月
- 2013年9月
- 2013年8月
- 2013年7月
- 2013年6月
- 2013年5月
- 2013年4月
- 2013年3月
- 2013年2月
- 2013年1月
- 2012年12月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年9月
- 2012年8月
- 2012年7月
- 2012年6月
- 2012年5月
- 2012年4月
- 2012年3月
- 2012年2月
- 2012年1月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年10月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年7月
- 2011年6月
- 2011年5月
- 2011年4月
- 2011年3月
- 2011年2月
- 2011年1月
- 2010年12月
- 2010年11月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年8月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年5月
- 2010年4月
- 2010年3月
- 2010年2月
- 2010年1月
- 2009年12月
- 2009年11月
- 2009年10月
- 2009年9月
- 2009年8月
- 2009年7月
- 2009年6月
- 2009年5月
- 2009年4月
- 2009年3月
- 2009年2月
- 2009年1月
- 2008年12月
- 2008年11月
- 2008年10月
- 2008年9月
- 2008年8月
- 2008年7月
- 2008年6月
- 2008年5月
- 2008年4月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2008年1月
- 2007年12月
- 2007年11月
- 2007年10月
- 2007年9月
- 2007年8月
- 2007年7月
- 2007年6月
- 2007年5月
- 2007年4月