去る土曜日午後に迷い込んだ行幸通りの地下通路。

2017年12月5日(火曜日)

去る土曜日の上京の際、東京駅中央口からタクシーに乗るため
南口の乗り場を目指した。
ところが地下鉄利用者の流れに入り地下へ降りてしまった。先
で表に出ようと短いエスカレーターに乗ったはいいが、今度は
突然広い地下通路に出た。

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雑踏からしーんとした世界へ迷い込み、出口を探したが中々見つ
からない。
通路の壁面には古いポスターらしいものが沢山並んでいた。中に
ジャン・ギャバンの文字があったので映画であろうと分かったもの
の、実際に見た事が無いものばかりだった。
位置方角、時間とも曖昧となり、奇妙な場所を通過することになっ
た。

 

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おぼつかない心で居る私と妻に異国のボスターが一生懸命に
訴えてくる。確かに手書きのポスターはそれぞれ個性と味わい
があり、下段のは写真のコラージュ。
如何に眼を止めてもらうか、時代を超えて製作の苦労と楽しさ
が滲む。映画に詳しい人ならもっと興味深かったことだろう。

 

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数百メートル歩き階段をのぼるとガラスの向こうに街と人。

 

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出た通りの正面は皇居だった。
南口タクシー乗り場に行くつもりが晴れ晴れしたイチョウ並木の
大通りへと出た。通りの先でタクシーを拾った。

 

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ホテルに着いて部屋を案内してくれたボーイさんに上掲の通路
の写真を見てもらい、
「こんなところを歩いて来たのですが、何処だったのでしょうか」
と尋ねた。
「えー、何処でしょう、誰もいないじゃないですか」と仰った。

家に帰って調べてみると「行幸通り地下通路」へ入り、「地下スク
エアーギャラリー」で「東京国立近代美術館フィルムセンター所
蔵映画ポスター名品選」を眺めたらしいことが分かった。
行幸通りの賑わいは「皇居乾通りの秋」を楽しんだ人々のようだ
った。

東京は色々な意味で不思議で夢多き都だ。

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