上越文化会館で辻井伸行さんのピアノを聴けた幸運。

2017年3月23日(木曜日)

寒かった日、夜は雪がふってもおかしくないほど
冷えた。

そんな夕刻から普段名を聞くばかりだった辻井伸
行さんのピアノコンサートに行った。
12月14日からはじまった全国20カ所を回る日本ツ
アーの18番目が本日の上越文化会館。

売り切れ必至という幸運なチケットは昨年クリスマス
に知人からもたらされていた。

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駐車の車が上越文化会館を何重にも取り囲み、
満席などまず珍しいホールは立錐の余地もなほ
どの入りだった。

演奏の前半は辻井氏初のバッハとなる「イタリア
協奏曲」とモーツアルトの「ピアノソナタ第17番」。
後半はベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」と同
じく「情熱」、何ともスケールの大きなプログラムだ。

美しい抑制と若さ溢れるダイナミズム、ロマンティッ
クな短調と歯切れ良く弾む長調の素晴らしい抑揚。
TVで見慣れた通り、曲が終わるたびさっと立ち上
がって礼をされる辻井氏。
ブラボーが叫ばれ、一曲ごとに嵐のような拍手が
会場を包んだ。

弾き終えて鳴り止まぬ拍手に、3曲ものアンコール。
「別れの曲」が始まると目頭を押さえる女性が見られ、
穏やかなオリジナル「風の家」のプレゼントがあり、
フィナーレで「ラ・カンパネラ」が始まるや会場に一
瞬歓喜のどよめきが起こった。
アンコールの途中で、マイクを通して上越で演奏が
出来て嬉しいと述べられた。

辻井さんを聴くことは奇跡に出会うことでもある。
生きていれば上越でもこんな幸運に巡り会える。
これからもできるだけ体を大切にして暮らしたいと、
しみじみ思った。
10月には新潟市でロンドン・フィルとチャイコフスキ
ーのコンチェルト1番を演奏される。熱狂が目に浮
かび、願わくば聴いてみたい。

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